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天神コア、2020年3月31日閉館-西鉄「天神一高い」複合ビル建設へ

福岡市中央区天神の西鉄福岡駅・地下鉄天神駅前にある西鉄のショッピングセンター(ファッションビル)「天神コア」が再開発のため2020年3月31日に閉館する。

天神コア。

44年の歴史に幕-夏から「ラストバーゲン」

天神コアは1976年6月に開業。商店街「西鉄街」「銀座通り」などの再開発によって誕生したもので、建物は地上8階、地下2階建てで、40年以上に亘って西鉄系ファッションビルとして親しまれてきた。
天神コアでは、2019年夏のバーゲン(6月28日より)からは「ラストバーゲン」をを開催。ビアガーデンでは7月中旬より写真パネルを設置する。

最後の夏バーゲンは6月28日から。

閉館直前となる2020年2月からは「お客さまメッセージボード」の設置もおこなう予定だという。

福岡ビル・天神コア跡「天神一高いビル」に

天神エリアでは、福岡市が「天神ビッグバン」と称して高さ制限や容積率の規制緩和による民間再開発促進事業を推進しており、福岡地所による「天神ビジネスセンター開発プロジェクト」、三菱地所による「イムズ建替プロジェクト」、積水ハウスによる大名小学校跡地再開発(ザ・リッツ・カールトンなどが進出)の大型再開発が相次ぎ進行中しており、2019年3月には天神コアに隣接する「福岡ビル」も閉館している。

再開発が進む天神地区(西日本ビル跡)。

福岡ビル・天神コアの跡地には、西鉄によって地上19階地下4階建て、延床面積約100,000㎡、高さ約96メートルの「天神一高い」複合商業ビルが建設される。 
建物イメージ。

新ビルの開発コンセプトは「創造交差点 meets different ideas」で、外装デザインは米国の「Kohn Pedersen Fox Associates」が行う。
新ビルのうち、地下2階から4階までは商業フロアとなり、天神コアを引き継いだ施設が開業する予定。
5階から6階は天神交差点を一望する九州最大のスカイロビーとなる。7階は機械室となる。

新ビル・商業フロアスイメージ。

また、8階から17階には九州最大の基準階面積を誇る賃貸オフィスを整備。18階から19階にはハイクオリティホテルを入居させる計画だ。地下3階から地下4階は駐車場となる。

新ビルのフロアプラン。

建物は2024年の1期開業を目指して工事が進められる。
天神ビブレなどの解体・建替え後に2期開業・グランドオープンとなる。

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渋谷パルコ、2019年11月22日開業-渋谷の文化発信基地、約3年ぶりに復活

東京都渋谷区宇田川町のファッションビル「渋谷パルコ」が、約3年間の建替期間を経て、2019年11月下旬に開業する。
追記:開業日は11月22日となる。

渋谷PARCO。

渋谷の文化発信基地「パルコ」、約3年ぶりに復活

渋谷パルコは1973年6月、池袋パルコ(1969年開業)に次ぐ同社2号店として開業。建物は地上9階地下1階建、売場面積は19,479㎡。
西武セゾングループ(当時)の旗艦店として、最盛期にはPart1・Part2・Part3、パルコクアトロ(現在「クラブクアトロ」が出店)、専門店街「ゼロゲート」、インテリア「SR6」といった物販施設のほか、劇場「パルコ劇場」、美術館「パルコミュージアム」(池袋パルコに移転)、ライブハウス「クラブクアトロ」といった施設を併設するなど、渋谷を代表する文化発信基地となっていた。
しかし、2007年に老朽化に伴う耐震強度不足を理由としてPart2が閉館(現・hotel koé tokyo)、残るPart1・Part3も「宇田川町14・15番地区第一種市街地再開発事業」に伴う建替工事のため2016年8月をもって休館していた。
SR6、ZERO GATE、クラブクアトロは休館中も営業を続けている。

渋谷PARCO。(旧店舗)

