カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

DON DON DONKI 澳門、2021年9月9日開店-ドンキ、マカオ初進出

中華人民共和国澳門特別行政区(マカオ)のタワーマンション併設複合商業施設「信歩閑庭Trust Leisure Garden)」に、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH、ドンキ)のマカオ1号店となる「DON DON DONKI  澳門(マカオ)」が2021年9月9日午前10時(マカオ時間)に開店した。

DON DON DONKI澳門の全体。

澳文摘要:日本零售連鎖店「驚安の殿堂 唐吉軻德(Donki)」澳門首店「DONDONDONKI澳門店」將於2021年9月9日開幕。門市主題是「Real Japan」。

ドンキのマカオ1号店、タワマン下層の複合商業施設に

ドンキのマカオ1号店が出店するのは、タワーマンション「信歩閑庭Trust Leisure Garden)」下層階の商業ゾーンG階(グランドフロア)。
店舗面積は1,776㎡で、ドンキ子会社の現地法人が運営する。

DON DON DONKI澳門。

コンセプトは「リアルジャパン」-日本の売場再現

ドンキによると、マカオでは日本の商品に対する関心、需要が高いといい、マカオ1号店では「リアルジャパン」をコンセプトとした。
DON DON DONKIの強みである生鮮食品や惣菜を主力とし、日本食の美味しさをドン・キホーテの特徴の一つであるPOPや店内演出を通じて来店客に感じてもらい「日本に行って日本食・文化を体験して要るかのようなワクワク・ドキドキ感を提供する」としている。

鮮魚売場。

生鮮食品のうち、精肉部門ではマカオで人気の高い和牛を種類豊富に展開する。また、総菜コーナーでは和牛や丼もの、焼き鳥、お好み焼きや焼きそばなどの鉄板焼きの4つのカテゴリーを中心に展開し、調理工程が見えるオープンキッチンを活用。ライブ感を演出する。

精肉売場。

さらに、屋台エリアでは焼き芋やおでん、コロッケ、ソフトクリームなどを展開し、総菜コーナーと合わせて日本で親しまれている味を再現するとしている。

屋台エリア。

このほか、近年マカオで高まっているエコ意識に配慮した環境に良い店づくりを実践。購入した商品の持ち帰りには使い捨てのビニールのレジ袋は使用せず、不織布のレジ袋やエコバックを販売する。
また、使用済み乾電池の回収ボックスを設置してリサイクルを呼びかけ、フードロスの削減などにも取り組むなど、地域密着の店づくりを目指すという。

ラオックスも「澳門出店」-コロナ後の需要掘り起こしも

ドンキ開店に先立つ8月27日、日本の大手免税店「ラオックス」も新たな合弁会社「南粤LAOX」を設立したうえでマカオに初進出することを発表した。
ラオックスが出店を検討しているのはドンキから徒歩圏の青茂口岸エリア。開店はまだ先になるが、ラオックスもマカオで日本の商品を販売する店舗を運営するとみられ、ドンキと競合関係になることが予想される。
ドンキは東南アジアを中心に海外への多店舗展開を続けており、今回のマカオ進出で店舗網は日本含めて8国/地域目。2024年までにマカオ2号店の出店をめざしている。

ドンキグッズ・日本の雑貨も販売。

コロナ禍により海外から日本に行けない状況が続いているため、ドンキやラオックスによる日本製品需要の掘り起こしによって、コロナ後の日本国内のドンキやラオックス店舗、そして日本経済全体への波及効果も期待される。
(画像は公式サイトより)

DON DON DONKI澳門店

営業時間:24時間営業(開店日に限り午前10時からの営業)
住所(地址):澳門沙梨頭南街94-182號信步閑庭-商鋪地下F,G,H,I,O,P,T,U座
:Rua Sul Do Patane No.94–182, Avenida Maginal Do Patntate No. 717–775&Rua Nova Do Patane No. 37–45, Trust Leisure Garden ,R/C, F, G, H, I, O, P, T, 
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天満屋広島緑井店、2022年6月30日閉店-跡地をフジが購入、隣接地はフジグラン緑井

