台湾の流通大手「統一グループ」は、フランス大手スーパー「カルフール」と合弁で運営する同社傘下の「台湾カルフール」株式のうち60%を290億台湾元(約1400億円)で取得することを2022年7月に発表した。これにより、2023年中に台湾カルフールは統一グループが株式のすべてを保有することになる。
台湾カルフール。(台北市萬華区)
中文:統一集團買下台灣家樂福。於112年中將完成交割。
統一グループ、台湾カルフール全株式を取得
カルフールは1987年に台湾の流通大手「統一企業」との提携で「プレジカル(PresiCarre・統一家楽福)」を設立して台湾に進出、1989年に高雄市に1号店を出店。カルフールのフランス法人系が株式の6割を、統一企業系が株式の4割を保有する。
本部機能がある統一国際ビル。下層階は誠品。(台北市信義区)
台湾カルフールの仏カルフールの保有分(全体の60%)のうち、2023年中に統一企業が株式の49.5%を、統一超商が10.5%を購入する。これにより、台湾カルフールは統一企業が70%、統一超商が30%の株式を保有することになり、全株式を統一グループが保有することとなる。
小型店「カルフール便利購」の店舗。
統一グループは台南紡績を前身に持つ台湾の流通・食品大手で、小売業としては統一時代デパート(旧阪急百貨店)、統一超商(台湾セブン-イレブン)、台湾スターバックスなどを運営する。
なお、かつては中国カルフールにも統一グループが出資していたが、2011年に株式を売却している。
「統一超商」が運営するセブン-イレブン金玉店。(宜蘭県)
統一グループはカルフールの商標の使用権も取得するとしており、当面は「カルフール」の店舗名が維持されることとなる。
規模拡大すすめる台湾カルフール、スーパー二強時代に
台湾カルフールは2006年に英国系スーパー「台湾TESCO」、2019年に台湾製糖傘下のスーパー「台糖量販TAISUCO」、2020年には香港系スーパーの台湾事業「頂好WELLCOME」「JASONS」を買収するなど、経営規模の拡大を進めていた。
台湾ではスーパー国内最大手「全聯福利中心」も経営規模の拡大を推し進めており、2021年10月には同社が大手スーパー「大潤發」を買収したばかり。
台湾の流通地図は僅か数年でカルフールVS全聯という二強が争う構図となった。
関連記事:林百貨店、都内の百貨店に期間限定出店-2022年8月から9月末まで台湾グッズ販売、伊勢丹と三越で
関連記事:DON DON DONKI 忠孝新生店、2022年1月20日開店-ドンキ台湾2号店、光華商場裏の再開発ビルに
関連記事:新光三越台北忠孝店(仮称)、2022年後半開業-そごう隣接のタワーマンション下層に
関連記事:スーパーでの「台湾産パイナップル」販売が拡大(取扱店舗を掲載)-2021年3月からの「中国による禁輸」で
関連記事:台湾国家撮影文化センター台北館、2021年4月19日開館-旧・大阪商船ビル、7年かけて復原
関連記事:DONDONDONKI西門店、2021年1月19日開店-台湾初のドンキ、松竹台湾劇場跡地「阿曼TIT」の韓国E-LAND旗艦店跡に
関連記事:台湾博物館鉄道部園区、2020年7月7日開館-台湾総督府鉄道部、鉄道博物館に