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カルフール、台湾大手スーパー「頂好wellcome」「JASONS」を買収-香港企業から2020年中に

フランスの流通大手「カルフール」(Carrefour)と、同店を香港や台湾で展開する「デイリー・ファーム」(牛奶國際)は、香港に本社を置く大手食品スーパー「ウェルカム」(恵康wellcome)の台湾事業「頂好wellcome」を買収することを、2020年6月に発表した。
(中文:在台灣經營「家樂福」的港資「牛奶國際」即起併購「頂好wellcome超市」「JASONS」。両店改名「家樂福」。)
ウェルカムの店舗(台北市)。

カルフール、香港大手スーパーの台湾事業を買収

恵康Wellcomeは1945年に香港で設立された食品スーパーマーケット。1964年に香港に本部を置く流通大手「デイリー・ファーム」(牛奶國際、1886年創業・本社:英国領バミューダ)の傘下となった。同社は現在は香港でセブン-イレブン、IKEA(台湾IKEA含む)などの展開もおこなっており、東インド会社を源流に持つ「ジャーディン・マセソン」を親会社とする。
台湾では「頂好企業」(本社:台北市)の運営する地場スーパー「頂好」を買収するかたちで「頂好Wellcome」として1987年に台北に1号店を開業。24時間営業・深夜営業をおこなっている店舗が多いことが特徴で、2020年現在は「頂好Wellcome」199店舗と、高級スーパー「ジェイソンズ・マーケット・プレイス」(JASONS MARKET PLACE)25店舗を構える。近年は、都心部のスーパーをジェイソンズに転換することも見られた。
なお、Wellcomeは日本にも1995年に西武セゾングループと提携するかたちで日本初の大手外資系合弁スーパー「ウェルセーブ」として進出したが、1998年に撤退している。

JASONS MARKET PLACEの店舗(高雄市)。

カルフールは1987年に台湾の流通大手「統一企業」との提携で「プレジカルPresiCarre・統一家楽福)」を設立して台湾に進出、1989年に高雄市に1号店を出店。カルフールのフランス法人系が株式の6割を、統一企業系が株式の4割を保有する。出店当初はショッピングセンター中心であったが、2006年には英国系の食品スーパー「テスコTESCO)」の台湾事業を買収するなどして店舗網を拡大。こちらも台湾では24時間営業・深夜営業をおこなっている店舗が多く、2020年現在は台湾で大型店・ショッピングセンター「カルフール(家楽福)」68店舗、中小スーパー「カルフールマーケット家楽福 便利購)」69店舗を展開する。台湾では、とくに小型店が中心であったテスコの買収以降は「便利購」業態の中小スーパーを大幅に増やしていた。

カルフール便利購の店舗。

牛奶國際、台湾で「IKEAとwellcomeの融合」ねらう?

カルフールによる頂好wellcomeの買収額は9700万ユーロ。2020年末までに全株式の取得をおこなう計画となっており、年末には台湾の「頂好wellcome」の店舗はカルフールの運営となる。また、同社の物流拠点(桃園市の「wellcome大園物流センター」など)についても取得する。そのため、今回の合併により、物流網を共通させることによる効率化で店舗網の拡大が図られることが予想されるほか、牛奶國際が台湾で展開しているIKEAとwellcome(もしくはカルフール)の「共同出店」もありうるかも知れない。
IKEAは現在、2021年の開業を目指してwellcomeの大園物流センターに近い桃園市中壢区青埔に新店舗を建設中である。同店の近くにはwellcomeやJASONSは出店しておらず「共同店舗の1号店」が実現する可能性もあろう。

経営規模を拡大する台湾カルフール-頂好店は改名

台湾のカルフールは、先述したテスコ以外にも2019年に台湾製糖系のスーパーマーケット「台糖量販TAISUCO」(台糖健康超市)を買収するなどして経営規模を拡大している。
台湾のカルフールは基本的に買収した店舗の屋号を「カルフール」に変更しており、wellcomeの店舗の屋号についても合併後は「カルフール/カルフールマーケット(便利購)」に変更する。
その一方で、カルフールは台湾では「JASONS」のような高級スーパーマーケットは展開していない。そのため、JASONSに関しては「カルフールトップスーパー家樂福頂級超市)」に改名する計画だという。

