カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

マックスバリュリナシティかのや店、2024年10月31日閉店-桜デパート跡地、鹿屋市中心部から食品スーパー消滅

鹿児島県鹿屋市のイオングループ系大型食品スーパー「マックスバリュリナシティかのや店」が2024年10月31日をもって閉店する。

桜デパート時代から地域に親しまれた複合交流施設

リナシティかのや(正式名称:鹿屋市市民交流センター)は2007年2月28日に開業。建物は地上4階建で敷地面積は11,534㎡、建築面積は7,027㎡、延床面積は15,953㎡。
鹿屋市唯一の百貨店「桜デパート」(ラララグループ寿屋系/日本百貨店協会加盟/1994年8月閉店)跡地周辺一帯を建替再開発する「北田大手町地区第一種市街地再開発事業」の一環として整備したもので、同施設によると施設名は「Renewal Active City」の略称が由来となっている。公共施設「鹿屋市市民交流センター」は鹿屋市が所有、まちづくり鹿屋が指定管理者として運営を担う。また、商業施設は管理組合が大部分を区分所有、鹿屋商工会議所がテナントリーシングを担う。

リナシティ(鹿屋市サイトより)。

運営会社の新店出店で

マックスバリュリナシティかのや店は2007年2月に開店。
運営会社のマックスバリュ九州(現イオン九州)は、2002年3月に旧ラララグループ寿屋系各社の食品スーパー事業を引継ぎ設立したもので、旧桜デパート系店舗(くらし館の鹿屋市内店舗)の運営実績もあるなど、深い結び付きを背景に出店に至った経緯があった。
同店は鹿屋市大手町唯一の大型店、再開発施設の核店舗、24時間営業の食品スーパーとして、桜デパート時代から引続き、地域に不可欠な存在となったが、2024年秋に運営会社のイオン九州が旧プラッセだいわ21跡に新店舗「(仮称)イオン鹿屋店」を出店する方針が決まったため、リナシティかのや店は16年の歴史に幕をおろすこととなった。

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イオンスタイルひやごん、2024年10月19日開店-沖縄比屋根の旧ダイエーショッパーズ泡瀬跡地、イオン琉球「Newタイプ」の業態に

沖縄県沖縄市のイオン系複合商業施設「ダイエーショッパーズ泡瀬」跡地に、同社系大型食品スーパー「イオンスタイルひやごん」が2024年10月19日に開店する。

2013年に閉店した「ダイエーショッパーズ」

ショッパーズ泡瀬は、1994年11月に(当時)ダイエーグループ系ハイパーマーケット「ハイパーマート泡瀬店」として開業。建物は地上4階建で営業フロアは1~2階、店舗面積は10,254㎡。
ハイパーマート泡瀬店は、2002年8月まで直営フロア主体の店舗であったが、グループの経営悪化を背景として全館を一時閉店。2003年3月に同社系ショッピングセンター「ショッパーズ泡瀬」として新装開業することとなった。
ショッパーズ泡瀬は、核店舗に「コープおきなわ」「トイザらス」を据えることで集客向上を図ったが、2007年3月に食品核が「金秀商事(タウンプラザかねひで)」に移行するなど、入居専門店の入れ替わりが激しい状況が続いた。その後、2012年12月の金秀商事閉店が追い打ちとなり、2013年4月をもって全館閉店することとなった。
ショッパーズ泡瀬跡地は、同年中にイオングループ系不動産ディベロッパー「イオンタウン」が「ダイエー」から取得し、新施設の整備方針を示していたもの、約10年間開発凍結状態にあった。

イオン琉球初の試み打ち出す「フード&ドラッグ」に

イオンスタイルひやごんの建物は平屋建で敷地面積は5,484㎡、直営面積は1,787㎡、延床面積は2,657㎡。イオンスタイルとしては県内4店舗目、沖縄市内初となる。

