カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

サンエー宮古島シティ、2022年6月17日開業-創業地宮古島に初の「無印良品」「エディオン」出店

沖縄県宮古島市平良の宮古空港・JTAドーム宮古島近くに、沖縄地場流通最大手グループ「サンエー」(本社:沖縄県宜野湾市)のショッピングセンター「サンエー宮古島シティ」が2022年6月17日に開業する。

「宮古島の個人商店」前身のサンエー

サンエーは、1950年1月に宮古島市(旧・平良市)で個人経営の雑貨店「オリタ商店」として創業、1970年5月に那覇市内で法人化、同年7月に総合衣料セルフサービス店1号店を開店した。
2022年現在は沖縄県内最大手の流通企業として、直営スーパーに加え、パルコやローソン、東急ハンズ、アカチャンホンポ、ジョイフルなどを合弁・FC方式により展開する。

出店計画縮小経て3年遅れで開業

サンエーは2015年8月に宮古島市への大型ショッピングセンター(2019年秋開業予定、地上4階建、店舗面積約15,000㎡)出店計画を発表し、自治会と土地賃貸借契約を締結していた。

サンエー宮古島シティ。(当初案)

しかし、2019年3月と2020年7月に出店計画見直しを相次ぎ発表するなど、建築費高騰やコロナ禍を背景に開業の実現自体が一時不透明となった。

施設の半数が「宮古島初」のブランドに

サンエー宮古島シティの建物は地上2階建で敷地面積29,032㎡、店舗面積は5,853㎡、延床面積は11,912㎡、駐車場台数は530台。市内ではイオンタウン宮古SC(8,593㎡)に次ぐ規模となる。
宮古島シティは食品スーパー「サンエー食品館」を核に、ドラッグストア「マツモトキヨシ」、生活雑貨店「無印良品」、家電量販店「エディオン」、大衆中華料理店「大阪王将」、ベーカリー「リトルマーメイド」、和食レストラン「和風亭」といったサンエーグループ直営・FCによる専門店7店舗が出店するほか、宮古島地場企業(マルセイ)FCによる眼鏡店「OWNDAYS」やりゅうせき系の携帯電話販売店「auショップ」、ゲームセンター「ジョイジャングル」などが出店する。

サンエー宮古島シティ。

施設は2015年の当初計画から「1/3」に規模を縮小し、核店舗が総合スーパー(サンエー衣料館併設店舗)から食品スーパーに変更となったが、無印良品を始め半数ほどが宮古島初のブランドとなるなど、同社が“創業の地”とする宮古島の旗艦店として相応しい、グループの経営資源を活かした店舗構成となった。

宮古島市内のグループ店舗も再編

サンエーは宮古島市中心部に食品館3店舗と飲食店2店舗をドミナント出店しているが、宮古島シティの開店に先駆け、2022年5月20日をもって食品スーパー「サンエーV21カママヒルズ食品館」と和食レストラン「和風亭宮古店」を閉店している。
カママヒルズ食品館と和風亭宮古店は、両店舗の“移転先”とする宮古島シティとは5kmほど離れた距離にあるが、カママヒルズ食品館の1km圏内には「サンエーショッピングタウン宮古」「サンエー宮古オリタ食品館」が営業するうえ、2022年7月からは宮古島全域(大神島除く)を対象とする「サンエーネットスーパー」がサービス開始するため、2店舗の移転が地域住民に与える直接的な影響は少ないとみられる。

サンエー宮古島シティ

住所:宮古島市平良字下里南真久底2511番43他
営業時間:午前9時~午後11時(予定)

関連記事:サンエー宮古島シティ、2022年夏開業-4年遅れで完成、当初計画から3割ほどの規模に
関連記事:サンエー浦添西海岸パルコシティ、2019年6月27日開業-パルコ、「郊外型」で沖縄初出店
関連記事:ドン・キホーテ宮古島店、2016年8月11日開店-ドンキ、先島諸島初出店

