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イオンものもの康城店、2021年1月28日開店-イオンの「ロハス」新業態、康城駅直結の「THE LOHAS」に

香港新界西貢区の港鐵MTR康城駅直結複合商業施設「日出康城(THE LOHAS)」に、イオンのライフスタイル専門店新業態「イオンものもの康城店」が2021年1月28日午前12時(香港時間)に開店した。

イオンものもの康城店。

2020年8月に開業した「ロハス」テーマの複合商業施設

日出康城(THE LOHAS)は、香港鐵路(港鐵MTR)グループのショッピングモール(mtr malls)として2020年8月から順次開業。
香港製造にこだわった食品スーパー「新鮮生活(FRESH)」や牛奶國際(Dairy Farm International/デイリーファーム)傘下のコスメ店「萬寧(mannings)」、香港大手日本産品専門店「JHC日本城」、カナダ系のコンビニ「OK便利店(サークルK/Circle-K)」といった物販店舗に加え、東京新宿に本店を構えるラーメン店「麺屋武蔵 無骨」や回転寿司店「元気寿司」、スイーツショップ「Chateraise(シャトレーゼ)」「Italian Tomato(イタリアントマト」、ファストフード「KFC(ケンタッキーフライドチキン)」「PizzaHut(ピザハット」といった飲食店、バンダイナムコの屋内型アミューズメント施設「namco」「冒険の島ドコドコ」やシネマコンプレックス「英皇戲院(EMPEROR CINEMAS」といったサービス系店舗が出店する。

イオンの生活提案型新業態、3号店は“グリーンアイ”強化

ものものは、2017年12月にイオンストアーズ香港の新業態として誕生。コンセプトに「優閒」「品味」「潮流」を掲げた「全新品味生活専門店」として、ライフスタイル提案型商品やイオングループの自社開発商品「TOPVALU(トップバリュ)」「HÓME CÓORDY(ホームコーディ)」、ダイソー商品を中心とした12香港ドル均一ショップ「LIVING PLAZA(イオンリビングプラザ)」を展開する。

イオンものもの香港仔店。

ものもの康城店は、THE LOHASの3階に出店。同業態としては、2020年12月開店の「ものもの香港仔店」に次ぐ3店舗目となる。

イオンものもの康城店。

康城店では店舗コンセプトに「綠色・樂活(Green・LOHAS)」を掲げ、オーガニックや無添加にこだわった「TOPVALU GREENEYE(トップバリュグリーンアイ)」を本格展開する。

TOPVALU GREENEYE.

開店を記念して1月28日から2月10日まで、「トップバリュ開幕限定福袋」の販売やリビングプラザ商品の10香港ドル均一販売(通常12香港ドル)、ホームコーディ商品のサービスを行う。

LIVING PLAZA.

イオンものもの康城店

住所:香港新界將軍澳康城路1號The LOHAS康城三樓335號舖
営業時間:午前10時~午後10時

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フタバ図書、経営難で2021年3月から新会社運営に-エディオン・蔦屋書店・日販・広島県ファンドなど出資、TSUTAYAとFC契約へ

大手書店「フタバ図書」(広島市西区)は、広島県100%出資の投資ファンド運営会社「ひろしまイノベーション推進機構」(広島市中区)が設立した新会社に2021年3月1日付で主力事業を譲渡する方針を2021年1月28日に発表した。

フタバ図書の複合書店「GIGA福山店」。(旧・ダイエー)
(広島県福山市/2002年4月開店・閉店済)

広島本社の大手書店、「粉飾発覚」で大量閉店していた

フタバ図書は1913年9月に創業、1951年7月に現法人を設立。
長らく広島地場ローカルの書店チェーンであったが、1990年代からは「未来型複合専門書店(日本一の複合専門書店)」を称する新業態を経営の柱に据え、1997年2月にMEGA業態1号店「MEGA中筋店」、2000年4月にはイズミ広島駅前店跡にGIGA業態1号店「GIGA広島駅前店」を相次ぎ出店。
2004年にはダイヤモンドシティ(現・イオンモール)の大型専門店として「TERA広島府中店」「TERA福岡東店」を相次ぎ出店、するなど、多種多様な出店モデルを確立することで展開地域を全国へと拡大していった。

旗艦店「GIGA広島駅前店」。(旧イズミ)
(広島市南区/2000年4月開店)

