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【アネックス館テナント一覧】棒二森屋、150年の歴史に幕(2)-旧アネックス館、2月8日再開業

2019年1月31日に閉店したJR函館駅前の百貨店「棒二森屋」(北海道函館市)の新館であった旧「アネックス館」が改装されて2019年2月8日に営業を再開する。

間も無く改装されるアネックス館。

閉店日の記事はこちら
旧アネックス館、2月8日開業-ファッションビルに

棒二森屋アネックス館は1982年に建設。地下1階、地上7階建て。
本館は老朽化により耐震性が低いことが発表されており、建物は解体される見込みだが、旧アネックス館、パーキング館は当面のあいだ営業を継続することとなった。
旧アネックス館は2月8日からファッションビルとして順次開業。移転・新規出店する店舗の一部は2月20日前後の開業になるという。パーキング館は3月に営業を再開する。
改装後の新名称は未定。再開発の進展状況を見て数年後(2022年以降)に閉館する計画だ。

旧棒二森屋アネックス館(手前)。

地階の食品売場をはじめとした百貨店の直営フロアは廃止されるが、本館から複数のテナントが移転。そのなかには「ハウスオブローゼ」など全国展開する人気店舗も含まれる。また、以前から1階で人気を集めている「はこだてスイーツ&CAFE」のコーナーには函館市亀田の人気老舗ベーカリー「キングベーク」など新規テナントも導入される。
なお、建物は中合が所有を継続するが「棒二森屋商品券」などは利用できない。

19テナントが出店、3月末までに順次開業へ

各企業・テナント各社の発表、現地取材、地元メディアの報道などにより判明したアネックス館のテナントは以下の通り。太字は本館から移転、太字下線は新規出店テナント。
(一部ブラウザによっては正しく表示されない場合あり)

1階に「はこだてスイーツ&CAFE」の看板が掲げられる。
店前を走る電車は館内に継続出店する千秋庵総本家の広告。

開業時の総テナントは19店舗になるという。一部に空きスペースもあるため、今後新たなテナントの導入が進む可能性もある。
また、棒二森屋本館の店舗のうち人気の地場ハンバーガーチェーン「ラッキーピエロ」は移転先を検討中だといい、数か月間は棒二森屋本館の現店舗で営業を継続する計画だ。

ラッキーピエロは当面本館で営業継続する。

旧棒二森屋アネックス館のテナント一覧(判明分)
屋上 未定(閉鎖) 未定
7階 未定(閉鎖) 未定
6階 CD・公共施設 玉光堂
函館市ふらっとDaimon
5階 書店・公共施設 くまざわ書店
函館市消費生活センター
4階 催事場 催事場・イベントスペースを検討
3階 メンズ・キッズ
ファッション
INDEPENDENCE STORE
TETE HOMME(テットオム)
BK-KIDS
2階 メンズ・レディス
ファッション
アクセサリー
コスメ
レストラン
NICOLE CLUB FOR MAN(ニコル)
ウォッチタウン
ハウスオブローゼ
セレクトショップCOSMIC
ミラオーウェン
スタジオb(館内移転)
カフェニシムラ
1階 スイーツ&CAFE
ベーカリー
キングベーク
ラップ&ロールカフェ
千秋庵総本家(館内移転)
ハーヴェスト
ワッフルデニーム
地階 未定(閉鎖) 未定

※「ラッキーピエロ」は当面のあいだ本館1階で営業を継続。

なお「棒二森屋函館空港店」については当面現在のまま営業を継続するという。

キラリス、2月7日改装-徒歩圏にマックスバリュも

棒二森屋向かいの和光デパート跡にある再開発ビル「キラリス函館」も2月7日に地階がリニューアルされ、牡蠣焼き「知内番屋」など新たに飲食店3店舗が出店する。
さらに、2019年秋ごろには棒二森屋跡地のすぐ近くに「マックスバリュ函館若松店」も開業する予定であり、函館駅前の賑わいは維持されることとなりそうだ。

2月7日に地階をリニューアルするキラリス。

アネックス館(仮称)/函館駅前ビル(仮称)

住所:北海道函館市若松町16-8
営業時間:10時~18時から20時(テナントにより異なる)

関連記事:棒二森屋、2019年1月31日に150年の歴史に幕(1)-雪の最終営業日
関連記事:棒二森屋、2019年1月31閉店-親会社のイオン、再開発か
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棒二森屋、2019年1月31日に150年の歴史に幕(1)-雪の最終営業日