なお、現在建設中の建物の仮囲いには漫画「AKIRA」のモチーフが描かれている。

渋谷パルコの仮囲い。

パルコ創業50年を記念する「次世代型商業施設」

渋谷パルコの建物は地上19階地下3階建、延床面積は約64,000㎡。商業フロアは地上10階地下1階(10階は一部フロアのみ)、延床面積は約42,000㎡、投資額は約214億円、専門店数は約180店舗。
ビルコンセプトに「世界へ発信する唯一無二の“次世代型商業施設」を掲げ、デザイナー・クリエイターとの共感・共創により、新しい刺激や楽しさの体験価値を提案し、グローバルに情報発信するビルを目指す。

渋谷PARCO。(イメージ)

また、ビルターゲットに「“ノンエイジ”“ジェンダーレス”“コスモポリタン”」を掲げ、特定の年齢層、性別にターゲットを絞らず、感性で消費をする「新しいこと、人と違うこと、面白いこと、個性を追求する」都市生活者が世界中から訪れるビルを目指す。

地下1階は「カオス」なレストラン街に

地下1階「CHAOS KITCHEN」は、メインレストランフロアとしてコンセプトに「食・音楽・カルチャー」を掲げ、ミシュランビブグルマン「自家製麺MENSHO」の新業態、元鮨職人によるフィッシュバーガー専門店「deli fu cious」、福岡のハンバーグステーキ店「極味や」うどん屋「おにやんま」、ジビエ・昆虫料理「米とサーカス」、老舗純喫茶「はまの屋」、ティフォンの新業態カフェ「Tyffonium cafe」、新宿二丁目に本店を構えるMIXバー「CampyBar!(仮)」など21の飲食店が出店。
渋谷パルコ旧店舗外壁に設置されていた五十嵐威暢氏によるパルコネオンサイン「C」も「現代アート作品」として展示する。

CHAOS KITCHEN。

そのほか、アナログレコード店「ユニオンレコード」、コンドーム専門店「Condomania」といった店舗も進出、パルコが渋谷スペイン坂で営業するアートカルチャー、アニメ、ゲーム、ミュージックの展示スペース「GALLERY X BY PARCO SHIBUYA」、吉祥寺で営業するミュージックカフェ&バー「QUATTRO LABO」も出店する。なお、吉祥寺の店舗は閉店となる。

GALLERY X。

ファッションフロアではAIショールームやECとの融合も

1階「SHÒTENGAI EDIT TOKYO」には、日本初となるクラウドファンディングを活用した実証実験型AIショールーム「BOOSTER STUDIO by CAMPFIRE」、フードカルチャーを発信する食のギャラリー「COMINGSOON」が開設、「GUCCI」「LOEWE」「COMME des GARCONS」などラグジュアリーブランドも多数出店する。

BOOSTER STUDIO by CAMPFIRE。

2階「MODE & ART」には、「KENZO」「ISSEY MIYAKE SHIBUYA」「COMME des GARÇONS・JUNYA WATANABE MAN」「COMME des GARÇONS HOMME」といった日本人デザイナーによるブランド、美術専門誌「美術手帖」初となる現代アートを発信する直営店「OIL by 美術手帖」など出店する。

ナカシブ通り。

3階「CORNER of TOKYO STREET」4階「FASHION APARTMENT」には、次世代のファッションデザイナーやブランドのインキュベーションをテーマとした自主編集売場「GEYSER PARCO」「PORT PARCO」、糸井重里が手掛ける「ほぼ日刊イトイ新聞」の“文化の案内所”「ほぼ日カルチャん」を開設するほか、新たなパルコミュージアム「PARCO MUSEUM TOKYO」も併設する。
PARCO MUSEUM TOKYO.

5階「NEXT TOKYO」にはオムニチャネル型売場「CUBE(仮称)」(約430㎡)を開設する。CUBE内に出店する11店舗は店頭在庫を戦略アイテムや限定商品に絞り込み、その他の商品をパルコのECサイト「PARCO ONLINE STORE」で販売するなど、ショールーム機能を高めた「NEXT店舗」を目指す。5階フロア内では、VRコンテンツアワード「NEWVIEW AWARD 2018」でPARCO賞を受賞したVR空間デザイナー「Discont氏」によるインスタレーション作品も展示する。

CUBE.

