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シアトルズベストコーヒー、国内の大半がJR九州系に-2019年4月に首都圏から関西の店舗の3割取得

JR九州グループで、西日本を中心にシアトル系コーヒーチェーン「SEATTLE’S BEST COFFEE」(シアトルズベストコーヒー、SBC)を運営する「JR九州ファーストフーズ」は、「SEATTLE’S BEST COFFEE」の首都圏から関西までの既存店のうち約3割を新たに取得・運営開始したことを2019年4月23日に発表した。
これにより、同店は国内の大半がJR九州傘下となった。

JR九州ファーストフーズ運営のSEATTLE’S BEST COFFEE(大阪市)

シアトルズベスト、一時は日本から姿を消しつつあった

SEATTLE’S BESTは1968年に米国ワシントン州ウィッビーアイランドで創業。1999年10月に日本1号店を東京都渋谷区に出店して以降、最盛期となる2007年には国内に70店舗近くを展開したが、2008年1月に当時の最大手フランチャイジーが経営破綻したことで大半の店舗が閉鎖、営業休止に追い込まれていた。
2010年代に入ると、首都圏の大手フランチャイジー「ブランドパートナーズ」がSEATTLE’S BESTの姉妹ブランドでもあるシナモンロール専門店「CINNABON」(シナボン)、バー・レストラン「VASHON」(ヴァション)との複合業態を出店開始、JR九州ファーストフーズによる九州エリアでの出店強化もあり、2019年現在の店舗網は最盛期となる2007年とほぼ同水準となっている。

復活を遂げたシアトルズベスト、国内店舗の7割がJQ系に

SEATTLE’S BESTの九州地区における最有力エリアフランチャイジーであった「JR九州ファーストフーズ」は2018年4月に最大手シアトル系コーヒーチェーン「STARBUCKS COFFEE」(スターバックスコーヒー)ともFC契約を締結、アミュプラザ小倉に同社運営スタバ1号店を出店しており、SEATTLE’S BESTの今後の店舗展開が危惧されていた。
しかし、同社によるスタバ運営開始後も同年中に阪急阪神東宝グループの「阪急産業」から梅田DTタワー店を取得し本州に初進出、広島県のゆめタウン廿日市にも新規出店するなど、積極的な店舗網拡大を継続している。

2019年3月に出店した別府駅店。

今回同社が取得した店舗は「シナボン六本木店」「シナボン二子玉川ライズ店」「アトレ吉祥寺店」「ヴァション芝公園店」「ヴァション日本橋兜町店」「シナボンさいたまコクーン店」「ヨドバシ京都店」「アパホテル京都店」の8店舗。
SEATTLE’S BEST国内65店舗のうち46店舗、全店舗のうち約7割が同社運営店舗となった。

今回JR九州ファストフーズが取得したシナボン六本木店。

JR九州系、シアトルズベストのさらなる店舗網拡大目指す

JR九州ファーストフーズは「今後も、九州島外での出店を積極的に推進し、全国の皆様に楽しく安らげるひと時を提供してまいります。」とコメントしており、今後も同社によるSEATTLE’S BESTのさらなる店舗網拡大が想定される。

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サンエー浦添西海岸パルコシティ、2019年6月27日開業-パルコ、「郊外型」で沖縄初出店

沖縄県浦添市にパルコとサンエーを核としたショッピングセンター「サンエー浦添西海岸PARCO CITY」(サンエー浦添西海岸パルコシティ)が、2019年6月27日に開業する。

サンエー浦添西海岸パルコシティ。

沖縄浦添西海岸にパルコ初「郊外型店舗」

サンエー浦添西海岸パルコシティは浦添市主導の大規模湾岸開発プロジェクト「那覇港浦添ふ頭地区第一ステージ都市機能用地事業」を、プロポーザル方式により選定された沖縄地場流通大手「サンエー」が事業者となり開発を進めるもの。
2018年に開通した湾岸道路沿いで、那覇空港まで車で約15分ほどの距離となる。

出店地。

開発・運営は沖縄県内で総合スーパーを展開する「サンエー」と大丸松坂屋系のファッションビル運営大手「パルコ」による合弁会社「サンエーパルコ」。合弁会社の出資比率はサンエー51%、パルコ49%。
パルコでは珍しい「郊外型店舗」で、約4,000台収容の大型無料駐車場を備える。

