北海道函館市のセブン&アイHD系「イトーヨーカドー函館店」跡に、一位物産の複合商業施設「グランディールイチイ」が2024年12月20日に開業する。
グランディールイチイのロゴ。
函館の有力不動産グループ「イチイ」
一位物産は1975年9月に設立。設立当初は複合商業施設「ショッピングプラザイチイ」の運営を主要事業とする会社であったが、地元函館を中心に事業領域を建設業や飲食レジャー(ゴルフ場・カラオケなど)分野に段階的に拡大した。
同社はバブル期の多角化経営が災いとなり、2003年8月に民事再生法適用を申請したもの、2008年2月に再生手続きを終結。2024年現在も地場有力不動産グループとしての地位を築いている。
イチイ主導でヨーカドー跡を全面刷新
イトーヨーカドー函館店は、1980年9月に一位物産系商業施設「イチイビル」の核店舗として開店。建物は地上2階地下1階建で店舗面積は15,658㎡。
ヨーカドー函館店は、函館市内随一のロードサイド商業集積地という立地を活かし、直営総合スーパーを中心に専門店50店舗ほどを導入するなど、隣接する長崎屋MEGAドン・キホーテ函館店とともに道南全域からの広域集客を実現。一位物産が2003年8月に民事再生法を適用した際は、同店の賃貸収入が早期再建の柱としての役割を担った。
ヨーカドー函館店は2015年11月に自治体と「協働のまちづくりに関する協定」を締結、一位物産は2021年に施設の耐震補強工事を実施するなど、函館郊外の老舗大型店として継続的な営業を期待する声もあったが、2022年7月をもって閉店。一位物産主導で商業施設としての再生をめざしていた。
グランディールイチイ。
トライアルを核とする複合商業施設に
グランディールイチイの建物は地上2階地下1階建で売場面積は約13,000㎡。
「新しい記憶を創る」「誰も取り残さない」を掲げ、地階には総合ディスカウントストア「スーパーセンタートライアルグランディールイチイ店」を核に、ドラッグストア「ココカラファイン」や道南初となるイタリアンレストラン「サイゼリヤ」を展開。
グランディールイチイのフロアイメージ。
1階にはアパレル「coca」といった道内初に加え、大創産業系生活雑貨店「StandardProducts」やインナーウェア「tutu anna GRANDE」、帽子屋「FLAVA」、バンダイナムコ系カプセルトイショッピング「gashacoco」を展開。
2階には子供・ベビー用品店「西松屋」やカフェ&パティスリー「golosa goloso」に加え、全天候型インクルーシブ屋内広場「いちいの森」や大学・地域連携ブースなどを展開するなど、生活利便性の高い専門店20店舗超を備える複合施設とする。
いちいの森。(1,500㎡)
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