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マックスバリュ新田店、2022年3月31日閉店-防府スポーツセンター近く、跡地は未定

山口県防府市にあるマックスバリュ西日本(MV西日本/本社:広島市南区)の大型食品スーパー「マックスバリュ新田店」が2022年3月31日午後6時をもって閉店した。 

防府市有数の激戦区にあったイオン系商業施設

マックスバリュ新田店は2002年4月に開店。建物は平屋建で売場面積は1,989㎡、駐車場台数は169台。 MV業態としては山口県内3店舗目であった。 
MV新田店では近隣に防府市スポーツセンター(キリンレモンスタジアム)など大規模公共施設がある立地特性を活かし、弁当・オードブルの予約サービスや即食商品を訴求。2002年開店のマックスバリュとしては店舗面積が比較的大きく、専門店として周南市に本社を置く第二地方銀行「西京銀行」の中関支店や防府市に本社を置くドラッグストア「ヘイワ薬局」、クリーニング「洗濯館」を併設するなど、地域の商業核としての役割を担った。

マックスバリュ新田店。

その一方、MV新田店の1km圏内には、開店当初から競合関係にあった丸久アルク三田尻店に加えて、山口県道58号防府環状線沿いにスーパーセンタートライアル防府店(2009年3月)と大黒天物産ディオ防府南店(2010年12月)が相次ぎ開店するなど、ディスカウント業態との競争が本格化。MV新田店では競合店との対抗の一環として、直営食品売場リニューアルや2013年9月の100円ショップ「meets.」導入、2018年12月の女性向けフィットネス「カーブス」導入といった策を打ち出したが、2019年4月6日にアルク三田尻店が全面リニューアルを実施、同年4月23日にイズミゆめマート三田尻が開店したこともあり、抜本的な集客力向上には結びつかなかったとみられる。
なお、2020年3月には施設内の西京銀行中関支店が防府市中心部への移転(ブランチインブランチ店舗化)のため閉鎖、支店の後継となる出張所・ATMの設置をせずに更地となった。
 

跡地活用は未定

マックスバリュ新田店は山口県道58号線と183号線を結ぶ道路沿いという立地にあるが、閉店時点での跡地活用に関しては未定となっている。同店はMV西日本運営店舗としては古く、同店を上回る規模の同業地場大手やディスカウント食品スーパーが近隣に多数あること、専門店棟の解体を行っていることもあり、従来同様の業態での後継店再出店は低いとみられる。 

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JR三ノ宮新駅ビル、2029年度開業-三宮ターミナルビル・オーパ跡地、「神戸の玄関」に相応しい超高層ビルに

兵庫県神戸市中央区の三宮ターミナルビル跡地に、JR西日本の複合商業施設「JR三ノ宮新駅ビル」が2029年度を目処に開業する。

JR三ノ宮新駅ビル

18年までOPAとJR系ホテルの複合施設だった

三宮ターミナルビルは1981年3月に開業。開業以来、ダイエーグループの商業施設(プランタン三宮を経て三宮OPA初代店舗)やJRグループのホテル(三宮ターミナルホテル)が2017年12月にホテルが閉館、2018年3月に商業施設を含む全館が閉館。2019年に解体となった。

2018年閉館の三宮ターミナルビル(三宮OPA)

延床面積10万㎡の大型複合施設に

JR三ノ宮新駅ビルは2023年度着工予定で、建物は地上32階地下2階塔屋2階建、敷地面積は約8,600㎡、店舗面積は約19,000㎡、延床面積は約100,000㎡。高さは約160mで総事業費は約500億円となる。

JR三ノ宮新駅ビルの正面部分

JR西日本は新駅ビル着工に先駆け、2021年10月に神戸市・UR都市機構と共同で「JR三ノ宮新駅ビル及び三宮周辺地区再整備の推進にかかる連携・協力に関する協定」を締結しており、協定に基づき神戸市が「事業実施に必要な行政手続き及び公共施設の整備等」、JR西日本が新駅ビル建設など「JR三ノ宮駅新駅ビル開発計画の実現」、URが一部土地取得・工事間調整やエリアマネジメント組織の立ち上げ支援など「公共空間の整備や民間開発等に対するコーディネートによる事業推進」を担うとしている。