ヨークベニマル牛久上柏田店、2022年5月27日開店-茨城地場大手パチンコ「ガディス」跡地に

茨城県牛久市にセブン&アイHD系の食品スーパー「ヨークベニマル牛久上柏田店」が2022年5月27日午前9時に開店する。

地場大手パチンコ店跡地にヨークベニマル

ヨークベニマル牛久上柏田店は、2021年1月に閉店した茨城地場パチンコチェーン「ガディス牛久店」(運営会社の伸和は2022年3月破産)跡地に出店するもので、建物は平屋建、売場面積は1,741㎡、駐車場台数は69台。同店の開店により店舗数は239店舗体制(実質稼働は237店舗)、牛久市内への出店は3店舗目となる。
青果売場では茨城県内産農産物の仕入れに注力、鮮魚売場では幅広い量目での商品展開や丸魚の調理に対応、精肉売場では黒毛和牛やポークステーキ、馬刺しなどを品揃えする。また、惣菜売場では魚惣菜や少量サイズの品揃えを強化、寿司売場では利用客からの大型パック注文に対応、ベーカリー売場では店内焼き上げのパンを始め新商品の石窯ピザを展開。茨城・牛久の地域商品を豊富に品揃えるとしており、買物がしやすい親しみのある店づくりに努めるとしている。

ヨークベニマル牛久上柏田店。

ヨークベニマル牛久上柏田店は同社が直近に開店した店舗(ヨークタウン)と比べ小規模であるが、セブン銀行ATMやクリーニング店(洗濯王)の導入もあり、大手流通グループならではの商品・サービスで顧客を獲得していくものとみられる。

ヨークベニマル牛久上柏田店

住所:茨城県牛久市上柏田四丁目19番6号
営業時間:午前9時30分~午後10時(年中無休)

関連記事:ブランデ研究学園店、2022年2月17日開店- カスミ新業態「BLANDE」2号店は食特化型、ラウンジやドッグランも併設
関連記事:ブランデつくば並木店、2022年1月28日開店-カスミ新業態1号店はウエルシアと協業、無印良品は4月開店
関連記事:アトレ取手、2020年3月26日開業-「ボックスヒル」ブランド、43年の歴史に幕
関連記事:ライトオン、つくば本社ビルを2018年6月29日に売却-都心回帰進める

快活CLUB運営「AOKI」、自遊空間運営「ランシステム」を2022年6月8日子会社化-複合ネットカフェ「快活一強」鮮明に

大手複合ネットカフェ「快活CLUB」運営企業を傘下に持つ大手紳士服店グループ「AOKIホールディングス」(AOKIHD/本社:横浜市都筑区)は、大手複合ネットカフェ運営会社「ランシステム」(店名:スペースクリエイト自遊空間/本店:埼玉県狭山市、本社:東京都豊島区)と資本業務提携を締結し、ランシステムを2022年6月8日付で連結子会社化する方針を同年5月23日に発表した。

AOKI傘下となる自遊空間(東京都大田区)。

AOKI傘下の業界最大手複合カフェ「快活CLUB」

快活フロンティアの現法人は1996年3月に大手紳士服「アオキインターナショナル」(現AOKIHD)の子会社として設立。2000年8月に社名を「コート・ダジュール」に変更し、同年10月にAOKIから同名のカラオケ業態を譲受し分社独立。2002年7月に社名を「ヴァリック」に変更し、2003年7月に現在の主力事業となる複合カフェ業態「快活CLUB」の出店を開始した。
2018年には全室完全個室の新業態「快活CLUB リラックスルーム」を出店開始、2019年10月に現社名に変更した。

快活CLUBとAOKI(東京都豊島区)。

同社は親会社と競合関係にある紳士服店(はるやま商事・メンズゼビオ)傘下のチェーンや同業地場中小チェーンに対するM&Aを進めつつ全店直営・共通のサービス展開を重視、同業では当時珍しかった南国リゾート風のフロアやモーニング無料化で客層の拡大を図った。
2020年初頭から拡大したコロナ禍においても、積極的な新規出店や既存店のスクラップ&ビルド(年間50~100店舗増)や完全個室フロアの拡大、親会社の資本を活かしたリモートワークサービスの提供により、2021年4月には全都道府県への出店を達成、2022年3月期の売上高はコロナ禍前と同水準の569億9300万円となった

