セブン&アイ・クリエイトリンク、2025年9月1日社名変更-親会社の外資移行で「7&i」除去、施設名「セブンパーク」は当面維持

流通大手「セブン&アイ・ホールディングス」(7&iHD/本社:東京都千代田区)の中間持株会社「ヨーク・ホールディングス」(ヨークHD/本社:同上)傘下の商業不動産ディベロッパー「セブン&アイ・クリエイトリンク」(本社:同上)は「クリエイトリンク」に2025年9月1日付で社名変更した。

ヨーカドーと三井物産の合弁で誕生した「アリオ」

セブン&アイ・クリエイトリンクは、2005年3月に大手総合スーパー「イトーヨーカ堂」(出資比率60%)と大手総合商社「三井物産」(出資比率40%)の合弁による商業不動産ディベロッパー「モール・エスシー開発」として設立。同年4月の同社1号店「アリオ蘇我」(千葉市中央区)を皮切りに、広域商圏型商業施設「アリオ」の全国展開を進めた。

セブン&アイHD系専門店(当時)が揃った「アリオ橋本」。

セブン&アイの経営方針に揺れた「クリエイトリンク」

モール・エスシー開発は、2010年12月に系列総合スーパー「イトーヨーカドー深谷店」を業態転換するかたちで同社10号店「アリオ深谷」を開業、2016年4月にはセブン&アイHDにちなんだ施設名を冠した公園一体型複合商業施設「セブンパークアリオ柏」を開業するなど多角化を図ったもの、親会社のコンビニ事業集中にともない新規開発を一時凍結。2016年11月30日にセブン&アイHDが三井物産保有株を取得するかたちで完全子会社化し、同日中に「セブン&アイ・クリエイトリンク」に社名変更した。

イトーヨーカドーを業態転換した「アリオ仙台泉」。

セブン&アイ・クリエイトリンクは、2020年3月1日にイトーヨーカ堂」が株式の過半数(出資比率51%)を取得することで同社子会社に、2025年2月28日にはセブン&アイHDの非中核事業(SST事業)を統括する中間持株会社「ヨーク・ホールディングス」完全子会社となった。

親会社外資移行にあわせ本社移転、施設名は当面そのまま

クリエイトリンクへの社名変更は、2025年2月28日付で同社がセブン&アイHDの非中核事業(SST事業)を統括する中間持株会社「ヨーク・ホールディングス(ヨークHD)」完全子会社に移行、同年9月1日付でヨークHDが米国系投資ファンド「Bain Capital Private Equity, L.P.(ベインキャピタル)」傘下に移行するなど資本関係の変更が生じたため。
クリエイトリンクは2025年11月中旬を目途に「業務拡充」を理由として本社の移転を予定しているが、詳細は社名変更時点において発表していない。なお、同社はセブン&アイHDにちなんだブランドの施設「セブンパーク」「セブンタウン」を複数展開しているが、こちらに関しても名称変更を発表しておらず当面維持となる見込みだ。
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セブン&アイにちなんだブランド冠す「セブンパークアリオ柏」
2025年9月の社名変更時点で名称変更の発表はない。

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