広島県安佐南区の緑井駅前にある百貨店「天満屋広島緑井店」が、2022年6月30日に閉店する。

天満屋広島緑井店。

天満屋の郊外型百貨店、25年の歴史に幕

天満屋広島緑井店は1997年10月に開業。天満屋百貨店としては広島市3店舗目であった。
店舗面積は15,440㎡、売場は1階から3階で、建物は天満屋が所有する。
天満屋は同店の閉店により、百貨店としては広島市から撤退することとなる。
(外商営業部などが設けられるかは不明)

天満屋跡、フジが購入-隣接地は「フジグラン緑井」

天満屋広島緑井店の建物は、スーパーマーケット「フジ」(愛媛県松山市)が購入する。

天満屋に隣接する「フジグラン緑井」。

店舗を引き継ぐフジによると、譲受時期は2022年7月31日で、譲受金額は非公表。
また、地元紙・中国新聞によると、これに伴い天満屋広島緑井店は2022年6月30日に閉店する。
天満屋広島緑井店の隣接地には2004年10月に開業した「フジグラン緑井」があり(もともとマイカルが出店予定であり、それを引き継いだ店舗)、天満屋跡は同店と一体的に運営されるものと思われる。
フジは天満屋広島緑井店の購入に際し「フジグラン緑井とあわせて、さらなるエリアの活性化に寄与できると考えており、今後、より魅力的な施設づくりに努める」としている。

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三省堂書店神保町本店、建替えで2022年5月閉店-跡地を再開発、2026年ごろ再出店めざす

東京都千代田区神田神保町1丁目1番地にある大手書店「三省堂書店神保町本店」が、周辺ビルを含めた再開発のため2022年3月下旬に閉店する。
追記:完全閉店日は5月8日となった。仮店舗は6月1日開店。

三省堂書店神保町本店。

神保町のシンボル的書店、再開発へ

三省堂書店は1881年に創業。
現在の本店の建物は創業100年記念として1981年3月に完成した自社ビルで、店舗面積は3,588㎡。三省堂書店は本社オフィスや複数の関連ビルを神田神保町に置いており、同社は書店街のシンボル的存在でもあった。

三省堂書店本店と古書街(右)、スポーツ用品・楽器街(左)。
奥のドンキの建物には現在まねきねこが出店。

閉店は三省堂書店が所有する周辺の複数ビルとの再開発をおこなうため。開発面積は約1745㎡。
現在の店舗は2022年3月下旬に閉店し、2025~2026年ごろの新店舗完成を目指すとしている。
工事にともない本社機能を移転させるが、書店の仮店舗などについては、9月時点は「検討中」であるとしている。
追記:仮店舗は小川町のヴィクトリアゴルフ跡、6月1日開店。

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フジ、マックスバリュ西日本と2022年3月に経営統合-四国最大手スーパー、イオンの傘下に

四国地方の地場流通最大手「フジ」(愛媛県松山市)と「イオン」(千葉市美浜区)は、「フジ」とイオン子会社であり「マックスバリュ」「マルナカ」などを運営する「マックスバリュ西日本」(広島県広島市)が2022年3月に経営統合、2024年3月までに両社が合併することを2021年9月1日に発表した。
これにより、フジはイオン傘下のスーパーとなる。

フジ最大の店舗である「エミフル松前」(愛媛県松前町)。

長年のライバルだった「フジ」と「イオン」

フジは1967年10月、愛媛県宇和島市に1号店「フジ宇和島店」を出店。2017年に50周年を迎え、ロゴマークを一新していた。
2018年現在、大型ショッピングセンター「エミフルMASAKI」「フジグラン」、食品スーパー「フジ」などを四国4県・広島県・山口県に約100店舗以上を展開する。2021年2月期の連結営業収益は3153億円。
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フジグラン緑井(広島市安佐南区)

フジはもともと1946年創業、1950年設立の広島市の繊維卸問屋「十和織物株式会社」(法人格としては現「ヨンドシーHD」、宝飾品大手の「4℃」。卸業は4℃傘下の「アスティ」が引き継ぐ)をルーツに持っており、フジは4℃の筆頭株主となっていた。
追記:フジのイオンとの提携に先立ち、ヨンドシーはフジの保有株を自社取得している。

フジ宇和島店(旧店舗)