周辺公共交通機関とのアクセス改善も図る

また、新駅ビルは「神戸の玄関口」「神戸の魅力発信基地~BasE KOBE~」として、神戸の産業・食文化を背景に、商業施設では高付加価値型の“モノ提案”や地域生活者の生活を豊かにする“コト・トキ提案”、ホテル(客室数約250室)では文化体験の提供を検討。オフィス(賃貸面積約6,000㎡)では市が掲げる「医療産業都市」との連携、駅前広場上空デッキ(空間面積約2,500㎡)では居心地の良い待合空間やエリアマネジメントによる賑わい創出の場をめざすとしている。これらに加え、 JR西日本が推進するデジタルプラットフォーム「WESTER」やSNSとリアルな体験の融合により、さらなる神戸の魅力の発掘及び発信をめざすとしている。

駅前広場上空デッキ

なお、JR西日本グループは商業施設の運営会社として、 JR西日本SC開発(ルクア・ミオ)やJR西日本アーバン開発(旧神戸SC開発/ピオレ・プリコなど)を傘下にもつが、2022年5月現時点での新駅ビル内商業フロアの運営会社は未定となっている。

JR三ノ宮新駅ビル

住所:神戸市中央区雲井通8丁目1-2

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ゆめモール西条、2022年10月27日開業-東広島市消防署となり、ゆめマート核のオープンモール

広島県東広島市の国道375号線沿いに、イズミ(本社:広島市東区)の近郊型ショッピングセンター「ゆめモール西条」が2022年秋に開業する。
追記:2022年10月27日にグランドオープンする。

「ゆめモール」史上最大、3万㎡に迫る規模に

ゆめモール西条(仮称)の建物は平屋建で敷地面積は約96,700㎡、店舗面積は約29,300㎡、延床面積は約33,900㎡。投資予定額は約43億円。イズミは広島県内に52店舗(ユアーズ運営店舗含む)、東広島市内に4店舗を展開しているが、同社が近郊商圏型・オープンモール型商業施設として位置づける「ゆめモール」業態としては県内初となる。
ゆめモール西条は同業態最大規模(下関・柳川・筑後の2倍超)の施設として、同社直営の大型食品スーパー「ゆめマート」を核に、ホームセンター「コーナン」や靴量販店「ABC-MART」、複合書店「GEO」、家電量販店「ケーズデンキ」、眼鏡店「Zoff」、地場大手美容院「FLAMヨ」など約30店舗が入居する。

ゆめモール西条(仮称)。

大規模改装したゆめタウン東広島は徒歩圏

ゆめモール西条(仮称)の1km圏内には、同社広島県内初となる“ゆめ”ブランドを冠したショッピングセンター「ゆめタウン東広島」(店舗面積約23,900㎡)が1990年8月以来営業を続けている。ゆめタウン東広島は、2020年10月から2021年7月にかけて直営総合スーパーの品揃え強化に加え、(当時)中四国最大級の無印良品導入やフードコート(HIKARI Dining)開設を目玉とするリニューアルを実施したばかりだった。
一方のゆめモール西条は大型量販店主体のテナント構成となる予定であり、棲み分けがなされることとなった。

ゆめモール西条(仮称)

住所:広島県東広島市西条町助実原比1189番ほか

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イケウチゾーン、2022年5月29日閉店ー札幌の丸ヨ池内、建替中のイケウチゲートは2022年秋再開業

北海道札幌市中央区の札幌市営地下鉄大通駅近くで営業する「丸ヨ池内」運営の百貨店(実態は複合商業施設)「IKEUCHI  ZONE(イケウチゾーン)」が、定期建物賃貸借契約の終了のため、2022年5月29日に閉店する。

