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ゆめタウン小野田、2019年5月12日閉店-おのだサンパークの核店舗

山口県山陽小野田市のショッピングセンター「おのだサンパーク」の核店舗である総合スーパー「ゆめタウン小野田」が、2019年5月12日をもって閉店する。

おのだサンパーク・ゆめタウン小野田。

シーモールに次ぐ山口県内最大級のショッピングセンター

おのだサンパークは1983年10月に九州地盤の地場大手総合スーパー「寿屋」の山口1号店を核とする「サンパークおのだ」として開業。2002年の寿屋小売業廃業を機に新たな核として「フジグラン」が出店、2008年には京阪流通システムと共同で施設の建替えを伴う大規模リニューアルを実施している。

おのだサンパーク・エントランス。

2019年現在、山口県内ではシーモール下関に次ぐ規模を持つ大型商業施設として、総合スーパー「ゆめタウン」を核に、アダストリアの「GLOBAL WORK」、「AZUL by moussy」、ファストファッション「GU」、靴量販店「ABCマート」、西鉄グループの雑貨店「雑貨館インキューブ」、「無印良品」、大型スポーツ用品店「ヒマラヤ」、「スターバックスコーヒー」など約140店舗が入居する。

自社競合に加え、小野田市への新店出店も撤退の理由か

ゆめタウン小野田は2012年6月20日、フジグラン小野田跡に開店。建物は地上2階建、営業面積は約8,000㎡。
近隣には「ゆめタウン宇部」(1996年開業)を始めとする自社店舗が複数出店するため、主要客層を「アラサー世代」に定め、山口県初となるイズミ直営ベーカリーやスイーツゾーンの導入、低価格帯の直営衣料品を拡充するなど差別化を図った。
しかし、同店はイズミが得意とするショッピングセンター業態ではなかったことに加え、2019年5月にはJR南小野田駅近隣に代替店舗となる食品スーパー「ゆめマート南小野田」が開店することから撤退するに至ったとみられる。

ゆめマート南小野田。

ゆめタウンブランドの店舗閉店は2004年の「ゆめタウン大村」、2010年の「ゆめタウン鳥栖」(末期はイズミスーパーセンター鳥栖)以来となる。

おのだサンパーク、改装へ

おのだサンパークは2019年3月、山口県内初となる原宿・表参道発の低価格雑貨店「オーサムストア」、オンワードの婦人服ブランド「23区」「組曲」、ワールドの婦人服ブランド「grove」、「楽天モバイル」を導入するなどリニューアルを進めている。
ゆめタウンに代わる新たな核テナントの導入が期待されており、後継テナントもある程度決まっている可能性が高いものの、2月現在新たな核店舗については発表されていない。
(撮影:淀津昇さん

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梅田オーパ地階、2019年2月28日一時閉店-渋谷系・109系ブランド「完全消滅」

大阪府大阪市北区の「梅田OPA」(梅田オーパ)地下1階が2019年2月28日をもって一時閉店し、4月中旬を目処にリニューアルオープンすることになった。
追記:梅田OPA地下1階には、100円ショップ「ダイソー梅田OPA店」が4月12日に新装開店する。同店は新ロゴ・新CI・新店舗デザイン採用1号店となる予定。新店舗の店舗規模、既存店舗(地下2階)の営業継続は3月現在未定となっている。

梅田OPA。

渋谷系・109系アパレルブランドは完全消滅

梅田OPAは2013年4月19日、ABC-MART梅田ビル(旧・阪急百貨店イングス館)跡の地下1~2階部分に開業。売場面積は約3,200㎡。OPAとしては関西地区15年ぶり、ダイエー完全子会社としては最後の新規出店店舗であった。
開業当初は、ファションモデル松本恵奈プロデュースの「EMODA」、小悪魔ageha専属モデルプロデュースのルームウェアブランド「Rady」、SBYが手掛けるコスメ専門店「WoMANiA」など、渋谷系・109系ブランドの取扱いに定評のあるOPAならではのアパレルブランドを多数導入していたが、梅田エリアの他商業施設より規模が小さく、同じく渋谷系・109系ブランドの取扱いに強みを持つJR西日本グループの「梅田EST」、阪急阪神グループの「HEP FIVE」が隣接するなど競合店が数多く存在したことから運営戦略の見直しを進めていた。

