阪急阪神東宝グループ系流通事業持株会社「エイチ・ツー・オーリテイリング」(H2O/本社:大阪市北区)は、中間持株会社「関西フードマーケット」(本社:兵庫県伊丹市)傘下の食品スーパー運営会社「イズミヤ・阪急オアシス」(本社:大阪市淀川区)及び「関西スーパーマーケット」(本社:兵庫県伊丹市)を2026年4月1日を目処に合併する契約を2025年9月25日の取締役会で決議した。
阪急オアシス茨木駅前店。(大阪府茨木市)
H2O系食品スーパー事業再編にあわせて中間持株会社は「十三フードマーケット」、食品スーパー事業会社は「関西フードマーケット(2代目)」に社名変更する。
2024年にH2O完全子会社となった関西フードマーケット
関西フードマーケット(初代)は1959年7月に大阪市東淀川区で「相互産業」として設立。同年11月に兵庫県伊丹市で食品スーパー1号店「関西スーパーマーケット伊丹店(現中央店)」を開店。1974年8月に「関西スーパーマーケット(初代)」に社名変更した。
同社は創業当初、食品スーパーの共同仕入機構「オール日本スーパーマーケット協会(AJS)」立ち上げに参画したこともあり、AJSの中核企業としてPB商品「くらし良好」(生活良好)を販売、自社指定牧場「720牧場グループ」ブランド牛の全国展開に大きな役割を担っていた。
関西スーパー南江口店。(大阪市東淀川区)
同社は2016年10月にH2Oリテイリングと資本業務提携を締結し、H2O子会社商品(阪急阪神百貨店中元・歳暮商品など)や阪急阪神グループ共通ポイント「Sポイント(旧STACIA)」取扱開始、レジスター共同開発に取組んでいた。
2021年12月にはH2O系食品スーパー「イズミヤ(食品販売事業)」「阪急オアシス」との経営統合を実施し、2022年2月1日には現社名への変更にあわせ持株会社化。
2023年4月に旧H2O系食品スーパー2社を「イズミヤ・阪急オアシス」として完全統合し、2024年7月にH2Oの完全子会社となるなど、小売市場縮小や競合進出といった「事業環境の変化に対する迅速な対応」「親子上場関係によるコーポレートガバナンス(利益相反)の課題から困難だった人材設備共有・物流統合」を目的とした再編を相次ぎ打ち出していた。
H2Oによる完全子会社化で連携強化
H2Oリテイリングによる食品スーパー事業会社再編は「経営の意思決定の迅速化」「分散した経営資源を集中すること」「合併による人材の有効活用」「グループ内の製造子会社との製販連携」を目的としたもので、イズミヤ・阪急オアシス(存続会社)を関西スーパーマーケット(消滅会社)に統合するかたちを採る。
なお、食品スーパー事業再編後も各社各業態「イズミヤ」「デイリーカナート」「阪急オアシス」「関西スーパー」は存続する。
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