IKEUCHI ZONE。(撮影:wbさん)

三越系ファッションビルからイケウチの店舗に

「IKEUCHI ZONE」の前身は大手百貨店の三越が運営していた札幌アルタ。2002年10月に開店し、三越札幌店(当時)にはなかったティーンエイジャーの取り込みを目的としていた。2010年4月には分社化に伴い札幌三越の運営となったが、リーマンショックの影響により同年8月に閉店した。
その後ビルは丸ヨ池内が引き継ぐことが決定したが、「IKEUCHI ZONE」が開業する2011年4月まで店舗閉鎖が長期にわたり、大通商業地域への影響や、テナント従業員の雇用問題への対応のために180日間限定で「NEX180」として再開店した。
NEX180の営業期間中にに運営は札幌三越から丸ヨ池内に引き継がれた。2011年4月に、同社が運営していた隣接地のファッションビル「IKEUCHI LIFESTYLE STORE(旧・丸ヨ池内本館)」と一体的なリニューアルを行い、IKEUCHI LIFESTYLE STOREは「IKEUCHI GATE」、NEX180は「IKEUCHI ZONE」となった。

IKEUCHI GATE.(閉店済み)

その後、イケウチは9年間に亘って「IKEUCHI GATE」「IKEUCHI ZONE」の二館体制で営業を行っていたが、2020年6月に老朽化による店舗建替えのため「IKEUCHI GATE」が閉店。「IKEUCHI ZONE」のみで営業を継続していた。
IKEUCHI ZONEの建物は地上9階地下2階建て、店舗面積は6,200㎡、延床面積は12,079㎡。ファストファッションの「ZARA」を核に、手芸用品店「ユザワヤ」、ネットワークビジネス直営店「アムウェイプラザ」、「IKEUCHI GATE」閉店に伴い移転した池内グループが運営するアウトドア専門店「iGATE IKEUCHI」といった専門店約10店舗をはじめ、オフィスやクリニックが入居している。
しかし、ここ数年は主に飲食店テナントの撤退が相次ぎ、空きテナントも目立っていた。今回の閉店は、ビル貸主と借主である丸ヨ池内との定期建物賃貸借契約の終了によるものだという。

隣接地に新「IKEUCHI GATE」2022年秋開業予定

運営会社である丸ヨ池内を中心とする池内グループは1893年に池内金物店として開業。1968年9月には道内大手の百貨店「丸井今井」傘下となり家具・インテリアに特化した百貨店「丸ヨ池内」を開業した。
1998年1月に丸井今井との資本業務提携を解消したのちは携帯電話販売、2010年代からは道内全域及び滋賀県・沖縄県にアウトドア専門店「iGATE」を展開するなど、多角化経営に取り組んでいる。なお、かつて百貨店業態だった名残から、2022年現在でも丸ヨ池内は日本百貨店協会に加盟している。
「IKEUCHI ZONE」に隣接し、2020年6月に閉店した本店格「IKEUCHI GATE」は2022年4月時点で建て替え中となっている。
現在、新「IKEUCHI GATE」として2022年秋ごろの完成を目指して工事がおこなわれており、完成後はイケウチが運営する複合商業施設としての営業再開を計画している。

2022年秋に開業予定の新「IKEUCHI GATE」。

大通周辺では2022年1月に閉店した4丁目プラザの跡地の再開発が検討段階であるほか、狸小路のサンデパート跡地、2020年5月に閉店したススキノラフィラ跡地などの再開発が進んでおり、「IKEUCHI ZONE」跡地も周辺地域と一体となった再開発が期待される。

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イオンタウン旭、2022年4月23日開業ー旭市と官民連携で「健康・福祉」に重点、千葉最大「無印良品」も