北海道函館市の函館駅前にある百貨店「棒二森屋」が2019年1月31日に閉店し、150年の歴史に幕をおろした。

閉店セールをおこなう棒二森屋。

2人の九州移民が造った「駅前の顔」、150年の歴史に幕

森屋は大分県出身の渡辺熊四郎が「金森森屋洋物店」として1869年12月に創業、棒二は佐賀県出身で近江商人をルーツに持つ荻野儀平が「棒二荻野呉服店」として1882年に創業した。有名観光地として知られる「金森赤レンガ倉庫」はもともと金森森屋の関連企業のものであった。森屋は渡辺が勤めていた長崎の問屋の屋号に由来する。
この両社は1936年に合併、「棒二森屋」となり、1937年に現店舗の本館を建設している。設計者は地元出身の建築家・明石信道。

棒二森屋本館。1937年築。

本館はのちに増築され、戦後一時は三越と提携関係にあったが、1981年にダイエーが資本参加。
1982年に専門店を多く導入した新館「アネックス館」が完成し、現在の姿となった。新館の設計者も地元出身の建築家・明石信道。全館を合わせた売場面積は22,153㎡。
近年の年商は最盛期の約2割ほどだったという。

賑わう最終日

閉店日となった1月31日は開店前から行列ができ、店員の「大変お待たせしました」の言葉とともに店内へとなだれ込んだ。
当日は朝から雪となったため、遠方から来店した客が勢い余って店頭で転ぶ姿も見られたほどだった。
7階の「レストラン和家」の横では棒二森屋と函館の街の歴史を振り返る「さよなら、棒二森屋」展が開催された。レストランは混雑し列も生まれていた。

さよなら、棒二森屋展。


現店舗の建設初期の写真、周辺地域の写真などが飾られた。

夕方になると商品は少なくなった。特に、函館から姿を消す大手ベーカリー「ドンク」などでは行列が生じるようになった。
閉店時間が近付くにつれて、本館1階では記念式典の準備が始められ、閉店時間を迎えた18時には会場に買物客から寄せられた「メッセージボード」が設置された。

商品が少なくなった店内。

大勢の函館市民が館内にあふれるなか、18時15分には3人兄弟の迷子が発生するハプニングもあったが、すぐ見つかり館内に暖かい拍手が巻き起こった。

メッセージボード前が式典会場となった。

18時30分からは閉店記念式典が開催、蛍の光の生演奏が披露されるなど、150年の歴史の集大成にふさわしいものとなった。
店長の挨拶の後、従業員による案内のもと、買物客が玄関に案内され、シャッターが降ろされた。

店員による挨拶。

18時54分、テーマソングが流れるなか、棒二森屋は大勢の函館市民に見送られながら150年の歴史に幕を下ろした。
(撮影:1月27日~1月31日)

旧アネックス館、改装へ-2月8日開業

棒二森屋本館は老朽化により耐震性が低いことが発表されており、建物は解体される見込みだ。
ダイエーの親会社であるイオンは再開発をおこない、マンションや宿泊施設等を核とした建物に建て替えたい意向を発表している。
一方で、旧アネックス館、パーキング館は当面のあいだ営業を継続する予定。当面はファッションビルとして営業し、再開発の進展状況を見て数年後(2022年以降)に閉館するとみられる。建物は中合が所有を継続するが「棒二森屋商品券」などは利用できない。

アネックス館(手前)は営業を継続する。

旧アネックス館は2月8日から順次開業。移転・新規出店する店舗の一部は2月20日前後の開業になるという。パーキング館は3月に営業を再開する。

アネックス館のテナント一覧などはこちら(続き記事)

関連記事:棒二森屋、2019年1月31日に150年の歴史に幕(2)-旧アネックス館、2月8日再開業
関連記事:棒二森屋、2019年1月31閉店-親会社のイオン、再開発か

関連記事:シエスタハコダテ、2017年4月22日開業-旧ホリタ・ダイエー五稜郭店跡の大型再開発ビル

天牛堺書店、2019年1月27日全店閉店-1月28日に破産申請

大阪府堺市を中心に展開する中堅書店「天牛堺書店」(大阪府堺市南区)が1月28日に大阪地裁堺支部から破産開始決定を受けた。店舗は1月27日の営業を以て全店閉店している。