6階「CYBERSPACE SHIBUYA」には、「JAPAN CULTURE」を発信するゾーンとして、国内初となる任天堂直営店「Nintendo TOKYO」、ポケモン直営店「ポケモンセンター シブヤ」、「刀剣乱舞万屋本舗」が出店、電脳サブカルチャーの情報発信
基地を目指す。
7階「RESTAURANT SEVEN」には、北海道を代表するジンギスカン専門店「松尾ジンギスカン」、福岡発祥の天ぷら専門店「博多天ぷらたかお」など飲食店7店舗が出店。渋谷パルコ旧店舗外壁に設置されていた五十嵐威暢氏によるパルコネオンサイン「R」も「現代アート作品」として展示する。

パルコ劇場、シネクイントも渋谷パルコに復活

8階「THEATER, CINEMA, GALLERY」には、パルコ直営の劇場「パルコ劇場」、パルコ直営のミニシアター「CINE QUINTO」(シネクイント)、ほぼ日刊イトイ新聞のイベントスペース「ほぼ日曜日」が出店。渋谷パルコ旧店舗外壁に設置されていた五十嵐威暢氏によるパルコネオンサイン「P」も「現代アート作品」として展示する。
パルコ劇場は旧劇場時代の約1.5倍の座席数636席を備えるなど、オールS席で鑑賞できるプレミアムな空間を目指す。

PARCO劇場。

9階「PUBLIC STAGE」には、多目的スペースとしての使用や文化発信型スクールの開催を行う「クリエイティブスタジオ」が開設、産官学民連携組織「渋谷未来デザイン」も原宿から移転する。

CREATIVE STUDIO.

10階「ROOFTOP PARK」は屋上広場「ROOFTOPPARK(仮)」(約420坪)、屋内イベントスペース「PARCOMMUNE(仮)」(約60坪)が設けられる。

高層階はオフィス

高層階(10階の一部、11階~19階)は主にオフィスエリアとなる。メインテナントとして「カカクコム」などを傘下に持つデジタルガレージグループが入居する。

パルコの集大成

渋谷パルコでは今回の再開発プロジェクトにより、国内初となるブランドや新業態の進出のみならず、直営劇場や美術館、イベントスペースの集約が進められるなど、同社の事業の集大成ともいえる「感性」を訴求する商業施設づくりが実現が図られた。
創業50年を機に生まれ変わったパルコが、変化を続ける渋谷で行う価値提案の「これから」に期待したい。

渋谷パルコ

住所:東京都渋谷区宇田川町15-1
営業時間:10:00~21:00(物販・サービス)
営業時間:11:00~23:30(飲食店)

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ブランチ岡山北長瀬、2019年6月27日開業-JR北長瀬駅前の岡山操車場跡地に

岡山県岡山市北区のJR北長瀬駅前にオープンモール型のショッピングセンター「ブランチ岡山北長瀬」が2019年6月27日に開業する。

ブランチ岡山北長瀬。左からB棟、C棟、A棟となる。

JR北長瀬駅前に大和リースの商業施設と集合住宅

ブランチ岡山北長瀬が進出するのは、JR山陽本線北長瀬駅前の国鉄岡山操車場敷地跡地。

駅前に操車場跡地の碑がある。

土地は岡山市が所有しており、2016年5月に公募によって大和リースが定期借地方式で商業施設と集合住宅を建設することが決定、それぞれの建設が進められていた。
駅ロータリーの向かい側(西側)には岡山市民病院が、ブランチの東側には岡山ドームが立地する。

隣接地には大和リースの集合住宅(2棟39戸)が建設された。

核テナントは「天満屋ハピーズ」

ブランチ岡山北長瀬のコンセプトは「まちと共創するパークサイドリビング」。
延床面積は19,234㎡、店舗面積は9,150㎡。建物は一部2階建てのオープンモール型となる。駐車場は425台。