快活の無料朝食サービス。
ポテトは「免費芋」とも呼ばれ人気を集める。

なお、2002年12月から2008年4月まで東証ジャスダック市場に上場していたが、2022年5月現在はAOKIHDの完全子会社化となっている。

無人業態の開発に強みもつ古参「自遊空間」

ランシステムは1985年6月にレンタルレコード店「友&愛」を展開する企業として創業。1988年12月に法人化した。1996年7月には複合アミューズメント施設運営事業(スペースクリエイト事業)を開始、1998年8月に漫画喫茶・ネットカフェを核とする主力業態「スペースクリエイト自遊空間」直営店を出店開始した。
2000年代には同業中小チェーンに対する積極的なM&AやFC契約で事業規模を拡大、2018年からは同業他社に先駆け店舗無人化システムの開発と導入を本格展開している。

自遊空間NEXT(東京都大田区)。

AOKIの快活とは異なり多くはFC店舗で、2022年5月現在は主力業態に加えて無人入退場セルフ接客業態「自遊空間SELF」、鍵付き防音個室業態「自遊空間NEXT」を約140店舗展開。2022年6月期の売上高は43億2000万円。(同年5月23日修正後の業績予想)

AOKI、自遊空間取込みでさらなる多角化へ

AOKIホールディングスの2022年3月期の売上構成比は祖業である「ファッション事業」(メンズプラザAOKI)が56.1%、「エンターテイメント事業」(快活CLUBなど)が36.1%、「アニヴェルセル・ブライダル事業」が5%を占めるなど、同業紳士服チェーン各社が課題とする多角化戦略に成功を収めている。
AOKIHDは同社傘下かつランシステム既存株主の結婚式場・パーティ会場運営会社「アニヴェルセルHD」からの株式譲受、ランシステムによる第三者割当増資引受により株式の50.71%(議決権所有割合)を取得。ランシステムが得意とする無人化・リモート接客システムノウハウの取込みを図る。
AOKIHDは資本業務提携により、シナジーの最大化新コンテンツの開発店舗効率化をはじめとする業態の進化などにより事業展開を加速させるとしている。

関連記事:ジェクサーe-sports station JR松戸駅店、2021年1月24日開業-JR東日本初の常設eスポーツ施設、びゅうプラザ跡に
関連記事:洋服の青山、約160店を2021年度末までに閉店へ-全店の2割、新型コロナで収益悪化
関連記事:アメリカンイーグル(American Eagle Outfitters)、2019年中に日本撤退-運営する「洋服の青山」カジュアル大幅縮小

鳥取大丸、2022年8月31日閉店-9月3日から「丸由百貨店」に新装開業、呉服店時代の屋号で原点回帰

鳥取県鳥取市の鳥取駅前にある大丸松坂屋百貨店系の地場百貨店「鳥取大丸」が2022年8月31日をもって閉店する。

鳥取大丸。

鳥取大丸は閉店後、同じ運営会社(丸由に9月1日社名変更予定)のもと「丸由百貨店」として2022年9月3日に新装開業を予定している。

戦前から続く老舗呉服店が前身だった

鳥取大丸は、1937年2月に地場老舗呉服店「由谷呉服店」を前身にもつ百貨店「丸由百貨店」として設立・創業。同年12月に鳥取駅前に店舗(地上4階建)を開業した。
戦後は1949年12月に関西地盤の大手百貨店「大丸」(現大丸松坂屋百貨店)と資本業務提携を締結し現在の店名に改称、1975年に著名建築家「黒川紀章」設計による現店舗(地上5階地下2階建、店舗面積1,1973㎡)への移転増床を実施するなど、鳥取駅前の商業核となった。
その一方、1990年代から郊外型店の進出が本格化、2000年代初頭には近隣のダイエー鳥取駅南店(現鳥取市役所駅南庁舎)が閉店するなど競争環境が悪化。同店東側には、2013年7月に鳥取市主導による大屋根付芝生イベント広場「バード・ハット」が新設されたが、鳥取大丸は依然として業績低迷傾向が続いていた。
そのため、2018年7月には「大丸松坂屋百貨店」や地場公共交通事業者「日の丸グループ」(本社:鳥取市)など数社が出資する旧法人から、日の丸グループや島根県第一地銀「山陰合同銀行」(本社:島根県松江市)系列のファンドが出資する新会社に運営を移行。大丸松坂屋百貨店との資本関係は消滅したもの、商品調達・取引先誘致やライセンス契約面での提携が続いていた。