250店のうち約80店が「沖縄初」

サンエー浦添西海岸パルコシティの建物は地上6階建(商業ゾーンは1~3階)、総賃貸面積78,000㎡、店舗面積約60,000㎡。コンセプトに「幸せの共感 ここから未来へ」を掲げる。

フロアプランとフロアコンセプト。

館内には総合スーパー「サンエー」と専門店250店舗、シネマコンプレックスなどが出店。
そのうち、セレクトショップ「URBAN RESEARCH DOORS」、ファストファッション「ZARA」、「島村楽器」、ローソン系の複合書店「HMV&BOOKS」、シネマコンプレックス「ユナイテッド・シネマ」、六本木の高級焼肉店「叙々苑」、豚骨ラーメン「一風堂」、「博多天ぷら たかお」のレストラン業態など約80店舗が沖縄初出店となる。
そのほか、大型雑貨店「東急ハンズ」、「無印良品」、家電量販店「エディオン」がサンエーFC店舗として出店。ファストファッションの「H&M」、「ユニクロ」、「ABCマートグランドステージ」、「アカチャンホンポ」なども大型店として出店する。
東急ハンズは沖縄県3店舗目で、売場面積は2,100㎡となる。

センタープラザ。

また、館内2ヶ所に大型の吹き抜けが設置され、各種イベントスペースとして用いられるほか、無印良品が出店する館内3階は良品計画の全面プロデュースフロアとなる。
屋上には展望デッキも設けられ、沖縄西海岸が一望できる。

無印良品がプロデュースする3階にはシネコンも。

パルコがこうした地場大手と提携して郊外型ショッピングセンターを出店することは史上初のことであり、同店の成否によっては今後もパルコが「郊外店展開」に踏み出す可能性もあろう。

ライカムも増床で「沖縄最大」を維持

同店の開業を控え、迎え撃つ沖縄最大の商業施設「イオンモール沖縄ライカム」も2019年4月26日に増床しニューアルオープンしている。同店の店舗面積は約86,000㎡となり、「GU」、「ニトリ」、「レイバン」など新たに19店舗が出店。「沖縄県最大」の座を維持することとなった。
とはいえ、パルコシティはライカムよりも那覇市街地や空港や港湾に近く、観光客の来館も予想されるうえ、HMVが出店すること、そして空港からのアクセスが良好なことから、芸能人やアーティストを招いたイベントが行われるようになる可能性も高い。
両店の熾烈な争いは今後も続くことになるであろう。

サンエー浦添西海岸パルコシティ

住所:沖縄県浦添市西洲三丁目 1-1
営業時間:全館 10:00~22:00(一部異なる)
サンエー食品館(1F) 09:00~23:00
フードテラス(1F)、フードホール(2F) 10:00~22:00
レストランストリート(3F) 11:00~23:00
上記以外のカフェ・レストラン(1~3F) 10:00~22:00

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ミスターマックス綾羅木ショッピングセンター、2019年5月31日閉店

山口県下関市綾羅木新町の梶栗郷台地駅前に位置する「ミスターマックス綾羅木ショッピングセンター」が、2019年5月31日17時をもって閉店する。MrMax綾羅木ショッピングセンター。

下関のミスターマックス、24年の歴史に幕

ミスターマックス綾羅木ショッピングセンターは1994年12月に「ハイパーモールメルクス綾羅木」として開業。売場面積は9,520㎡。
長らく総合ディスカウント「ミスターマックス」と地場食品スーパー「レッドキャベツ」(後にイオン傘下入り)を核に、100円ショップ「meets.」、ゲームセンター「てくもぴあ」、「マクドナルド」といった複数の専門店が出店、一時期は名古屋地盤のラーメン・甘味専門店「スガキヤ」も出店するなど、近隣の総合スーパー「ジャスコ安岡店」(当時)とともに山口県道248号線沿いを代表する商業集積を形成していた。レッドキャベツ綾羅木店営業当時のMrMax。