フジは近年は中四国の経営難となったスーパーの運営を引き継ぐなど積極的な経営規模の拡大をおこなっており、子会社を通じて愛媛県内で「スーパーABC」4店舗、広島県内で「ピュアークック」10店舗なども展開している。
一方、経営統合する「マックスバリュ西日本」は2018年に「中国・四国エリアにおける市場シェアNO.1のリージョナルSM企業」を目的にマックスバリュ西日本(広島市)とマルナカ(香川県高松市)、山陽マルナカ(岡山市南区)の経営統合を発表、2021年にはマックスバリュ西日本がマルナカ・山陽マルナカを吸収合併、経営規模を大きく拡大していた。

マルナカ本店(田町店)。

ユニー、イズミヤと提携するもののイオンに接近したフジ

フジは2009年以降、流通大手「ユニー」(愛知県名古屋市)「イズミヤ」(大阪市西成区)とPB商品「スタイルワン」を共同開発するなど提携関係にあった。
しかし、2014年にイズミヤが「H2Oリテイリング」(阪急阪神百貨店)と経営統合、2016年にユニーが「ファミリーマート」と経営統合し、2018年10月にディスカウント「ドン・キホーテ」への売却が決定したことで関係が希薄化していた。
そうしたなか、イオンは2019年にフジの発行済株式総数の15%を取得、フジも同年に「マックスバリュ西日本」(広島市南区)の株式の7%を取得。2021年9月には「イオンタウン川之江」にフジが出店する予定であるなど、提携関係を進めていた。

フジ、イオン傘下のスーパーに

イオンとフジは2018年の業務提携により、商品や店舗資材の共同調達、中国・四国地域限定PB商品の共同開発、店舗のリニューアル、物流・プロセスセンター・オフィス業務の統合、各種カードの共同利用などをおこなうとしていた。
今回の経営統合では、2022年3月1日に「フジ(店舗運営会社)」と「マックスバリュ西日本」がイオン連結子会社となる共同持ち株会社(現:フジ、上場維持)の傘下となり、2024年3月までに「フジ」と「マックスバリュ西日本」が合併、新会社を設立する計画。
今後、フジはイオン傘下のスーパーとして営業することとなり、四国の流通地図が大きく塗り変わる。

同じ企業の運営となるマルナカの店舗。
(写真はマルナカイオンタウン宇多津店)

追記:「フジ」のイオングループ入りに伴い、スーパーマーケットはフジ子会社として設立された「フジ・リテイリング」が展開することとなる。

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イムズ(IMS)が「おしまイズム」-2021年8月31日、再開発で消えた「天神のシンボル」最終営業日

福岡県福岡市中央区天神の大型商業施設(ファッションビル)「イムズ」(IMS:Inter Media Station)が、再開発のため2021年8月31日午後8時に閉館し「おしまイムズ」を迎えた。

最終日のイムズ。

天神のシンボル的「イムズ」僅か32年で閉館

イムズは1989年4月に開業した三菱地所系ファッションビル。西鉄福岡駅向かいに立地し、地下4階、地上14階建で、売場面積は17,109㎡。
当時流行した黄金色を用いた外装と豪華な内装は、天神のランドマークの1つとして親しまれた。

最終営業日のイムズ館内。

一方で、天神エリアでは、福岡市が「天神ビッグバン」と称して高さ制限や容積率の規制緩和による民間再開発促進事業を推進。当初イムズは規制緩和区域ではなかったものの、イムズもこれに合わせて2019年1月に規制緩和区域への編入を求めるとともに、建替える方針を決定。
2021年3月にはイムズに隣接する「天神ツインビル(福岡信用金庫本店など)」「西日本渡辺ビル(大丸福岡天神店・西日本新聞本社など)」とともに「天神一丁目地区」(約2.3ha)として航空法高さ制限が従来の約65m〜約67mから約80m〜約96mに緩和された。

閉館に向け昨年からキャンペーン実施していた

イムズでは2020年9月から「おしまイムズ」と題した大規模キャンペーンを開始。キャンペーンの一環として、スーツケースブランド直営アウトレット店「TRARIUM by ACE」やキャンプ女子初のアウトドア用品旗艦店「キャンジョストア」、TNCのサテライトスタジオ併設ショップ「生放送てんじんnow!」といった新規ブランド・ショップを月1ペースで導入していた。
あわせて、ファビュラスな一流芸能人「叶姉妹や福岡を拠点とするかぶりもの劇団「ギンギラ太陽’sを起用した販促を展開。外壁(有田焼タイル)やイムズのブランドを活かした記念グッズの販売を実施するなど、最後まで注目を集め続けた。