2018年の地場百貨店化機にリニューアル進めていた

鳥取大丸は新体制移行を機に、2019年9月から低層階(地階~地上4階)に百貨店フロアを集約、2020年4月には高層階(地上5階・屋上階)に新たな商業フロア「TOTTORI PLAY’S(トットリプレイス)」を新設するリニューアルを実施した。
トットリプレイスでは、雑貨ブランド「Afternoon Tea LIVING」「Flying Tiger Copenhagen」や和洋菓子銘店の定期的な催事出店に加え、近隣住民による物販・飲食店舗の催事出店(飲食は1日単位/物販は1ヶ月単位)、屋外ステージでのライブ・ダンスイベントなどに対応するなど、従来と異なる客層の取込みをめざしている。

屋号の原点回帰で「地域密着」鮮明に

鳥取大丸の屋号変更は大丸松坂屋百貨店とのライセンス契約満了によるもの。ライセンス契約満了にあわせ、法人名を「丸由」、店舗名を「丸由百貨店」に改称する。
鳥取大丸は2022年5月18日に山陰初となる高級食品スーパー「北野エース」を導入したばかり。鳥取大丸閉店後も同社発行の友の会会員証や各種商品券、同社提携の各種クレジットカード(NKC鳥取大丸デイリーカード)、ギフト(お中元・お歳暮・二十世紀梨)お届け先リストなどは従来どおり利用可能としており、営業時間・駐車場も変更しない。同社は「百貨店が本来持つ楽しさやワクワクをもう一度取り戻す。賑わいの中心であった鳥取の百貨店へ原点回帰するために、鳥取で暮らす多くのお客様とともに、新しい鳥取の百貨店を目指します。」「これからの丸由百貨店をどうぞよろしくお願いいたします。」とコメントしている。

丸由百貨店(旧鳥取大丸)

住所:鳥取県鳥取市今町2丁目151
営業時間:午前10時~午後7時(2022年9月3日開業予定)

関連記事:ホープタウン、2022年1月31日閉店ー旧米子サティ、40年の歴史に幕
関連記事:ガイナックスシアター、2021年2月28日閉館-旧・サティ東宝、イオン米子駅前店のサブカルイベント施設
関連記事:JR米子駅ビル、2020年9月4日閉館-建替えで橋上化・南北自由通路設置へ
関連記事:グッドブレスガーデン、2019年11月22日開業-米子高島屋東館をジョイアーバン社が複合施設化、本館も同社運営に
関連記事:ザ・ビッグ境港店、2019年5月25日開店-マックスバリュ西日本、山陰初出店
関連記事:一畑百貨店ゆめタウン出雲店、2021年3月12日開店-駅前から移転、2年ぶり「復活」
関連記事:松江タウンスクエア・キャスパル、2021年4月18日閉館-旧アピア、40年の歴史に幕

ライフビオラル新宿マルイ店、2022年5月28日開店-カフェ併設の自然派スーパー、丸井地階に

東京都新宿区の東京メトロ新宿三丁目駅に直結する丸井グループの複合商業施設「新宿マルイ本館(丸井新宿店本館)」地下1階に、ライフコーポレーションのナチュラルスーパー「ビオラル新宿マルイ店」が2022年5月28日に開店する。

新宿マルイ。

新宿マルイ本館地階、ライフ系自然スーパーに

ビオラル新宿マルイ店は、新宿マルイ本館地下1階のレディスシューズ/コスメ/ファッション雑貨フロアに出店するもので、売場面積は231㎡。ビオラルとしては丸井吉祥寺店、下北沢駅前店に次ぎ首都圏3店舗目。
同店では「オーガニック・ローカル・ヘルシー・サスティナビリティをコンセプトとした、ワクワクのあるこだわり商品とサービスを提供すると共に、持続可能で豊かな社会の実現に貢献しながら、地域のお客様に支持される店へ」をコンセプトに、生鮮部門では有機農産物や東京GAP認定野菜を中心とした東京育ち野菜など展開。惣菜部門では国産・有機原料や食品添加物への配慮を謳ったサラダ・デリカテッセンを対面量り売りで提供する。

