韓国の大手百貨店「ロッテ百貨店」の閉店が相次いでおり、2019年中に6店(うち1店は小型店)が閉店することとなった。
韓国最大手・ロッテ百貨店
ロッテ百貨店は1979年にソウル市で設立。ロッテHD副会長の重光昭夫氏が会長を勤める。会長が日本育ちということもあってか、日本に対しては批判的な立場を採ることが比較的多いことでも知られる。
大型店には噴水とロッテ免税店が設けられていることが特徴で、2019年はじめには韓国全土で36店舗、中国に4店舗(大型店の総数)を構えていた。
ロッテ百貨店名物の噴水。
閉店したのは多くが「地方店舗」-競争激化が影響か
閉店となったのは、仁川店(仁川市、2月閉店)、ヤングプラザ大邱店(大邱市、2月閉店、「大邱店」は存続)、安養店(安養市、3月閉店)、天津店(中国・天津市、3月閉店)、富平店(仁川市、6月閉店)の大型店5店舗と、中型店であるエルキューブ梨大店(ソウル市麻浦区、5月閉店)。
なお、仁川店の閉店は、閉店した新世界百貨店跡にロッテ系列の新店舗が出店したことによる店舗統合の意味が大きいと思われる。
閉店となったロッテ百貨店ヤングプラザ大邱(大邱市中区)。
シネコンを備える。建物は売却予定。撮影:地理人研究所
今回閉店した韓国内の店舗の多くは地方に立地している。
韓国は比較的元気な百貨店が多いといえるが、日本以上に大都市への一極集中が激しく、また地方においても百貨店同士の競争が熾烈である。
今年になって閉店した店舗のほとんどには近隣に別の新たな百貨店やショッピングセンターが進出していた。