B・C棟の間には屋根付の広場がある。奥は岡山ドーム。

核テナントは百貨店系スーパー「天満屋ハピーズ」で、売場面積は1,083㎡。同社と提携するセブンアイHDの商業施設と同様のサービス「セブンカフェ」も導入される。

館内イメージ。

そのほか「マツモトキヨシ」「本の森セルバ」「キャンドゥ」など45店舗が出店。地域交流スペース・コワーキングスペース「ハッシュタグ」も設けられる予定となっている。

核店舗の天満屋ハピーズが出店するC棟(左)。

なお、開業時は27店舗でのスタートとなる。
開業時~7月ごろまでに開店するテナントは以下を参照(ニュースリリースより)。


ブランチ岡山北長瀬・1期テナント一覧。

ブランチ岡山北長瀬

住所:岡山市北区北長瀬表町二丁目17番80号
営業時間:9時~21時(天満屋ハピーズ)

(撮影:ヨークセブンさん 

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大丸心斎橋店本館、2019年9月20日開業-心斎橋のシンボル、約3年半ぶりに復活

大阪府大阪市中央区心斎橋筋の「大丸心斎橋店本館」が、約3年半の建替工事期間を終え、2019年9月20日に開業する。
大丸心斎橋店本館。

心斎橋の象徴、約3年半ぶりに復活

大丸心斎橋店は1726年に開店。旧本館は1922年から1933年にかけて建設されたもの。アメリカ人著名建築家「ウィリアム・メレル・ヴォーリズ」により設計されたもので、商業都市・大阪を代表する繁華街「心斎橋」のシンボルとなっていたが、2015年7月に再開発計画が正式発表され、同年12月30日をもって営業終了、2016年2月から建替工事が進められていた。
建物は地上8階地下2階建、高さ40m、売場面積は約32,000㎡、延床面積は約49,000㎡だった。daimaruss
大丸心斎橋店本館。

GINZA SIXと異なる「百貨店の進化形」

建替え後の大丸心斎橋店本館は地上11階地下3階建、高さ60m、売場面積は約40,000㎡、延床面積は約66,000㎡。
ストアコンセプトに「Delight the World「世界が憧れる、心斎橋へ。」」を掲げ、関西初出店37店舗、新業態50店舗を含む370店舗を導入。1~6階を物販フロア、地下1~2階及び10階を食物販・レストランフロア、7階を「心斎橋テラス(仮)」、9階を外国人観光客に対応した日本のポップカルチャーを配信する「インバウンドセンター」とする。
出店ブランドに関しては、従来型の百貨店が「買取」「消化仕入」主体の取引形態、契約により運営されていたのに対して、大丸心斎橋店本館では一般的な商業施設と同様の「定期賃貸借契約」によるブランド導入、フロア構築にも取組むなど「世界と未来にむけて進化する百貨店」を目指す。
また、ヴォーリズにより設計された旧本館内外装の採取可能な部材は現物による再利用が行われ、採取困難な部材についても原型の型取りのうえ、最新技術による再現が行われる。本館1~10階のエスカレーターサイドには大型LED装置「D-WALL(仮)」(高さ50m、幅4m)を設置、全フロアに42台のデジタルサイネージを設けるなど、ヴォーリズ建築とデジタル技術の融合を目指す。