しかし、2009年12月にイズミの旗艦店「ゆめシティ」が開業して以降、2013年に近隣の総合スーパー「イオン安岡店」(旧ジャスコ)が総合ディスカウント業態の「ザ・ビッグ安岡店」に転換、2018年には当施設の食品核である「レッドキャベツ」が撤退するなど、競争激化による影響が顕著なものとなっていた。2019年現在、ミスターマックスを除く大半のテナントが撤退している。
今回の閉店の理由として、同社は「賃貸契約の終了」を挙げており、2019年5月9日より「閉店売り尽くしセール」を開催するという。
当施設の閉店に伴い、ミスターマックスは下関市内から撤退する。

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コスメロフト東急プラザ表参道原宿店、2019年4月19日開店-東急ハンズ跡に「コスメ特化」新業態1号店

東京都渋谷区のJR原宿駅、東京メトロ明治神宮前〈原宿〉駅前に位置する「東急プラザ表参道原宿」5階に、ロフトの新業態「コスメロフト東急プラザ表参道原宿店」が2019年4月19日に開店した。
コスメロフト東急プラザ表参道原宿。

ロフト初となるコスメ専門店、表参道に誕生

コスメロフトは東急ハンズの雑貨専門店「ハンズビー」「ハンズカフェ」跡に出店。営業面積は約155㎡。

東急プラザ表参道原宿。

同社初となる美容・健康雑貨領域に特化した新業態として、コンセプトに「表参道の“街角ビューティステーション”」を掲げ、表参道という「トレンドの中心地」に集まる女性をターゲットとしたコスメ、トレンド雑貨など6,000~7,000アイテムを展開する。
同社店舗としては比較的小規模なものとなるが、資生堂のミレニアル世代を対象としたスキンケア&ボディケアブランド「recipist」(レシピスト)の常設販売や自社開発コスメブランド「LOFCOS」(ロフコス)の取扱いなど、旗艦店である渋谷ロフトと同時にトレンドをリードするアイテムを発信するという。
今後はこうした「コスメ特化」の超小型ロフト店舗が全国展開される可能性もあろう。

コスメロフト東急プラザ表参道原宿

住所:東京都渋谷区神宮前4-30-3東急プラザ表参道原宿5階
営業時間:11:00~21:00

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東急ストア武蔵小杉店、2019年4月26日開店-東急ストア1号店、約1年3ヶ月ぶり復活

東急東横線武蔵小杉駅の「武蔵小杉東急スクエア・ステーションマーケット」 に、食品スーパー「東急ストア武蔵小杉店」が2019年4月26日に開店する。

武蔵小杉駅と東急スクエア。

東急ストア1号店、約1年2ヶ月の休業を経て復活

東急ストア武蔵小杉店は1956年11月に東急ストアの前身「東横興業」の食品スーパー1号店「武蔵小杉東興店」として武蔵小杉駅北口に開店。1957年6月に総合スーパー業態となり、同年9月には「武蔵小杉東光ストア」へと改称、1975年3月に現在の屋号となったが、駅前再開発と高架化に伴い1986年8月をもって閉店していた。

東興ストア武蔵小杉店。

その後、2000年10月には「武蔵小杉東急ストア」として駅南口に再開店するも、高架橋補強工事に伴い2018年2月をもって再び閉店となっていた。

セミセルフレジや営業時間拡大で利便性向上

東急ストア武蔵小杉店新店舗の売場面積は683㎡。
内装コンセプトに「ヴィンテージ&ナチュラル」を掲げ、インストアベーカリーを導入、セミセルフレジ(4台)の設置や武蔵小杉エリア最長となる営業時間(7時~25時)での営業を行うなど、「お客さまにとっての地域一番店」を目指すとしている。
同店では、オープンを記念してオリジナルカップ麺を発売する。

東急ストア武蔵小杉店。

武蔵小杉駅周辺は以前より「スーパー激戦区」となっているが、東急ストア1号店として、そして駅直結のスーパーとして長年にわたって人気を集めて来た同店の復活は、近隣住民にとって待望の知らせとなろう。
(写真はニュースリリースより)

東急ストア武蔵小杉店

住所: 神奈川県川崎市中原区小杉町3丁目472番地 武蔵小杉東急スクエア ステーションマーケット
営業時間:7時~25時

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コジマ×ビックカメラ静岡店、2019年4月26日リニューアル-「コジマ×ユニクロ×タミヤ」のコラボ店舗に