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イズミヤ門真店、食品売場以外を2020年6月7日閉店-京阪門真市駅前の門真プラザ、再・再開発めざす

大阪府門真市の複合商業施設「門真プラザ」北館に出店する総合スーパー「イズミヤ門真店」が、地下1階(食品売場)以外の全フロアを2020年6月7日に閉店する。

門真プラザ。

門真市駅前の複合商業施設「門真プラザ」の核店舗

門真プラザは、1973年4月に門真市駅前再開発事業の一環として開業。建物は地上12階地下1階塔屋2階建、敷地面積は9,652㎡、売場面積は9,293㎡、延床面積は41,660㎡。門真市やパナソニック、H2Oリテイリンググループが出資する第3セクターの門真都市開発ビル(1978年設立)が管理・運営する。
門真プラザはイズミヤ直営売場を核に、100円ショップ「キャンドゥ」や「アミーゴ書店」、ハンバーガーショップ「マクドナルド」、「ホリーズカフェ」、うどん・そば・明石焼店「茶房ひまわり」といった専門店が入居していたが、2019年8月に3階を閉鎖、2020年5月には2階を閉鎖するなど段階的にフロアを縮小、イズミヤ内専門店も順次撤退していた。

門真プラザ、将来的な再開発へ

門真市は2018年以降、築45年が経過し老朽化が進む門真プラザと駅前広場の一体再整備を検討しており、2019年には公募型プロポーザル方式による門真プラザ再整備事業支援業務委託事業者の選定を行っている。
今回のイズミヤ直営売場地下1階集約により、再整備事業の実現に弾みがつくと思われる。

追記:1・2階には再開発まで当面のあいだ専門店が入居する。

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JR板橋東口ビル、2020年6月11日開業-JR東日本スポーツ・ジェクサー初の駅ビル

東京都北区のJR板橋駅東口に、JR東日本スポーツが運営する初の駅ビル「JR板橋東口ビル」が2020年6月11日に開業する。

JR板橋東口ビル。

ジェクサー初の駅ビル、板橋駅に開業

JR板橋東口ビルは地上5階建、敷地面積は約2,380㎡、延床面積は約5,320㎡。
コンセプトに「Plus Fitness」を掲げ、1階には山崎製パングループのベーカリーカフェ「デリ&ブレッド ヴィドフランス」、2階にはヘアカット専門店「QBハウス」、「板橋ステーション歯科」、3~5階にはJR東日本スポーツの「ジェクサー・フィットネス&スパ板橋(JEXER FITNESS&SPA)」が出店する。

JEXER FITNESS&SPA.

JR板橋東口ビルには、2021年春を目処に子育て支援施設も出店する予定であり、施設を運営するJR東日本スポーツは「さまざまな形で地域の皆さまのカラダとココロの健康づくりをサポートします」としている。

JR板橋東口ビル

住所:東京都北区滝野川7丁目4番1号
営業時間:テナントごとに異なる

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新風館 SHOPS&RESTAURANTS、2020年6月11日開業-旧・京都中央電話局跡、高層階はエースホテル

京都府京都市中京区の京都市営地下鉄烏丸御池駅前に、NTT都市開発の複合商業施設「新風館」の商業エリア「新風館 SHOPS&RESTAURANTS」が2020年6月11日に開業する。

新風館。

京都市登録有形文化財第1号指定を受けた逓信建築

新風館の前身となる「京都中央電話局」は1926年に竣工。設計は「東京中央郵便局」(KITTE)、「大阪中央郵便局」、「別府市公会堂」などで知られる吉田鉄郎によるもので、1983年には建築的価値が高い建物として京都市登録有形文化財の第1号に指定、1990年代初頭までNTTの関連施設(京都電電ビル西館)として利用されていた。
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旧・新風館。