百貨店改革の集大成、心斎橋エリア全体に波及なるか

今回の大丸心斎橋店本館開業に合わせて、同店では「5つの提供価値「フィロソフィ」」を策定する。
5つの提供価値「フィロソフィ」では、「ローカリティを極め、グローバルに発信する」「顧客がメディアとなるような、ドラマチックな世界観を演出する」「目利き力で、有名無名に関わらず正統性の高い商品を提供する」「生活の中に美を見出し、モノと人との調和をはかる」「次世代のアーツ・アンド・クラフツ」を育む」「地域と共に、シビックプライドの向上・復権を目指す」を掲げ、地下鉄からの動線通路拡幅を始めとしたバリアフリー化推進、デジタルサイネージによる混雑状況リアルタイム案内サービスの提供、ミラノ市で開催される世界最大のデザインイベント「ミラノ・フォーリサローネ」とのパートナーシップによる「 OSAKA×MILANO DESIGN LINK」の開催(2019年10月)を実施する。
大丸松坂屋百貨店は、2019年秋を目途にホテル日航大阪の商業フロア「ホワイトアベニュー」を改装、2021年春を目途に本館と隣接する「大丸心斎橋店北館」(旧そごう心斎橋本店)を「心斎橋パルコ」「大丸心斎橋本店専門店街」により構成される新施設として刷新、本館と北館を増築により一体化させるなど心斎橋エリアへの積極的な投資を進めている。
山本良一Jフロントリテイリング取締役兼代表執行役社長は、新本館を「百貨店改革の集大成」、2021年の全館開業後の新施設を「Jフロントが手掛ける商業施設の到達点」と位置付けており、2017年4月に開業した「GINZA SIX」とは異なる新たな百貨店像の提案が期待される。
ホテル日航大阪「ホワイトアベニュー」。

大丸心斎橋店本館

住所:大阪市中央区心斎橋筋1-7-1
営業時間:10時~23時(ショップ)
営業時間:11時~23時(フードホール、テラスカフェ、レストラン

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コープさっぽろ、スマホ決済「PayPay」2019年7月22日から導入-国内生協初、北海道内全108店舗に

北海道地場大手生活協同組合「コープさっぽろ」は、YahooとSoftbankが主導するスマホ決済サービス「PayPay」を2019年7月22日に道内9店舗で先行導入、8月1日に道内全108店舗で導入する。
コープさっぽろの旗艦店。(北海道函館市・湯川店)

国内最大の生協として知られる「コープさっぽろ」

コープさっぽろは1965年7月に「札幌市民生活協同組合」として創立。2019年現在の主力事業は店舗、宅配(トドック)、共済の3事業で、組合員数は国内最多となる約170万人。
北海道内ではイオン北海道、アークス(ラルズ)に匹敵する流通グループとして、2009年11月に函館地盤の地場大手食品スーパー「魚長」(生鮮げんき市場)と業務提携、2011年7月には提携関係にあった苫小牧市地盤の「志賀綜合食料品店」を直営化するなど、経営規模の拡大を推し進めている。

国内生協初となる電子決済導入、道内での普及拡大に期待

コープさっぽろでは2014年7月に生協独自の電子マネー「ちょこっとカード」を導入して以来、国際ブランドのクレジットカード決済や西日本鉄道が主導する「nimoca」(ICAS nimoca)を始めとする各種交通系電子マネーへの対応を進めていた。
従来型組合員証及び北洋銀行提携カード「clover トドック」に関しても、2017年3月から順次電子マネー機能搭載型への切替を進めるなど、利用客の決済手段拡充、利便性向上に向けた施策を打ち出していたが、スマートフォンを活用したモバイル決済サービスの導入には至っていなかった。

函館の一部店舗では「nimoca」など交通系電子マネーも利用可能

コープさっぽろとPayPayの両社によると「北海道のスーパーマーケットチェーン及び全国の生活協同組合(大学生協除く)としても初めて全店舗で導入」とされており、道内約276万世帯のうち約170万人が加入する生協へのPayPay導入は、道内での電子決済普及に大きな影響を与えるとみられる。

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MEGAドン・キホーテUNY鈴鹿店、2019年6月25日開店-旧マイカルサティ・アピタ跡に、ドンキ初となる「ユニー直営衣料」導入

三重県鈴鹿市のアピタ鈴鹿店跡に、総合ディスカウントストア「MEGAドン・キホーテUNY鈴鹿店」が2019年6月25日午前8時に開店する。
MEGAドン・キホーテUNY鈴鹿店。