2013年にはボックスグループ(埼玉県さいたま市)の複合書店「スーパーソフトボックス(現・フタバGIGA)」を取得、2015年7月にはアペックス(福岡県久留米市)からCD/DVD販売・レンタル店「ビデオアメリカ」を取得するなど、積極的なM&Aにより首都圏・福岡県の店舗網を拡充。従来からのインターネットカフェ「フタバ@アットカフェ」に加え、24時間フィットネスジム「HYPER FIT24」やリサイクルショップ「買取大陸」、コンビニ「ローソン+フタバ図書」「ローソン×フタバ図書」、アミューズメント施設、コインランドリーなど、関連事業の多角化を図り、2018年3月期の売上高は373億円を記録した。

ネットカフェ・レンタル・リサイクル店を併設していたフタバ図書九州1号店「GIGA天神店」。(旧ビブレ)
ジュンク堂書店と同居するも差別化を図っていた。
(福岡市中央区/2001年12月開店・2011年10月閉店)

その一方、2019年に「物流システムのトラブル」を理由とした商品の未入荷が発生、さらに同時期に粉飾決算が明らかとなるなど経営不振が表面化。2020年から「フタバ図書GIGA本通店」「フタバ図書MEGA岡山青江店」「フタバ図書ジ アウトレット広島店」といった主力店舗の閉鎖、VRゲーム&カフェバー「VREX」といった関連事業からの撤退を含む大規模リストラを進めていた。
これにより、2021年1月現在の店舗数は39店舗(最盛期の半分ほど)となった。

ローソンやネットカフェとの複合店舗。

広島県・広島財界・蔦屋書店・日販が支援

フタバ図書を運営することになる新会社は、ひろしまイノベーション推進機構(広島県100%出資)運営の「ふるさと連携応援ファンド投資事業有限責任組合」が2020年11月に設立したもので、資本金は5000万円。
広島県100%出資のファンドに加え、大手書店グループ「蔦屋書店(旧・TSUTAYA)」、大手出版取次「日本出版販売(日販)」、広島発祥の大手家電量販店「エディオン」、広島県第二地銀の「もみじ銀行」、マツダ創業家の自動車カーディーラー「広島マツダ」が出資を予定。日販横山淳上席執行役員がCEO(代表取締役社長)に就任、蔦屋書店土橋武TSUTAYA FC本部副本部長がCOO(最高執行責任者)に就任、フタバ図書現執行役員が取締役に昇格する。

フタバ図書GIGA広島駅前店とエディオン蔦屋書店。

新会社はフタバ図書と関連会社6社から「39店舗及びメディアマックス事業(レンタル卸)を含む主要事業」を承継。TSUTAYAのフランチャイズに加盟するもの、フタバ図書の商号(屋号)は存続する。
フタバ図書は、広島県内の書店としてはいち早く多角化路線に舵を切り大手書店へと成長を遂げたものの、広島県・広島財界・書籍関連大手が中心的な役割を果たし、経営規模を縮小しつつ再建を図ることとなった。

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ライフ新森店、2021年1月31日閉店-新森古市駅前の旭東ビル、新型コロナによるビル所有者破綻で

大阪府大阪市旭区新森の大阪メトロ今里筋線新森古市駅近くにある総合スーパー「ライフ新森店」が、2021年1月31日午後6時をもって閉店する。

老舗ブレーカー企業本社のテナントとして開店

ライフ新森店は、1998年11月に旭東ビルディングの核店舗として開店。建物は地上5階建、営業フロアは1~2階、売場面積は1,995㎡。ブレーカー製造メーカーの旭東ホールディングス(旧・旭東電気)が所有しており、3~5階には旭東HDの本社機能や各種試験設備が置かれている。

ライフ新森店・旭東ビルディング。

建物の所有者である旭東HDは、新型コロナ感染拡大による中国現地法人の経営悪化を受けて、2020年4月に民事再生法適用を申請、同年9月に破産手続きを開始。事業会社であった旭東電気は、同年6月に大手電子部品メーカーの加賀電子とスポンサー契約を締結、同年11月からは加賀電子の完全子会社へ事業承継を行うスキームにより加賀電子グループとなるなど、経営環境が激変していた。

地域有数の大型スーパー、跡地活用については未発表

ライフ新森店は2014年に大規模リニューアルを実施。従来の食料品・衣料品に加え、100円ショップ「Seriaライフ新森店」を導入することでインテリア雑貨などの拡充を図ったが、Seriaはライフ閉店に先駆けて2021年1月15日に撤退している。
加賀電子と旭東電気は、旭東ビルディング商業フロアの跡地活用について現時点では発表しておらず、後継となる新テナントの誘致などは一切未定となっている。