福岡天神では恒例となった商業施設間でのエール交換も。(福岡パルコ)

おしゃれイムズ、32年の歴史に幕

営業最終日となる8月31日には、平日ながら朝から閉館を惜しむ客が数多く訪れた。

イムズから周辺店舗へのメッセージ。


入口に掲げられたメッセージ。

地下2階の「大アーカイブ展」や6階の「アーカイブギャラリー」では開業当初から閉館に至るまでのポスターや冊子、模型の展示もあり来場客による思い思いの時間を過ごす姿がみられた。
天神が発祥の老舗アメリカンマフィン専門店「Mrs.Elizabeth Muffin」(ロイヤル系)では天神地下街入口を経て地下1階まで購入待機列が形成されるなど、いつもの味や懐かしの味を求める客の姿もみられた。

最終営業日のイムズ。

閉館セレモニーは配信に

閉館当日には、イムズホールでFM福岡が企画した閉館記念生放送(抽選観覧制200名)などを実施。さらに、閉館直前となる18時30分からはイムズホールで閉館セレモニーが開催された。
セレモニーは、福岡県が緊急事態宣言下であることからホールでの観覧を先着申込200名に制限、吹抜空間に設置された大画面や公式サイト(YouTube)でのライブ配信を活かしたソーシャルディスタンス対応の観覧となった。

お別れメッセージが書かれたリボンが舞う。

セレモニーは、中島浩二やギンギラ太陽’sを主宰する大塚ムネト氏によるトークを中心に進行。スペシャルとして博多華丸・大吉氏やナオト・インティライミ氏、DREAMS COME TRUEといった著名芸能人によるイムズにまつわるエピソードも流された。
その後、三菱地所やテナント関係者によるコメントを経て、32年の歴史に幕をおろした。

施錠されたイムズ。

「中学高校時代はちょっと大人の建物という感じだった。天神のなかでも落ち着く場所、友達といつも行ってたオクタホテルカフェが無くなるのは寂しい。」(20代女性)
「オクタホテルがフランスから買付けてきた雑貨は見るだけで楽しかった。夢がある商品が多かった。」(50代女性)
イムズのイズム、ビッグバン後も継承なるか

天神の顔であったイムズであるが、天神ビッグバンの最中という背景もあり、イムズに本店を構えていた雑貨セレクトショップ「Octà Hotel」やアメリカンマフィン専門店「Mrs.Elizabeth Muffin」といった人気店を含め、入居テナントの多くが今後の福岡での営業方針・移転先を未定としている。

オクタホテル。

大手セレクトショップ「TOMORROWLAND」はソラリアプラザ1階への移転を、大手楽器店「島村楽器」は岩田屋本店への移転を閉館直前の8月下旬に発表するなど、全国的な知名度をもつブランド・ショップも同様であり、移転先の選定に難航しているとみられる。
物販のみならずサービスにも強みをもったイムズが天神から抜けた穴は大きそうだ。

移転する店舗も。

イムズ跡、2024年ごろ新たなビル誕生へ

イムズの周辺では、先述の「天神ビッグバン計画」による規制緩和策により、福岡地所による「天神ビジネスセンター開発プロジェクト」、西日本鉄道による「福ビル街区建替プロジェクト天神一丁目11番街区開発プロジェクト」、積水ハウスによる大名小学校跡地再開発(ザ・リッツ・カールトンなどが進出)などさまざまな再開発が進行している。

一足先に閉店した天神コア。解体済み。

この規制緩和は2024年12月までの予定であり、三菱地所は新たな建物を2024年中に建設するとみられる。
新たなビルの具体的な内容やテナント構成などについては、2021年8月時点は未定となっており、イムズに負けないような新たな「天神のシンボル」の誕生が期待される。

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イオンタウン旭、2022年春開業-国保旭病院となり、テーマは「健康」

千葉県旭市の国保旭中央病院となりに、イオン系ショッピングセンター「イオンタウン旭」が2022年春に開業する。

イオンタウン旭。

「楽しく健康」コンセプトのイオンタウン

イオンタウン旭が出店するのは「国保旭中央病院」や「道の駅季楽里あさひ」に近い農地の跡。
大和ハウス工業が主体となり官民連携で推進している「生涯活躍のまち・みらいあさひ」事業の商業核となる。商業核以外としては多世代交流施設「おひさまテラス」などが設けられる。
イオンタウン旭の建物は2階建て、総賃貸面積は約11,654㎡。
コンセプトは「地域とともに『楽しく健康になる』ための持続可能な多世代交流拠点づくり ウエルネスタウンASAHI」で、テナントとしてスーパーマーケットやドラッグストア、クリニック、フィットネスなど約20店舗が出店する予定となっている。