マイカル鈴鹿サティ、アピタを経てMEGAドンキUNYに

MEGAドン・キホーテUNY鈴鹿店は1998年10月、流通大手「マイカルグループ」の生活百貨店「鈴鹿サティ」として日東紡工場跡地に開店。
マイカル時代は映画館「ワーナーマイカルシネマズ鈴鹿」、ボウリング場「パームボウル」も営業する広域集客型の商業施設であったが、マイカルの経営破綻に伴い2002年8月をもって閉店。その後、2003年12月にユニーが日東紡から建物を取得、2004年5月から売場面積の減床を伴う建物改造工事を実施し、同年10月に総合スーパー「アピタ鈴鹿店」として再開店した。営業面積はマイカル時代よりも減床している。

アピタ鈴鹿店。

2019年4月28日からは、ドンキへの業態転換のためユニー直営売場を閉店しており、一部専門店のみが営業を続けている。

ドンキは三重県7店舗目

MEGAドン・キホーテUNY鈴鹿店の建物は地上3階建、直営売場面積は8,939㎡、全館では20,750㎡。ユニーの100%子会社として設立された「UDリテール」が運営する。
ドンキとしては三重県内7店舗目、鈴鹿市2店舗目で、ユニー・ドンキ双方のブランドを冠したダブルネーム店舗としては三重県内2店舗目となる。

ユニードンキ初、ユニー直営衣料品ゾーンも導入

MEGAドン・キホーテUNY鈴鹿店では、アピタ時代と同様に生鮮食品を取扱うほか、ユニー直営衣料品専門店「APITA CLOTHING」(アピタクロージング)を導入。ドンキ直営衣料品売場と差別化した紳士・婦人・子供の実用衣料、ミセス・アダルト層をターゲットにした婦人服、ヤングカジュアルウェア・ファッション雑貨を品揃えすることで、客層の拡大、相互送客を目指す。

APITA CLOTHING。

また、テナントとしてジーンズショップ「マックハウス」、靴量販店「ABC-MART」、旧ユニーグループのパレモが運営するファンシー雑貨店「シーベレット」、100円ショップ「ダイソー」、「BOOKSえみたす」、「マクドナルド」、「サーティワンアイスクリーム」、ラーメン・甘味専門店「スガキヤ」、中華料理店「上海媽媽」、ゲームセンター「ハローズガーデン」など23店舗が営業を継続する。
(写真:浅葱さん

MEGAドン・キホーテUNY鈴鹿店

住所:三重県鈴鹿市南玉垣町3628
営業時間:午前8時~翌午前0時

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MEGAドン・キホーテUNY伊勢崎東店、2019年6月25日開店-アピタ跡に

群馬県伊勢崎市の国道17号線上武道路沿いに、総合ディスカウントストア「MEGAドン・キホーテUNY伊勢崎東店」が2019年6月25日午前8時に開店する。

MEGAドン・キホーテUNY伊勢崎東店。

伊勢崎東のアピタ、近年はパチンコ店導入も進めていた

MEGAドン・キホーテUNY伊勢崎東店の前身となる「アピタ伊勢崎東店」は1998年11月に開店。長らく地域最大規模の商業施設として営業を続けていたが、2008年11月に東京建物のショッピングセンター「スマーク伊勢崎」(売場面積52,800㎡、核店舗:ベルク)が1km北に出店して以降、規模面で大きく劣るアピタは苦戦を強いられていた。
同店は2018年7月に、準核店舗としてパチンコ店「メガガイア」を導入する大規模リニューアルを実施したことで注目を集めたが、ドンキへの業態転換のため2019年2月をもってユニー直営売場を閉店し、一部専門店のみ営業を継続していた。

メガガイアアピタ伊勢崎東。

ユニードンキ、群馬県内出店

MEGAドン・キホーテUNY伊勢崎東店の建物は地上3階建、営業フロアは1~2階、直営売場面積は7,597㎡、当初ユニーの100%子会社として設立された「UDリテール」が運営する。
ドンキとしては群馬県内6店舗目で、ユニー・ドンキ双方のブランドを冠したダブルネーム店舗としては群馬県内初となる。