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米・ロクシタン、2021年1月26日倒産-連邦破産法申請、日本の店舗は営業継続

フランス発祥の化粧品ブランド「L’OCCITANE(ロクシタン)」(本社:ルクセンブルク)の米国法人「L’OCCITANE INC.」(本社:ニューヨーク州)は、2021年1月26日に米国ニュージャージー州連邦破産法第11条(Chapter11/民事再生法に相当)を申請し倒産した。

ロクシタン、香港上場・M&Aで多角化進めていた

ロクシタンは1976年にフランスで創業。
1990年代には米国・中国・日本など海外に現地法人(販売会社)を相次ぎ設立、ブランド名に「EN PROVENCE」を冠し「自然派化粧品ブランド」として急拡大した。
2010年には香港証券取引所に上場、2018年からは「ELEMIS」「LimeLife」といったブランドを相次ぎ買収するなど事業多角化を推進。2020年度時点では「L’OCCITANE Group(ロクシタングループ)」として、世界90ヶ国で6ブランド、全3,486店舗(うち直営1608店舗)を展開していた。

台灣歐舒丹(台湾法人)の店舗は従来通り営業する。
(写真:羅東店/宜蘭県羅東鎮)

ロクシタン米法人、破産法申請で一部閉店・店舗再編

L’OCCITANE INC.は、ロクシタンの米国法人として1995年7月10日に設立。2021年1月現時点での店舗数は路面店・モール・空港を中心に166店舗(米国36州及びプエルトリコ)、物流センターはニュージャージー州デイトン、総資産は約1億6100億ドル($161million)。負債総額は約1億6200万ドル($162million)。
米国法人は近年、オムニチャネル戦略の一環としてオンライン販売への移行を推し進めていたが、新型コロナウイルス感染拡大による実店舗の休業・時短営業もあり、2020年4月から12月の前年比売上高が21%減少(約1億1116万ドル)、実店舗(Brick and Mortar)売上高が56.5%減少。オンライン売上高が72%と大幅に増加したにもかかわらず、高額な店舗賃料が経営の足かせとなった。そのため、連邦破産法のもと不採算店舗(23店舗)の閉鎖や家賃減額交渉をはじめとする店舗網再構築の方針を決めたとしている。
ロクシタンのYann Tanini氏は「Just like in L’Occitane’s other markets around the world, we look forward to continuing to serve our loyal clients here in the U.S. in our boutiques, online, and through our amazing team of passionate beauty advisors.」とコメント、米国外の店舗と同様のサービスが維持されることとなった。
1月27日現時点では、大半の店舗が新型コロナウイルス感染対策に関するガイドラインを遵守したうえで営業、従業員への賃金支払を継続しており、商品券(ギフトカード)なども利用可能となっている。

フランス本社・日本法人などの店舗は営業継続

今回の連邦破産法11条申請は米国法人のみが対象となっている。
そのため、フランス本社や日本法人、ロクシタングループの各ブランド・店舗については、通常通り営業を継続する。

ロクシタンジャポン(日本法人)の店舗は従来通り営業する。
(写真:久留米岩田屋店/福岡県久留米市)

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大阪三菱ビル、2024年春に建替え開業-高層階はカンデオホテルズ、船着き場や展望テラスも

大阪府大阪市北区の大阪メトロ御堂筋線淀屋橋駅・京阪中之島線大江橋駅近くにある大型オフィスビル「大阪三菱ビル」が、カンデオホテルズのフラッグシップホテル(旗艦店)を核とする大型複合施設として、2024年4月に建替えリニューアル開業する。
(仮称)大阪三菱ビル。

関西有数の金融街・堂島に立つ三菱の重要拠点だった

大阪三菱ビルは1969年8月竣工。建物は地上15階地下4階建。
ビル開業以来長らく、三菱グループの関西における重要拠点のひとつとして、三菱東京UFJ銀行大阪営業部・大阪中央支店や三菱商事関西支社、千歳興産大阪支社といった三菱系企業が入居していたが、建替構想や支店統廃合を背景として各社ともに移転、空きビルとなった。
旧・大阪三菱ビルと向かいの日本銀行。