イオンタウン旭

住所:旭市イ字振田4322番地外20筆

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H2Oリテイリング(阪急阪神)、関西スーパーを2021年12月に子会社化

エイチ・ツー・オーリテイリング」(H2O・阪急阪神グループ)は、地場大手スーパー「関西スーパーマーケット」(兵庫県伊丹市)が発行する新株を2021年12月までに取得、2022年2月にイズミヤ・阪急オアシスと経営統合するかたちで子会社化することを2021年8月31日に発表した。
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阪急百貨店うめだ本店。

攻めの姿勢見せるH2O、セブンアイとも資本業務提携

H2Oリテイリングは百貨店「阪急阪神百貨店」、百貨店系高級スーパー「阪急オアシス」に加えて大手スーパー「イズミヤ」を傘下に持つ流通大手グループ。関西の有力私鉄「阪急」「阪神」を母体に持ち、京阪神エリアの沿線住民を中心に根強い支持を集めている。2016年10月6日には、流通大手「セブン&アイホールディングス」との資本業務提携を発表している。

阪急オアシスの店舗。

2014年に傘下に収めた大手スーパー「イズミヤ」では、100円均一パン「阪急ベーカリー香房」の導入や輸入食品の充実、ポイントサービスの共通化といった施策を実施、店舗への積極的な投資を進める一方、関西と中国大陸以外のイズミヤを全店閉店させるなど事業の選択と集中を行っている。

H2O傘下となっているイズミヤ。

H2Oとの関係つよめていた関スー

関西スーパー」は大阪・兵庫・奈良を中心に展開する地場大手の食品スーパー。
オール日本スーパーマーケット協会(AJS)の中核企業で「くらし良好」(生活良好)ブランドのPB商品を販売。自社指定牧場「720牧場グループ」ブランドの牛肉など精肉部門にも定評があった。
関西スーパーは、2016年10月よりH2Oリテイリングと資本業務提携を結んでおり、2021年時点でH2Oは関西スーパー株の約10.2%を保有する。
提携以降、関西スーパーでのH2O子会社の商品取扱い、共通ポイントサービス「Sポイント」(旧・STACIA)導入、阪急阪神百貨店の中元・歳暮商品取扱い、レジスターの共同開発をおこなうなど、協力関係を強めていた。
また、2021年7月には地場スーパー「万代」とも包括業務提携を結んでいた。

関西スーパー。

一方で、2016年9月には首都圏を中心にディスカウントスーパーを展開する「オーケー」(神奈川県横浜市)も関西スーパー株を大量取得。2021年時点でオーケーは関西スーパー株の約7.2%を保有する。

「イズミヤ・阪急オアシス・関スー」3社で経営統合

H2Oは、2021年12月までに関西スーパーマーケットが発行する新株を取得し、出資比率を58%まで高めて同社を子会社化する。関西スーパーは子会社化後も上場を維持する予定。そして、2022年2月までに傘下のスーパー「イズミヤ」「阪急オアシス」と経営統合するかたちで子会社化する。
経営統合後の売上高は約4000億円規模になるとみられ、H2Oは今回の統合によって「関西でナンバー1の地位を確立することが可能になる」としている。

H2Oによる経営統合の概要図。

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MEGAドン・キホーテUNY碧南店、2021年9月14日開店ーピアゴ跡、「地元と連携」で特設コーナー開設

愛知県碧南市天王町にパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)の総合ディスカウントストア「MEGAドン・キホーテUNY碧南店」が2021年09月14日午前9時に開店する。

MEGAドン・キホーテUNY碧南店。

碧南のピアゴ、MEGAドンキUNYに業態転換

MEGAドン・キホーテUNY碧南店の前身となるユニーグループの総合スーパー「ユニー碧南店」は1975年10月に開店。2009年2月にはグループの運営会社及び店舗ブランド再編に伴い、店舗名を「ピアゴ碧南店」に改称していたが、2014年5月14日に建替のため閉店、2015年に再オープンしていた。建物は地上3階建、店舗面積は5,000㎡。
店舗は名鉄三河線碧南中央駅から徒歩5分ほどの距離に位置しており、周辺には住宅が集積。2〜3世代が同居する4人以上の持ち家世帯が比較的多い地域である。ドンキへの業態転換のため、2021年6月27日に直営売り場を閉店、一部専門店のみ営業を継続していた。

