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横浜赤レンガ倉庫、大規模改修で2022年5月9日から長期閉館-12月ごろまで

神奈川県横浜市中区新港のヨコハマエアキャビン(ロープウェイ)運河パーク駅近く・横浜みなとみらい21地区にある歴史的建造物・観光施設「横浜赤レンガ倉庫」が大規模改修を行うため、2022年5月9日に12月ごろまで長期閉館する。

横浜赤レンガ倉庫1号館。

建造から110年、商業施設化20年目の赤レンガ倉庫

横浜赤レンガ倉庫は1911年に現在の2号館が、1913年に現在の1号館が竣工。国際港であった横浜税関の保税倉庫として使われた。関東大震災により1号館は半壊・縮小したものの、いまも外観デザインは建設当時からほぼ変わっていない。
第二次世界大戦後はGHQによる接収を経験したが、その後は再び税関倉庫として使用。しかし、船舶貨物のコンテナ化により取り扱い高が減少。解体が検討されたが、横浜市の「みなとみらい21」事業に合わせて、歴史と景観を生かしたまちづくりに用いられることになった。
それにより1993年から9年間に及ぶ改修工事を行い、文化・商業施設として2002年に再開館した。

横浜赤レンガ倉庫2号館。

2022年現在、1号館1階と2号館に飲食店や雑貨店などのテナントが約60店舗ほど入居するほか、1号館の2階・3階には展示や公演が可能なホール・スペースを設置。また、2館を挟んだ赤レンガ広場は様々なイベントや音楽ライブなどに活用されている。

商業施設となってから初めての大規模改修

赤レンガ倉庫の休館は建造から約110年経過した施設を維持するため。商業施設となってからの長期閉館は今回が初めてとなる。
すでに赤レンガ倉庫の各所では2021年度から大規模な改修が始まっている。2021年7月から2022年3月までは外装工事により、れんがの貼り替え等が行われた。
そして2022年5月9日から内装の工事に入るため、工事が終了する同年12月ごろまで閉館する。なお、5月末ごろまでは1号館の3階ホール・2階スペースのみ引き続き営業し、6月ごろから休業に入る予定となっている。

屋外広場などではイベントを継続

赤レンガ倉庫では、館内のほか、隣接する「イベント広場」と「赤レンガパーク」において季節の恒例イベントが行われている。このうち屋外で開催されるイベントについては通常通り開催される。

赤レンガ倉庫に隣接するイベント広場。
休館日前日の5月8日までヨコハマフリューリングフェストが開催されている。

<閉館期間中に開催が発表されているイベント>
  • ヨコハマサイクルスタイル2022(5月14日~15日)
  • GREENROOM FESTIVAL ’22(5月28日~29日)
  • YOKOHAMA URBAN SPORTS FESTIVAL 2022(6月4日~5日)
  • CURRY&MUSIC JAPAN  2022(7月16日~18日)
  • ALOHA YOKOHAMA 2022(6月10日~12日)
  • RED BRICK RESORT(7月下旬~8月下旬)
  • Local Green Festival ’22(9月3日~4日)
  • 横浜オクトーバーフェスト(9月下旬~10月下旬)
  • Christmas Market in 横浜赤レンガ倉庫(11月下旬~12月25日)
  • アートリンク in 横浜赤レンガ倉庫(12月上旬~2023年2月中旬)

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マルサン書店仲見世店、2022年5月31日閉店-十字屋沼津店跡の大型書店、再開発めざす

静岡県沼津市のJR沼津駅前・仲見世商店街にある大型書店「マルサン書店仲見世店」が、2022年5月31日に閉店する。

マルサン書店仲見世店。

沼津仲見世のマルサン書店、十字屋デパートだった

マルサン書店は1902年に沼津で創業した「古沢書店」を起源に持つ。マルサンはこの古沢書店をはじめとした3社の合併後に改名されたもので、マルサン書店仲見世店は同社における本店格の店舗だった。
マルサン書店仲見世店が出店する「有明軒ビル」は1963年に大手百貨店「十字屋沼津店」(1956年開店)の新店舗を核として開店。十字屋はダイエー傘下となったのち1994年に閉店。その後、近隣にあったマルサン書店が1998年に移転入居した。
建物は地上5階・地下1階、書店の売場は3階以下で、店舗面積は1,802㎡。テナントとして「メガネサロン市川」(4月に店舗統合により閉店)が出店していた。

