カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

小禄宮城りうぼう、2024年5月31日閉店-エスタジオ小禄の核店舗、最新店舗わずか6年で

沖縄県那覇市の地場百貨店系大型食品スーパー「小禄宮城りうぼう」が2024年5月31日午後8時をもって閉店する。

小禄宮城りうぼう。

沖縄初を称する複合医療施設の食品核だった

小禄宮城りうぼうは、社会福祉法人偕生会グループの複合施設「エスタジオ小禄」の食品核として2018年3月に開店。
コンセプトに「この店のそばで暮らす利便性を皆で創りあげる」を掲げ、産直野菜やイートイン、沖縄第一パン直営店「グラノ」など展開。沖縄県内初を称する「医療・介護・保育と運動の施設」との相乗効果を図った。

小禄宮城りうぼう。

既存店は積極リニューアル、選択と集中へ

リウボウストアは、2017年6月に開店した旗艦店「りうぼう古島マルシェ(現ユニオン古島店)」を始め、店舗規模や店歴に反して採算性の低い店舗の閉店を進める一方、既存店への「りうぼうセレクトマルシェ」「紀ノ国屋」導入といったリニューアルを積極的に打ち出しており、今後も選択と集中の動きが進むとみられる。

(画像は同社公式より)
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八百鮮魚崎南店、2024年5月17日開店-バロー八百鮮のトーホーストア承継1号店として兵庫県内初出店

兵庫県神戸市東灘区の六甲アイランド線南魚崎駅近くに、バローグループの生鮮食品スーパー「八百鮮魚崎南店」が2024年5月17日に開店する。

八百鮮、トーホー跡に新型店舗

八百鮮魚崎南店の建物は、2024年1月25日に閉店した「トーホーストア魚崎南店」跡の平屋建で建築面積は約1,318㎡、売場面積は約554㎡、延床面積は約1,224㎡。
八百鮮魚崎南店は同社兵庫県内初、ロードサイド初の店舗として、コンセプトに「生鮮市場」を掲げ、生鮮3品(青果・鮮魚・畜産)の想定売上構成比率85%に設定。
同社が強みとする日曜定休、在庫回転率重視という販売スタイルを構築し、折込チラシを原則配布しないEDLP型の販売促進策を採用する。

八百鮮魚崎南店。

八百鮮魚崎南店

住所:兵庫県神戸市東灘区魚崎南町4丁目2-18 
営業時間:午前10時~午後6時
※日曜日定休日

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マリノアシティ福岡、2024年8月18日閉館-跡地は三井アウトレットパーク視野、三井不動産・福岡地所の共同再開発事業に

福岡県福岡市西区小戸にある福岡地所系アウトレットモール「マリノアシティ福岡」が2024年8月18日をもって閉館する。

九州初の本格的アウトレットモール

マリノアシティ福岡は2000年10月に開業。敷地面積は85,200㎡、延床面積は81,400㎡。
開業当初は「九州初の本格的アウトレットモール」として、ディスカウントストア「ミスターマックス」を核に、食品スーパー「極東ファディ」やスポーツ用品店「スポーツデポ」といった大型専門店、アウトレット約40店舗を展開。シンボル施設として巨大観覧車を2機配置するなど、アウトレットモールながら日常利用を意識した複合的な館づくりをめざした。

マリノアシティ福岡マリナサイド棟。(大型専門店棟)

マリノアシティ福岡では、核店舗撤退や競合進出を意識し、2004年7月と2007年9月にアウトレット棟(地上2階建)を増築、2009年9月には日本最大の観覧車「Sky Dream Fukuoka」を台湾長栄集団(エバーグリーングループ)に売却するなど、軌道修正を図りつつリニューアルを進めた。

マリノアシティ福岡アウトレット棟。

直近では2017年7月に南棟1階の大規模リニューアルを実施、2019年9月にはタイトーの国内最大級屋内型スポーツアスレチック施設「ノボルト」(4,000㎡)を導入するなど、集客力向上を図ったもの、開業から24年が経過するなどアウトレットモールとしては老朽化が進んでいた。

福岡地所と三井不動産の共同再開発案件に

福岡地所とともに建替計画に参画する大手不動産ディベロッパー「三井不動産」は、2022年4月に開業した「ららぽーと福岡」を始め、国内外で「三井ショッピングパーク」「三井アウトレットパーク」を展開している。
マリノアシティ福岡の建替えでは、福岡地所がキャナルシティ博多を始めとする自社グループ系商業施設で培った運営開発実績に加え、「三井不動産のノウハウを最大限発揮することで、今後の消費者ニーズや社会トレンドの変化を的確に捉えた、新たな時代に相応しい商業施設の検討」を進めるとしている。

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流通業界大手3団体、生成AIで「カスハラ防止ポスター」作成-2024年5月13日発表