開業当初の梅田OPA、写真の店舗は近隣のESTに移転している。

2015年3月27日には、地下2階を100円ショップ「ダイソー」、ドラッグストア「コクミンドラッグ」、「ファミリーマート」など、生活密着型専門店中心のテナント構成に全面リニューアルしたが、地下1階ファッションフロアの集客性の改善には結び付かなかった。

地下2階は梅田地下街(Whityうめだ)と直結している。

今後は都市型ショッピングセンターに転換か?

OPAはイオンモールの完全子会社となった2016年以降、都市型ショッピングセンター業態の新規出店、既存店の業態転換を推し進めており、梅田OPAも同様の業態になる可能性が高いと考えられる。
また、今回の改装に合わせてイオングループのポイントサービス「WAON POINT」の取扱いを3月31日をもって終了する。

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旧・正札竹村本館、2019年中に更地に-大館市のシンボル的百貨店

秋田県大館市の「正札竹村」本館の解体が本格化しており、2019年1月には「マチのシンボル」として60年間に亘って親しまれた屋上の広告塔屋が撤去された。

正札竹村・本館。

2001年に倒産した大館市のシンボル的百貨店

正札竹村は1853年ごろに竹村呉服店として創業。本館の建物は地上7階地下1階建て+屋上塔屋2階。建設当時は大館市で一番高いビルだった。
長らく「いとく大館ショッピングセンター」「ジャスコ大館店(閉店済み)」とともに大館市を代表する商業施設として営業を続けていたが、2001年に倒産。大館市が2005年に取得した。
建物は本館、新館A・B棟、旧館、立体駐車場の5区画に分かれていたが、旧館は解体され「ハチ公小路」となったほか、新館は耐震補強され産直市場「NOSHO館 フレッシュハチ」などが入居するテナントビルとなった。

本館、廃業から18年で解体にー看板のみ保存

正札竹村の本館は将来的な再生も視野に特定非営利活動法人アートNPOゼロダテにより「正札コミュニティ・アートセンター構想」が掲げられ、アートイベント「ゼロダテ」などで活用されていた。
しかし、本館の建物は1969年築で老朽化が著しかったほか、アスベストも使われているため、大館市議会は2018年夏に本館の解体を決定した。また、隣接する立体駐車場についてもこれに先駆けて2017年に解体されている。
なお、ハチ公小径は2018年秋までに大部分のテナントが撤退もしくは一時休業しており、旧正札竹村本館棟解体事務所が設置されているほか、立体駐車場跡地も解体のための駐車場となっている。

屋上の看板。

解体は2018年秋から内装の解体が行われ、2019年に入ると本格化した。1月中旬には約60年に亘って大館のシンボルとなっていた広告塔屋の看板が撤去された。
大館市によると解体費用は約5億円になるという。また、広告塔屋の看板は大館市立大館郷土博物館での公開を視野に保存されるという。

外部リンク:ゼロダテ
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小田急湘南ゲート、2019年3月22日開業-小田急百貨店藤沢店、同店核の都市型ショッピングセンターに

神奈川県藤沢市の江ノ電藤沢駅ビルに、小田急百貨店を核とするショッピングセンター「ODAKYU湘南GATE」(小田急湘南ゲート)が2019年3月22日に開業する。

ODAKYU湘南GATE。

江ノ電藤沢駅直結の百貨店、ショッピングセンターに一新

小田急湘南ゲートの前身となる「小田急百貨店藤沢店」は1974年5月、江ノ島電鉄が経営母体の「江ノ電百貨店」として創業。
競合店との競争激化に加えて江ノ電自体が小田急電鉄の傘下であることから1985年には株式会社藤沢小田急(現:小田急百貨店)に経営譲渡、屋号を「小田急百貨店」に改称している。