店内のようす。

また、近年は沼津市出身の人気スクールアイドル「Aqours」のメンバー・国木田花丸さん行きつけの書店としても知られ、セガコラボカフェをはじめとしたAqoursとの様々なコラボレーションイベントが開催されるなど、多くのファンが訪れる聖地となっていた。
一方で築50年を超え、建物やエスカレータ・エレベータの老朽化が著しく、ここ数年はエスカレータの停止や売場の縮小が続いていた。

様々なコラボレーションが行われていたマルサン書店仲見世店。
Aqoursメンバーにして大天使・津島善子ヨハネが天使大辞典を購入した場所としても知られる。

再開発計画を発表、具体的な内容は未定

閉店は店頭で発表されたもの。マルサン書店の発表によると、建物の老朽化のため再開発をおこなう計画だという。
再開発の内容や再出店予定などについては5月時点で発表されていないが、沼津駅前の一等地だけに、人々を「未来ずらぁ~!」と唸らせるような内容が期待される。

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キラキラドンキダイバーシティ東京プラザ店、2022年5月3日開店-台場エリア初出店、中韓商品中心で「映え」特化型に

東京都江東区の東京テレポート駅近くにある三井不動産系複合ショッピングセンター「ダイバーシティ東京プラザ」に、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH、ドンキ)が運営する新業態ディスカウントストア「キラキラドンキ ダイバーシティ東京プラザ店」が2022年5月3日午前10時に開店する。

ダイバーシティ東京プラザ。

台場初ドンキ、Z世代向け「SNS映え店舗」に

キラキラドンキは10~20代の「Z世代」従業員の意見を取り入れ、SNSで話題のアイテムや最新のトレンドアイテムを取り揃えた新業態。ドンキは台場エリア初出店で、特化型業態店舗は、お菓子、お酒、コスメ、驚辛につづき5種類目としている。(このほかにエキドンキ、ソラドンキなどがある)

キラキラドンキ ダイバーシティ東京プラザ店。

店内では、韓国・中国系の商品を中心に、アジアンコスメやSNS映えする食品を販売。また、SNS映えするワッフルや韓国酢・美酢を使ったオリジナルドリンクなどといった色彩豊かなモバイルフーズの展開もおこなうとしている。

SNS映えするカラフルな食品を展開。


韓国酢・美酢を使ったカラフルなドリンク。

キラキラドンキ ダイバーシティ東京 プラザ店

住所:東京都江東区青海1-1-10
営業時間:午前10時~午後9時
5月9日から6月30日までの平日は午前11時~午後8時に時短予定

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ユーユー梅屋本館、2022年9月閉店-相鉄ローゼンなど出店する元百貨店、平塚駅前館は営業継続

神奈川県平塚市のJR平塚駅前・紅谷パールロード商店街にある元百貨店のショッピングセンター「ユーユー梅屋本館」が2022年9月下旬に閉店する。

ユーユー梅屋本館。

平塚最後の百貨店→駅前ショッピングセンターだった

梅屋は1907年に創業、戦後に百貨店化した。現在の本館は1963年10月に開業。その後、専門店街のユーユー館を増築したため、百貨店の本館(中沢ビル)、専門店街のユーユー館、事務棟の別館の3館で構成されていたが、競合店増加などの影響もあったと思われ2011年8月31日に本館の梅屋百貨店直営床を閉店。本館は「ユーユー梅屋本館」、ユーユー館は「ユーユー梅屋駅前館」と改称した。

手前は営業を継続する駅前館、広告塔屋があるのが本館。

梅屋によると、ユーユー梅屋本館の閉館は老朽化により安全で快適な環境を保つことが難しくなったため。

閉館する本館には相鉄ローゼンパシオスハニーズなどが出店している。それらの店舗の移転先などは5月時点では発表されていない。

梅屋駅前館は営業継続

梅屋は、ダイソーなどが出店する駅前館については今後も営業を続けるとしている。駅前館は2013年までユニクロが出店していた4階が催事スペースとなっているなど複数の空き床があるため、駅前館に移転する店舗もあろう。

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TERRASTA(テラスタ)、2022年4月29日開業-都城大丸跡の再開発完成、小田急系シティホテルやスーパーなど出店

宮崎県都城市の西都城駅近くにある都城大丸本館跡地・都城郵便局旧本館などの跡地に、センター・シティ(本社:都城市)による複合商業施設「TERRASTA(テラスタ)」が2022年4月29日に開業した。都城大丸跡の再開発はこれで全て完成することになった。

