イオングループの中四国地域子会社「フジ」(本社:広島市南区/本店:愛媛県松山市)は、同社完全子会社の不動産賃貸業「サニーTSUBAKI」(本社:愛媛県松山市)を2025年9月1日に吸収合併する。
一斉閉店と商品券騒動でフジ傘下となったサニー椿
サニーTSUBAKIは1954年に愛媛県東宇和郡野村町(現西予市)で創業。同社は長らく「サニーマート」の屋号を掲げ営業していたが、高知地場同業を始め類似名称のスーパーが複数存在したこともあり、2014年7月に現社名に改称した。
社名改称を機に同社桑原哲也専務(当時/通称:てっちゃん)を前面に押し出す販促キャンペーンで知名度向上を図ったが、2018年6月27日に本店を除く全店が一斉閉店、同年6月28日に民事再生法適用を申請するなど経営悪化が表面化したため、プレミアム商品券(てっちゃん商品券)を持つ多くの市民が押し寄せる騒ぎとなった。
サニーTSUBAKI道後店。
その後、サニーTSUBAKIは同年7月24日にフジカンパニーズによる商品供給支援のもと桑原店・道後店を営業再開し、2019年2月にフジとスポンサー契約を締結。2020年4月11日に再生計画認可決定を確定し、同年4月17日にフジの完全子会社となった。
一方、サニーTSUBAKIはフジによる完全子会社化後も、フジカンパニーズ各社(ピュアークック・ニチエー・スーパーABC・ニチエー)と異なり、店舗譲受を含めた新規出店やWeb上での情報発信(自社サイトの再開設など)がなく、店舗利用客からも旧経営陣による不祥事や騒動を連想する声が根強かった。
こうした背景もあり、同社運営全3店舗は2022年2月をもって全店閉店、同年3月に道後店・桑原店をフジマート四国運営店舗「スーパーABC道後樋又店」「スーパーABC桑原店」に移行、同年11月に古川店をフジ・リテイリング(当時)運営店舗「フジ古川椿店」に移行したため、旧運営店舗の不動産管理を目的とした会社に転身を図ることとなった。
フジによるサニーTSUBAKIの吸収合併にともない、愛媛県内で一時代を築いた迷ブランドは名実ともに消滅することとなる。
関連記事:フジグラン大洲、2025年1月31日閉店-アクトピア大洲全館閉館、いよてつ高島屋との2核体制から約30年の歴史に幕
関連記事:フジ新居浜店、2024年12月19日開店-東予旗艦店「フジグラン新居浜」跡地、店舗面積「1/5」に縮小建替リニューアル
関連記事:フジグラン川之江、2024年4月30日閉店-四国中央市随一の大型店、賃貸借契約満了で
関連記事:フジ今治店、2023年11月25日新装開店-食品スーパーとして「1/2」に建替リニューアル
関連記事:フジ、マックスバリュ西日本と2024年3月1日経営統合-事業会社を吸収合併、フジ本社は広島市に移転
関連記事:スーパーABC平井店、2022年7月8日再開店-「旧スーパーZ」半年で建替刷新、フジカンパニーズ松山初のイオン銀行ATMも
関連記事:フジ、マックスバリュ西日本と2022年3月に経営統合-四国最大手スーパー、イオンの傘下に
関連記事:フジ、しんばし5店舗の譲受を2021年7月発表-運営の大見屋、2020年8月に倒産・閉店
関連記事:イオンタウン川之江、2021年秋リニューアル開業-イオン初「フジ」核のショッピングセンター
関連記事:フジ、サニーTSUBAKIを2020年4月17日に完全子会社化ー「エフカ」も導入
関連記事:フジ、2018年3月から店舗ロゴを変更へ-創業50周年で、新スローガンも制定