フォーエバー21、2025年10月までに国内全店閉店-3度目の日本撤退、米法人の再倒産で

米国発祥で日本ではアンドエスティHD(旧名・アダストリア)グループが手掛けるファストファッション「フォーエバー21」が、2025年10月13日をもって日本から再再撤退する。

フォーエバー21原宿店(2017年閉店)。

フォーエバー21、経営破綻で2019年に日本撤退していた

フォーエバー21は1984年に韓国人(米国籍)のドン・チャン(張道、チャン・ドン)により米国で創業。2000年には三愛が同社一部商品の取り扱いを開始、さらには2009年4月に米国法人の直営店として原宿店(東京都渋谷区、2017年10月閉店)を開店させ、日本に本格進出。2010年4月には銀座松坂屋(2013年閉店)に出店し、百貨店初進出を果たした。この時点では日本国内では米法人が同社傘下の「FOREVER21 JAPAN RETAIL」を設立して展開していた。

銀座店は松坂屋内にあった。

フォーエバー21は2000年代に入ると世界各地に急速に店舗網を拡大した一方で、アナスイやトロヴァータなど有名ブランドのデザインを盗用・盗作したとして数多くの訴訟を抱えることとなったほか、他のファストファッションとの競争激化による品質低下やEC(ネット通販)展開の遅れもあって業績が悪化。
2019年には米法人が連邦破産法11条の申請・経営破綻(倒産)し、日本からも2019年10月までに全店撤退していた。

フォーエバー21渋谷店。

倒産後、2020年には米国のブランド管理会社「オーセンティック・ブランズ・グループ」、日本ではプレミアムアウトレットでも知られる不動産投資信託会社「サイモン・プロパティー・グループ」、不動産投資信託会社「ブルックフィールド・プロパティー・パートナーズ」の3社が約100億円で運営権を買収していた。

アダストリア+伊藤忠で再上陸を果たしたが…

フォーエバー21は、日本再出店に際して伊藤忠商事がマスターライセンシーを取得。グローバルワークなどを展開するアパレル大手「アダストリア」(本社:東京都渋谷区、のち「アンドエスティHD」)の子会社が同社とサブライセンス契約を締結し、コミュニケーションディレクターとして歌手の青山テルマ氏を指名した。
そして、2023年2月よりアダストリアグループの公式オンラインストア「ドットエスティ」にて先行販売を開始。さらに、同年4月に開業した「三井ショッピングパーク ららぽーと門真」(大阪府門真市)3階に再出店1号店(約123坪)をオープンさせ、15店舗ほどを展開する予定だとしていた。

フォーエバー21、米国法人の再破綻により再び日本撤退

フォーエバー21の再上陸から僅か2年経った2025年3月、フォエバー21の米国法人が中国発の格安通販サイトとの競争激化やコスト増を理由として2度目の破産を申請。米国では200店舗を閉店する計画を発表した。これにより本社からの商品の供給が無くなったという。
2025年10月時点は「ららぽーとTOKYO-BAY店」のみとなっているが、同店も2025年10月13日に閉店。ECサイトなどの事業も2025年度中(2026年2月期中)に閉店するとしており、これを以てフォーエバー21は3度目の日本撤退となる。
一方で、フォーエバー21は2025年夏に中国に現地企業と提携して4度目の再出店をはたしており、今後日本でも4度目の再出店を果たすことがあるのかどうかが注目される。

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