テラスタ。


再開発前。

地場老舗百貨店跡で進められた再開発プロジェクト

TERRASTA(テラスタ)の場所にあった百貨店「都城大丸」は1929年5月に「大浦呉服店」として創業、1948年10月に法人化、1956年10月の百貨店化を機に屋号を「大丸」に変更した。
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営業当時の都城大丸本館。大手百貨店の大丸とは無関係だった。

都城大丸は近接する都城寿屋百貨店(現:都城IT産業ビル)やナカムラデパート(現:メインホテルナカムラ)とともに南九州有数の繁華街における中核店舗として大隅半島までに亘る高い集客力を誇ったが、商店街では1995年のナカムラデパート業態転換(宿泊施設化)と2002年の寿屋小売業廃業、郊外では2003年にイオン都城ショッピングセンター(都城市早鈴町)が開業したことにより業績が低迷した。
P1160465-1新館・センターモール。

都城大丸は2004年3月に増床、本館隣接地に「都城大丸新館センターモール」を開業させるなどテコ入れを図ったが、2010年9月には業績不振で売場を本館に集約。新館の売却を目指したものの実現せず、わずか3ヶ月後となる2011年1月の初売り中に民事再生法適用申請を行い廃業した。その後も床が傾くなど極めて老朽化した本館に難色を示すなどして支援企業は現れず、2012年2月に破産手続開始となった。
大丸の閉店後、周辺商店街の店舗は多くが閉店。都城中央通りはシャッター通りと化した。

大丸向かいの寿屋跡。周囲はほぼ空き店舗となった。

都城大丸跡地では2013年3月に都城商工会議所支援による受け皿会社「ハートシティ都城」が土地建物を取得、2015年3月に都城市が土地建物を取得するかたちで「中心市街地中核施設」の整備が決定。2018年4月には大丸センターモール跡に事業共同体「MALコンソーシアム」(マナビノタネ・コクヨマーケティング・ヴィアックス)による「都城市立図書館」(新館を居抜き)が、大丸本館跡の一部に複合施設「Mallmall」(新築)が先行開業していた。

Mallmall。

Mallmall建設とセンターモール跡再整備に合わせて、大丸本館跡にはホテルと狭小生鮮店(ミニスーパー)を建設する計画がすすめられた。
しかし、ホテルについては近隣にある地場ホテルが建設を反対したほか、生鮮品店は面積を拡大しないと採算が取れない可能性があることを大阪に本部を置く民間のまちづくりニュースサイトが指摘。さらに計画見直し後、出店検討・出店打診していた地場ホテルM社や地場スーパーH社が相次いで出店を取りやめるなど、計画が二転三転したため、着工が何度も延期されていた。

食品スーパーとシティホテル核とする複合施設に

テラスタは都城大丸本館北側と隣接する都城郵便局旧本館、個人商店などの跡地に建設されたもので、建物は地上7階建、敷地面積は3,012㎡、建築面積は約2,134㎡、延床面積は約8,539㎡。同施設は地元企業出資の「センター・シティ」が事業主体として所有、小田急グループのUDSが企画・設計デザイン監修など行う。
施設名は「Terrace(テラス)」と「Stage(ステージ)」を掛け合わせた造語によるもの。コンセプトに「地域循環型のまちづくり複合施設」を掲げ、テナントとして1~2階には食品スーパー「TERRASTA MARKET(テラスタマーケット)」や堀口製茶和香園の「大隅茶全」、喫茶店「aitena」といった物販店や飲食店が順次開店するほか、「都城商工会議所」が市役所(都城市姫城町)そばから移転。3階~7階にはシティホテル「HOTEL TERRASTA(ホテルテラスタ)」が入居する。

テラスタ館内・フロアガイド。

3階~7階のホテルテラスタの客室は10タイプ93室で、UDSが受託するかたちで運営する。ホテルテラスタは「都城の魅力を発信していくホテル」として、ウエディング対応テラス付ダイニング「TERRASTA DINING」と鉄板焼レストラン「都雅」を備える。

ホテルテラスタ内・スイートルーム。

1階のテラスタマーケットの売場面積は約700㎡。フードウェイHD(福岡市早良区)の精肉子会社「エムツー」(都城市宮丸町)支援のもと、センター・シティが直営方式で運営する。
エムツーは市内の本社隣接地で生鮮食品スーパー「産直びっくり市場」を2022年2月まで営業しており、市中心部への事実上の移転となった。同店では青果部門に「スマイル青果」、鮮魚部門に「宮崎南イワキ」、精肉・惣菜部門にエムツー運営の「にくほんぽ」を導入。グロサリー部門では支援企業のフードウェイHD同様に成城石井PB商品など“こだわりの逸品”を取扱い、小規模な店舗ながらデイリーユースからワンランク上まで幅広い需要に対応する。また、同店独自の会員サービスとして「TERRASTAポイントカード」を提供する。