ライフ・ビオラル新宿マルイ店。

また、グロサリー部門ではライフのオーガニックPB商品「BIO-RAL(ビオラル)」に加え、同業態他店舗でも特徴として打ち出している「搾りたてピーナッツバター」「お米量り売りコーナー」を導入する。
そのほか、東京都心部のファッションビル地階・新宿三丁目駅改札前という良好な立地条件を活かし、オーガニックコーヒーや軽食を提供する「ビオラルカフェ」を併設するほか、アロマ精油使用のオーガニックシャンプーやアメリカ産天然クレイ使用のボディケア商品、健康ペットフードやオーガニックベビーフードといった日用品・コスメの拡充を図るとしている。

ライフビオラル新宿マルイ店

住所:東京都新宿区新宿3-30-13
営業時間:午前11時~午後8時
(ビオラルカフェ平日午前8時~/土日祝午前11時~)

関連記事:ユニクロビックロ新宿東口店、2022年6月19日閉店-ユニクロ世界旗艦店の1つ、近隣に新店舗出店へ
関連記事:アルペンTOKYO、2022年4月1日開業-ヤマダLABI新宿東口館跡、スポーツデポ・GOLF5などグループ集結
関連記事:ディズニーフラッグシップ東京、2021年12月5日開店-日本最大のディズニーストア、新宿に
関連記事:小田急百貨店新宿本店本館、2022年9月末閉店-新宿駅西口再開発で「48階建て超高層ビル」に
関連記事:イケア新宿、2021年5月1日開店-「フォーエバー21」跡、IKEAに

丘の上 結いスクエア、2022年5月19日開業-ユニーピアゴ飯田駅前店跡、ツルハや図書館など入居

長野県飯田市のJR飯田駅前にあった総合スーパー「ユニーピアゴ飯田駅前店」跡に、複合商業施設「丘の上 結いスクエア(ユイスク)」が2022年5月19日に開業した。

丘の上 結いスクエア(飯田市facebookより)。

飯田駅前の旧ユニー、地元企業が取得・市と改装していた

「ユニーピアゴ飯田駅前店」の前身であるユニー飯田駅前店は1974年4月に開業。建物は地上5階・地下1階、延床面積は約12,900㎡で、飯田市中心部を代表する総合スーパーであったが、2018年9月に閉店した。

ピアゴ飯田駅前店(飯田市ウェブサイトより)。

その後、地元の建設会社「吉川建設」が建物を取得し、新会社「飯田駅前プラザ」を設立して飯田市とともにリノベーションを進めていた。

生鮮を扱うツルハを核に公共施設など入居

「丘の上 結いスクエア」は地上5階、地下1階建てではあるものの、耐震性確保などのため一部減築。リノベーションの総事業費は10億7500万円で、そのうち国と飯田市が2億円ずつ負担している。

建物パース図(飯田市ウェブサイトより)。

丘の上 結いスクエアのキャッチフレーズは「つながる、結ぶ、ここから。」で、1階には核店舗として生鮮品を扱う「ツルハドラッグ飯田駅前店」(店舗面積1,322㎡)と、サッカーJリーグ松本山雅のカフェ「喫茶山雅」が出店。
2階・3階は飯田市の公共施設「ムトスぷらざ」で「飯田市公民館」「飯田市立飯田駅前図書館」、イベントホールなどが設けられる。

飯田駅前図書館(飯田市facebookより)。

4階・5階はオフィスフロアとして、建物を所有する吉川建設のほか複数の企業が入居。5階部分には屋上テラスも設けられている。
地階は駐車場となっている。

館内吹き抜け。建物は一部減築(飯田市facebookより)。

飯田駅前はピアゴ閉店後に大型店が無くなったばかりかコンビニエンスストアも少し離れていたため、買い物難民の解消・駅利用者の利便性の向上が求められていた。ユイスクは地元住民のみならず、駅を利用する旅行客にも親しまれる施設となることだろう。