千葉県旭市の国保旭中央病院となりに、イオン系ショッピングセンター「イオンタウン旭」が2022年4月23日午前10時に開業する。イオンタウン旭。

旭市とイオンが官民連携「健康になるまちづくり」推進

イオンタウン旭は国保旭中央病院のとなりの農地跡に出店する。
イオンタウン旭の出店はイオンタウンや大和ハウス工業などのグループと旭市が官民連携して推進している事業計画「生涯活躍のまち・あさひ」に基づいている。この事業計画は国保旭中央病院を核にしており、イオンタウン旭は「地域とともに『楽しく健康になる』ためのまちづくり ウェルネスタウンASAHI」をコンセプトに、健康や福祉に重点を置いた商業施設となっている。イオンタウン旭は地上2階建て、延床面積14,533㎡、総賃貸面積11,739㎡。イオンタウン旭正面。

核店舗としては総合スーパー「イオンスタイル旭中央」が出店する。イオンスタイルは建物1階に出店し、売場面積は3,056㎡。病院の隣という立地を活かした「ヘルス&ウェルネス特化型」としての出店となる。

イオンスタイルでは調剤ロボットを導入する薬局「イオン薬局」を併設するほか、健康に配慮した食品を品揃えし、健康イベントを定期的に開催。隣接する医療機関で働く看護師や看護学生向けの文具や肌着、患者へのお見舞い需要を狙った生花や衛生用品、菓子なども取りそろえる。

専門店の目玉は「千葉県最大の無印良品」

専門店としては旭市初出店・千葉県内最大となる「無印良品」、100円ショップ「ダイソー」、メガネ店「JINS」、ファミリーレストラン「サイゼリヤ」のほか、健康に関連したテナントとして、フィットネスクラブ「カーブス」「メンズカーブス」やデイサービス歯科医院整骨院が入居する。

さらに、建物2階には多世代交流施設「おひさまテラス」を開設。旭市が設置しイオンタウンが運営する施設で、屋内公園や幼児の一時預かり所、コワークングスペースやカフェレストランが入居している。おひさまテラスでは健康講座や子育て交流会などのイベントも開催されるという。おひさまテラス。

近隣に立地するイオン旭店は営業継続

イオンタウン旭から直線距離で1.1㎞の場所にはイオンリテールが運営する総合スーパー「イオン旭店」(旭サンモール)が立地する。1982年開店のイオン旭店は築40年が経過し老朽化が進んでおり、イオンタウン出店後の先行きが注目されていた。
イオン旭店について都商研の取材に対し、「イオン旭店の特徴として(イオンリテールが運営する他の総合スーパーの中でも)衣料品の構成比が非常に高い。食品についても足元のお客様を主として展開すれば(イオンタウン出店後も)十分成立する」(イオンリテール南関東カンパニー浜口支社長)と述べ、営業継続の考えを示した。イオン旭店ではイオンスタイルの開業を機に女性向けの衣料品のショップを新設・拡充する。
地元で長年親しまれているイオン旭店、地域の交流拠点としての役割も期待されるイオンスタイル旭中央、旭市の東隣・銚子市のイオンモール銚子の3店舗体制で東総エリアの幅広い顧客の獲得を目指す。

イオンタウン旭

住所:千葉県旭市イ4337番地1
営業時間:8時~22時(イオンスタイル旭中央)イオンタウン旭広域地図。

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ドン・キホーテ古川店、2022年4月15日開店ーコジマ跡、テーマは「リラックスドンキ」

宮城県大崎市古川大宮の国道4号線沿いにあったコジマ古川店跡にパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)の総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ古川店」が2022年4月15日午前9時に開店する。

ドン・キホーテ古川店。

2021年閉店のコジマ電気跡、約3ヶ月の空白経てドンキに

ドンキ古川店が出店する前に営業していたコジマ大崎店は2007年3月22日に開店、約11年間営業していたが2021年11月28日に閉店、跡地の活用方法が注目されていた。
ドンキ古川店の建物は地上3階建で営業区画は2階部分のみ、売場面積は2,446㎡。宮城県内では9店舗目のドンキ・MEGAドンキとなる。