京都電電ビル西館は、2001年1月に歴史的建造物を活かした複合商業施設「新風館」として全面リニューアルが行われ、BEAMSを核に末期には25店舗が出店していたが、再開発のため2016年3月27日をもって閉館。4月から一部の建替え工事が行われていた。

「近畿電気通信局管内自動式電話交換創始ゆかりの地」。

新風館は当初、2019年秋の開業を計画していたが、工事の遅れから2020年春(4月16日)開業に変更、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けた緊急事態宣言発令により5月21日に延期、買物客や従業員の安全確保を目的に6月11日に再延期していた。

西日本初となるBEAMS JAPANやアップリンクなど出店

新風館の新築棟は地上7階地下2階建、保存棟は地上3階~地下2階建、敷地面積は6,384㎡、延床面積は25,611㎡、高さは約31m、建築デザイン監修は隈研吾建築都市設計事務所が、ロゴデザインは木住野彰悟氏が担う。

保存棟(歴史建築物)と新築棟の2棟により構成される。


新風館ロゴマーク。

商業フロア「SHOPS&RESTAURANTS」の営業フロアは地下1階~地上1階、商業施設面積は約2,400㎡。
BEAMSの日本ブランドショップ「BEAMS JAPAN」やメゾンキツネ国内初となるカフェ併設店舗「MAISON KITSUNÉ・CAFÉ KITSUNÉ」、スマイルズ(Soup Stock Tokyo)が京都で手掛けるかき氷店2号店「お茶と酒たすき 新風館」、京都・高辻発祥の餃子店「ぎょうざ処 亮昌」、東京・中目黒の焼鳥店「くずし鳥割烹スエヒロガリ 京都」、世界のビーントゥーバーアワードにおいて最高賞を受賞したチョコレート専門店「green bean to bar CHOCOLATE」、ミニシアター「アップリンク京都」(4スクリーン)など20店舗が出店する。

商業フロアパサージュ。

シアトル発の「エースホテル」も進出

このほか、施設の大半を占める米国・シアトル発のホテルブランド「エースホテル京都」のフロアは1~7階、ホテル延床面積は約18,300㎡、客室数は213室。NTT都市開発子会社のUDホスピタリティマネジメントが運営するもので、インテリアデザインは米国のコミューン・デザインが担う。
NTT都市開発は、旧京都中央電話局の再生利活用だけでなく、旧新風館のコンセプトである「『伝統』と『革新』の融合」および商業施設名称「新風館」を承継することで、街の記憶を紡ぎ、「この場所ならではの魅力を持つ、街のランドマークとなる施設」をめざすとしている。

新風館 SHOPS&RESTAURANTS

住所:京都市中京区烏丸通姉小路下ル場之町586-2
営業時間(物販):午前11時~午後8時
営業時間(飲食):午前11時~午後11時
※一部店舗は除く

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アピタ宇都宮店、2020年6月11日先行リニューアル開業-ドン・キホーテとのハイブリッド型店舗に

栃木県宇都宮市のパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)系総合スーパー「アピタ宇都宮店」が、2020年6月11日午前9時に先行リニューアル開業する。
アピタ宇都宮店。

宇都宮のアピタ、開業以来最大のリニューアル

アピタ宇都宮店は、2000年9月にアドバンテックグループの旧・東洋特紙工業横川工場・旧東洋濾紙技術センター跡地に開業。建物は地上4階建で、売場面積は27,089㎡。
本館にはユニー直営売場を核に、ファミリーファッションブランド「COMME CA ISM(コムサ・イズム)」「Right on(ライトオン)」やコナカのスーツ専門店「SUIT SELECT」、ワールドの生活提案型雑貨店「one’s」、総合雑貨店「無印良品」、「くまざわ書店」、ペットショップ「ワンラブ」、ロッテリアのフードコート業態「ロッテリアフードスクエア」、ハンバーガーショップ「バーガーキング」など50を超える専門店が出店。別棟には家電量販店「ヤマダ電機」や100円ショップ「ダイソー」も出店する。
アピタ宇都宮店は、福田屋FKDインターパーク店、ベルモール、福田屋宇都宮店に次ぐ市内有数の郊外型ショッピングセンターであったが、リニューアルのため2020年6月7日をもって直営売場を閉店、一部の専門店のみで営業を続けていた。