静岡県静岡市駿河区の家電量販店「コジマ×ビックカメラ静岡店」が2019年4月26日にリニューアルオープンする。
コジマ×ビックカメラ静岡店。

「コジマ×ユニクロ×タミヤ」のコラボ店舗、静岡に誕生

コジマ×ビックカメラ静岡店は1999年12月にコジマの静岡における旗艦店「コジマNew静岡店」として開店。2012年に行われた「ビックカメラ」との資本業務提携に伴い、2014年4月に現在の店名に改称した。店舗面積は約5,296㎡と、コジマのなかでも大型であった。
今回の大規模改装に合わせて、コジマと道を挟み営業を行う「ユニクロ 静岡国吉田店」が店舗1階に増床移転する。ビックカメラグループとユニクロのコラボは、2012年9月に開業した商業施設「ビックロ」(ビックカメラ新宿東口店)以来2店舗目となるもので、今回のコラボではマネキンを使った家電と服の展示や2社合同イベントの開催、ファッションと親和性の高い時計の新規取扱開始など、相乗効果のある商品提案を行う。
ユニクロとのコラボディスプレイ。

静岡店では、ユニクロとのコラボに加えて、静岡市に本社を置く大手模型メーカー「タミヤ」とのコラボを実施する。タミヤと家電量販店のコラボ店舗は全国初。
今回のコラボでは「コジマ×ユニクロ×タミヤ」のオリジナルデザインを施した、コジマ店舗内常設としては最大となる「本格的ロングコース」を設置、100台を超える歴代ミニ四駆の一斉展示なども行う。

本格的ロングコース。

その他、プログラミング教育やミニ四駆体験イベントなどに対応した子供向け体験・体感ブース「コジマLABO」、総合サポート窓口「くらしの相談窓口」を新設する。
コジマLABO。

家電量販店と異業種のコラボ店舗、地方に拡大なるか

コジマ×ビックカメラ静岡店の隣接地では、競合店として家電量販店「ヤマダ電機テックランド静岡国吉田店」が2005年6月から営業を続けており、2018年12月にはヤマダ電機が家具・インテリア販売を強化した「家電住まいる館YAMADA」に業態転換するなど、競争激化はますます顕著になっている。
ヤマダ電機が展開する「家電住まいる館YAMADA」業態は、2017年に同社が単独で開発を手掛けた新業態であるが、2019年2月に行われた大塚家具との資本業務提携により、両社の実質的なコラボ業態とする計画が構想段階にある。
従来、家電量販店と異業種の複合店舗は都心の大型店が中心であったが、今後は家電量販店と異業種のコラボ店舗がさらに地方にも広がる可能性もあり、家電量販店が打ち出す「サプライズコラボ」にも期待したい。

コジマ×ビックカメラ静岡店

住所:静岡県静岡市駿河区国吉田 1-1-57
営業時間:午前10時~午後9時
(リニューアル当日のみ午前9時から営業)

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トナリエ栂・美木多、2019年4月26日開業-ダイエー栂店跡地、ダイエーがイオンフードスタイルとして出店

大阪府堺市南区の泉北高速鉄道栂・美木多駅前に立地していた「ガーデンシティ栂」跡地に、日本エスコンのショッピングセンター「tonarie栂・美木多」(トナリエ栂・美木多)が2019年4月26日に開業する。
トナリエ栂・美木多。

栂・美木多駅前の「ダイエー」として長年親しまれていた

トナリエは、日本エスコンが2017年5月から展開を始めた、コンセプトに「まちに寄り添いながら、まちとともに発展していく。いつもあなたの暮らしのとなりへ。」を掲げた地域密着型商業施設ブランド。ブランド創設当初は旧・ミキシングが開発を手掛けた「ガーデンモール」のリブランド施設が中心であったが、2018年11月のトナリエ大和高田開業以降、新規物件の開発にも取り組んでいる。
トナリエ栂・美木多の前身となる「サンクールとが」は1974年、財団法人大阪府泉北センターにより開業。2003年には専門店街の管理運営がミキシング(広島マリーナホップなど運営、倒産)と日商岩井不動産(双日新都市開発)の運営に移行し、「ガーデンシティ栂」に一新された。ガーデンシティ時代の売場面積は5,094㎡。