天牛堺書店高石店(1月28日)。

堺市を中心に展開する老舗書店、創業56年で倒産

天牛堺書店は1963年に堺市津久野駅前で創業。新書に加えて文具、CD、DVD、古書の販売も行っていた。

創業の地・天牛堺書店津久野店。

堺市や大阪市南部の駅ビル、駅前や百貨店、ショッピングセンターへの出店を主体とし、かつては関西国際空港にも出店。近年は2016年にイオンモール堺鉄砲町に新店舗を出店していた(当記事ヘッダー写真の店舗)。

イオンモール堺鉄砲町。

東京商工リサーチによると、負債総額は約18億円。ピーク時の1999年5月期には売上高約29億900万円を計上していたが、2018年5月期の売上高は約16億8000万円になっていたという。
なお、天牛書店(吹田市)は無関係の企業であり、同社の2店舗(江坂、天神橋)は営業をおこなっている。

地域に衝撃「閉店は寝耳に水」

天牛堺書店は2019年1月27日の営業を以て全店閉店。1月28日朝には各店舗の前に破産を知らせる紙が貼り出された。

破産を知らせる貼り紙(高石店、撮影:おかみさん)。

店舗の近くに住むという高石市の女子高生は「近所の本屋さんってここしかなかったから確かに困る。文房具も大抵ここで買ってたからなぁ」と話した。

突然の閉店であったことが分かる(撮影:おかみさん)

堺市周辺の書店は同社の店舗が多く、ドミナント展開していただけに地域への影響は非常に大きいものとなるが、1月28日時点で店舗跡を引き継ぐ企業などは発表されていない。

外部リンク:なんばスカイオ、2018年10月17日開業-南海難波駅直結、南海本社跡の超高層複合ビル
外部リンク:イオンモール堺鉄砲町、2016年3月19日開業-旧ダイセル工場も一部活用

丸栄、2018年6月30日閉店-サカエの顔、403年の歴史に幕

愛知県名古屋市中区栄の老舗百貨店「丸榮」(丸栄)が2018年6月30日午後7時すぎに閉店し、前身の「十一屋呉服店」から403年の歴史に幕を下ろした。

百貨店営業終了日の丸栄。

創業403年、名古屋が誇る「4M」の一角

丸栄は1615年に創業した「十一屋呉服店」を起源に持つ。
太平洋戦争最中の1943年、企業整備令に基づく百貨店整理統合により、当時大手百貨店であった「丸物」傘下の「三星百貨店」と合併して現在の屋号となった。1952年には建築家・村野藤吾の設計で、戦後に出来た建物を増築する形で現在の本館(地下2階、地上8階)が完成。外観にモザイクタイルの壁画(1枚目参照)や、1階エレベーターの扉にあしらわれた東郷青児の絵など、豪華な内外装は栄地区の名物となった。

日本建築学会賞受賞作品である。

その後は繰り返しの増床や別館「丸栄スカイル」の開館(1973年)などを行い、名古屋の百貨店群を指す「4M」(丸栄、松坂屋、三越、名鉄百貨店の共通する頭文字Mを取ったもの)の一角として大きな存在感を示してきた。
また、消費低迷の煽りを受けていた1999年には、当時百貨店では異例であったギャル系アパレルフロア「モード&ヘルシー」を本館1階・2階に導入。当時“名古屋嬢”と呼ばれた地元の若者からは、丸栄ならぬ「ギャル栄」としてコアな支持を集めた。
しかし、名古屋パルコ(1989年開店)、JR名古屋高島屋(2000年開店)、三越ラシック(2005年開店)といった競合店の進出(進出計画)もあり、2003年には丸栄スカイルからの実質的な撤退を決めるなど、厳しい経営状況が続いた。

興和との提携から10年、ついに閉店

丸栄は2008年に製薬(コルゲンコーワ)などで知られる大手商社「興和」(名古屋市)と業務資本提携を締結、2010年には豊橋丸栄(現・ほの国百貨店)を投資ファンドに売却し、経営再建を加速させた。
しかし、2017年2月期決算では3期連続の赤字を記録するなど慢性的な業績不振からは抜け出せず、2017年7月には興和の完全子会社入りし、同年12月には丸栄の営業終了と近隣施設との一体的な再開発が発表された。
再開発についての詳細は過去記事を参照