イオンスタイルひやごん。

イオンスタイルひやごんでは、イオンスタイルの全社的共通コンセプト「なりたい明日のために、納得して買うことが出来る“幸せ”を提供する」を意識したうえで、テーマに「美味しい“食”と“健康”」を掲げた「Newタイプのフード&ドラッグストア」業態を構築する。
直営食品フロアでは一環として、農産部門では「生産者の顔の見える産直地場野菜コーナー」に加えて食べごろ予測サービス「coro-eye(ころあい)」を新たに導入。水産部門では漁港直送鮮魚の対面販売を実施する。また、惣菜部門では「広島焼」「だし巻き玉子」といった商品をライブ感ある売場で製造。
家族や友人と PIZZA を囲む場面の多い沖縄」という地域特性を活かし、地元沖縄市の有名自家製ソーセージ店「TESIO」コラボの「コーレーグースのチョリソーPIZZA」(イオンスタイルひやごん限定)やお手頃価格のピザ約6種類を取扱う。
このほか、「沖縄市のじものの品」と称し、老舗沖縄そば「アワセそば」や、1962年創業のジャーマンケーキ店「のぼりや」、焼ドーナツ「宮里豆腐ドーナツ店」など、沖縄市の有名店をチャンプルースタイルで展開する。

イオンスタイルひやごんのフロアマップ。

このほか、直営ドラッグストアでは、直営調剤薬局「イオン薬局」やZ世代向けコスメを拡充するなど、「地域ニーズにあった品揃えによるワンストップショッピング」実現をめざす。

イオンスタイルひやごん

住所:沖縄県沖縄市比屋根2丁目1番地3
営業時間:午前8時~午後11時
※10月19日は午前9時開店
※イオン薬局の営業時間は異なる

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ヤオコー川口SKIPシティ店、2024年10月18日開店-NHK川口ラジオ放送所跡地の商業核、渋谷区の放送センター建替計画を契機に

埼玉県川口市のSKIPシティC2街区に、首都圏地場大手食品スーパー系ショッピングセンター「ヤオコー川口SKIPシティ店」が2024年10月18日午前9時に開店した。

2003年度より段階的な整備進む川口のNHK再開発

SKIPシティは、1996年5月に埼玉県が策定した「さいたま新産業拠点整備計画(SKIPシティプロジェクト)」に基づき、2003年11月にA街区が先行開業(まちびらき)した。
SKIPシティは「Saitama Kawaguchi Intelligent Park」の略称を由来としたもので、NHK所有施設「NHK川口ラジオ放送所」跡地周辺一帯を活かした「埼玉県内中小企業の振興」「映像関連産業を核とした次世代産業の導入・集積」をコンセプトとした整備計画となっている。
SKIPシティ内では、NHKの映像資料アーカイブ施設「NHKアーカイブス」を核に、埼玉県の映像産業拠点施設「彩の国ビジュアルプラザ」や川口市の展示施設「川口市立科学館」といった公共施設の整備が順次進んでいるが、他街区の再開発は当初より凍結状態にあった。
その後、2016年8月にNHKが東京都渋谷区の「放送センター建替基本計画」を発表したため、川口市がNHKに対してB街区への恒久施設整備を要請。2019年3月に両者間で「SKIPシティにおける土地交換及び新たなNHK施設の整備に関する基本協定書」を締結し、2020年6月にB街区への「NHK川口施設(仮称)」(2026年度運用開始/地上4階建/敷地面積約22,000㎡/延床面積約30,000㎡)を核とする新施設の整備が決まった。

ヤオコー進出で日常生活にも便利な街に

ヤオコー川口SKIPシティ店は、2022年度に川口市がC街区で公募型プロポーザル「SKIPシティC2街区の賑わい創出に寄与する利活用事業」を実施、2023年5月に川口市とヤオコーが「SKIPシティC2街区利活用事業に関する基本協定」を締結、同年9月に両者間で「SKIPシティC2街区に係る事業用定期借地権設定契約(30年間)」を締結し出店に至ったもので、建物は地上2階建で敷地面積は11,105㎡、ヤオコー直営売場面積は2,352㎡、延床面積は7,079㎡。