地元と連携した「碧南お土産コーナーを」展開

MEGAドン・キホーテUNY碧南店は地上3階建、営業フロアは1〜2階、直営売場面積は3,600㎡。
ドンキとしては愛知県内40店舗目で、ユニー・ドンキ双方のブランドを冠したダブルネーム店舗としては愛知県内20店舗目。UDリテールが店舗を運営する。
碧南店は「3世代一緒に買い物を楽しめるワンフロア型ディスカウントストア」を掲げ、食料品売場では、一般加工食品や酒、お菓子の品揃えを大幅に拡充し、3世代の家族向けに大容量パックの品揃えを強化すると共に、まとめ売りコーナーを展開する。また、要望の多かった干物、塩漬け魚、冷凍食品などを揃えるなど、顧客のニーズにも応える。
住居関連売場では、既存のインナーウェア、日用消耗品、家庭雑貨品などを拡充するほか、カラーコンタクトレンズ、スマホパーツ、香水などを新たに導入し、高校生、ニューファミリー層向けの品揃えも強化するとしている。また、近隣に大型の専門量販店がないことを生かし、小型家電、スポーツ用品、玩具の品揃えにも力を入れる。

また、碧南商工会議所・観光協会と連携し、醸造業が盛んである碧南市の特色を生かして、地場の醤油、みりんなどを取り扱った「碧南お土産コーナー」を展開し、地場産業の活性化に寄与するとしている。

MEGAドン・キホーテUNY碧南店

住所:愛知県碧南市天王町2丁目1
営業時間:午前9時〜午前2時
(14日〜16日は営業時間を「午前9時〜午後10時」に短縮)


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サン宝石、2021年8月27日倒産-新型コロナ影響で民事再生法申請、営業は継続

山梨県中央市(田富町)のジュニアアクセサリー・ファンシー雑貨販売大手「サン宝石」が、2021年8月27日に民事再生法を申請し、倒産した。


サン宝石の商品(公式ツイッターより)。

「ほっぺちゃん」で知られるファンシー雑貨販売

サン宝石は1965年に創業。
イメージキャラクターは「ほっぺちゃん」で、女子小学生・中学生を中心ターゲットとしたアクセサリー・ファンシー雑貨の販売をおこなっており、全国のショッピングセンターなどに「ファンシーポケット」の店名で店舗を展開。
百貨店やショッピングセンターでの催事も頻繁におこなっていた。

楽天市場にも「シュガーパルフェ」として出店。
(クリックで店舗に飛びます)

新型コロナで業績悪化-営業は継続

帝国データバンクによると、新型コロナウイルスの感染拡大により急速に収益が悪化したという。負債総額は約21億7000万円。

サン宝石イメージキャラクター「ほっぺちゃん」。
(Amazonより)

8月現在、スポンサー候補先への打診を開始しており、営業は継続しているという。

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池袋マルイが閉店-2021年8月29日、69年の歴史を終えた「西口の顔」最終営業日

東京都豊島区の池袋駅西口にあるファッションビル「池袋マルイ」(丸井池袋店・マルイシティ池袋)が、2021年8月29日午後6時30分過ぎに閉店した。

営業最終日の池袋マルイ。

池袋の丸井、69年もの歴史に幕

池袋への丸井の進出は1952年1月、池袋駅東口の都道池袋架線橋の降り口付近に6階建ての店舗として開業。その後、1963年11月には池袋駅西口にも店舗を開業し、東口・西口の2館体制で営業していた。
現店舗は池袋西口共同ビルに「丸井ニュー池袋西口店」として1977年2月25日に開店。開店時西口・東口に既存店があったため、このような名称で出店した。(東口の店舗は代替閉店)。
キャッチコピーは「半日遊びに来ませんか。新しい丸井です。」で、当時は丸井の店舗の中で最大の売場面積だった。建物は日本土地建物が所有する。売場面積は12,170㎡。かつては近隣の家具店「丸井インザルーム池袋」など複数の別館があったが、いずれも閉店している。