室内外の生活を取り揃える「リラックスドンキ」目指す

店舗ではコロナ禍での「おうち時間」を充実させるコーナーを多数展開、そのなかの「リラックスドンキ」ではゲーミング用や在宅ワーク向けの実用性のあるクッションから、かわいいキャラクターものまで多彩なクッ ションを取り揃える。また、「香り」をテーマにしたコーナーでは、海外のシャンプーや柔軟剤、人気のアロマや入浴剤など、商品を通じて「香りの 癒し」を提供する。
食品では肉に特化した独自ブランドのコーナー 「久善(きゅうぜん)」を展開。精肉は宮城県産「仙台牛」や「森林鶏」など、 東北地方を中心とした地場の素材を扱う。肉総菜は厳選された精肉を使用し、こだわりの店内調理によって味付けされた唐揚げやトンカツなど、食卓を豊かにするラインアップを充実させる。

このほか、アウトドア関連では、コロナ禍により人気が高まりつつあるキャンプ用品を強化するなど、あらゆる分野で生活の質を上げることを目指したアミューズメント性に富んだ売場を展開するとしている。

ドンキ得意の商品でトレンドのアンテナショップ目指す

コスメコーナーでは韓国・中国・タイなどの海外コスメなどのSNSで話題のコスメを販売するなど、メイクを通して最先端のおしゃれを楽しめる商品を展開する。
また、世界各国の輸入食品や酒、調味料を扱う「ワールドイーツコーナー」を展開、まるで世界旅行に来たかのようなワクワクドキドキ感を演出する売場作りを目指すなど、前述のリラックスドンキに加え、トレンドのアンテナショップを目指した売り場づくりを展開することで、店舗の魅力向上を目指す。

東北の大動脈に面する店舗、立地の良さを活かせるか

ドンキ古川店は東北の大動脈・国道4号線に面することに加え、店舗周辺には古川免許センターや宮城県古川黎明中学校・高等学校、宮城県古川工業高等学校など人が集まりやすい施設が多く、ロードサイド店舗が並ぶ場所でもある。総合ディスカウントのドンキが出店することは地域の魅力の向上にもつながるであろう。

ドン・キホーテ古川店

住所:宮崎県大崎市古川大宮3丁目 3ー30
営業時間:午前9時〜翌午前0時

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T-FACE、2022年3月25日リニューアル開業-豊田そごう・松坂屋跡、成城石井など出店で賑わった新装初日

愛知県豊田市の名鉄三河線豊田市駅・愛知環状鉄道新豊田駅前にある豊田市駅西口再開発ビル「豊田駅西ファッションビル t-FACE」のうち、2021年9月まで「松坂屋豊田店」が出店していた「t-FACE A館」1階から6階の全面改装が完了し、2022年3月23日にプレオープン・25日にグランドオープンした。

新装なったt-face。

「豊田そごう」開業から34年目の全面リニューアル

松坂屋豊田店の前身である「豊田そごう」は豊田市駅西口市街地再開発ビル「t-FACE」の核店舗として1988年10月に開店。t-FACE全館の店舗面積は39,477㎡。そごうは2000年7月のそごう経営破綻により営業面積が縮小されたのち2000年12月に閉店し、その後はt-FACE専門店街が増床された。

豊田松坂屋・エントランス。右はB館。

松坂屋豊田店は2001年10月25日に「t-FACE A館」に開店。松坂屋の店舗面積は18,000㎡。A館1階から6階まで(+催事場8階)に出店しており、そごうの百貨店面積よりも狭かった。
しかし、業績の悪化などを理由に2021年9月30日を以て閉店し、施設を管理する「豊田まちづくり」によって改装が進められていた。