日本国内や台湾などの多くのスーパーマーケットが加盟する「オール日本スーパーマーケット協会」(AJS:サミット、関西スーパー、近商ストア、全聯福利中心など)、「全国スーパーマーケット協会」(NSA:イトーヨーカドー、西友、成城石井、イズミヤ、アークスなど)、「日本スーパーマーケット協会」(JSA:サミット、西友、オークワ、イズミゆめタウン、サンリブマルショク、サンエーなど)の、流通業界団体・大手3団体は、店員に対する顧客からの嫌がらせ・カスタマーハラスメント防止のため「カスタマーハラスメント防止・啓発ポスター」を作成したことを2024年5月13日に発表した。

AI作成のカスハラ防止ポスター。

生成AIでユニークな「カスハラ防止」ポスター完成

カスタマーハラスメント防止・啓発ポスター」は画像生成AIで作成。AI作成ならではのユニークな商品が並び、後方には森のようなものが広がる売場となっている。
キャッチコピーなどについては、顧客・従業員の互いの尊重を重視したマイルドな表現を用いたとしている。

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H2Oリテイリング、関西フードマーケットを2024年7月完全子会社化-阪急阪神百貨店系とイズミヤ・阪急オアシス・関西スーパー連携強化めざす

阪急阪神東宝グループの「エイチ・ツー・オーリテイリング」(H2O/本社:大阪市北区)は、傘下の食品スーパー持株会社「関西フードマーケット」(本社:兵庫県伊丹市)を2024年7月31日に完全子会社化する方針を同年5月15日に発表した。
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阪急阪神百貨店 阪急うめだ本店。(大阪市北区)

両社間が株式交換契約を2024年5月15日に締結したことにより、関西フードマーケットは同年7月29日をもって上場廃止となる。

2022年にH2O系中間持株会社となった関西スーパー

関西フードマーケットは1959年7月に大阪市東淀川区で「相互産業」として設立。同年11月に兵庫県伊丹市で食品スーパー1号店「関西スーパーマーケット伊丹店(現中央店)」を開店。1974年8月に「関西スーパーマーケット」に社名変更した。
同社は創業当初、食品スーパーの共同仕入機構「オール日本スーパーマーケット協会(AJS)」立ち上げに参画したこともあり、AJSの中核企業としてPB商品「くらし良好」(生活良好)を販売、自社指定牧場「720牧場グループ」ブランド牛の全国展開に大きな役割を担っていた。

関西スーパー。(大阪市東淀川区)

同社は2016年10月にH2Oリテイリングと資本業務提携を締結し、H2O子会社商品(阪急阪神百貨店中元・歳暮商品など)や阪急阪神グループ共通ポイント「Sポイント(旧STACIA)」の取扱いやレジスターの共同開発に取組んでいた。
2021年12月にはH2O系食品スーパー「イズミヤ(食品販売事業)」「阪急オアシス」との経営統合を実施し、2022年2月1日に「関西フードマーケット」として持株会社化。2023年4月に旧H2O系食品スーパー2社を完全統合し「イズミヤ・阪急オアシス」として完全統合するなど、経営効率化を図っていた。

阪急オアシス。(大阪市福島区)

H2Oによる完全子会社化で連携強化

H2Oリテイリングによる関西フードマーケットの完全子会社化は、小売市場縮小や競合進出といった「事業環境の変化に対する迅速な対応」を目的としたもの。
両社間での資本関係強化により、従来は親子上場関係によるコーポレートガバナンス(利益相反)の課題から困難だった人材設備共有・物流統合による効率化、購買・ITシステムの共通化によるコスト削減、H2O系食品製造子会社と共同でのPB開発を含む取引活発化、共通顧客データベース構築解析による囲い込みといった施策が可能になるとしている。

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マルエツ上井草駅前店、2024年5月17日開店-自社ブランド強化、ダイソーコーナーも

東京都杉並区の西武新宿線上井草駅前に、イオングループの食品スーパー「マルエツ上井草駅前店」が2024年5月17日午前9時に開店する。

高鮮度商品・自社ブランド強化

マルエツ上井草駅前店の建物は地上2階建で売場面積は866㎡。「リアル店舗ならではの強みを活かしたお店」として、青果売場では東京都産地元野菜コーナー「農家さんの直売所」やオーガニック商品、鮮魚売場では鮪・サーモンの刺身、精肉売場では自社オリジナル「優夢牛」「桜もち豚」「みちのく森林鶏」や肉惣菜「お肉屋さんのオードブル」「おつまMEAT」、惣菜売場では2024年3月に発売した草加デリカセンター活用による惣菜新ブランド「まいごころ」「うまごころ」を取り揃えるなど「当社(=マルエツ)にしかない魅力的な商品」を訴求する。

