栃木県宇都宮市のファッションビル「宇都宮パルコ」が2019年5月に閉店する。
宇都宮パルコと再開発が検討されるドン・キホーテ
バンバ地区の核店舗、近年はテナント撤退が相次ぐ
宇都宮パルコは二荒山神社の御前でもあるバンバ地区に1997年3月に開店。市内最大の商店街・オリオン通りの徒歩圏という好立地への出店であった。
建物は地上10階、地下1階建てで、売場面積は14,996㎡。建物の正式名は「宇都宮相生再開発ビル」で、もともと神苑であったため、大部分を二荒山神社が所有する。(一部は齋藤會館と同じ銘菓店「枡金」グループが所有)
かつては店舗向かいに地場百貨店「上野百貨店」が、店舗隣接地に「西武百貨店宇都宮店」があったが、上野は2000年に倒産、西武は2002年に撤退している。
建物のテナントとしてはABC-MART、GU、紀伊國屋書店、ユザワヤ、シャンブル、交番などが出店。かつてはタワーレコード、JINS、キャンドゥなども出店していたがいずれも閉店しており、テナントの撤退が進みつつあった。
宇都宮パルコは2017年の大津パルコ閉店後はパルコ全店のなかでテナント売上高が最も低く、近年は約40億円前後で推移していた。
閉店日は調整中であるといい確定ではないとみられるが、僅か「約4ヶ月後」の閉店ということで地元にとってみても衝撃が大きいものになろう。
「メガドンキ」も近く再開発か-注目集まる活性化策
宇都宮パルコが立地するエリアはJR宇都宮駅からは2km弱の距離があるが、永年に亘って宇都宮市の中心部として栄えたエリアであった。しかし、バブル崩壊後は大型店の撤退が相次いでおり、様々な活性化策が行われている。宇都宮パルコの建設もその一環であった。
宇都宮パルコに隣接する「ラパーク宇都宮・長崎屋MEGAドンキホーテ宇都宮店」(旧西武百貨店宇都宮店)が入居する「斎藤会館」についても、建物の老朽化による耐震性不足が指摘されており、近い将来閉店して解体・再開発される可能性が高い。
また、かつてパルコのライバルであり2005年に閉店した「宇都宮109」(旧山崎百貨店)跡地のイベント広場「オリオンスクエア」も2020年までに全天候型イベントスペースとして再整備される計画がある。
宇都宮109跡のオリオンスクエア。再整備計画がある。
宇都宮市中心部最大の拠点であり東武百貨店が出店する東武宇都宮駅も現在は優等列車が殆ど来ずローカル線の様相を呈しており、ライトレールの東武宇都宮駅延伸計画についても2019年時点では具体的な着工時期は未定となっている。
ライトレール整備に合わせてJR宇都宮駅周辺の再開発が進むなか、パルコ跡の再活用も含めて東武宇都宮駅からオリオン通り・バンバ地区周辺の活性化策・再開発にも注目が集まる。
関連記事:宇都宮オリオンスクエア、全天候型広場に改修へ-109跡地、2020年度までの完成目指す
関連記事:JR宇都宮駅東口再開発、公民8棟を整備へ-野村不動産らが開発、LRT開業に向けて