賑わう最終日-パネル展や過去の人気催事も開催

丸栄では5月17日から全館で閉店セールを開催。一部テナントが先行して営業を終了していたもの、閉店を惜しむ買物客で賑わった。
7階では企画展示イベントとして「マルエイ75年のあゆみ-伝えたい記録、残したい記憶-パネル展」が開催された。

「マルエイ75年のあゆみ」パネル展

歴代の紙袋・包装紙からお中元・お歳暮カタログ、案内員の制服といった百貨店では定番のアイテムから、丸栄の顔でもあった「モード&ヘルシー」のポスターやミニファッション情報誌「スナッピー」、人気催事「鉄道模型展」や「KYOSHOフェア」で販売された特注商品まで並べられ、買物客は物思いにふけっていた。

丸栄らしさあふれるパネル展。

最終営業日となった6月30日は、5月17日から続いていた閉店セールにより売場が大幅縮小しており、地下食品売場「できたて栄市場」「とれたて栄市場」では、生鮮食品のみならず、菓子からワインまで商品棚から姿を消していたが、閉店を惜しむ買物客で売場は普段以上の賑わいを見せた。
閉店に伴い、名古屋から完全撤退する人気飛騨牛ステーキ店「キッチン飛騨」では、商品が最大半額以下となるセット販売企画を打ち出していたこともあり、店員がいくら商品の補充を続けても、買物客がすぐ商品を買い占めるといった光景がみられた。
また、惣菜専門店各店でも多くの店が昼過ぎには商品を売りつくした。
数日前から店舗用品の新規発注を止めていたこともあり、丸栄の買物袋を店舗間で融通し合う様子もみられた。

7時55分、ついにシャッター降りる

午後7時10分から丸栄東玄関口では閉店式典が始まり、浜島吉充丸栄社長により同社の歴史と買物客への御礼が語られると、周囲の買物客から拍手が巻き起こった。7時37分には「永年のご愛顧、誠にありがとうございました。」と書かれたカーテンが売場を覆い隠し、55分頃から玄関のシャッターがおり始めた。

閉店式典のようす。

丸栄では、子供にハイタッチし「やりきったぞ!」と微笑む社員や涙を流す常連客も見られるなど、最終営業日ならではの光景が広がった。その一方、丸栄では閉店30分以上前から顧客の誘導を行っていたこともあり、店舗では閉店による目立った混乱は見られなかった。
丸栄は百貨店店舗の営業終了後も当面は外商事業に特化して事業を継続すると発表しているが、丸栄跡地に建設される予定の再開発ビルの運営に携わるかについては未定となっている。

外部リンク:丸栄 MARUEI – 名古屋・栄の百貨店 催事や名古屋名物Shopping
関連記事:丸栄、2018年6月30日閉店-403年の歴史に幕、再開発へ
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伊勢丹松戸店が閉店-2018年3月21日、43年の歴史に幕

千葉県松戸市のJR松戸駅前・伊勢丹通り商店街にある百貨店「伊勢丹松戸店」(松戸伊勢丹)が、2018年3月21日午後7時すぎに閉店し、43年の歴史に幕を下ろした。

最終営業日の伊勢丹松戸店。
屋上看板の一部には既に足場が組まれていた。

松戸市に支援打診するも失敗、結局閉店に

伊勢丹松戸店は1974年4月に開業。
地上11階、地下1階建てで、売場面積は31,268㎡。建物は投資ファンドなどが所有する。2015年度の売上高は約192億2500万円。

松戸市中心部のランドマークだった。

 三越伊勢丹は2017年に松戸店の業績低迷から直営売場を4階以下に圧縮することを発表。さらに松戸市が4階の一部を10年間、計21億円で貸借する計画であったが計画は最終段階で頓挫。
結局、2018年3月21日を以て閉店することとなった。
詳しくはこちら。

雪と雨のなかでの閉店セレモニー

最終営業日となった21日、松戸市内は早朝から雪混じりとなり天候に恵まれなかったもの、祝日だったこともあり多くの客が訪れた。
伊勢丹では14日から「ご愛顧感謝ファイナルフェスタ」を開催中。館内には「私と伊勢丹松戸店」と題した企画展示や、本物の桜の木を用いたメッセージスポットが設けられた。