マルエツ上井草駅前店。

「ダイソー」「クリスピークリーム」コーナーも

また、日配品売場では「クリスピークリームドーナツ」「太っちょマカロン」「伍魚福」、生活用品売場では100円ショップ「ダイソー」コーナーを設けるなど、1,000㎡未満の小型店舗ながら話題性の高いスイーツ商品や人気の高い生活用品を拡充する。

マルエツ上井草駅前店

住所:東京都杉並区井草五丁目5番20号
営業時間:午前9時~午後10時

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ザ・マーケットプレイス武蔵浦和、2024年5月15日開業-ヤオコー旗艦店、野村不動産プラウドシティの商業フロアに

埼玉県さいたま市の武蔵浦和駅にペデストリアンデッキを介して直結するヤオコー系商業施設「ザ・マーケットプレイス武蔵浦和」が2024年5月15日午前9時に開業する。

駅直結複合施設、ヤオコー核にトモズ、パリミキなど

ザ・マーケットプレイス武蔵浦和は、野村不動産とJR東日本都市開発による「プラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナ」との住商複合開発プロジェクトの一環として開業するもので、商業棟の営業フロアは1~4階、敷地面積は約5,597㎡、延床面積は約7,331㎡。
開発主体である埼玉地盤の首都圏地場大手食品スーパー「ヤオコー」を核に、住友商事系ドラッグストア「Tomod’s」や100円ショップ「Seria」、眼鏡店「パリミキ」といった物販店、コンタクト「アイシティ」や各種クリニックといったサービス系店舗など専門店16店舗が入居する。

the market Place武蔵浦和。

ヤオコー埼玉県100店舗体制に

ザ・マーケットプレイス武蔵浦和の核店舗「ヤオコー武蔵浦和店」の営業フロアは1階で店舗面積は約2,119㎡。同店の開店により埼玉県内100店舗体制となる。初年度売上目標は26億円。
ストアコンセプトに「『美味しさ』『楽しさ』を変化で伝え、豊かな食生活を届けよう~常に発見と驚きがあり、毎日来たくなるお店づくり~」を掲げ、地元野菜や珍しい魚種、黒毛和牛の極厚ステーキや自社製造のローストビーフ切り落としなどを品揃えする。
また、デリカに関しては冷惣菜「CREATIVE y’s DELI」やライブ感あるオープンキッチンによる鉄板料理、インストアベーカリーを展開。グロッサリーでは素材・産地にこだわった特殊豆腐やナチュラルチーズ、スパイス・シーズニングを拡充。部門間連携による提案型の売場づくりを打ち出す。

ザ・マーケットプレイス武蔵浦和

住所:埼玉県さいたま市南区沼影1丁目8番18号
営業時間:午前9時~午後9時45分(ヤオコー)

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業務スーパー平野駅前店、2024年5月29日閉店-やまとの湯元湯跡地、駅北口からスーパー消滅

大阪府大阪市平野区のJR大和路線(関西本線)平野駅近くにあった旧大和システム系スーパー銭湯「やまとの湯平野」跡地の食品ディスカウントスーパー「業務スーパー平野駅前店」が2024年5月29日をもって閉店する。

本州最後の「やまとの湯」だった

やまとの湯平野は、2003年に大和ハウス系不動産ディベロッパー「大和システム」子会社のスーパー銭湯として開業。
大和システムは「琵琶湖クルージングモールピエリ守山」を始めとする大型案件の開発主体となるなど、温浴事業・商業施設開発事業を得意としており、やまとの湯平野も「天然温泉元湯」として、大阪市内を中心に増加する系列店舗への源泉供給店舗としての役割を担っていた。
しかし、大和システムがリーマンショック後の不動産市場低迷を受け、2010年6月に事業再生ADR手続を開始、同年10月に民事再生手続を開始したことで、2011年9月にスピードパートナーズ傘下の新会社「湯快生活」に運営を移行するなど、運営基盤が弱体化。湯快生活の経営破綻に先駆け、2014年7月に本州他2店舗(河内店・大津店)ととも閉館することとなった。

閉店相次ぐ平野駅北口最後のスーパーだった

業務スーパー平野駅前店は2017年7月に開店。
大阪府寝屋川市地盤の「ラ・カーヴコーポレーション」が、業務スーパー本部「神戸物産」とFC契約を締結した店舗として、生鮮3品(青果・鮮魚・精肉)に加えて、開店当初はラ・カーブ独自の食品ディスカウントスーパー「エヴリィ ガリバー平野駅前店」を併設していた。

業務スーパー平野駅前店。

同店周辺では、2023年8月にイオン系近隣商圏型ショッピングセンター「イオンタウン平野(マックスバリュ平野駅前店)」と大手半額スーパー「222平野店」が閉店、その後も各種量販店や飲食店が相次ぎ閉店するなど異様な状態となっているが、業務スーパーもわずか8年ほどで閉店することとなった。