その後、大阪三菱ビルは2020年2月15日に解体工事が着工、ビル区画一帯(堂島浜一丁目地区・0.5ha)は同年4月に都市再生特別地区追加を受けている。

大規模オフィスやカンデオホテルズのフラッグシップ進出

新施設は2021年10月着工、2024年4月竣工予定。建物は地上32階地下2階塔屋1階建で、商業フロアは1・2階、オフィスフロアは3~15階、ホテルフロアは17~31階、敷地面積は約3,571㎡、延床面積は約66,000㎡。開発主体は三菱地所・三菱商事都市開発・積水ハウス・MULリアルティインベストメント(三菱UFJリース系)の4社が出資する特定目的会社(オーエム4)。
(仮称)大阪三菱ビル。

テーマに「大阪市内を南北に貫く大動脈である御堂筋と堂島川が交差する視認性に優れたこの地に、水都のにぎわいを「むすぶ」」を掲げ、外装デザインにはガラスファザードによる軽やかなデザインを採用。
1~15階(低層部)のうち、1~2階は商業フロアとして、店舗に加えて保育施設や健康増進施設、運動支援施設、オフィスロビーを整備。3~15階は「新しい働き方を提案する高規格オフィス」として、基準階面積約1,760㎡、総貸室面積約22,700㎡の高規格オフィスを整備する。

1階オフィスロビー。


3~15階オフィスフロア。

16階(中間階)は「(仮称)御堂筋プレゼンテーションギャラリー」として、御堂筋の街並みが一望できる展望テラスを設置。
17~31階(高層部)は、大手ホテルチェーン「カンデオホテルズ」のフラッグシップホテル「カンデオホテルズ大阪堂島浜(仮称)」として、客室548室やレストラン・バー、フィットネス、スカイラウンジを整備する。
17階「(仮称)カンデオホテル大阪堂島浜」ホテルロビー。

高さ約135メートルとなる最上階には展望露天風呂「天空のスカイスパ」を設けるなど、国際級ホテルとしての水準を満たすホテルをめざすとしている。

17階「(仮称)カンデオホテル大阪堂島浜」客室。

隣接する堂島公園では船着き場整備、一大観光拠点に

大阪三菱ビルは今回の建替えを機に、従来のオフィス機能に加えて商業や観光機能を併せ持った大型複合施設として生まれ変わることとなった。
隣接する堂島公園では、観光船着き場の整備を目玉とする再整備プロジェクトが行われる予定となっており、関西有数の金融街である堂島のさらなる拠点性向上が期待される。

(仮称)大阪三菱ビル建替え計画

住所:大阪府大阪市北区堂島浜一丁目1-5

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モンテローザ、東京都内61店閉店を2021年1月発表-新型コロナで、都内全店の2割

「白木屋」「魚民」「豊後高田どり酒場」などを展開する居酒屋大手の「モンテローザ」(東京都武蔵野市)は、東京都内の61店舗を近く閉店させることを2021年1月に発表した。

新型コロナで大規模閉店、モンテローザも

モンテローザは2021年1月時点で東京都内に337店舗を展開。
近く閉店する予定の61店舗は都内全店の約2割に当たる。

白木屋のもつ鍋(港区の店舗)。

閉店は新型コロナウイルスの感染拡大によるもの。
また、当初東京都は休業要請協力金の支給対象が「中小企業・個人事業主が経営する飲食店等」としており、大手企業が支給対象外となったことも一因といえるであろう(のちに都も大手店にも一部支払いを認めることとなった。対応は県によって異なる)。
モンテローザは今回の閉店を「賃料負担などの固定費を圧縮し雇用の継続などに努めるため」であるとしており、今後は閉店が他県に広がる可能性もあろう。

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ジェクサーe-sports station JR松戸駅店、2021年1月24日開業-JR東日本初の常設eスポーツ施設、びゅうプラザ跡に

千葉県松戸市のJR松戸駅中央改札口前に、JR東日本グループとしては初となる常設eスポーツ施設「Jexer e-sports station JR松戸駅店」が2021年1月24日午前9時に開業する。

Jexer e-sports station JR松戸駅店。

eスポーツとのかかわりを強めていたジェクサー

JR東日本スポーツは、1978年3月に「スポーツクリエイトサービス」として設立。1989年6月の社名変更を機に運営施設名を「Jexer(ジェクサー)」に刷新した。
2000年代からは鉄道系の強みを活かしたエキナカ・エキチカ立地のフィットネスジムやリラクゼーションサロンの新規出店を本格化、2020年6月には同社初となる駅ビル「JR板橋東口ビル」を開業するなど、スポーツ分野を軸に事業領域の多角化を推し進めている。
こうした背景もあり、同社は2019年2月にプロeスポーツチーム「BBV Tokyo」のメインスポンサーに就任、2020年12月にはネットカフェ運営サポートを手掛ける「テクノブラッド」(本社:東京都台東区)とeスポーツ事業における業務提携を締結するなど、eスポーツとのかかわりを強めていた。