賑わう最終営業日。

アトレ松戸やパチンコ店などでも伊勢丹に感謝する横断幕やポスターが設置され、松戸駅周辺は伊勢丹一色となった。

松戸駅に設置された横断幕。


チロルチョコの包み紙2294枚で作られた文字。

閉店時間が近づき、19時すぎからは閉店セレモニーが開催された。市民有志や店員も参加するお別れライブも実施され、地元アーティストによる「クロージングソング」も披露された。
店長の挨拶、そして「蛍の光」が歌われたあと、伊勢丹松戸店はその歴史に幕を下ろした。

地元アーティストと店員によるオリジナルソング披露。


閉店セレモニー、店長による挨拶。

店舗跡の活用方法などは決まっていない。

2018年、すでに5百貨店が閉店に

1月には十字屋山形店が、2月には西武百貨店船橋店、西武百貨店小田原店、ヤマトヤシキ姫路本店が閉店。松戸伊勢丹の閉店により、僅か3ヶ月の間に5つの百貨店が閉店したこととなる。
6月には名古屋市の丸榮が約400年の歴史に幕を下ろす。

閉店の経緯などについて詳しくはこちらの記事を参照:伊勢丹松戸店、2018年3月21日閉店-縮小模索も結局「閉店」に」。

外部リンク:伊勢丹松戸店
関連記事:三越伊勢丹、4店舗の百貨店閉店・業態転換・縮小など検討-建物の「完全閉鎖」は避けたい考え
関連記事:三越伊勢丹、さらに5店舗の百貨店閉店・業態転換・縮小など検討-対象は合わせて9店舗に
関連記事:船橋西武・小田原西武・ヤマトヤシキ姫路本店が閉店-2月28日 
関連記事:そごう柏店、43年の歴史に幕-9月30日、西武百貨店旭川店も閉店

船橋西武・小田原西武が閉店-2018年2月28日

千葉県船橋市の船橋駅前にある西武百貨店船橋店、神奈川県小田原市のショッピングセンター「ダイナシティ」にある西武百貨店小田原店の西武百貨店2店が、2018年2月28日に閉店した。

2月28日に西武2店が同時に閉店した。

西武百貨店船橋店閉店ー船橋ロフトも

千葉県船橋市の船橋駅前にある百貨店「西武百貨店船橋店」が2月28日午後8時に閉店し、50年の歴史に幕を下ろした。

西武百貨店船橋店。

西武船橋店は1967年9月開店。売場面積は38,311㎡。建物は地上10階地下2階建(地下2階は事務所)で食品卸会社「ユアサ・フナショク」が所有する。
閉店セール期間中の2月9日には隣接するJR船橋駅に新駅ビル「シャポー船橋南館」が開業、ペデストリアンデッキで接続されたこともあり、両店の間や昨年改装された東武百貨店を買い回る客も多く見られた。

隣接地にはシャポーが開業(右)。

利用客の多い駅前ということもあり、閉店セールには多くの客が詰めかけ混雑した。市内本町二丁目に住む女性は「家から歩いて5分だったから50年ぐらい来てたのよー」と残念そう。地階の店員は「いつもこうだったらよかったんですよねぇ。」と淋しげに話した。

賑わう閉店セール。

「ふなっしー」梨神様神社、ららぽに移転

西武船橋店閉店に伴い別館で営業する船橋ロフト(1998年8月開店)も営業を終了した。
千葉県内では千葉ロフト(そごう千葉店8階)と並ぶ大型店で、船橋市非公認ゆるキャラ「ふなっしー」を祀った「梨神様神社」も設置されていたことからふなっしーファンに根強い支持があったが、ららぽーとTOKYO-BAY内のふなっしーLAND船橋本店に移設されている。

船橋ロフトも閉店した。

船橋ロフトの営業最終日には商品を税込1,080円以上購入した先着2000名に「『ありがとう』のおふきん」がプレゼントされた。西武百貨店閉店に伴うロフト閉店は2016年9月の旭川以来1年半ぶりとなった。

閉店に伴う写真展も開催された。

西武百貨店小田原店閉店ー旧ロビンソン

神奈川県小田原市のショッピングセンター「ダイナシティウエスト」にある百貨店「西武百貨店小田原店」が2月28日午後8時に閉店し、ロビンソン百貨店から17年の歴史に幕を下ろした。

ダイナシティウエスト・西武小田原店

西武小田原店はロビンソン百貨店4号店「ロビンソン百貨店小田原店」として2000年9月28日開店。開業当時の売場面積は31,182㎡。
大同毛織(現・ダイドーリミテッド)工場跡に開業したショッピングセンター「ダイナシティ」の核店舗としての出店であり、ロビンソン百貨店ブランドとして開店した最後の店舗だった。