ドンキとのハイブリッド型ショッピングセンターに

アピタ宇都宮店は、今回のリニューアルを機に直営売場を1階(売場面積6,735㎡)に集約。直営売場では従来通り、生鮮4品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)の取扱いを継続するほか、地産地消・健康ニーズに対応した食品やカジュアルウェア・キッズ関連商品、化粧品・フレグランスなどの品揃えを強化する。
PPIHグループは、アピタ宇都宮店2階にUDリテール運営のディスカウントストア「ドン・キホーテアピタ宇都宮店」を7月目処に開店予定であり、ユニー直営売場とドンキの売場が並存する「ハイブリッド型ショッピングセンター」として生まれ変わることとなる。

新たなユニー総合スーパー店舗再生の形となるか

PPIHグループ(旧・ドン・キホーテHD)は、業績不振が続くユニー運営店舗の再生を目的に、2017年11月にドンキとユニーの合弁会社「UDリテール」を設立。2018年2月には双方の屋号を冠したダブルネーム店舗「MEGAドン・キホーテUNY」1号店を出店し、2022年を目処にダブルネーム100店舗体制を目指す方針を示している。
ユニーから業態転換したダブルネーム店舗では、売上や集客力が前年比2倍~2.5倍になるなど大幅な改善が見られた一方、ユニーの主要顧客であった高齢層や贈答品需要が自社系列近隣店舗に流出する現象も見られるようになった。
PPIHグループでは、上記課題の解決策として、2019年6月からMEGAドン・キホーテUNYの一部大型店舗にテナントとしてユニー直営衣料品専門店「APITA CLOTHING(アピタクロージング)」の出店を開始するなど、ドンキ・ユニー売場間での円滑な相互送客実現を目指し試行錯誤を続けている。
アピタ宇都宮店へのドン・キホーテ導入は、従来のダブルネーム店舗とは異なる総合スーパー店舗再生の試金石となるだろうか。

アピタ宇都宮店

住所:栃木県宇都宮市江曽島本町22番7号
営業時間:午前9時~午後10時
(6月11日~30日まで営業時間を「午前9時~午後9時」に短縮)

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ドン・キホーテ京都四条河原町店、2020年6月5日開店-ドンキ、河原町に約14年ぶり復活

京都府京都市中京区の阪急京都線京都河原町駅近くに、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)のディスカウントストア「ドン・キホーテ京都四条河原町店」が2020年6月5日午前8時に開店する。

ドン・キホーテ京都四条河原町店。

ドンキ、四条河原町エリアに約14年ぶり復活

ドン・キホーテ京都四条河原町店の前身となる「ドン・キホーテ河原町店」は2005年3月に開店。京都市中心部初のドンキとして、大手時間制ゲームセンター「JJCLUB100」(現在は廃業)と共同出店したが、わずか1年3ヶ月後となる2006年6月をもって閉店していた。

ドン・キホーテ河原町店(旧店舗、BAL右奥、現在は解体)。

ドンキは2016年7月に「ドン・キホーテ京都アバンティ店」(京都駅前・八条口側)を出店し、訪日外国人観光客のインバウンド需要取込みを目指したが、京都随一の繁華街である河原町エリアに店舗がない状態が10年以上続いていた。