ヤオコー川口SKIPシティ店。

ヤオコー川口SKIPシティ店では、ストアコンセプトに「『美味しさ』『安さ』『提案』で川口のお客様に地域一番の『わくわく』を伝えよう!」を掲げ、生鮮では鮮魚アドバイザーによる対面販売(週末中心)や汎用性の高いカットステーキの強化といった取組みを打ち出す。また、デリカではライブ感ある鉄板製造商品「炒めし」や店内手づくり冷惣菜「CREATIVE y’s DELI」、寿司惣菜「すし小町」を展開。グロッサリーにおいても直輸入ワインやナチュラルチーズなど提案型の売場づくりを進める。
このほか、地域社会との共創の取り組みとして、川口市を代表する産業のひとつでもある鋳物を入口サインに、埼玉県産木材をベンチに導入。災害対策用かまどベンチや防災トイレを備えるなど、SKIPシティの商業核としての連携強化を図る。

ヤオコー川口SKIPシティ店の入口サイン。

ヤオコー川口SKIPシティの街区内には、ドラッグストア「スギ薬局」や100円ショップ「ダイソー」に加え、松屋フーズの寿司業態「すし松」や「かわぐちSKIPシティ歯科・矯正歯科」といった専門店が2024年11月下旬から2025年春にかけて順次開店する予定となっている。
川口SKIPシティはA街区とD街区(B-SAT川口衛星管制センター)を除き、長年未活用街区が多数を占めていたが、NHKによる放送センター建替計画が契機となり連鎖的に開発が進展し、2026年度までに全面開業を果たすこととなる見込みだ。

ヤオコー川口SKIPシティ店

住所: 埼玉県川口市上青木4丁目13番78号 
営業時間:午前9時~午後9時45分

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ユニバース樹木店、2024年10月18日開店-さとちょう(佐藤長)跡、ハルル樹木の新たな核店舗に

青森県弘前市の地場系ショッピングセンター「ハルル樹木」に、アークス系大型食品スーパー「ユニバース樹木店」が2024年10月18日午前9時に開店した。

ユニバース樹木店

佐藤長とイオン系のサンデー核に2016年開業

ハルル樹木は2016年12月に開業。建物は平屋建で店舗面積は7,823㎡。
地場不動産会社「スコーレ」が開発・運営を手掛けるショッピングセンターとして、イオン系ホームセンター「サンデー弘前樹木店」を核に据え、2017年1月には地場大手系食品スーパー「さとちょう樹木店」、同年9月に複合書店「TSUTAYA弘前樹木店」といった専門店が順次開店した。
一方、2023年6月に食品核の運営会社である佐藤長が民事再生法手続を開始同年10月に樹木店を含む全店舗が閉店することとなった。
旧佐藤長運営店舗の大部分が、流通大手「トライアルHD」傘下の受け皿会社「青森トライアル」への承継対象となったもの、樹木店は地域有数の食品核かつ築浅店舗という比較的優良な店舗特性ながら承継対象外となり、約1年間空きテナントとなっていた。

桔梗野のUマート、ハルルの新たな食品核に

ユニバース樹木店は、さとちょう樹木店跡を居抜くかたちで開店するもので、建物は平屋建、店舗面積は1,317㎡。
マルエス主婦の店を承継した「Uマート桔梗野店」の後継店として、Uマート時代より店舗面積を約1.5倍に拡大。生鮮食品の品揃え強化に加え、時短・簡便ニーズに対応したミールキットやレンジアップ商品、冷凍食品を拡充するなど、鮮度と品質を両立した店舗をめざす。

ユニバース樹木店

住所:青森県弘前市樹木5丁目11-1
営業時間:午前9時~午後10時

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ベルクフォルテ桐生市場、2024年10月16日より順次開業-桐生地方卸売市場余剰地跡地、専門店に「スタバ」「ダイソー」「ウエルシア」も