かつてはロビンソン百貨店だった。

セブン&アイHDの百貨店事業整理の一環として2013年3月に現在の店舗名(西武小田原店)に改称されており、アンリシャルパンティエなど有力デパ地下ブランド29店舗を導入した「西武食品館」の開設や、そごう・西武PB「リミテッド・エディション」の導入が行われるなど店舗改革が進められていた。
最終閉店売りつくしセールが行われる西武食品館。

しかし西武小田原店の売上高は減少傾向にあり、2016年には西武直営売場の多くをダイナシティ専門店街に転換・縮小し、1階と2階の一部のみでの営業となっていた。

西武小田原店1階では閉店に伴い特別展示企画「西武小田原店17年のあゆみ」が開催されており、小田原市の名所や特産品をデザインした「オリジナル記念グッズ」(個数限定)の販売も行われており、「ロビンソンがなくなったときも悲しかったですけどまさか西武もなくなってしまうなんて…」と淋しげに語る店員も居た。

ダイナシティウエスト、改装へ

ダイナシティウエスト専門店街(小田原ロフトなど)は西武撤退後も営業を継続する。今後はダイナシティの運営会社であるダイドーフォワードにより新たなテナントが誘致される予定。西武閉店後も一部のテナントは営業を続ける。

ヨーカドーと差別可能な専門店の誘致が期待される。

外部リンク:西武船橋店トップ|西武・そごう
外部リンク:西武小田原店トップ|西武・そごう
関連記事:西武百貨店船橋店・小田原店、2018年2月28日閉店

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ヤマトヤシキ姫路本店が閉店-2018年2月28日

兵庫県姫路市の姫路城近くにある百貨店「ヤマトヤシキ姫路本店」が2月28日午後6時に閉店し、111年半の歴史に幕を下ろした。

閉店直前のヤマトヤシキ本店。

ラオックス傘下となるヤマトヤシキ、店舗整理で再建はかる

ヤマトヤシキは1906年に姫路市で「米田まけん堂」として創業。戦後に播磨地方初の百貨店となり「ヤマトヤシキ」に改称した。現在の本店の建物は名建築家・村野藤吾によるもの。
2001年には加古川そごう跡に「ヤマトヤシキ加古川店」を出店(同社としては再出店)している。

ヤマトヤシキ加古川店。

2017年8月末に、中国企業・蘇寧電器の傘下で免税店大手の「ラオックス」(港区)がヤマトヤシキの新株予約権7億円の取得を発表、今後、ヤマトヤシキは同社の傘下となるため、姫路本店の閉店はそれに伴う店舗整理であると考えられる。ヤマトヤシキ姫路本店の売場面積は17,051㎡。
なお、ヤマトヤシキは高島屋系列の仕入機構「ハイランドグループ」に加盟している。

多くの人で賑わった最終営業日

最終営業日は平日ということもあり静かな幕開けとなった。
店内の一部は改装が行われたばかりで耐震補強も進めていた最中であり、綺麗なレストラン街などは閉店がいかに急であったかを表すものとなった。

近年改装が行われたばかりのレストラン街。


耐震補強も進めていたが…。

閉店が近づくと天気は雨となった。商品は少なくなったが夕方になると次第に閉店を惜しむ客が多く来店し、店内は混雑した。

商品は次第に少なくなった。

閉店を迎える午後6時ごろ、みゆき通り沿いに多くの買物客が集まった。 

商店街には多くの人が。

店長による簡単な挨拶が行われ、午後6時21分にシャッターが下ろされると拍手が上がり、ヤマトヤシキ本店は111年半の歴史に幕を下ろした。

6時21分にシャッターが下ろされた。

建物は今後解体されると思われるが、跡地の具体的な活用方法などについては発表されていない。

ヤマトヤシキは今後、加古川店のみでの営業となる。ヤマトヤシキ加古川店は駅前の好立地で、建物も新しく専門店街も併設されているとあって、現在は姫路本店を上回る業績を上げている。

2018年、すでに4百貨店が閉店に

この2月28日には西武百貨店船橋店、小田原店も閉店。
1月には十字屋山形店が閉店、さらに3月には伊勢丹松戸店が閉店することを決めており、2018年も「百貨店受難の時代」を象徴する幕開けとなった。