小田急百貨店藤沢店。

施設は地上7階地下1階建で、売場面積は12,641㎡。施設は小田急百貨店が所有している。施設2階は江ノ電藤沢駅と直結しており、江ノ電の駅ビルとして開業した経緯がうかがえる。

小田急グループが共同開発、60以上の専門店が出店

今回の大規模改装は、駅ビルの運営ノウハウを有する小田急電鉄と小田急百貨店が共同開発する形で実施。改装後は小田急百貨店が店舗の運営を担う。

改装中のようす。

キーワードに「My Favorite & 3rd.Place」を掲げ、「小田急百貨店ふじさわ」(旧藤沢店)を核に60を超える専門店が入居する。

ODAKYU湘南GATEのロゴマーク。

地下1階は「地域のお客さまから支持される上質な食卓を提案するフロア」として、小田急百貨店が食料品売場を展開、小田急山のホテルが手掛ける菓子・惣菜・ベーカリー専門店「ボン・ロザージュ」、横浜・戸塚のレーズンウィッチ店「鎌倉小川軒」、ティラミス専門店「C3」(シーキューブ)の3店舗が新規出店する。
1階は「ビューティとファッションで上質な日常を提案するフロア」として、小田急百貨店が化粧品・服飾雑貨売場を展開、改装に合わせてラグジュアリーブランド「COACH」(コーチ)がさいか屋から移転する。

小田急百貨店藤沢店は改装に合わせて店名を変更する。

2階は「湘南ライフスタイルを体感できるグランドフロア」として、イオングループの高品質オーガニック食品スーパー「ビオセボン」、食のセレクトショップ「DEAN&DELUCA」(ディーンアンドデルーカ)が手掛ける「DEAN & DELUCA CAFE」、「Afternoon Tea TEAROOM」など12店舗が出店。

ODAKYU湘南GATEの館内イメージ。

3階は「食とファッション ワンランク上の日常があるフロア」として、オンワード樫山の婦人服店「23区」、「レリアン」、アメリカンカジュアルウェア「McGREGOR」(マックレガー)など百貨店で定番のブランドに加え、飲食店など18店舗が出店。
フードホール「湘南ゲートキッチン」には、地元精肉店「タカギフーズ」が初めて手掛ける肉バル「湘南Grill Style」、藤沢発のジャパニーズスパゲッティ専門店「JPASTA」、海老名ビナウォークで売上No.1を記録したラーメン店「清勝丸」、湘南の地魚・神奈川の地野菜・地酒にこだわった「茅ヶ崎海ぶね」、韓国家庭料理「李家PEGOPA」といった湘南・藤沢の飲食店6店舗が出店する。

フードホール「湘南ゲートキッチン」。

4階は「湘南の暮らしをコトとモノでサポートするフロア」として、100円ショップ「ダイソー」、眼鏡店「OWNDAYS」など13店舗が出店。
5階は「自分や家族のお気に入りが発見できるフロア」として、手芸用品店「ユザワヤ」、旅行代理店「H.I.S」など14店舗が出店。小田急百貨店時代から「京橋千疋屋フルーツパーラー」も引続き出店する。
6階は「人と人をつなぐ開かれたコミュニティフロア」として公共施設が入居。藤沢市民会館及び秩父宮記念体育館に隣接する「藤沢市南市民図書館」、JR藤沢駅ビル「ルミネ藤沢」6階の「藤沢市民ギャラリー」がそれぞれ2019年夏以降に移転する。
7階は「バラエティ豊かな食とサービスを提供するフロア」として、小田急百貨店レストラン街「味彩小路」を「湘南ゲートダイニング」としてリニューアル。焼肉店「牛兵衛草庵」や小田急不動産の住宅相談所「湘南小田急住まいのプラザ」など8店舗が出店。百貨店のお中元・お歳暮ギフト特設会場も設けられる催事場「イベントスクエア」も併設される。
屋上はこれまで通り「ベルマーレフットサルコート藤沢」と「小田急豊川稲荷神社」が設置される。