在りし日の池袋マルイ。

2021年現在は「池袋マルイ」として営業(看板は「マルイシティ池袋」のまま)。丸井直営売場のほか、GAP、モンベル、グローバルワークなどファッション店舗に加え、仏壇・仏具光雲堂、セリア、カメラのキタムラ、ココカラファインなど雑貨店や生活に便利な店舗など様々なテナントが出店する。
また、かつて飲食店と売場であった8階は2014年から「ビックカメラ」「コジマ」が池袋本部のオフィスとして利用している。

閉店理由は競争激化と老朽化に伴うもの

池袋マルイはファッションビルでありながらも100円ショップや輸入食材店など業態に絞られないテナントの導入、池袋はアニメやゲームの街であることに合わせ、サブカルチャー関連のイベントやショップに力を入れるなど、地域密着型の店舗として愛されてきた。
しかし、2020年3月期の売上高は54億円とピーク時の2割まで激減。近隣の商業施設との競争激化による売上低下に加え、建物の老朽化が進んでいるため営業終了を2020年10月に発表していた
建物の老朽化により、閉店は新型コロナウイルスの感染拡大前より検討されていたものだという。

最終営業日、身動きもできないほど混雑

営業最終日となった8月29日の館内は朝から多くの客で賑わい、44年間の歴史と別れに名残惜しむように老若男女問わず幅広い客が訪れていた。特に地階から2階にかけては通路が客でごった返している状態であり、歩行が困難になるくらいの混雑ぶりであった。

多くの客で混みあう1階通路。

館内では「さよなら大感謝祭」と題してセールを全館で開催しており、それぞれお買い得品を求めて店頭に客が群がる光景があちこちで見られた。

お会計に行列ができている売場も。

更に4階のエスカレーター脇では「皆さまと共に池袋マルイヒストリー思い出写真館」と題し、44年前の開店当時からの懐かしい写真の展示や、ショップ店員が作った池袋マルイの段ボール模型の展示、昔の丸井CMの上映などが行われ、多くの客が立ち止まり記念撮影を行う姿が見られた。
更に近くの壁一面には同店が寄せ書きコーナーが設けられ、別れを惜しんだり、感謝を述べたメッセージが多数掲出されていた。

寄せ書きコーナー。ありがとう丸井の文字も。

営業終了の30分前から正面玄関の一部のシャッターが閉まり始め、正面玄関前には閉店の瞬間を見ようと多くの買物客が集まり始めた。

閉店間際にはほぼ売り切れた1階の輸入食品店。


6時15分過ぎに閉まり始めた正面玄関のシャッター。

午後6時30分過ぎには、高橋雄一池袋マルイ店長を始めとする従業員による閉店式典が開始。閉店式典において高橋店長は「44年に渡って営業できたのはご愛顧頂いた皆様のおかげであり、本当に感謝している。」「昨年9月の閉店発表以来、淋しい・悔しい気持ちもあったが、残り2年あるのでそれまでお客様に喜んでもらえるような商売を続けようと切り替え、今日まで来た。」と感謝の言葉を述べ、池袋西口商店街の方々から高橋店長に花束贈呈が行われた。
最後に「本当に地域の皆様とお客様に支えていただいた44年間でした。誠にありがとうございました。」との言葉で締めくくられた。

池袋マルイの最後の瞬間。

午後6時40分過ぎにシャッターが閉まって以降も買物客による記念撮影、感謝の言葉や拍手は鳴りやまず、正面玄関前は非常に混雑している状況が続いた。

閉店後の池袋マルイ。多くの人が残っていた。

池袋で相次ぐ閉店、再開発で「街の姿一変」も

閉店後の跡地活用は2021年8月現在まだ決まっていない。
建物は老朽化が進んでいたため所有者が建て替えを検討しているといい、解体され、近い将来に再開発がおこなわれる可能性も高いであろう。
池袋は他にも9月にサンシャイン通りの大型ゲームセンター「セガ池袋GiGO」の閉店や、10月に大型雑貨店「東急ハンズ」の閉店も発表されているほか、近隣でもアニメイト隣接地や「ハレザ池袋」など、大規模な再開発が完成、もしくは複数計画されている。
近い将来、西口「池袋の街」が一変する可能性もあり、今後の動向が注目されている。

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