観光客・地元客の需要に応える「融合店」目指す

ドン・キホーテ京都四条河原町店の地上8階建地下1階建、営業フロアは4階~地下1階、敷地面積は約352㎡、売場面積は998㎡、延床面積は約2,660㎡。
トレンドと和の融合店」として、ドンキが強みとするヘアケア用品(サロン系シャンプー・ワックスなど)や化粧品、スマホパーツ、美容家電といったトレンド商品に加え、衛生用品や日用消耗品の品揃えを強化。店内装飾に大文字焼や神社仏閣など和柄を施し、地域限定デザインの紙製ショッピングバッグやPPIHグループ共通電子マネー「majica」を取扱うなど、流行発信地と観光地という2つの側面をもつ地域特性を活かした店舗づくりをおこなうとしている。

京都限定デザインご当地majica。


京都限定紙製ショッピングバッグ。
ドンキは6月1日より買物袋を有料化している。

ドンキが入居するビルには、テナントとして牛しゃぶ・牛すき食べ放題「但馬屋」、大阪・日本橋に本店を構えるメイドカフェ「黒猫メイド魔法カフェ」といった飲食店の出店も決定しており、河原町の新たなショッピングスポットとして幅広い層の集客が見込まれる。

ドン・キホーテ京都四条河原町店

住所:京都府京都市中京区河原町通蛸薬師下る塩屋町321
営業時間:午前8時~翌午前0時

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とらのあな三宮店・とらのあな静岡店、2020年6月30日閉店-両地域から完全撤退

秋葉原に本社・本店を置く大手漫画・同人誌専門店「虎の穴(コミックとらのあな)」は、兵庫県神戸市中央区の「とらのあな三宮店」と静岡県静岡市葵区の「とらのあな静岡店」を2020年6月30日をもって閉店する。

とらのあなの古参店舗「三宮店」、20年近い歴史に幕

とらのあな三宮店は、神戸三宮センタープラザ西館3階フロアに2001年8月4日に開店。同社としては大阪なんば店(現・なんばA店)、日本橋店(現在は閉店)に次ぐ関西3号店であった。
三宮店は、積極的な統廃合や移転を行う同社店舗としては極めて珍しく、開店以来一切の店舗移転を行っておらず、2008年2月の店舗大規模改装時も隣接区画への売場拡張にとどまっていた。このため、2020年現在同社店舗としては2番目に歴史のある店舗となっている。

とらのあな三宮店。

さんプラザ・センタープラザ・センタープラザ西館には、とらのあな進出以前から数多くのアニメ・漫画関連ショップが集積しており、2010年代初頭まで代々木アニメーション学院も神戸校・神戸スタジオを設置するなど、秋葉原や中野サンプラザ、大阪・日本橋に匹敵するサブカルの聖地として古くから親しまれている。2020年現在も、アニメイトグループ各社を始め、アニメ・漫画・カードショップ・鉄道模型店など40~50店舗が軒を連ねている。
しかし、築40年超が経過するなど、中野サンプラザと同様に老朽化への対応が課題となっている。

静岡駅前からは10年ほどで撤退

とらのあな静岡店は2010年10月23日に開店。同社としては名古屋店に次ぐ東海地方2号店であった。
三宮店と同様、わずか200m圏内に駿河屋静岡本店やアニメイト、メロンブックスが出店するなど、地方都市としては高水準なサブカル関連の店舗集積を形成していた。

閉店理由は未発表、店舗網再構築の一環か?

とらのあなは2020年6月現在、両店舗の閉店理由について詳細を発表していないが、2019年の大須店・湘南藤沢店・宇都宮店、2020年2月の立川店閉店と同じく、店舗網再構築の一環と考えられる。
両店舗ともに、店舗周辺には地域随一といえるアニメ・漫画関連ショップの集積があるが、同社は以前から専売品の取扱いや店舗特典の拡充に取組んでいたこともあり今回の閉店発表は惜しまれる結果となった。

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イオンフードスタイル船堀店、2020年5月30日開店-元・忠実屋のダイエー、業態転換