大型店間の競争激しい湘南・藤沢エリア

藤沢駅周辺は、長らく湘南エリアを代表する商業集積地として、小田急百貨店を始め、さいか屋、OPA、イトーヨーカドー、ビックカメラ(旧・丸井)といった大型店が多数出店するなど高い集客性を維持してきたが、2000年代以降、辻堂駅周辺で進められた大規模都市開発の一環により、住友不動産グループの「テラスモール湘南」、丸紅グループの「ラズ湘南辻堂」が相次ぎ開業、パナソニック藤沢工場跡地でも「FujisawaSST」(藤沢サスティナブル・スマートタウン)が開発され、蔦屋書店を核とした「湘南T-SITE」が開業するなど、大型店間の競争は駅周辺のみならず藤沢市全域に広がりをみせるようになった。

藤沢オーパ。

小田急百貨店の改装に合わせ、OPAも大規模改装を実施しており、今後も生き残りを懸けたさらなる店舗間競争の激化が予想される。

ODAKYU湘南GATEの館内構成
屋上 ベルマーレフットサルコート/稲荷神社
7階 レストラン「湘南GATEダイニング」/サービス(百貨店)
6階 藤沢市南市民図書館/市民ギャラリー
5階 趣味雑貨/サービス(ヘアサロン・旅行等)/カフェ
4階 生活雑貨/サービス(美容・リラクゼーション)
3階 フードホール「湘南ゲートキッチン」/ファッション
2階 カフェ/ナチュラルコスメ/食物販/ファッション/イベンストペース「きらっとプラス」
1階 化粧品/服飾雑貨(百貨店)
B1階 生鮮三品/惣菜/菓子/グロサリー/ベーカリー(百貨店)

館内構成。

ODAKYU湘南GATE

住所:神奈川県藤沢市南藤沢21-1
営業時間:(一部除く)
10時~20時(小田急百貨店・専門店街)
10時~19時(7階カード・ギフトサロン)
飲食店は11時~22時/22時半まで

外部リンク:小田急湘南GATE
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ドン・キホーテ赤坂見附店、2019年2月15日閉店-僅か9ヶ月で

東京都港区の東京メトロ赤坂見附駅近くのディスカウントストア「ドン・キホーテ赤坂見附店」が、2019年2月15日午後11時をもって閉店した。

ドン・キホーテ赤坂見附店。

赤坂不動尊山門跡のドンキ、僅か9ヶ月で閉店に

ドン・キホーテ赤坂見附店は、赤坂不動尊入口(山門)及びコインパーキング跡地に2018年5月10日開店。建物は地上7階地下1階建で、ドン・キホーテは地上1階〜5階部分に出店。売場面積は1,846㎡。
同店では昼間はビジネス街、夜は繁華街となる地域特性への対応として、都内最大級となるお酒コーナーの設置や弁当、ネクタイ、シューズの販売を強化するなど、約300m南東に位置する「ピカソ赤坂店」(2012年開店)との差別化、2店舗体制による相互補完を図っていた。
同社は以前より、2017年2月に開店した「ドン・キホーテ神保町店」を僅か8ヶ月後の10月に閉店させるなど、短期間での出退店を繰り返し行うなど経営判断の早さで知られており、赤坂見附店の撤退もその一環とみられる。
近隣のピカソ赤坂店も、開店当初は「高感度型モデル店舗」を掲げ採用を避けていたドンキ流POPの導入や営業時間の段階的な短縮(24時間営業→8時~26時→8時~24時)を行うなど、赤坂エリアでの店舗戦略の見直しを進めている。

ピカソ赤坂店。

再びピカソ1店舗体制となった赤坂エリアのドンキであるが、同社は積極的な出店攻勢を継続しており、今後も再び赤坂に「ドン・キホーテ」店舗を再出店する可能性が考えられる。

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三和ストアー、2019年3月15日全店閉店-呉地盤の中堅スーパー、60年の歴史に幕

