高島屋と阪急阪神百貨店、2025年9月10日に「業務提携の深化」発表-かつて合併めざした両社、「質的」協業で日本文化発信も

大手百貨店の「高島屋」(東京都中央区)と「阪急阪神百貨店」(大阪府大阪市)は、従来からおこなっていた両社間の業務提携を深化させ、新たな取り組みを実施することを2025年9月10日に発表した。

高島屋・日本橋タカシマヤS.C.。

かつて経営統合をめざした高島屋と阪急阪神

高島屋と阪急阪神百貨店は、三越伊勢丹の大阪再出店(JR大阪三越伊勢丹、2011年開店~2015年閉店)を前に高島屋側が2008年に経営統合の検討を持ち掛けたことを発端として、2008年10月には将来的な経営統合も視野に「3年以内(2010年前後まで)に資本・業務提携を結ぶ方針」を発表。
しかし、両社は2010年3月には経営統合の中止を発表。協力関係は維持しながらも、相互に派遣していた非常勤取締役を引き上げていた。

阪神百貨店・阪神うめだ本店。

現在はギフト商品の共同開発やフードロスの削減などの協業をおこなっているほか、2025年夏は猛暑による商品MDサイクルの見直しについての協業をおこなっていた。

「質的」な協業に深化、「日本文化の発信」も

高島屋と阪急阪神百貨店は、今回新たな取り組みとして共同での催事を実施、国内外への「日本文化の発信」にも取り組む。
具体的には、高島屋日本橋店では2025年9月24日から9月30日まで、阪急うめだ本店では10月7日までのあいだ、共同催事「日本の美と技を未来につなぐ」を開催。地域文化の発展や地域活性化につなげるべく、愛知県の有松絞りなど「日本の地域」の名産品を取り上げ、国内外の顧客への発信をおこなう。
こうした催事を通して地域活性化にも繋げていきたい考えだ。

阪急百貨店・阪急うめだ本店。

高島屋と阪急阪神百貨店は、このようにしてこれまでのスケールメリットを軸とした「量的」な協業のみならず「質的」な協業へも挑戦。「産地と共創しながら百貨店としての文化的な価値創出を具現化していく」としている。

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