東京都江戸川区の都営新宿線船堀駅前に、ダイエーの総合スーパー「イオンフードスタイル船堀店」が2020年5月30日に開店する。

イオンフードスタイル船堀。

船堀駅前のダイエー、専門店強化を進めていた

イオンフードスタイル船堀店(芝本船堀第一ビル)は1981年10月に首都圏地盤の総合スーパー「忠実屋船堀店」として開店。1992年3月のダイエー傘下入り、1994年3月の運営会社再編に合わせて店名を「ダイエー船堀店」に改称していた。建物は地上6階建、営業フロアは1~3階、売場面積は9,000㎡、延床面積は13,881㎡。総合商社の芝本産業が所有する。

旧・ダイエー船堀店。

船堀店は長らくダイエー直営売場が全館の大部分を占めるフロア構成であったが、同社の産業再生機構傘下入りに伴う経営再建の一環として、2006年2月には直営売場を1~2階に集約、3階を100円ショップ「キャンドゥ」やゲームセンター「ハローズガーデン」といった専門店、同社の従業員教育施設「ダイエー船堀総合トレーニングセンター」、催事スペースを中心とするフロアにリニューアルしていた。
船堀店ではその後も継続的なフロアの再構築を推し進め、2017年12月には直営衣料・生活用品売場を残しつつ、しまむらグループの「ファッションセンターしまむら」「バースデイ」を導入、2018年6月には100円ショップ「Seria」や「ケンタッキーフライドチキン(KFC)」を導入するなど、段階的に専門店比率を高めていた。

フードスタイル化を機に飲食テナントも強化

今回の改装では、食品売場を生活提案型売場モデル「フードスタイル」に刷新し、イオングループの弁当・惣菜専門店「オリジンデリカ」を導入。フードコートに、餃子を中心とした大衆中華料理店「大阪王将」や吉野家グループのセルフ式讃岐うどん店「はなまるうどん」、「サーティワンアイスクリーム(バスキン・ロビンス)」を導入するなど、飲食店舗の拡充を図った。
合わせて、建物の外壁改修や駐車場拡張工事を行うなど、ハード面・ソフト面ともに生まれ変わることとなった。
(写真:スーパーバスターさん

ダイエー船堀店(イオンフードスタイル船堀店)

住所:東京都江戸川区船堀1-1-51
営業時間:7時~23時
(標準営業時間、一部直営売場・専門店は異なる)

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イオンフードスタイル津久野店、2020年5月30日開店-ダイエー、建替えで面積4分の1のミニスーパーに

大阪府堺市西区の津久野駅前に、ダイエーの食品スーパー「イオンフードスタイル津久野店」が2020年5月30日午前9時に開店する。
イオンフードスタイル津久野店。

津久野駅前のダイエー、2年ぶりに復活

イオンフードスタイルの前身となる「ダイエー津久野店(津久野ショッパーズプラザ)」は1972年11月に開業。建物は地上3階建で、売場面積は3,662㎡。
開業当初は、同社の大型店ブランドを冠した「津久野ショッパーズプラザ」として営業していたが、2003年8月にはダイエーグループ経営再建の過程で「ダイエーグルメシティ津久野店」に業態転換、100円ショップ「ダイソー」を導入するリニューアルを実施した。
その一方、2003年7月には高島屋ストアがイズミヤ系のデイリーカナートとしてリニューアル、2004年4月には津久野駅裏にイトーヨーカドーが進出するなど競争が激化、店舗建物も開業から46年経過するなど老朽化がみられたこともあり、再開発のため2018年2月をもって一時閉店していた。
ダイエーグルメシティ津久野店。

南海グループのマンションに中食強化型店舗

イオンフードスタイル津久野店は、ダイエー跡地で南海不動産が開発を手掛ける新築分譲マンション「ヴェリテ津久野act棟」に出店するもので、建物は地上14階建、ダイエーの営業フロアは1階、敷地面積は2,743㎡、売場面積は813㎡(246坪)、延床面積は10,708㎡。新店舗の生鮮売場では、ファミリー世帯向けの大型パックや簡便時短商品、ダイエー直営牧場の黒毛和牛ブランド「さつま姫牛」を拡充。惣菜売場では500円以内で購入可能なシシリアンピッツァ(3品目)や毎日298円の丼ぶり(2品目)を展開。

FLOOR IMAGE.