広島県呉市に本社を置く地場中堅スーパー「三和ストアー」が、2019年3月15日をもって全7店舗を閉店、60年の歴史に幕を下ろすことを発表した。

三和ストアー本通店。(旧・三和ストアー本店)

呉市民の台所として親しまれたスーパー、60年の歴史に幕

三和ストアーは1959年5月、呉市本通で創業。
同社は「呉で一番早くスーパーマーケット形式を取り入れたスーパー」として、最盛期には呉市内に12店舗を展開。
2000年代以降は新規出店・スクラップアンドビルドを加速し、一部店舗を都市型食品スーパー業態「パセット」に転換するなど積極的なリニューアルを進めていたが、近年は競合店との競争激化により店舗数を7店舗まで減らしていた。

三和ストアーパセット中通店。

三和ストアーが運営する全7店舗のうち「三和ストアー天応店」「三和ストアー前川店」「三和ストアー阿賀店」の3店舗を2月28日までに閉店、「三和ストアー本通店」「三和ストアー吉浦駅店」「パセット中通」「パセット長ノ木」の4店舗を3月15日までに閉店する。
同社店舗は同業他社への譲渡、運営移管が検討されているが、運営店舗の多くで施設の老朽化が顕著にみられることから、譲渡対象店舗は一部に限られるとみられる。

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パトリア七尾、2019年3月3日に閉館へ-運営会社の破綻で

石川県七尾市の七尾駅前に位置するショッピングセンター「パトリア七尾」が、2019年3月3日に閉店する方針であることが都商研の取材で分かった。
追記:多くのテナントは撤退するが、カジマートは3日以降も当面営業を継続する。
追記:大和百貨店ギフトサロンは隣接ビルに移転
追記:ミスタードーナツは当面営業
追記:3月10日、カジマート閉店

追記:3月11日、エスカレータ停止(2階は3店が営業)
パトリア-
パトリア七尾。

七尾市を代表する大型店だったが

パトリア七尾は1995年開店。建物は地上7階建、売場面積は15,079㎡。第三セクターで大和、ユニーなども出資する七尾都市開発が運営する。
開業当初は1~3階に百貨店「大和」と総合スーパー「ユニー」が出店、4~5階にはイベントホールが整備されるなど、七尾市を代表する複合商業施設として営業していたが、2010年に大和が1階に店舗を集約、2017年2月に「ピアゴ」(旧ユニー)が撤退するなど一時存続が危ぶまれることとなった。
連絡通路-1-
奥に見えるのが七尾駅。駅前に立地する。
左は2006年に開業した「ミナクル」でコンビニや図書館が入居。

2017年4月には1階に北陸地盤の高品質食品スーパー「カジマート」と同社がFCとして運営する書店「うつのみや」が1階に出店、同年6月には「ホームセンターロッキー」が2階に出店するなど、低層階では早期の後継店舗誘致に成功した一方で、3階はサービス系1店舗を除きほぼ全てが空きフロアという状況が続いている。

建物は3月3日をもって全館閉鎖、一部では存続の動きも

今回のパトリア七尾閉店は開業以来、管理運営業務を行っていた「七尾都市開発」が2月15日をもって破産の申し立てをおこなうことを決定したことが理由だという。
経営破綻がウェブサイトで告知されたことを受けて都商研がおこなった取材に対し、ある核テナント企業は「パトリアが3月3日に閉鎖するため閉店せざるを得なくなった、申し訳ない。」と述べ、3月3日に閉館する方針であることが分かった。
その一方で、パトリア管理組合が七尾都市開発から商業フロアの管理・運営を引き継ぎ運営を継続する動きもみられるなど、先行き不透明な状況となっている。

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大塚家具、ヤマダと業務提携へ-2019年2月発表、日中ファンドから約38億円の資金調達も

家具販売大手の「大塚家具」(東京都江東区)は、家電量販店最大手「ヤマダ電機」との業務提携及び、越境EC事業を手掛ける「ハイラインズ」との資本業務提携による約38億円の資金調達をおこなうことを2019年2月15日に発表した。