群馬県みどり市笠懸町の桐生地方卸売市場跡地に、ベルクのショッピングセンター「フォルテ桐生市場」が2024年10月16日より順次開業する。

ベルクのショッピングセンター、桐生地方卸売市場に

フォルテ桐生市場は、桐生市が卸売市場運営会社から返却を受けた余剰地に関して、公募型プロポーザル方式を活用し有効活用を図る「桐生地方卸売市場余剰地活用事業」の一環として開業するもので、店舗面積は4,081㎡。
直営食品スーパー「ベルクフォルテ桐生市場店」を核に、イオン系ドラッグストア「ウエルシア」や大創産業の均一ショップ複合店舗「DAISO」「THREEPPY」、シアトルスタイルカフェ「スターバックスコーヒー」、フジパン系インストアベーカリー「ベーカーシェフ」といった専門店が入居する。

フォルテ桐生市場(同社公式より)。

フォルテ桐生市場

住所:群馬県みどり市笠懸町阿左美2761-1
営業時間:9時~0時

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フレスコ駒川店、2024年11月15日閉店-京阪沿線外初「フレスト」跡の「フレスコ」11年の歴史に幕

大阪府大阪市東住吉区の大阪メトロ駒川中野駅近くにある関西地場大手系食品スーパー「フレスコ駒川店」が2024年11月15日をもって閉店する。

日本唯一「フレスト跡のフレスコ」

フレスコ駒川店の建物は、2007年12月に京阪電鉄系高級食品スーパー「フレスト駒川店」として開店。同社店舗としては5店舗目で京阪沿線外初、大阪市内初となる店舗であった。
フレスト駒川店は、同年9月開店の「フレスト大和田店」同様に専門店街を備えない直営食品に特化した業態となったが、2013年6月には同業態の不振を背景に閉店することとなった。
その後、2013年7月に京都地盤の旧公設小売市場系地場大手食品スーパー「ハートフレンド」が店舗を引継ぎ現在の店舗名となった。

フレスコ駒川店(同社公式より)。

京阪沿線住民を中心に「フレスト」「フレスコ」両店舗を混同する声もたびたびみられるが、フレストを引き継いだフレスコは駒川店以外存在せず「日本唯一のフレスト跡のフレスコ」は11年の歴史に幕をおろすこととなった。

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ユニバースUマート桔梗野店、2024年10月12日閉店-マルエス主婦の店引き継いだ業態、17年の歴史に幕

青森県弘前市の弘南鉄道大鰐線弘高下駅近くにあるアークスグループ系食品スーパー「ユニバースUマート桔梗野店」が2024年10月12日をもって閉店した。

マルエス主婦の店引き継ぎ誕生した「Uマート」

ユニバースUマート桔梗野店は2008年8月に開店。
Uマートは2008年7月に経営破綻した弘前地場大手食品スーパー「マルエス主婦の店」優良2店舗(桔梗野・弘大前)を引き継いだ新業態であり、標準店舗(ユニバース)と比べ狭小な店舗を特徴としていた。

ハルル樹木への移転で業態消滅

Uマート桔梗野店は2020年6月の弘大前店閉店後、同業態唯一の店舗となったが、マルエス主婦の店時代からの老朽店舗であったため、近隣の地場不動産会社系ショッピングセンター「ハルル樹木」に移転することとなった。
Uマート桔梗野店は近隣移転にともない、標準店舗への業態転換を含む店名変更を決めており、Uマート業態は17年の歴史に幕をおろすこととなった。

ユニバースUマート桔梗野店(同社公式より)

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食品館アプロプラス古川橋店、2024年10月12日開店-トップワールド2号店跡、カノーのEDLP業態に

大阪府門真市の関西地場高級食品スーパー「トップワールド古川橋店」跡に、関西地場大手食品スーパー「カノー」のEDLP新業態「食品館アプロプラス古川橋店」が2024年10月10日にプレオープン、10月12日にグランドオープンした。

古川橋のトップワールド

トップワールドの前身となる市場型商業施設「私設市場トップセンター」は1958年に創業。1965年に「不二商事」として法人化。1979年に大阪府八尾市に食品スーパー「スーパートップ」1号店を開店した。
同社は1998年に高級食品スーパー1号店「トップワールド樟葉店」、1999年に同業態2号店「トップワールド古川橋店」を開店するなどブランドイメージを刷新。2024年10月現在は企業コンセプトに「NATURAL&DELICIOUS」「食の自然なおいしさを追求するフードマーケット」を掲げ、京阪沿線を中心に13店舗を展開している。