約40品目を取扱うインストアベーカリー「D’s ベーカリー」やミニストップのソフトクリーム・スイーツを取扱う「WITH MINISTOP」、イートイン26席を導入するなど、中食部門の拡充を目指す。

WITH MINISTOP.

イオンフードスタイル津久野店

住所:大阪府堺市西区津久野町1-7-40 ヴェリテ津久野act棟1階
営業時間:午前8時~午後11時

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ららぽーと豊洲、2020年3月から6月にかけて増床リニューアル-当初から延期

東京都江東区の大型商業施設「アーバンドックららぽーと豊洲」が、2020年3月18日から6月1日にかけて増床リニューアルオープンする。

ららぽーと豊洲(増床部)。

ららぽーと、豊洲ベイサイドクロスタワーに増床

ららぽーと豊洲は2006年10月に開業。全館リニューアルは今回が2度目で、隣接する三井不動産による再開発エリア「豊洲ベイサイドクロス」の中核施設である高層オフィスビル「三井不動産豊洲ベイサイドクロスタワー」の完成に伴うもの。

ベイサイドクロスタワー。

ららぽーとはこの地階から4階に「ららぽーと豊洲3」として増床出店、36店舗が入居する。
なお、豊洲ベイサイドクロスタワーの中層階はオフィス、高層階は「三井ガーデンホテル豊洲」となる。

豊洲ベイサイドクロスタワー概要。

全62店が新規出店、飲食街も増床

ららぽーと豊洲の増床リニューアル後の総店舗面積は約6万7000㎡、テナント数は214店舗。そのうち新規出店が62店、改装が40店となる。

ららぽーと豊洲・増床後のイメージ。

新規出店テナントとしては「ポロ・ラルフローレン」「デサント」「ラコステ」「アズールbyマウジー」などといった高感度ファッション店が目立つほか、若い家族が多く住む立地を生かして「アカチャンホンポ」「有隣堂書店」「トイザらス」などキッズや生活に便利な店舗を多く揃えられており、授乳室・パウダールームなどの増設・新設も実施される。
飲食街ではフードコート、レストランゾーンの両方を増床。台湾茶・スイーツ「貢茶」、喫茶「フタバフルーツパーラー」などスイーツ店を充実。絶好のロケーションを活かした「くつろぎ空間」を提供するとしている。
4階にはブックラウンジ「SPBS TOYOSU」が進出。面積は約300㎡で、本屋、カフェ、ワークスペース、スクールという、複数の機能を持ち、オンタイムにはワーキングスペースとして、オフタイムには自分の時間を過ごすための“サードプレイス”として、思い思いの過ごし方ができる場所になるという。
このほか、阪急阪神グループのコスメ店「フルーツギャザリング」、CD店「HMV」、家電「ノジマ」などが移転リニューアルする。

フードコート新客席のイメージ。

豊洲駅と直結、利便性向上

今回の増床に伴い、ららぽーとと豊洲駅が接続・直結される。
また、開業以来はじめて外壁デザインを一新。造船所のあった歴史を彷彿させる赤茶色や周辺に広がる水辺や豊かな緑等の色を洗練されたデザインで表現し、都心に近く緑豊かな豊洲の街を彩るとしている。

エントランス・改装イメージ。

感染症防止のため開業延期・休業していた

ららぽーと豊洲は感染症拡大のため4月8日より休業しており、増床リニューアルのグランドオープンは延期されてい。
一部開業済みだった店舗の多くも休業しており、館内では「あおき」「ウエルシア」など一部店舗のみが営業していたが、5月29日から既存館の多くの店舗が、6月1日には増床部分の多くの店舗が開業する予定となっている。
※現地写真は2019年に撮影。

三井ショッピングパーク・アーバンドックららぽーと豊洲

住所:東京都江東区豊洲2-4-9
営業時間:
ショップ・サービス10時~21時、レストラン11時~23時
(一部異なる店舗あり)

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