豊田松坂屋・最終営業日。

成城石井・三越・コーナンなど各階「新コンセプト」に


外壁に設置されたテナント看板。

新装なったt-FACE A館のうち、1階は「デイリーフロア」。
核店舗として高品質な食材を扱うスーパー「成城石井」が出店する。惣菜店を集めたコーナー「おそうざいマルシェ」には、RF1のセレクトショップ「グリーン・グルメ」や、沖縄育ちのアイス専門店「ブルーシール」などが出店する。

デイリーフロアにはイートインコーナーも。


BLUE SEAL ICE。

ベーカリー「ドンク」や「ミニワン」は、松坂屋に引き続き再出店となった。
さらに、4月22日にオープンする食品売り場「T-Marche」には、松坂屋時代に出店していたお肉の専門店「スギモト」や鮮魚店「魚錠」、新たに出店する青果店「カネ井青果」などが出店する予定となっている。

再出店となったドンク。

2階は「上質な立ち寄りフロア」。
核店舗として、名古屋三越のサテライト百貨店「三越 豊田」が4月22日にオープンする。
三越の店舗面積は約1,900㎡。三越店内には、洋菓子「ゴディバ」や、レディースファッション「ウサギオンラインストア」などを始めとした18店舗のテナントが出店する予定。
このほか、松坂屋時代に出店していたカフェ「スターバックス」も出店している。

スターバックス前のウッドデッキ。

3階は「おとなライフスタイルフロア」。
アンタイトルド」や「エムズグレイシー」などの婦人服店のほか、眼鏡店「キクチ」や、靴下などの衣料品「フクスケ コラージュ」などが出店。コスメ・生活雑貨「ハウスオブローゼ」などは松坂屋時代からの再出店となる。

4階は「大型専門店フロア」。
ファストファッションの「coca」、インテリア雑貨の「ニトリ デコホーム」が出店するほか、4月22日には「GU」がオープンする。

coca。


ニトリデコホーム。

5階は「ホームセンター」フロアで「コーナン」が出店する。
コーナンでは、日用品、家電、ペット、園芸、DIY、インテリアなど幅広い商品を取り扱う。

コーナン。

6階は「とよた未来を育むラボ(愛称 Y LAB.)」と題し、なにかが変わるきっかけのフロアをコンセプトとした。
その一環として、コワーキングスペース「Yシェア」や、キッチンスタジオ併設の多目的ホール「Yスタジオ」などの新しいコンセプトのスペースが設けられた。
このほか、書籍の「丸善(MARUZEN)」やハワイのコーヒー「ライオンコーヒー」を提供する喫茶店の「RIC TOKYO」、PCデポの地域連携型新業態店「PCデポ 豊田くらしのデジタル館」などが出店する。

PCデポの新業態「くらしのデジタル館」。

豊田産木材を用いた内装に-そごうの名残も

今回のリニューアルに合わせて、外観は低層部が茶色に塗り直された。

最上階には松坂屋に変わり「t-FACE」のロゴが設置された。

2階の名鉄側入口も大きくリニューアルされ、館内は白系から茶色など暖色系に改装。ここには、香り豊かな豊田市の木材が内外装として多用された。
さらに、1階・2階には立ち寄りやすさと居心地の良さを追求した新たなエントランス(入口)を増設するなど、以前とは少し異なる雰囲気となった。

豊田市産の木が使われた内外装(2階スタバ前)。
プランターの土には松坂屋の廃材を活用したという。

その一方で、館内にはそごう時代の設備が昇降機を中心に継承されており、エレベーターの金色内装の他、扉開閉時に鳴動するチャピー(ピヨピヨ音)、そしてエスカレーターの金色の枠に赤いベルトなど、バブル期に開業したそごう独特の設備が引き続き継承されている。

6階エレベーターホール。


そごう時代のままのエスカレータ。

多くの客で賑わった開業日-式典は4月に実施

開業初日となった3月25日は朝から多くの人が詰めかけた。
開店時は1階および2階の名鉄側入口に分かれて整列するようになっていたが、1階は新たに増設された入口、2階は愛環線の駅側まで長い行列ができた。