ツルハドラッグ飯田駅前店

長野県飯田市東和町2丁目35
営業時間:9時~21時

関連記事:ニシザワデパート、2021年6月28日閉店ー地場大手スーパー「ニシザワ」創業の地、再開発で
関連記事:MEGAドン・キホーテUNY高森店、2020年11月20日開店-アピタ跡、長野県初となるドンキ・ユニーのダブルネーム店

ユニクロビックロ新宿東口店、2022年6月19日閉店-ユニクロ世界旗艦店の1つ、近隣に新店舗出店へ

東京都新宿区の新宿三越ビルビックロ)にあるファストファッション店「ユニクロビックロ新宿東口店」が2022年6月19日に閉店する。

ユニクロビックロ新宿東口店。

新業態「ビックロ」10年の歴史に幕

ユニクロビックロ新宿東口店は1929年に建てられた新宿三越ビル(旧新宿三越アルコット、三越伊勢丹グループ所有)に2012年9月開店。ビックカメラとの複合店「ビックロ」という新業態は大きな話題を呼んだ。
ユニクロの売場は2~3階、店舗面積は2,900㎡。ユニクロのグローバル旗艦店の1つという位置づけであった。
ビックロは2022年に10年間の定期借家契約が切れるため、今後の動きが注目されていた。

ユニクロは近隣に新店舗、全館ビックとして営業へ

ユニクロは閉店に合わせて2022年秋に「ユニクロ新宿フラッグス店」「ユニクロ新宿三丁目店」を開業させることを発表しており、事実上の店舗移転となる。
また、ビックカメラはユニクロの閉店後に全館を「ビックカメラ新宿東口店」として営業するとしているため、ユニクロの売場にはビックカメラ新宿東口店が増床するものとみられる。

関連記事:アルペンTOKYO、2022年春開業-ヤマダLABI新宿東口館跡、スポーツデポ・GOLF5などグループ集結
関連記事:ディズニーフラッグシップ東京、2021年12月5日開店-日本最大のディズニーストア、新宿に
関連記事:小田急百貨店新宿本店本館、2022年9月末閉店-新宿駅西口再開発で「48階建て超高層ビル」に
関連記事:イケア新宿、2021年5月1日開店-「フォーエバー21」跡、IKEAに
関連記事:ヤマダ電機LABI新宿東口館、2020年10月4日閉店-ヤマダ旗艦店、店舗統廃合で

ロピア、スーパーバリューへの業務提携案提示を2022年5月発表-相互補完で2031年度売上高2兆円めざす

首都圏地盤の大手食品スーパー持株会社「ロピア・ホールディングス」(本社:川崎市幸区)は、首都圏地盤の中堅スーパー「スーパーバリュー」(本社:埼玉県上尾市)の取締役会に対し、2022年5月11日に業務提携案を提示したことを同月18日に発表した。

精肉屋として創業したロピア

ロピアは1971年4月に「肉の宝屋藤沢店」として創業。1972年に有限会社として法人化、1996年に食品スーパー運営会社「ユータカラヤ」を設立した。
同社は2011年2月の現社名への変更を機に、同年11月に「ロピアモール小田原高田」を出店するなど新業態「ロピア」の展開を本格化、2013年からは三井不動産系ショッピングセンター(ららぽーと)や島忠ホームズの食品核としての出店を打ち出し、関西・東海地方への進出を果たすなど事業拡大を推し進めている

「ロープライスのユートピア」掲げるロピア

家具屋のホームセンターとして創業したスーパーバリュー

スーパーバリューは1996年3月に埼玉地場家具・インテリア店「大川(Oh!Kawa/現大川HD)」子会社の「大川ホームセンター」として設立。2001年6月に現大川HDが株式を一部売却、2005年3月に現社名へ変更したことを機に、店舗ブランドを「SuperValue(スーパーバリュー)」に統一した。

