阪急阪神東宝グループの「エイチ・ツー・オーリテイリング」(H2O/本社:大阪市北区)は、傘下の食品スーパー持株会社「関西フードマーケット」(本社:兵庫県伊丹市)を2024年7月31日に完全子会社化する方針を同年5月15日に発表した。
阪急阪神百貨店 阪急うめだ本店。(大阪市北区)
両社間が株式交換契約を2024年5月15日に締結したことにより、関西フードマーケットは同年7月29日をもって上場廃止となる。
2022年にH2O系中間持株会社となった関西スーパー
関西フードマーケットは1959年7月に大阪市東淀川区で「相互産業」として設立。同年11月に兵庫県伊丹市で食品スーパー1号店「関西スーパーマーケット伊丹店(現中央店)」を開店。1974年8月に「関西スーパーマーケット」に社名変更した。
同社は創業当初、食品スーパーの共同仕入機構「オール日本スーパーマーケット協会(AJS)」立ち上げに参画したこともあり、AJSの中核企業としてPB商品「くらし良好」(生活良好)を販売、自社指定牧場「720牧場グループ」ブランド牛の全国展開に大きな役割を担っていた。
関西スーパー。(大阪市東淀川区)
同社は2016年10月にH2Oリテイリングと資本業務提携を締結し、H2O子会社商品(阪急阪神百貨店中元・歳暮商品など)や阪急阪神グループ共通ポイント「Sポイント(旧STACIA)」の取扱いやレジスターの共同開発に取組んでいた。
2021年12月にはH2O系食品スーパー「イズミヤ(食品販売事業)」「阪急オアシス」との経営統合を実施し、2022年2月1日に「関西フードマーケット」として持株会社化。2023年4月に旧H2O系食品スーパー2社を完全統合し「イズミヤ・阪急オアシス」として完全統合するなど、経営効率化を図っていた。
阪急オアシス。(大阪市福島区)
H2Oによる完全子会社化で連携強化
H2Oリテイリングによる関西フードマーケットの完全子会社化は、小売市場縮小や競合進出といった「事業環境の変化に対する迅速な対応」を目的としたもの。
両社間での資本関係強化により、従来は親子上場関係によるコーポレートガバナンス(利益相反)の課題から困難だった人材設備共有・物流統合による効率化、購買・ITシステムの共通化によるコスト削減、H2O系食品製造子会社と共同でのPB開発を含む取引活発化、共通顧客データベース構築解析による囲い込みといった施策が可能になるとしている。
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