関西で拡大続ける食品館アプロのEDLP新業態に

食品館アプロプラス古川橋店は、2023年12月に閉店したトップワールド古川橋店跡に居抜き出店するもので、同社店舗は2022年6月に新装開店した「食品館アプロプラス門真店」に次ぎ門真市内2店舗目となる。

食品館アプロプラス古川橋店。

食品館アプロプラス古川橋店は、EDLP(エブリディ・ロー・プライス/毎日低価格)型新業態「食品館アプロプラス」として、同業態他店舗と同様に100円ショップ「Watts With(ワッツウィズ)」を併設展開。直営食品に加え、台所・掃除・洗濯用品や文房具、インテリア雑貨、モバイル関連用品を幅広く品揃えるとしている。
また、キャッシュレス決済(クレジットカード/QRコード決済)や自社カード会員向け割引企画といった利便性向上に向けた取組みを打ち出しつつ、折込チラシを段階的に縮小するなど価格競争力を強化する。

食品館アプロプラス古川橋店の青果売場。

食品館アプロプラス古川橋店

住所:大阪府門真市石原町24-12
営業時間:午前9時30分~午後8時

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イオン東北、イオンスーパーセンターと2025年3月1日経営統合-SuC業態は当面維持、シナジー創出めざす

イオングループの東北地方地域子会社「イオン東北」「イオンスーパーセンター(イオンSuC)」は、イオン東北を存続会社とする経営統合について2024年10月15日に基本合意書を締結した。
両社は同合意に基づき、2025年3月1日付で経営統合する。

イオンスーパーセンター(本社:岩手県盛岡市)。

年々大きくなりつづけるイオン東北

イオン東北(本社:秋田市)は、2020年3月の「マックスバリュ東北」(本社:秋田市)と「イオンリテール東北カンパニー」(本社:仙台市青葉区)の経営統合により発足。

イオン東北の「イオン仙台店」。
賃貸借契約満了のため、25年2月閉店の方針が決まった。

同社は当初、マックスバリュ東北がリテール東北カンパニーの“食品事業”を会社分割(吸収分割)し発足したため、総合スーパー「イオン」「イオンスタイル」店舗内の食品部門と非食品部門(衣料・住居余暇・H&BC)が別会社という非効率かつ来店客の利便性を損なう状態となっていたが、2021年9月にイオン東北がイオンリテールの東北事業本部を再度統合することで経営体制の一本化を実現。
イオン東北発足当初からのマックスバリュの「イオンスタイル」転換(八戸城下など)に加え、同年11月にはイオンタウン能代の核店舗としてイオンスタイル能代東を開店するなど、新店出店と既存店のリニューアルを継続的に打ち出している。

イオン東北の「イオンエクスプレス仙台上杉店」。
同社が社内カンパニー時代から展開する仙台市街地の小型店。

年々小さくなるイオンスーパーセンター

イオンスーパーセンター(本社:岩手県盛岡市)は2005年11月に設立。
イオンは2005年10月当時、スーパーセンターを「次代を担う主力業態のひとつ」と位置付けており、同社直営13店舗のうち半数超の7店舗が集積する東北エリアでの意思決定迅速化や地域密着化を目的として、簡易分割で「東北エリアでの経営に集中する新設会社」を立ち上げることとなった。
同社の「イオンスーパーセンター釜石店」。
イオンタウンの核を担う旗艦店クラスの店舗。

イオンスーパーセンターは、設立から2008年まで年間2~3店舗の新規出店を打ち出していたが、2009年7月以降出店ペースが鈍化。2011年5月には同社初の居抜き物件(ジョイス跡)として美郷店を開店、2012年10月には震災復興の一環として陸前高田衣料館(仮設店舗)を開店、2014年3月にはイオンタウンの核店舗として釜石店(直営売場面積7,636㎡)を開店、同年7月には買いやすい広さの陸前高田店(直営売場面積4,457㎡)、同年10月には既存店よりコンパクトな水沢桜屋敷店(直営売場面積4,642㎡)を開店、2018年9月には食品スーパー級の紫波古館店(直営売場面積1.950㎡)を開店するなど、店舗モデルの見直しを図っていた。
同社の「イオンスーパーセンター陸前高田店」。
陸前高田衣料館を発展解消するかたちで2014年6月に開店した。