バリュー飯能店。

2022年2月時点では同社社長親族(岸本家)の資産管理会社が株式の33.47%、ロピアHDが株式の33.17%、JMホールディングス(旧ジャパンミート)が株式の6.53%、同社従業員持株会が4.39%、サンベルクスが2.76%を保有するなど、同社関係者や首都圏地盤の食品スーパー各社が株主に名を連ねている。また、大川HDは2022年5月現在もスーパーバリューを提携会社として位置づけている。

ロピア、大型店・非食品に業容拡大めざすか

ロピアHDは業務提携案において、スーパーバリューの業績改善のため「高い売上高成長率と一定の営業利益率を実現している当社がSV社と協業して事業戦略を描くこと」が不可欠としており、エリア補完・事業補完・商品補完・人材補完が可能な両社の提携が株式価値を高めるとしている。
同社は2024年度に売上高5,000億円、2031年度にグループ売上高2兆円をめざすとしており、スーパーバリューとの提携により、手薄な東京都内・埼玉県内での店舗網拡充や非食品分野の取込みによる業容のさらなる拡大を図るものとみられる。
スーパーバリューは5月19日に「内容等を確認中であり、協議等はこれからであります。」とのコメントを出しているうえ、同社株を首都圏地盤の食品スーパー複数社が保有しているため、ロピアによるグループ売上高2兆円達成に向けた足がかりとなる提携の成否は未知数となっている。

関連記事:コトエ流山おおたかの森、2022年4月27日開業-大和ハウスの新ブランド1号店、「ロピア」「コジマ×ビックカメラ」核に
関連記事:アクロスプラザ小平、2021年2月11日開業-日立自動車教習所跡地、ロピア・セリア・サイゼリヤ・歯医者など出店
関連記事:イコアス千城台、2020年7月6日開業-旧・長崎屋ラパーク千城台、ロピア核の新施設に

ヨークフーズ新座馬場店、2022年5月20日開店-ビッグサム・ロイヤルホームセンター跡、イトーヨーカドー系スーパーに

埼玉県新座市のロイヤルホームセンター新座店跡に、セブン&アイHD系の食品スーパー「ヨークフーズ新座馬場店」が2022年5月20日午前9時に開店する。

ホームセンターとして27年営業した建物に出店

ヨークフーズ新座馬場店の建物に以前出店していたダイヤ通商(現CAPITA)グループのホームセンター「ビッグサム新座店」は1994年3月に開店。2008年2月のダイヤ通商による大和ハウスグループへの同事業譲渡にともない「ロイヤルホームセンター新座店」に転換したが、2021年7月をもって閉店していた。建物は地上1階建で売場面積は1,974㎡、屋上は立体駐車場となっていた。

スーパー初「デニーズ」新商品など冷凍・健康食品強化

ヨークフーズ新座馬場店はロイヤルホームセンター跡の建物を全面改修し出店するもので、売場面積は1,955㎡、駐車場台数は97台、駐輪場台数は100台。

ヨークフーズ新座馬場店

同店冷凍食品売場ではテーマに「ファミレスの味をご自宅で」を掲げ、セブン&アイ系ファミリーレストラン「デニーズ」人気メニュー5種類をスーパー店頭で初めて販売するほか、すかいらーく系レストラン「ガスト」「バーミヤン」の冷凍食品を多数取揃える。また、「カラダにいいモノOn」「ヨブンなモノをOff」といった提案型POPを掲げ、健康商品約430アイテムを1ヶ所に集約しコーナー化するなど、高まる健康ニーズへの対応をめざすとしている。

カラダにいいモノOn


ヨブンなモノをOff

ヨークフーズ新座馬場店

住所:埼玉県新座市馬場4丁目6-15
営業時間:午前9時~午後9時45分

関連記事:サミットストア戸田駅店、2022年3月13日閉店-同社初だった「深夜営業店」、ビーンズ戸田の核テナント消滅
関連記事:ヤオコー和光南店、2022年2月25日開店-越後山の商業核、ザ・マーケットプレイスとの連携でドミナント強化
関連記事:ザ・マーケットプレイス和光、2021年10月14日開業-写研跡地、ヤオコー和光丸山台店を核に無印良品など出店
関連記事:エキアプレミエ和光、2020年3月26日全面開業-東武和光市駅ビル、25店舗が出店
関連記事:ダイエー成増店、2019年12月31日閉店
関連記事:くみまちモールにいざ、2018年11月23日開業-新座駅北の新たな街の中核に