IDC大塚家具新宿ショールーム。

大塚家具、将来的にはヤマダ電機への商品供給も検討

ヤマダ電機は2011年に住宅メーカー「エス・バイ・エル」を買収し住宅関連事業に本格参入して以降、2012年に旧日立化成系の住宅設備メーカー「ハウステック」を買収するなど事業強化を推進、家電販売事業との相乗効果が期待される「スマートハウス」の拡販を目指している。
同社は2016年11月、東京都立川市に生活提案型業態「LABI LIFE SELECT」1号店を出店、2017年6月には群馬県前橋市の同社アウトレット店舗跡を業態転換する形で家具・インテリア専門店「インテリアリフォームYAMADA」を出店、同年9月には茨城県ひたちなか市の同社店舗跡に家電製品と家具・インテリアの併売、直営カフェの併設を行う新業態「家電住まいる館YAMADA」1号店を出店しており、2019年1月時点では59店舗を展開する。

 「家電住まいる館YAMADA」は全国へと拡大しつつある。

今回の業務提携は両社の家具・家電販売ノウハウの共有が目的だとしており、将来的にはヤマダ電機家電住まいる館に対する大塚家具商品の供給、法人顧客(ホテル・旅館など)への家電・家具の納入、物流・リフォーム分野における協業も検討されているという。

ハイラインズからの資金調達により中国本格参入目指す

大塚家具はヤマダ電機との業務提携と合わせて、越境EC事業を手掛ける「ハイラインズ」と資本業務提携を締結、ハイラインズ及び日中アライアンスファンドを対象とした第三者割当による新株予約権の発⾏により約38億円を調達する。
大塚家具は、阿里巴巴集団(アリババグループ)の中国大手ネット通販「天猫国際」(T-MALL)に旗艦店を出店するハイラインズとの提携により、中国EC市場への本格参入とアリババ系家具小売大手「北京居然之家云地匯新零售連鎖有限公司」(居然之家/Easyhome/イージーホーム)との関係性強化を目指すという。

再建の道筋が不透明な大塚家具、株価は一時ストップ安に

大塚家具は2015年の大塚久美子社長復帰以降、会員制廃止や中価格帯商品の充実、地方百貨店への小型店・提携店舗出店、中古家具の買取・販売や家具アウトレット事業への参入など経営改革を推し進めているが、売上高及び来客数の減少により経営状況は悪化の一途を辿っている。
2017年11月には貸会議室大手「TKP」と資本業務提携を締結し、旗艦店の一部売場をTKPに転換、2018年12月には「居然之家」(Easyhome/イージーホーム)と業務提携を締結したが再建への道筋は未だに鮮明なものとはなっていない。

TKPとの資本業務提携は今後も継続する。

大塚家具の株価は2018年12月より上昇傾向にあったが、2019年2月14日から2日連続で一時取引停止、2月15日には一時ストップ安となり前日比-15.65%となる388円で取引時間終了を迎えた。

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福岡ビル、2019年3月31日閉館-TSUTAYAはショッパーズに、西鉄本社は博多に移転

福岡市中央区天神の西鉄福岡駅・地下鉄天神駅前にある複合ビル「福岡ビル」(福ビル)が再開発のため2019年3月末に閉館する。

福岡ビル。

天神交差点の顔、58年の歴史に幕

福岡ビルは1961年に完成。福岡市中心部・天神交差点の顔として知られる。1962年から西日本鉄道本社が入居しており、のちに建物も西鉄の所有となった。2005年の福岡西方沖地震では多数の窓ガラスが割れる被害を受けた。
建物は地上10階建地下3階建てで、地階から3階までは商業施設となっており、地階は飲食街、屋上はビアガーデンとなっている。
商業施設部分は永年に亘って丸善が核店舗であったが、近隣に出店する淳久堂書店との経営統合もあり閉店し、2011年4月からはTSUTAYAが核店舗となっている。