イオンスーパーセンターが東北で試行錯誤を続けるなか、イオンビッグやイオン九州といったグループ会社では「イオンスーパーセンター」屋号の店舗を、総合スーパー業態「イオン」や類似のディスカウント業態「ザ・ビッグ」に転換する動きもあり、グループ全体でみればイオンスーパーセンターの減少が続いていた。

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イオン東北に経営資源集約、シナジー創出めざす

イオン東北とイオンスーパーセンターは、新型コロナウイルス感染症位置付け変更(5類移行)による消費支出増加と物価上昇による生活防衛意識の高まり、資源高騰による店舗運営費の高まりといった企業経営を取り巻く環境の変化を受け、2023年9月に経営統合に向けた協議を開始。2025年3月を目処に統合完了をめざす方針を発表していた。
両社は「店舗、商品、人材といった、これまで築き上げてきた経営資源やノウハウを融合」することで、地域PB「にぎわい東北」商品の仕入調達/開発やシステム統合、サプライチェーン再構築、資材什器備品などの共同調達、ネットビジネスの共同研究/共同開発といった「シナジーの創出」をめざすとしている。
なお、イオン東北によるイオンスーパーセンターの吸収合併後も、スーパーセンター業態は当面存続することとなる。

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イオン仙台店、2025年2月28日閉店-東日本大震災乗り越えた旧ダイエー、賃貸借契約満了で

宮城県仙台市青葉区の仙台駅近くにあるイオン系大型総合スーパー「イオン仙台店」が2025年2月28日をもって閉店する。

宮城県内初のダイエーとして誕生

イオン仙台店は1975年9月にダイエーグループの総合スーパー「ダイエー仙台店」として開店。建物は地上8階地下2階建で店舗面積は20,212㎡。
ダイエー仙台店は、同社宮城県内初の直営店、読売不動産系複合ビル「読売仙台ビル」「新伝場町中央通りビル(ジョリビル)」の核店舗として、フルラインナップの直営衣食住フロアを展開。
2003年7月には家電量販店「ベスト電器」(2010年12月撤退)を導入するなど、不採算部門の専門店化を図ることで、市内屈指の規模を誇る大型店としての集客力を維持。2004年12月のダイエーグループ産業再生機構支援決定後も「年商100億円規模」という黒字店舗であったため、東北地方他店舗と異なり存続することとなった。

さくら野の受け皿にもなった市内屈指の大型店

ダイエー仙台店は、2011年3月の東日本大震災発生時、阪神淡路大震災の経験を活かした直営食品売場の早期再開を実現するなど、宮城県民からの支持も厚い店舗・ブランドであったが、2016年3月のダイエーによるイオンリテールへの北海道・東北事業承継にともない現在の店舗名に改称となった。
イオン仙台店。

また、イオン仙台店は、2017年2月の地場老舗百貨店「エマルシェ(さくら野百貨店仙台店)」経営破綻を機に、同年6月から「ブックオフ」「ICI石井スポーツ」を導入するなど、市内屈指の大型店として「有力専門店の受け皿」としての役割を担うこととなった。
2020年3月にはイオンリテール東北カンパニー(東北6県の小売事業/ディベロッパー事業)とマックスバリュ東北(MV東北)が経営統合したことで「イオン東北」運営に移行したが、読売系との賃貸借契約満了のため半世紀の歴史に幕をおろすこととなった。同店の閉店によりイオン東北運営の旧ダイエー系店舗は消滅することとなる。

好立地活かした再開発に期待

イオン仙台店(読売仙台ビル)の建物は、東日本大震災を始めとする度重なる地震を乗り越えたもの、老朽物件であることに変わりなく、仙台駅至近距離で広瀬通と東二番丁通の結節点という好立地を活かした再開発も期待される。

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