ダイエー栂店。

総合スーパー「ダイエー栂店」を核に、100円ショップ「ダイソー」、人気ハンバーガーチェーン「ドムドム」、中華料理「餃子の王将」といったテナントが出店していたが、2016年以降段階的に専門店が撤退、2017年7月31日をもって完全閉店していた。

ダイエーの「フードスタイル」を核に30店舗が入居

トナリエ栂・美木多は地上3階建、店舗面積は約8,471㎡。
ダイエーが運営する食品スーパー「イオンフードスタイル」を核に、ドラッグストア「マツモトキヨシ」、東海地方地盤の大型衣料品店「あかのれん」、100円ショップ「Seria」、「パルネット東文堂書店」、「オランジェベーカリー」、銀行、郵便局など約30店舗が出店する。

イオンフードスタイル栂・美木多店。

核テナントである「イオンフードスタイル栂・美木多店」では、ダイエー初となるパック詰めの惣菜24品目(主食・メイン・サブ・デザート)を組み合わせて購入可能な「Deli Selection」やインストアベーカリー「D’sベーカリー」を導入するほか、「餃子の年間消費量第3位」という堺市の消費動向に対応した冷凍餃子売場の拡充、地場商品の品揃え強化を進める。

イオンフードスタイル栂・美木多店の惣菜売場。

老朽化が進む栂・美木多エリア再生の起爆剤となるか

堺市は2016年9月に「栂・美木多駅前活性化土地利用構想」を策定して以来、コンセプトに「人や街がつながり、暮らしを愉しめる水と緑のまち~パークタウン栂・美木多~」を掲げ、駅周辺と大規模公園2施設(西原公園・原山公園)を中心とした再活性化施策を進めている。
構想に前後して、トナリエの隣接地では近鉄不動産によるマンション「ローレルコート栂・美木多駅前」の新築分譲も行われるなど、民間事業者による投資も積極的に進められており、老朽化が進み拠点性の低下を引き起こしていた駅周辺エリアの利便性向上が期待される。

トナリエ栂・美木多

住所:大阪府堺市南区原山台2丁目2番1号、2番6号
営業時間:8時~23時(ダイエー)

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ブランチ仙台、2019年4月25日全面開業-青葉区と泉区にまたがる複合商業施設

宮城県仙台市青葉区桜ヶ丘と泉区長命ヶ丘に跨る地域に、大和リースの複合商業施設「BRANCH仙台」(ブランチ仙台)が2019年4月25日に全面開業する。
BRANCH仙台。

青葉区と泉区にまたがる複合商業施設、ついに全面開業

BRANCH仙台の前身となる「長命ヶ丘商業施設」は1985年開業。
地場書店「ブックセンター湘南」やゲームソフト販売店「シーガル」、各種飲食店などが出店するロードサイド型商業施設であったが2015年をもって閉店、BRANCH仙台長命ヶ丘(仮称)として再整備計画が進められていた。その後、BRANCH仙台EAST棟が2018年11月に先行開業している。
BRANCH仙台EAST棟。

先行開業した「BRANCH仙台EAST棟」(青葉区桜ヶ丘)は地上2階建、延床面積は約5,231㎡。
食品スーパー「みやぎ生協」を核に、ドラッグストア「ツルハドラッグ」、100円ショップ「ザ・ダイソー」など5店舗が入居する。その他、2019年5月に託児機能付きオフィス「ママスクエア」が東北初出店する計画となっている。
今回開業する「BRANCH仙台WEST棟」(泉区長命ヶ丘)は地上2階建、延床面積は16,131㎡。
ニトリのインテリア雑貨店「デコホーム」、複合書店「ヤマト屋書店TSUTAYA BOOKSTORE 仙台長命ヶ丘店」、24時間フィットネスジム「エニタイムフィットネス」、「しゃぶしゃぶ但馬屋」、「エクセルシオールカフェ」など29店舗が出店する。

BRANCH仙台WEST棟。

そのほか、地域交流スペースや緑化広場が設置されるなど「買い物だけではなく通いたくなる「場」」を目指すとしている。

BRANCH仙台

住所(EAST):宮城県仙台市青葉区桜ヶ丘7-40-1
住所(WEST):宮城県仙台市泉区長命ヶ丘2-21-1
営業時間(みやぎ生協):9時30分~22時

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MEGAドン・キホーテUNY気噴店、2019年4月30日開店-ピアゴ跡に