朝から多くの客が並んだ。

開店式典などは2階「三越」が開店する4月22日に行われるといい、25日は特に挨拶などはなく開店。それと同時に多くの客が店内へとなだれ込んだ。

午前10時の開店と同時に多くの客が入店した。

ここ数年、松坂屋豊田店・t-feceの近隣には2020年に開業した「ららぽーと東郷」をはじめ2017年に開業した「プライムツリー赤池」、同じく2017年に建替え開業した「イオンスタイル豊田」など郊外型商業施設が相次いで開業しており、集客に陰りが見えつつあった。
今回のリニューアルオープンでは市内に唯一のテナントも数多く出店しており、再び「豊田市の玄関口の顔」として賑わうことが期待される。

t-FACE  豊田市駅西ファッションビル

住所:愛知県豊田市若宮町1-57-1
営業時間:10:00 – 20:00
(ごちそうダイニングは11:00 – 最大23:00)

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イオン東鷲宮店、2022年4月10日閉店-旧ダイエー、パルモール専門店街の一部テナントは営業継続

埼玉県久喜市のJR東鷲宮駅前にある総合スーパー「イオン東鷲宮店ダイエー東鷲宮店)」が、2022年4月10日に閉店する。
追記:専門店街も閉店、跡地にヤオコーが建設されます。

イオン東鷲宮店。

ダイエー東鷲宮店から36年の歴史に幕

イオン東鷲宮店は1986年4月に「ダイエー東鷲宮店」として開店。専門店街「パルモール」を併設する。
その後、イオンはダイエーの総合スーパー事業縮小に伴い2016年3月をもってイオンリテールに運営移管され、イオン東鷲宮店となった。売場は1階と2階、店舗面積は9,970㎡、そのうちイオン(イオン内テナント含む)が8,445㎡を占める。

イオン東鷲宮店・閉店告知。

テナントとしては100円ショップ「キャンドゥ」、フィットネス「カーブス」、ゲームセンター「こころっこ」等が出店する。

久喜市内に「イオンスタイル南栗橋」開業予定

イオン東鷲宮店の閉店理由は発表されていないものの、イオン東鷲宮店の5キロほど北東には2022年5月下旬ごろの開店をめざして「イオンスタイル南栗橋」が建設中となっている。

店内のようす。「専門店は営業を継続する」という告知が。

なお、パルモール専門店街の一部店舗などは営業を継続するとしているため、建物はそのままに今後新たなテナントを誘致する計画とみられる。

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ダイエー豊洲店、2022年4月1日開店-48階建てタワーマンション「ブランズタワー豊洲」別棟に

東京都江東区の東京メトロ有楽町線・新交通ゆりかもめ豊洲駅近くにスーパーマーケット「ダイエー豊洲店」が2022年4月1日に開店する。

ダイエー豊洲店。
オープン告知シール下にはダイエー矢印が設置されている。

48階建てタワーマンション別棟にダイエー出店

ダイエー豊洲店は豊洲駅南東(豊洲5丁目)で「東急不動産」(東京都渋谷区)を中心に開発する48階建てタワーマンション「ブランズタワー豊洲」別棟に入居。直営売場面積は約988㎡(299坪)で食料品を中心に取り扱うとみられる。ブランズタワー豊洲。ダイエーは写真左下の建物に入居する。

コンセプトは「おいしく食べて”ココロとカラダ”健康に」。
店内にはダイエーによる手作りパン、ピュアウォーターコーナー、ATMコーナーが設置される。テナントの出店は予定されていない。
追記:2022年秋にテナントとして「na cafe」が出店する。

「ダイエー」屋号での出店は約4年半ぶり

イオンの完全子会社であるダイエーでは2016年11月より一部店舗で店名の屋号は「ダイエー」のまま店舗看板などで「イオンフードスタイル by daiei」の看板を用いていた。さらに2018年4月開店の「イオンフードスタイル東向日店」(京都府向日市)より新規出店の際、店舗名の正式な屋号に関しても「イオンフードスタイル」の屋号を用いている。「イオンフードスタイル」の看板。(東大阪市・瓢箪山店)