イオンシネマ西大和、2022年8月21日閉館-旧サティのワーナーマイカルシネマズ、イオン本館跡地は再開発へ

奈良県北葛城郡河合町の近鉄田原本線大輪田駅近くにあるイオンエンターテイメントの複合映画館(シネマコンプレックス)「イオンシネマ西大和」が2021年8月21日をもって閉館する。

県内初となる大手シネコンだった

イオンシネマ西大和は、2000年12月にマイカル(現イオンリテール)とワーナーブラザーズによる合弁会社が運営する映画館「ワーナーマイカルシネマズ西大和(WMC西大和)」として開業。2013年2月のイオンによるWMCの完全子会社化、同年7月の運営会社再編にあわせて現在の施設名称となった。建物は地上4階建で延床面積は約2,300㎡。スクリーン数は7、座席数は1318席。
同施設は奈良県内初となる大手シネマコンプレックスとして、奈良県道36号線を挟み隣接する大型総合スーパー「イオン西大和店(旧マイカル西大和サティ)」とともに、西大和ニュータウンを代表する施設のひとつとして営業。2016年5月からは河合町とコラボした町民限定優待チケット(1,300円)を販売開始するなど個性的な取組みを打ち出していた。

イオンシネマ西大和(旧WMC西大和)。

その一方、2021年7月に隣接するイオン西大和店本館が閉店。イオン本館と敷地が異なるイオンシネマ西大和は、同年12月から2022年1月にかけて「イオンシネマ西大和20周年×河合町町制施行50周年記念コラボイベント」として同社・同町のSNSアカウントを活かした映画鑑賞者向け抽選キャンペーンを実施するなど営業継続を図ったが、約22年の歴史に幕をおろすこととなった。

2021年7月に閉店したイオン西大和店。

イオンシネマ閉館の理由について、イオンエンターテイメント広報担当者は「シネマ棟と隣接する立体駐車場の土地建物の賃貸借契約満了のため」とコメント。
同社施設は「奈良県内は西大和1店のみ」であるが、同社発行のチケット(前売券)や各種会員サービス・ポイントなどは、近隣のイオンシネマ高の原(京都府/イオンモール高の原内)やシアタス心斎橋(大阪府/心斎橋パルコ内)を始めとする全国のイオンシネマで引続き利用可能としている。

京都府と奈良県の府県境にあるイオンモール高の原。
イオンシネマ高の原は京都府の店舗扱いとなっている。

イオン本館跡地は再開発、映画館・立駐跡地は未定

イオン西大和店本館跡地では、土地建物を取得した不動産会社「アーク不動産」主導による解体工事が進んでいる。
アーク不動産は、関西地盤の大手ホームセンター「コーナン」を核に食品スーパーや各種専門店を配す複合商業施設を建設する方針を示しており、従来の総合スーパーに代わる新施設が開業する見込み。
その一方、映画館棟・立体駐車場棟に関しては跡地活用の方針が未定となっており、現施設同様の集客施設が復活するかは未知数といえそうだ。

関連記事:タイムズプレイス西大寺、2022年4月21日リニューアル開業-近鉄大和西大寺駅ナカ、開業以来初の全面刷新
関連記事:ライフ学園前店、2021年8月31日閉店-学研奈良登美ヶ丘駅前の大型総合スーパー、規模縮小を経て23年の歴史に幕
関連記事:イオン西大和店、2021年7月31日閉店-西大和ニュータウンの商業核、ニチイ・サティから35年の歴史に幕
関連記事:KOHYO奈良新大宮店、2021年1月10日閉店-奈良そごう跡「ミナーラ」の核店舗・光洋、新たなスーパーを導入へ

関連記事:コノミヤ、スーパーおくやまを2020年5月18日に完全子会社化-奈良県初進出
関連記事:イオン富雄店、2019年10月31日閉店-旧ユニード・ダイエー、46年の歴史に幕
関連記事:ミ・ナーラ、2018年4月24日開業-賑わう開業日、AKB48奈良県代表や「忍者アイドル」も登場