大型遊具や玩具を試せる「キッズ広場」も導入

MEGAドン・キホーテUNY伊勢崎東店では、アピタ時代と同様に生鮮食品を取扱うほか、店内に「キッズ広場」を新設、大型遊具や玩具のお試しスペースを設けるなど、キッズ向け専門店と融合した空間づくりを目指す。
また、テナントとしてワールドのファミリー向けアパレルショップ「3can4on」100円ショップ「ダイソー」、旧ユニー系の呉服店「さが美」、「マクドナルド」など40店舗が営業を継続する。

MEGAドン・キホーテUNY伊勢崎東店

住所:群馬県伊勢崎市三室町5330番地
営業時間:午前8時~翌午前0時

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別府杉乃井ホテル、2025年までに全面リニューアル-九州最大級のホテル、投資額400億円以上で「更に巨大化」へ

オリックス不動産は、大分県別府市の観海寺温泉にある九州最大級の温泉リゾートホテル「別府杉乃井ホテル」(杉乃井ホテル&リゾート)について、約400億円以上を投じた全面リニューアルを行うことを2019年6月12日に発表した。

現在はオリックスグループ-「地熱発電」でも有名

別府杉乃井ホテルは1944年に温泉旅館として開業。1956年に温泉旅館からリゾートホテルに転換した。2002年にオリックス不動産が取得し、現在は同社の子会社「杉乃井ホテル&リゾート」が運営する。

「杉乃井ホテル&リゾート」の全景。

宿泊棟は本館、中館、HANA館の3館体制。客室数は647室、宿泊定員は2,636名で全国有数の規模を誇り、庶民的な客室から各国首脳・著名人が宿泊するようなスイートルームまで幅広く備えている。
また、付随施設として棚湯や結婚式場がある「スギノイパレス」「ひかりホール」、ボウリング場「スギノイボウル」、プール「アクアビート」などを備えるほか、1981年から敷地内に「杉乃井地熱発電所」を稼働させている。
近年はこの地熱発電によるイルミネーションの実施や、毎年従業員に長期休暇を取得させていることでも話題となった。

400億円以上投資、さらなる「規模拡大」

今回建て替えが行われるのは「本館」と「HANA館」。両棟はそれぞれ1971年、1966年に建設されたもので、耐震補強の必要性が指摘されていた。
中館は1961年築であるが、2014年度に耐震補強・改装が完了しているため建替えられない。

リニューアル後のイメージ(オリックス不動産より)。

具体的には、本館は解体、HANA館は新棟に建替えられるほか、敷地西側の駐車場などに新たな宿泊棟を建設するとみられる。
建替え・改装などに伴う総投資額は少なくとも400億円以上を見込んでおり、リニューアル後の客室数は現在より多い約700室体制となる。
今後、2025年の全面完成を目指して工事が進められる。

インターコンチは8月開業-競争激化へ

別府市では各地で新たなリゾートホテルの建設が進んでおり、そのなかには杉乃井ホテルの一部客室と競合するような高級ホテルも少なくない。
2019年8月1日には明礬温泉地区に「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」が開業、星野リゾートも2019年6月14日に別府温泉地区のトキハ別府店近くに大型ホテル「星野リゾート 界 別府」を着工する。

ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ。

競争が激化するなか、地域を代表する老舗もリニューアルに踏み出すかたちとなった。

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アーバンリサーチとファミマ!!のコラボ店舗、2020年春から展開-史上初「セレクトショップ+コンビニ」新業態

セレクトショップ大手「URBAN RESEARCH」(アーバンリサーチ)は、東京都港区にファミリーマートの都市型ワーカー向け業態「ファミマ!!」とコラボレーションした「ライフスタイル提案型リアル店舗」を2020年春から展開することを発表した。URBAN RESEARCH.