豊洲店は久々に「ダイエー」の屋号・看板で出店することとなり、「ダイエー」の屋号での出店としては2017年10月開店の「ダイエー住之江駅前店」(大阪市住之江区)以来、約4年半ぶりとなる。

ダイエー豊洲店

住所:東京都江東区豊洲5-1-6
営業時間:7時~24時

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MEGAドン・キホーテUNY矢作店、2022年3月22日開店-ピアゴ矢作店跡、「食品」「高級ブランド品」強化

愛知県岡崎市舳越町の県道56号線近くにパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)の総合ディスカウントストア「MEGAドン・キホーテUNY矢作店」が2022年3月22日午前9時に開店する。

MEGAドン・キホーテUNY矢作店。

矢作のピアゴ、MEGAドンキUNYに業態転換

MEGAドン・キホーテUNY矢作店はユニーグループの総合スーパー「ユーストア矢作」として1993年7月に開店。ユニー傘下のミニGMSとして営業していたが、2009年2月にグループの運営会社及び店舗ブランド再編に伴い、店舗名を「ピアゴ矢作店」に改称して営業していた。その後、ドンキへの業態転換のため、2022年1月10日に閉店し、改装工事を行なっていた。なお、セリアなど多くのテナントは改装後も営業を継続する。
建物は地上3階建で地上1・2階部分で営業、売場面積は4,958㎡。店舗は県道56号線に近く、周辺には住宅が集積。愛知学泉大学岡崎キャンパスや小学校などの学校施設も点在している。

階層ごとにテーマを変え「充実感溢れる店舗」に

ドンキ矢作店の1階では、ピアゴ時代からの強みである生鮮食品の品質・鮮度はこのままに品揃えを強化。精肉売場では子育て世代に喜ばれる大容量パックや味付け肉の品揃えを強化するとともに、冷凍食品は、業務用商品や韓国などの輸入食材を幅広く取り扱いし売場を拡大。鮮魚売場では店内加工の新鮮な直営寿司を新たに導入し、青果売場では、近年ニーズが高まっている新鮮なサラダの品揃えを拡充するとしている。

トロリスタ。

また、ドンキ店内で焼き上げる多彩なチーズが人気である直営ピザ「トロリスタ」、唐揚げと玉子焼きの「いまから」、鮮魚売場に展開する天ぷら総菜「魚屋の本気の天ぷら」など、フルラインナップの惣菜モデル店舗として店内調理の総菜に力を入れ、「家で簡単に、でも美味しいものを食べたい」というニューファミリー層のニーズに応える。
このほか、菓子・酒の品揃えを強化するとともに、輸入食材のワールドイーツコーナーを新設。同フロア内に 生活雑貨・日用消耗品を展開することで、日常の中でも充実感溢れる買い物ができる「ディスカウント型スーパーマーケット」として地元住民に愛されるお店を目指すとしている。

いまから。

2階はトレンドを追求した品揃えで、若年層やファミリー層にも便利に利用できる店へとリニューアルする。
ハイブランドの財布・鞄やブランドファッションを新たに導入するとともに、トレーニング関連商品、ホビー関連商品など、ドンキらしいアイテムを強化。また、マニアをうならせるランタンや、「ニワ Q(=お庭バーベキュー)」用品など充実した品揃えのアウトドアコーナー、韓国コスメやメンズコスメも取り揃える「コスメティックコーナー」、キャラクター商品などのアニメグッズを集めた「オタ活コーナー」など、ドン・キホーテならではの宝探し感を忘れないワクワ ク・ドキドキする売場を展開するとしている。

MEGAドン・キホーテUNY矢作店

住所:愛知県岡崎市舳越町字神道 35 番地
営業時間:午前8時〜翌午前0時
(2022年3月22日〜24日までは午前9時〜午後10時の営業)

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