愛知県春日井市のピアゴ気噴店跡に、総合ディスカウントストア「MEGAドン・キホーテUNY気噴店」が2019年4月30日午前8時に開店する。

MEGAドン・キホーテUNY気噴店。

春日井市の元ユーストア、ドンキに

MEGAドン・キホーテUNY気噴店の前身となる「ユーストア気噴店」は2000年10月に開店。運営会社の経営統合及び店舗ブランド再編に伴い、2009年2月に店舗名を「ピアゴ気噴店」に改称していた。その後、ドンキへの業態転換のため、2019年2月24日をもってユニー直営売場を閉店、現在は一部専門店のみが営業を継続している。

ピアゴ時代と同様に生鮮食品も販売、学童用品も拡充

MEGAドン・キホーテUNY気噴店の建物は地上2階建、直営売場面積は4,114㎡。当初、ユニーの100%子会社として設立された「UDリテール」が運営する。
ドンキとしては愛知県内23店舗目で、ユニー・ドンキ双方のブランドを冠したダブルネーム店舗としては愛知県内5店舗目となる。ピアゴ時代と同様に生鮮食品を取扱うほか、近隣に小・中学校など教育施設が複数立地することから、学童向け文具・玩具・日用消耗品を拡充させる。
また、テナントとして1000円カット「カットコムズ」、たこやき・お好みやき専門店「蛸焼工房」など5店舗が営業を継続する。

MEGAドン・キホーテUNY気噴店

住所:愛知県春日井市気噴町2丁目11番地1
営業時間:午前8時~翌午前0時

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ディスカウントドラッグコスモス薬局広尾駅店、2019年4月17日開店-コスモス、東京初出店は「狭小店」

九州・中国・四国地方を地盤とする大手ドラッグストア「コスモス薬品」の東京都心1号店となる「ディスカウントドラッグコスモス薬局広尾駅店」が東京都渋谷区に2019年4月17日に開店した。

ディスカウントドラッグコスモス薬局広尾駅店。

約1000店舗を展開するコスモス、東京初出店

コスモス薬品は1973年に宮崎県延岡市で創業。小商圏型のドラッグストアの展開で成長し、2005年に福岡市に本社を移転、2006年に東証一部に上場した。
同社の特徴は食品の品揃えが充実していることで、格安のPB商品も多く、スーパーマーケットキラーとしても知られる。ごく一部の店舗では調剤も取り扱う。

コスモスの一般型店舗。(2017年以降の新スタイル)

2019年現在、西日本を中心に約1,000店舗を展開するものの、これまで関東地方には出店していなかった。
コスモス薬品の多くの店舗は約1,500㎡~2,000㎡弱の売場面積であるが、福岡市、広島市、大阪市などでは外国人観光客需要・地元客需要のどちらいも対応する都心型店舗を展開している。

東京1号店は狭小・食品なし・調剤ありの「異端店舗」

ディスカウントドラッグコスモス薬局広尾駅店が出店したのは外苑西通り沿いの日比谷線広尾駅2番出口前にあったナチュラルローソンの跡。地下鉄出口には広告も設置されている。
店舗はこれまでの都心型店舗のなかでも狭い「狭小店舗」となる。また、これまでの都心型店舗とは異なり外国人観光客の需要を見込んだものでもない(免税対応は実施)。
同店の特徴はコスモス薬品には珍しい調剤薬局であることで、同社が得意とする「食品」の取り扱いは一部のみに留まる。また、ローソン時代に設置されていた店外テラス(イートイン)は洗剤などの売場へと転用されている。
今回の広尾店は「大型」「食品」「PB」というコスモスらしさが見られない「異端店舗」となったが、今後は競争の激しい首都圏においても一般型の大型店舗の展開へと踏み切るのかどうか、もしくはこうした新業態の「狭小店」展開へと舵を切るのが注目される。
このほか、コスモス薬品は中野区のサンモールに出店する計画も発表している。
(写真:さん)

ディスカウントドラッグコスモス薬局広尾駅店

住所:東京都渋谷区広尾五丁目4-12 大成鋼機ビル101号
営業時間:9:00~21:00

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