丸善出店時代、福岡西方沖地震の補修後。

閉館を控えて、館内のテナントは退去が進んでいる。現在の核店舗「TSUTAYA天神駅前福岡ビル店」は2月28日に閉店する予定となっている。

テナントの退去が進む。

TSUTAYAはショッパーズに、西鉄本社は博多に移転

TSUTAYA天神駅前福岡ビル店は丸善跡に2011年4月開店。新本と古本を同じ売場に並べる売場を特徴としていたが、開店から8年での閉店となる。
閉店後、同店は旧ダイエーショッパーズ福岡を改装して誕生する複合オフィス「天神ショッパーズ福岡」へと移転する。4月中の新装開店を目指して工事が進められる。ツタヤ店内にある「ハニー珈琲」も一緒に移転する方針だという。

イオンショッパーズ福岡。複合オフィスに改装される。

天神ショッパーズ福岡は4階から地下1階までが商業床となるが「ダイソー」「TSUTAYA」が大型店として出店する計画であることから、イオンの売場は商業床の半分程度(地階から2階程度)になるものとみられる。
天神ショッパーズ福岡のフロア構成。

また、福岡ビルの5階から6階に入居する西日本鉄道本社は住吉神社横にある「博多センタービル」(博多区)に移転する。天神地区の再開発完了後に再移転するかについては発表されていない。

福ビル館内にある西鉄の広報掲示板。

福岡ビル・天神コア跡、西鉄が「天神一高いビル」建設

天神エリアでは、福岡市が「天神ビッグバン」と称して高さ制限や容積率の規制緩和による民間再開発促進事業を推進しており、福岡地所による「天神ビジネスセンター開発プロジェクト」、三菱地所による「イムズ建替プロジェクト」、積水ハウスによる大名小学校跡地再開発(ザ・リッツ・カールトンなどが進出)の大型再開発が相次ぎ進行中している。

再開発が進む天神地区(西日本ビル跡)。

福岡ビル跡地は、西日本鉄道により天神コアビルなどと合わせて再開発される予定となっており、天神コアも2020年春に閉館する。
跡地には、2024年に天神地区で最も高い地上19階地下4階建て・高さ約96メートルの複合商業ビルが建設される計画となっている。

天神コアは2020年閉館、合わせて再開発される

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京阪交野タウン・平和堂フレンドタウン交野、2019年2月15日開業

大阪府交野市の天野川沿いにショッピングセンター「京阪交野タウン」が2019年2月15日に開業する。

交野市に京阪系ショッピングセンター

京阪交野タウンは交野市星田北の田んぼ跡に出店。開発者は京阪電鉄不動産。
核テナントは平和堂のショッピングセンター「平和堂フレンドタウン交野」とホームセンター「カインズホーム交野店」で、両社とも交野市初出店となる。
なお、カインズホームは3月上旬に開業する。
無料駐車場は798台収容となる。

平和堂フレンドタウン交野。

平和堂、交野市初出店-30テナント導入

平和堂の商業施設「フレンドタウン交野」は平屋(2階駐車場)で売場面積は9,650㎡。

フレンドタウン交野のロゴ。

食品売場として「平和堂フレンドマート」が出店する。生鮮売場には専門テナントも導入、イートインコーナーも設けられるほか、大阪市のベーカリー「石窯パンの店 ゴッホ」、寝屋川市に本店を置く銘菓店「和菓子の店ちとせ」なども出店する。
そのほか、テナントとしてドラッグストア「ココカラファイン」、100円ショップ「ダイソー」、子供服「バースディ」(3月7日開店)、メガネ「眼鏡市場」、靴「シュープラザ」、婦人服「Green Parks topic」、フードコート「フレンドダイニング」(ミスタードーナツなど)など30店舗が出店する。
飲食テナントの一部は今後順次開業する。

フレンドダイニングのイメージ。

2月15日は8時半からオープニングセレモニーを開催。
今後、開店を記念して様々なイベントが開催される予定となっている。

京阪交野タウン

住所:大阪府交野市星田北二丁目26番1号
営業時間:9:00~21:00(平和堂)

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