ファミリーマートのライフスタイル提案型業態

ファミマ!!は2003年10月、大阪市浪速区の南海難波駅に直結する複合商業施設「なんばパークス」に1号店「ファミマ!!なんばパークス店」(現・ファミマ!!小浦なんばパークス店)を開店。ファミマ!!は「出店施設のライフスタイルに対応した新しいコンビニエンスストア」として、木目調の内外装、独自ブランドの商品や輸入文具・雑貨・菓子の取扱い、店舗立地に応じた柔軟な商品構成を特徴としており、サービス面でも「コーヒーポット宅配サービス」を一部オフィス内店舗で実施するなど、一般的なコンビニ(ファミリーマート)とは異なる独自性の高い業態となっている。
Famima!!

ファミマ!!は長らく首都圏・関西地方の都心部、オフィスに特化した店舗展開を進めていたが、2016年3月に東北地方1号店、2017年4月に九州地方1号店、同年10月に東海地方1号店を出店するなど、店舗網の拡大を推進している。2019年6月現在の店舗数は39店舗。

史上初となる「セレクトショップ+コンビニ」新業態

ファミマ!!は2014年6月にも、飲食大手「ロイヤルHD」(ロイヤルホスト)とのコラボ店舗を虎ノ門ヒルズに出店。店内にカフェ「THE 3RD CAFE by Standard Coffee」を併設し、仕事やミーティングにも利用可能な個室ブース型イートイン「ファミマLounge」、DJブースを設ける異色の店舗づくりを行ったが、セレクトショップとのコラボは初となる。
URBAN RESEARCHは、「株式会社アーバンリサーチが「セレクトショップ+コンビニ」を一体運営する事で、今までにない次世代コンビニエンスの空間を演出して参ります。」とコメントしており、同社のバイヤーによる上質な商品、独自の世界観を持った店舗の提案が期待される。

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レンブラントスタイル札幌、2019年8月1日開業-ドムドムハンバーガーまみれの「ドムドムルーム」も

北海道札幌市中央区の札幌市営地下鉄すすきの駅近くに、レンブラントHDのホテル「レンブラントスタイル札幌」が2019年8月1日に開業する。

レンブラントスタイル札幌。

レンブラントの新業態、ドムドムの世界観再現した部屋も

レンブラントスタイル札幌を運営する「レンブラントHD」は2011年11月に設立。2019年現在、宿泊施設「レンブラントホテル」「ベストウェスタンホテル」を国内9施設展開するほか、旧ダイエー系で日本初のハンバーガーチェーンとして知られる「ドムドムハンバーガー」、旧西武セゾングループのアミューズメント施設「アミュージアム」を傘下に持つ。
レンブラントスタイルHDが運営するドムドムハンバーガー

レンブラントスタイル札幌は地上11階建、客室数は184室。
レンブラントホテルの宿泊特化型ホテル新業態として、コンセプトに「当社の姿勢やポリシーを継承したホテル。街の文化や特性にあわせ地域毎のコンセプトがあり、独自のサービスやおもてなしを提供する。」、テーマに「まちのとまり木」を掲げ、1階に宿泊客がくつろげるコミュニティスペースを設置、北海道の広大な自然やドムドムをイメージしたコンセプトルーム(3室)、和洋室(2室)を備える。
なかでもコンセプトルーム「DOMDOM」には、レンブラントHDが運営する「ドムドムハンバーガー」をテーマに、客室にハンバーガーやポテト、バターコーンなど人気商品をイメージした装飾が設置される予定となっている。
Concept room DOMDOM. (image)

ちなみに、ドムドムハンバーガーが出店するわけではないという。

ドムドムルーム、全国に拡大する?

レンブラントHDは今後、宿泊特化型ホテルを「レンブラントスタイル」として展開、首都圏や地方都市などインバウンドや観光需要が高いエリアへの積極的な出店を進めるとしている。
ドムドムルーム1号が現在ドムドムがない北海道への進出となっただけに、今後「ドムドムルーム」が全国に広がることになるかも知れない。

レンブラントスタイル札幌

住所: 北海道札幌市中央区南7条西5丁目

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