開業当日には入場制限も

テラスタ開業当日の4月29日午前9時30分からは「まちなか広場」でオープニングセレモニーが開催された。
セレモニーのなかで、センター・シティ社長兼都城商工会議所会頭の安田耕一は「お待たせしたが、すばらしいものができた」、都城市の池田宜永市長は「まるまるとテラスタの相乗効果で、中心市街地が活性化すると確信している」と述べた。

県知事、市長らも参加した開業記念式典。奥はMallmall。

商議所会頭・市長のほか、宮崎県知事、市議会議長らも参加してテープカットが執り行われると、多くの客が館内へと入店した。生憎の雨模様となったものの開業直後は多くの人が押し寄せ、入館整理券を求める行列ができた。

入館待ちの行列。右側がテラスタ。

テラスタの開業を記念して5月中旬まで市中心部の各施設では体験イベントや展示イベントが開催されており、都城市中心部は賑わいのなかで新たな幕開けを迎えることとなった。

様々な施設が一か所に集まることとなった。

(一部の写真・取材:全国スーパーめぐりさん地理人研究所さん/ホテル内写真はニュースリリースより)

TERRASTA(テラスタ)

住所:宮崎県都城市中町17街区2号
営業時間:午前9時~午後9時(TERRASTA MARKET)

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エディオンとニトリ、2022年5月より資本業務提携-店舗の共同開発など検討

家具大手「ニトリHD」(北海道札幌市)と家電大手「エディオン」(大阪府大阪市、本店は広島県広島市)は、2022年5月13日付で業務資本提携を行うことを2022年4月に発表した。

ニトリの旗艦店・渋谷公園通り店。

エディオンの筆頭株主、リクシルからニトリへ

ニトリは、2022年5月13日に住宅設備大手「LIXIL」が保有するエディオン株約8.6%を取得する。エディオンは2013年からLIXILと資本業務提携を結んでおり、9年間に亘って筆頭株主となっていた。株式取得額は約102億円。
ニトリは市場などでもエディオン株を取得し、合計で約10%を保有する計画としている。

エディオン本店(広島市)

ニトリは北海道を中心とした東日本を、エディオンは東海地方(旧エイデン)、北陸地方(100満ボルト)、関西地方(旧ミドリ)、中国四国九州沖縄(旧ダイイチ→デオデオ)を地盤としているため、商圏が被らない店舗も多い。
また、両店ともに郊外型店舗が多いものの、近年は百貨店内出店や都市型店舗の開発に力を入れているという共通点もある。

ニトリ本社(札幌市)。

今後は両社による店舗の共同開発などの協議を行うとしており、近い将来、両社の店舗でそれぞれの商品の販売を行うことや、複合店舗の出店が行われる可能性もあろう。

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ライフ堀川北山店、2022年4月27日開店-京都市北区初出店、カウボーイ家族上賀茂店跡地に

京都府京都市北区の京都市営地下鉄烏丸線北大路駅西側に、ライフコーポレーションの食品スーパー「ライフ堀川北山店」が2022年4月27日に開店した。

京都ならではの「おいしさ」強化

ライフ堀川北山店は、2020年8月に閉店したロイヤルホストのハンバーグ・ステーキレストラン「カウボーイ家族上賀茂店」跡地に出店するもので、建物は地上3階建で営業フロアは1~2階、売場面積は992㎡。駐車場は併設しない。京都府内への出店は2021年9月の四条烏丸店以来となる。
ライフ堀川北山店。

堀川北山店は京都市北区初の店舗として「毎日のお買い物に幸せが見つかるお店」を掲げ、農産部門では根付きポットによる水耕栽培レタス「うちのレタス畑」、水産部門では対面調理場を設け京都中央卸売市場・舞鶴近郊漁港から届く生魚や魚惣菜(西京漬・焼魚など)、畜産部門ではローストビーフやミールキットを展開。シニア層が多い住宅街という立地特性を活かし、京野菜や漬物、京都地区店舗で人気の商品、時短・簡便商品、こだわり商品など「京都自慢のおいしさ」を取揃えるとしている。
ライフ堀川北山店フロアマップ。

