GU、韓国から2020年8月に完全撤退-ロッテと合弁、ユニクロも9店閉店

大手アパレルグループ「ファーストリテイリング」(山口市)傘下のファストファッションブランド「GU(ジーユー)」(山口市)は、2020年7月をもって韓国市場向けオンラインショップをサービス終了、8月に韓国国内全店舗を閉店した。

ロッテと提携し韓国事業拡大進めたファストリ

ファーストリテイリングは、2004年12月に韓国大手財閥「ロッテグループ」の小売事業中核会社「ロッテショッピング」(ソウル市中区)との合弁事業として現地法人「FRL Korea(エフアールエル・コリア)」(ソウル市松坡区)を設立。(出資比率はファストリ51%:ロッテ49%)
韓国現地法人は、2005年9月にユニクロ韓国1号店を「ロッテ百貨店永登浦店」「ロッテ百貨店仁川店」「ロッテマートワールド店」に3店舗同時出店。2018年9月にGU韓国1号店を「ロッテワールドモール」に出店するなど、ロッテ系商業施設を中心に多店舗化を推し進めたため、2020年4月30日時点での総店舗数は日本・中国大陸に次ぐ182店舗となっている(ユニクロ179店舗、GU3店舗)。

不振続いた韓国GU、わずか2年ほどで撤退

FRL Koreaは、2019年8月にGU韓国2号店をロッテグループの新店舗「ロッテモール水枝」(京畿道龍仁市水枝区)に、同年9月にはGU韓国3号店を京紡グループ(京城紡績)の超大型ショッピングモール「京紡タイムズスクエア」(ソウル市永登浦区)に出店するなど、ユニクロ同様の多店舗展開を目指したが、韓国では日本よりもネット通販での衣料品購入が多いといい「Eコマースを含めたビジネスネットワークの再構築の必要性や、新型コロナウイルス感染拡大の影響など先行きの不透明感」を理由に、韓国でのGU事業終了を決定したとしている。

GU 永登浦タイムズスクエア店

ユニクロも相次ぎ閉店-日本製品不買運動の影響も

ファストリ柳井正会長は、以前より韓国市場を「重要な市場」と評し、ユニクログローバル旗艦店の早期出店など重点投資を進めていた。しかし、2019年夏より韓国国内で日本製品不買運動が激化しており、2020年現在も日本商品の排斥運動は続いているため、同時期に店舗網の強化を打ち出したGUの売上に少なからず影響を与えたとみられる。
不買運動の影響はユニクロにも及んでおり、ユニクロは2020年8月中に韓国内の9店を閉店。閉鎖店のなかには旗艦店であるソウル市の江南店も含まれる。
FRL Koreaは、GUの韓国市場撤退後もユニクロの韓国市場向けオンラインショップを通じて一部商品の販売を継続するとしているが、2020年6月現在詳細は発表されていない。
ユニクロの店舗は2020年8月末には全韓で165店舗となる。

2020年8月まで閉店した韓国GUの店舗
  • GUロッテワールドモール店
  • GUロッテモール水枝店
  • GU永登浦タイムズスクエア店

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