外部リンク:ヤマトヤシキ
関連記事:ヤマトヤシキ姫路本店、2018年2月末閉店-ラオックス傘下入りに向けた店舗整理か
関連記事:ラオックス、姫路のヤマトヤシキを買収へ-株式の8割取得
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十字屋山形店が閉店-2018年1月31日に、「十字屋」創業から95年で歴史に幕

全国最後の十字屋デパートとなる「十字屋山形店」(山形県山形市)が2018年1月31日の何時に閉店し、十字屋山形店としては47年、十字屋創業からは95年の歴史に幕を下ろした。

十字屋山形店。

かつて全国展開した「十字屋」最後の店舗だった

十字屋は1923年に平塚市で「十字屋呉服店」として設立。のちに百貨店に進出し、1982年にダイエーと業務提携した。一時は全国展開したものの、2005年までに山形店以外の全ての店舗を閉店し、同年に同じダイエー傘下の百貨店「中合」(福島市)と経営統合された。
十字屋山形店は1971年7月に開店(それ以前は「大沼」などがある山形市七日町に小型店を出店していた)。売場面積は10,362㎡。建物は地上8階、地下1階建で、白蝶ビル株式会社が所有している。また、別棟として立体駐車場を備える。2015年の年商は約34億円。
2005年のダイエー山形店(山交ビル、現:ヤマザワなどが出店)の閉店後は山形市におけるダイエーグループの拠点的存在でもあり、2007年に全面改装された食品売場では「木曜の市」なども開催されていた。

山形駅前に立地する。左奥は山交ビル。

十字屋山形店の建物は新築から47年が経過。山形市がおこなった改正耐震改修促進法による耐震判断の公表で「震度6強以上で倒壊する危険性が高い建物」とされており、耐震補強問題から閉店を決めたものと思われる。なお、十字屋立体駐車場についても耐震性が不足しているという。

最終営業日、雪のなか多くの人が集まる

十字屋山形店では1月25日から最終セール「ご愛顧感謝ファイナルセール」を開催。最終営業日となった1月31日には朝から多くの人が来店し、レストランは15時過ぎまでの営業で完売となった。
朝は晴れていた山形市であったが、昼過ぎには雪となった。

店内では写真展も開催されていた。

閉店時刻(19時30分)を過ぎた19時40分に山川武店長の挨拶があったのち、19時42分にシャッターが下ろされた。

閉店式典。

そして20時10分には広告塔屋などが消灯され、十字屋山形店は47年の、そして十字屋は95年の歴史に幕を下ろした。

ショーウィンドウ。

先述のとおり、建物は老朽化のため耐震性が低いとされており、今後の活用方法などについては発表されていない。

閉店の影響、じわじわと

十字屋のすぐ近くにあるJR山形駅では2019年度の完成をめざして西口前の再整備事業が進んでいるが、その一方で中心部である七日町で300年以上に亘って営業している百貨店「大沼」が企業再生ファンドに譲渡されるなど、商環境は厳しさを増している。
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大沼百貨店は企業再生ファンドに譲渡される。

十字屋の閉店を受け、近隣にある山交ビル(旧ダイエー山形店)でも一部テナントが撤退を決めており(「あいのて」、「やしち屋」、「ドンドンダウン」が閉店、2階には新規テナント出店予定あり)、十字屋の跡地問題についても長期化しそうだ。

なお、学生服販売についてはイオン山形北店・山形南店の学生服コーナーが引継ぐほか、十字屋商品券はこれまで通りイオン、ダイエーの各店で利用することができる。

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うめきた地下道、2017年12月19日閉鎖-梅田のレトロ地下道、90年の歴史に幕

大阪府大阪市北区の旧・梅田貨物駅下をくぐる地下道「梅北地下道」の大部分が12月19日に閉鎖された。

最終日の梅北地下道。

貨物駅をくぐる「名物地下道」-2006年に大幅短縮

梅北地下道は、旧・梅田貨物駅の東西を結ぶために1928年に開通。
以降、約90年に亘って多くの人に利用されてきた。
かつては阪急梅田駅近くから新梅田シティまでの約500mを結んでいたが、旧・梅田貨物駅の再開発が進み、2006年には大部分が地上の道路に統合され、約200mにまで短縮されていた。いち早く地上化された部分には、2013年に再開発ビル「グランフロント大阪」も誕生している。