ライフ堀川北山店

住所:京都府京都市北区紫竹東桃ノ本町32-1
営業時間:午前9時~午後9時

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カメイドクロック、2022年4月28日開業-サンストリート亀戸跡、1階に飲食街「カメクロ横丁」

東京都江東区の亀戸駅前にあったショッピングセンター「サンストリート亀戸」跡に、野村不動産グループの大型ショッピングセンター「カメイドクロック」が2022年4月28日に開業する。

カメイドクロック。

セイコー工場→サンストリート跡

カメイドクロックの前身「サンストリート亀戸」は1997年11月にセイコー社(精工舎)の時計工場跡に開業。都電の軌道跡を活用した亀戸緑道公園にも面していた。
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サンストリート亀戸。

運営はセイコーエプソンの子会社だった(のちに系列離脱)「タイムクリエイト」で、売場面積は約15,000㎡。店舗はオープンモールで、マックスバリュ(屋号:つるかめランド、イオンが買収)、ヤマダ電機、ABC-MART、トイザらス、蔦屋書店、ダイソーなどが入居していた。また、PafumeやNegiccoをはじめ、様々なアイドルがイベントを行っていたことでも知られていた。
しかし、再開発のため2016年3月31日に閉館。何度か再計画の見直しが行われ、6年に亘って工事が続けられていた。

野村不動産グループのフラッグシップに

カメイドクロックのコンセプトは「LIVE UP!&LOVE LOCAL」で、延床面積は約5万8000㎡、売場は地階-4階、店舗数は136店舗。野村不動産グループが運営をおこなう。「クロック」は精工舎の工場跡に由来しており「カメクロちゃん」をシンボルキャラクターとする。
このほか、隣接して野村不動産グループのタワーマンション「プラウドタワー亀戸クロス」が建設されている。

カメクロちゃん。

食品館「カメクロマルシェ」には核店舗としてスーパーマーケット「ライフ」が出店。そのほか、大手系の大型テナントとしては「ユニクロ」「GU」「Seria」「カルディコーヒーファーム」「ココカラファイン」「コジマ×ビックカメラ」「ニトリデコホーム」「サンリオ」などが出店する。そのうち「ABC-MART」「TSUTAYA BOOKSTORE」などはサンストリートからの再出店となるほか、1階にはサンストリートのイベントステージを引き継ぐ「カメクロステージ」も設けられる。

カメイドクロック・フロア概要。

また、地元の名店として亀戸発祥のくず餅店「船橋屋」、扇橋の老舗焼肉店が運営する「肉の田じま」も出店する。

江戸時代創業の地元和菓子店「船橋屋」が出店。

飲食街は1階と4階に設けられる。なかでもカメイドクロックの特徴となるのが、1階のエントランス近くに設けられた飲食街「カメクロ横丁」。
カメクロ横丁は亀戸駅前に相応しい下町の駅前の街並みからの連続性を産むべく設けられたもので、ここには地元グルメであるホルモン焼き店など7店舗が出店する。

1階飲食街「カメクロ横丁」。


4階飲食街「アソビバ!フードパーク!」

野村不動産グループは、カメイドクロックをショッピングセンター事業における旗艦店と位置付けており、開業初年度は年商200億円を目標とする。

カメイドクロック

住所:東京都江東区亀戸6-31-6
営業時間:9:30~24:00(ライフ)

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三越伊勢丹HD、エムアイフードスタイル再取得を2022年4月発表-クイーンズ伊勢丹・二幸など運営、4年ぶり完全子会社化

大手百貨店「三越伊勢丹ホールディングス」は、三菱系投資ファンドから食品卸売小売会社「エムアイフードスタイル」株の66.6%を取得し、同社を完全子会社化する方針を2022年4月26日に発表した。

首都圏を代表する百貨店系高級食品スーパー

エムアイフードスタイルの前身となる三越系の高級食品卸「二幸」は1927年7月に創業、伊勢丹系の高級食品スーパー「伊勢丹ストアー(多摩平会館/後のクイーンズ伊勢丹)」は1960年11月に創業。両社は2008年4月の三越伊勢丹HD設立にあわせて、2011年4月に三越伊勢丹HD傘下の食品中核会社「三越伊勢丹フードサービス」として経営統合した。
三越伊勢丹フードサービスは長らく、首都圏を代表する百貨店系高級スーパーの一角を占めており、近年は駅ビル向け小型店舗「クイーンズアイ」など新業態の開発にも取り組んでいたが、同業他社との競争激化や店舗網・ギフト需要の縮小が重なり、2016年度の売上高は497億円と業績低迷傾向にあった。