2023年8月に閉店したイオンタウン平野。


業2023年8月に閉店した222平野店/快活CLUB平野店。

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センチュリーロイヤルホテル、2024年5月31日閉館-札幌駅前「道内唯一回転展望レストラン」も51年の歴史に幕

北海道札幌市中央区の札幌駅に地下通路を介して直結する複合施設「住友生命札幌ビル」の核店舗「センチュリーロイヤルホテル」が2024年5月31日の朝食・チェックアウトをもって閉館する。

道内唯一の回転展望レストラン備える名門ホテル

センチュリーロイヤルホテルは、1973年5月に住友生命札幌ビルの核店舗「札幌センチュリーローヤルホテル」として開業。建物は地上23階地下3階建で高さ78m、客室数は300室。
開業当初は札幌駅周辺に同様の高層ビルは少なく、シンボリックな「回転展望レストラン」(2024年5月現在は道内唯一)や大規模宴会場を備える高級シティホテルとしての地位を確立した。

札幌センチュリーロイヤルホテル。

一方、1962年11月設立の運営会社「札幌国際観光」は道外資本の相次ぐ進出を受け、2007年8月に民事再生法手続を開始、同年11月にはゴルフ場経営「恵庭開発」子会社、2010年8月には釧路地場クリーニング「マルセンクリーニング」子会社となるなど、厳しい経営状態に置かれた。

老朽化で解体、全館閉館後の跡地活用は未発表

センチュリーロイヤルホテルの閉館は、施設の老朽化と住友生命札幌ビルとの賃貸借契約満了によるもの。
札幌国際観光はセンチュリーロイヤルホテルを「フラッグシップホテル」と位置づけているが、2024年5月時点において同館の後継施設や住友生命札幌ビルの再開発計画に関しては未定となっている。

ホテル低層階にはファミマやアイカフェ、飲食店街もあった。

ホテル閉館に先駆け、インターネットカフェ「アイ・カフェ」を始めとする低層商業フロアの飲食・サービス系店舗が順次閉店しており、全館閉館後は解体となる見込み。

51周年の歴史を締めくくる記念イベントも

センチュリーロイヤルホテルでは閉館を迎えるにあたり、2024年2月より「グランドフィナーレ企画」として、カウントダウンボードや51thヒストリーパネルを展示。
これらの企画に加え、4月17日より回転展望レストラン「ロンド」名物商品のレトルト食品を同館と道内大手ドラッグストア「サツドラ」(一部店舗)で販売開始、5月17日より地元私立大学「札幌国際大学」(2016年包括連携協定締結)にウェディングドレス4着を寄贈するなど、同館の歴史を次世代につなぐ取組みを打ち出している。

札幌国際観光のホテルは函館・釧路・利尻島の3館に

札幌国際観光の運営ホテルはセンチュリーロイヤルホテル閉館により、1987年12月開業の「釧路センチュリーキャッスルホテル」(毛綱穀曠設計)、2015年5月取得・再開業の「アイランド イン リシリ」、2019年5月開業の「センチュリーマリーナ函館」の3館のみとなる。

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青森板柳ショッピングセンター、2024年5月17日より順次開業-薬王堂を皮切りに

青森県北津軽郡板柳町のJR五能線板柳駅近くに、地場大手食品スーパー「伊徳」(本社:秋田県大館市)と地場大手ドラッグストア「薬王堂」(本社:岩手県盛岡市/本店:岩手県紫波郡)による商業施設「青森板柳ショッピングセンター」が2024年5月17日から順次開業する。

佐藤長とともに地域の食を支えた伊徳

青森板柳ショッピングセンターの前身となる食品スーパー「いとく板柳店」は1994年8月に開店。建物は平屋建で店舗面積は1,456㎡。
伊徳としては、青森県の郡部唯一の店舗であり、徒歩圏内の佐藤長(現青森トライアル)とともに地域の食を支える役割を担っていたが、2024年5月1日をもって閉店していた。

いとく板柳店。

薬王堂との複合商業施設に

青森板柳ショッピングセンターは、2023年より「(仮称)板柳複合計画」として整備が進められてきた施設で、建物は平屋建で店舗面積は約3,118㎡、駐車場台数は146台。
同施設は伊徳と岩手地場大手ドラッグストア「薬王堂」との共同開発案件であり、2024年5月17日に「薬王堂青森板柳SC店」が先行開店、5月24日に「いとく板柳店(新店舗)」が開店し全面開業となる見込みだ。

「新」いとく板柳店オープン告知。

青森板柳ショッピングセンター

住所:北津軽郡板柳町大字福野田字常盤5-1
営業時間:午前9時~午後10時(薬王堂青森板柳SC店)

(画像は同社公式より)
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