12月19日10時に歩道の切替が行われた。

新たに新設された地上の仮設歩道周辺は、まだ再開発工事の真っただなか。今後、地下道は暫定的に梅田貨物線をくぐる部分のみ(約50mほど)が存続するが、その部分も同線の地下化により2024年ごろに撤去され、仮設歩道とともに地上の道路と統合される予定となっている。

12月19日10時から使用開始となった仮設歩道。

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イズミヤ伏見店、2017年10月8日閉店-築47年・老朽化で、2018年冬の建替え目指す

近鉄京都線伏見駅前の総合スーパー「イズミヤ伏見店」が2017年10月8日午後6時に閉店し、47年の歴史に幕をおろした。

イズミヤ伏見店。

伏見駅前を代表する大型店-ミスド京都1号店も出店

イズミヤ伏見店は1970年3月に開業。売場面積は9,285㎡。建物は3階建てで、イズミヤが所有している。
近鉄伏見駅前を代表する大型総合スーパーで、直営売場のほかイズミヤの書籍部門が発祥の「アミーゴ書店」(現在はトーハン傘下)やカジュアルファッション「Honeys」、100円ショップ「FLET’S」、眼鏡店「メガネの三城」、ゲームセンター「レインボーランド」、大手ハンバーガーチェーン「マクドナルド」がテナントとして営業してきた。
しかし、建物が築47年と老朽化し、耐震性などにも問題があるため、閉店が決まった。
なお、イズミヤ伏見店では京都市の景観条例に配慮した青色の広告塔屋がシンボルであったが、2014年9月の屋外広告物条例完全施行に伴い撤去されている。

敷地内には「ミスタードーナツ」の京都府1号店(日本9号店)も営業していたが、イズミヤの閉店に先駆けて5月28日に撤退している。

店番やロゴマークが残るミスタードーナツ伏見ショップ跡。

店長の「寸劇」で笑顔の幕引き-閉店当日のようす

10月8日の閉店当日、午後6時40分から行われた閉店式典では、イズミヤ伏見店西村店長の「寸劇」が会場を沸かせた。
“タオルハチマキ”に“七福神前掛け”という「朝市のおっちゃん」スタイルで登場した店長は、伏見店の2018年冬の営業再開予定を告知すると「(営業再開後も変わらず)1円でも安くしたい」と、店長としての信条を熱く語った。
その後、従業員・買物客全員参加の万歳三唱が行われ、店長の手動により自動ドアが閉鎖。常連客による「今までありがとう」の声が響く中、式典は終了したかに思えた。自動ドアを手動で閉めようとする店長。

しかし、式典が終わったはずの会場では、買い物客による「アンコール」の声が何故か続出。すると、この状況に引くに引けなくなった店長が店奥から再登場。手動で開けたドアの隙間から店外をチラ見したあと、従業員が笑う店内へ戻っていった。
ただ、それでも満足しない会場は再び「アンコール」の大合唱を送ると、店長はまたまた店奥から参上。今度も両手でドアを開けるのかと思いきや、ドアはまさかの「自動」でオープン。これには会場も「自動ドアまだ開くんかい!」と新喜劇ばりのズッコケを見せると、店奥の従業員も大爆笑。
会場が笑顔に包まれる中、安全確認後のシャッターが降りると、イズミヤ伏見店の47年の営業生活は「一旦」幕を閉じたドアの隙間からこちらをチラ見する店長。

なお、店頭告知ポスターでは長期休業のお詫びと、近隣3店舗(六地蔵店・大久保店・羽束師店)の案内がされており、チラシ広告では前述した店舗で利用可能な「食料品5%OFF割引クーポン」が掲載されている。

店舗更新進めるイズミヤ、伏見店も建替え目指す

イズミヤはH2Oリテイリング(阪急阪神ホールディングス)の傘下となって以降、不採算店舗の閉鎖・関西圏以外の店舗の閉鎖と店舗の改装・建替えを推し進めており、2016年以降、住道店(大阪府大東市)、和泉府中店(大阪府泉大津市)、花園店(大阪市西成区、イズミヤ創業店)など老朽化が進む大型総合スーパーの建替えを行っている。
伏見店も、現店舗を解体後に建替え・再出店したい方針が発表されており、閉店前の店内アナウンスでは2018年冬営業再開予定であることが告知されたが新店舗の営業規模は未定となっている。
10月1日に閉店したイズミヤ花園店。

外部リンク:伏見店 店舗情報|イズミヤ
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