クイーンズ伊勢丹大宮店。(現在は閉店)

そのため、2017年10月に三菱系投資ファンド「丸の内キャピタル」(三菱商事・三菱UFJ銀行出資)設立の現法人への事業譲渡と将来的な株式再取得方針(5年後目処)を発表。2018年からは丸の内キャピタル系ファンドが株式の66%、三越伊勢丹が株式の34%を出資する現体制となり、成城石井の再建を手掛けた丸の内キャピタル主導のもと、店舗運営の効率化やリモデル、商品開発強化を打ち出した。

再取得する新たな提携先の選定も視野に

エムアイフードスタイルの2021年3月期の売上高は428億円。
2022年4月現在は主力業態の高級食品スーパー「クイーンズ伊勢丹」18店舗に加え、グローサラント型食品スーパー「FOOD&TIME ISETAN」品川店1店舗、惣菜専門店「harvest deli」1店舗、百貨店内生鮮・グロサリーショップ「精肉の二幸」「鮭と魚卵の二幸」「魚勢」など5店舗13ショップを展開する。また、同業高級食品スーパー(北野エースなど)のPB商品受託開発や自社開発商品(新宿二幸ブランドなど)の外販など行っている。

クイーンズ伊勢丹横浜店。
横浜のFOOD&TIME ISETANは2021年に三越伊勢丹直営となった。

三越伊勢丹HDによるエムアイフードスタイルの再取得は「事業再生計画に一定の目処が立った」「(同社グループ中期経営計画“高感度上質”戦略に基づく)高感度上質“拠点ネットワーク”に寄与する」ためとしているが、同社はこれにあわせて「更なる発展・飛躍を目的に、最適な事業パートナーの選定などあらゆる選択肢についての検討を開始」する方針を示している。エムアイフードスタイルの売上高は旧体制から引続き減少傾向にあり、業績改善に向けた新たな提携先との資本業務提携も考えられるだろう。

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ドン・キホーテアピタ木曽川店、2022年4月29日開店-アピタパワー木曽川店内、全国初「ド家電」コーナー開設

愛知県一宮市木曽川町の県道175号線沿いにあるAPITAパワー木曽川店にパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)の総合ディスカウントストア「ドン・キホーテアピタ木曽川店」が2022年4月29日午前9時に開店する。

APITAパワー木曽川店。

アピタ木曽川店内にドンキ出店

APITAパワー木曽川店の前身となるアピタ木曽川店は東海染工木曽川事業所の跡地に1999年6月25日に開店。アピタが運営する大型商業施設「テラスウォーク(アピタ一宮店)」など周辺には自社系を含めた複数の競合店があるため、2022年3月にAPITAパワー木曽川店としてリニューアルし、生鮮食品や日用品に特化した小商圏型ラインナップへと変更していた。建物は地上4階建、営業部分は1、2階。売場面積は20,726㎡。

「コスメドンキ」4号店と全国初「ド家電コーナー」導入

ドンキが出店するのはアピタ木曽川店の2階部分、売場面積は2,693㎡。Z世代をターゲットに、SNSの話題・流行を売り場で表現する「SNS融合」、昭和・平成カルチャーを品揃えや店内装飾に取り入れた「ニューレトロ」をテーマにした売り場を展開する。

コスメドンキ・ロゴ。

その売り場づくりの一環として、全国で4店舗目となるコスメドンキを出店。売場のほぼ半分となる約1,000㎡で展開、サンプルや体験スペースと共に、TikTok風の動画で商品を紹介するなど、SNSと融合した新たな世界観の店舗を作るとしている。

ド家電・ロゴ。

また、アピタ1階に出店している小型家電に特化した「KURADEN(クラデン)」との差別化を図り、「情熱価格」家電約 120 アイテム を集約した、全国初の「ド家電」コーナーを展開。ここでは話題のチュー ナーレステレビや、人気のドラム式洗濯機・冷凍冷蔵庫など大型家電も取り扱うとしており、「コスメドンキ」も含めて近隣店舗と異なった業態の売場を導入することで集客をめざすかたちとなった。

ドン・キホーテアピタ木曽川店

営業時間: 午前 9 時~午後 10 時
住所: 愛知県一宮市木曽川町黒田八ノ通 51 番地の 4
APITA パワー木曽川店 2 階

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