カテゴリー別アーカイブ: 閉店レポート

阪堺電車、住吉-住吉公園前が廃線に-2016年1月30日に最終運行

大阪ミナミと堺を結ぶ路面電車「阪堺電車」(阪堺電気軌道、本社:大阪府大阪市住吉区)は、1月30日の運行を以て上町線住吉電停住吉公園電停間200mを廃止した。
路面電車の廃線は名鉄岐阜市内線以来11年ぶりとなった。
P1020270-車内に掲示された廃線告知。

平面クロス、古い駅舎、防火用水、金魚-全てが過去帳に

廃線区間は1913年に開業。盲腸線であり、住吉公園電停から僅か100m離れた場所には阪堺線の住吉鳥居前電停があるため、2014年からは朝7~8時台しか電車が発着しない「日本一最終電車が早い」停留所となっていた。
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住吉大社と住吉鳥居前電停。奥に住吉公園前電停があった。

住吉公園電停は古い駅舎が有名であり、また、近くでは路面電車同士が平面交差する光景が見られることでも有名であったが、これも見納めとなった。
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住吉公園前電停入口。

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停留所内の様子。

最終運行日となった30日は、始発から多くの人が詰めかけ、別れを惜しんだ。
朝8時32分の最終電車には、1928年に製造されたモ161号が登場し、 お別れセレモニーに花を添えた。
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最終電車となったモ161号(撮影:ともさーん)。

なお、住吉公園電停の防火用水で飼われていた金魚は鶴見区の中学校に引き取られたという。

外部リンク:阪堺電車|暮らしがある。未来がある。ずっと息づく軌道がある。

大丸心斎橋店本館、2015年12月30日閉館-惜しまれた最終日、建替え始動へ

御堂筋のシンボルの1つがついにその灯を消した。
大阪市中央区の大丸心斎橋店本館(しんさいばしみせ、大阪市中央区)が建替えのため2015年12月30日を以て閉館した。daimaruss
大丸心斎橋店本館。

築93年、惜しまれつつ閉館

大丸心斎橋店は1729年に開店。現在の本館はアメリカ人建築家のウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計で、1922年から1933年にかけて建設されたもの。
「docomomo 日本におけるモダン・ムーブメント建築」にも選定されており、保存を求める声が多くあった。P1020480-1-1
建築時の面影を色濃く残す1階の内装。

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孔雀のテラコッタは心斎橋筋のシンボルだった。

閉館を控えた12月2日からは「大丸心斎橋店回顧展」も開催。
最終日となった30日には閉館を惜しむ多くの人たちが詰めかけ、喫茶「サロン・ド・テ・ヴォーリズ」には長蛇の列ができた。
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大丸回顧展も開催された。

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閉館を直前に控えた大丸心斎橋店。
 
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閉じられたシャッター。多くのマスコミが詰めかけた。

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閉店後はショーウインドーの撤去などが行われた。

現本館は2月から解体-主な売場は旧そごうに

現在、本館の売場は北館(旧そごう心斎橋本店)と南館に順次移設中。百貨店の顔である化粧品・宝飾品や食品などといった主力商品の売場は北館に移設され、南館は主にインバウンド需要を見込んだ改装を行っている。
現在の本館は2016年2月より解体に着手される予定。
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多くの売場が移設される旧そごう本店(大丸北館)。

新たな本館は2017年に着工。御堂筋側の外観と一部の装飾を再現した形で建設される。
新本館の売場面積は約40,000㎡となり、多くのフロアで大丸北館(旧そごう心斎橋本店)と接続される。総投資額は約380億円。
新本館は2019年秋の全面オープンを、全館のリニューアルオープンは2021年ごろを目標にしている。
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新しい本館の完成予想図(大丸松坂屋ウェブサイトより)。

外部リンク:大丸心斎橋店本館建替え計画の概要に関するお知らせ(J.フロントリテイリング・大丸松坂屋百貨店/PDF)
関連記事:大丸心斎橋店で「回顧展」を開催
(一部写真は美留町まことさん)