ネットカフェ、テレワーク拠点としての利用も

Jexer e-sports station JR松戸駅店は、JR東日本グループの旅行代理店「びゅうプラザ松戸駅」(2019年3月閉店)跡に出店するもので、面積は113.4㎡。
コンセプトに「どなたでも⼊りやすい、初⼼者から上級者までが楽しめるeスポーツ施設」を掲げ、親しみやすい⽩や⽊⽬基調のデザインを積極的に取り⼊れる。

Jexer e-sports station JR松戸駅店 フロアマップ。

施設内は、ZOWIE(BenQ系)のゲーミングモニターフラッグシップモデルを備える「パソコンエリア」(パソコン席20席/初回入会金100円・30分350円~)と「イベント&コミュニティエリア」(オープン席12席/30分250円~)の2区画で構成。一般的なネットカフェと同様にドリンクバーやテレワーク拠点としての利用、電子書籍の閲覧などにも対応する。

Jexer e-sports station JR松戸駅店 パソコンエリア。

今後は施設でのプロチーム所属プロeスポーツ選⼿が参加するイベントに加え、さらなる多店舗展開、JR東日本グループの資源を活用した独自のeスポーツ大会の開催をめざすとしている。
そのため、駅構内や駅ビルを中心に松戸と同様のeスポーツ拠点・テレワーク拠点が拡大していくものとみられ、他駅でもびゅうプラザ等の跡地をこうしたかたちで再活用する可能性もあろう。

Jexer e-sports station JR松戸駅店

住所:千葉県松戸市松戸
営業時間:午前9時~午後10時
(年中無休・緊急事態宣⾔期間中は午後8時に営業終了)

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ライフ初芝東店、2021年1月23日開店-初芝店仮店舗、わずか10ヶ月で閉店した食品館アプロ跡に

大阪府堺市東区の南海高野線初芝駅近くに、ライフコーポレーションの食品スーパー「ライフ初芝東店」が2021年1月23日開店した。

ライフ初芝東店。

ライフ、わずか10ヶ月で閉店した食品館アプロ跡に出店

ライフ初芝東店が出店した建物は、2017年4月に大阪地場大手食品スーパー「カノー・食品館アプロ初芝店」として開店。建物は地上2階建、営業フロアは1階。
食品館アプロ初芝店は、同社としては極めて珍しい新築物件であり、対面調理場やインストアベーカリーの導入により近隣競合店との差別化を図ったが、開店からわずか10ヶ月後となる2018年2月をもって閉店。長らく空き店舗状態となっていた。

小規模ながら酒・飲料・惣菜を強化

ライフ初芝東店の売場面積は858㎡。
2021年1月18日に閉店した同社の総合スーパー「ライフ初芝店」の後継店舗として、店舗規模は小規模ながら焼き芋機や冷凍食品コーナーのリーチインケースなど新しい設備を導入。酒・飲料コーナーを拡大し、惣菜売場に対面調理場を設けるなど、「48年間の歴史をつなぐ「ライフらしい」魅力あふれるお店」をめざすとしている。

ライフ初芝東店フロアマップ。

ライフ初芝東店

住所:大阪府堺市東区日置荘西町1-13-12 
営業時間:午前9時~午後9時

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2020年の百貨店売上高、約4兆円に激減-石油危機ごろの水準、一方でスーパーは「売上増」

日本百貨店協会(東京都中央区日本橋)によると、2020年の百貨店売上高が最盛期の半分以下となる4兆円ほどとなることが判明した。

日本百貨店協会。

百貨店売上「激減」-閉店も加速、昭和40年代の水準に

日本百貨店協会によると、百貨店売上高はバブル期の1991年に9兆7130億円を記録したあとは下降を続けた。一方で、リーマンショックで激減したのち、2010年代の10年間は下げ止まりが見られており、毎年おおよそ6兆円前後で推移。2019年は5兆7547億円だった。
しかし、2020年には新型コロナウイルスの感染拡大により売り上げが激減。
テナントの閉店や経営破綻も相次いでおり、昨年から約26%減となる4兆2204億円に留まることとなった。

コロナ禍で経営破綻したレナウンの店舗。

「4兆円」という売上高は、おおよそ1975年の売り上げ水準となる。


図:地域別百貨店売上高推移
(日本百貨店協会加盟店/都商研作成)
同協会の「都市部」とは6大都市+札仙広福

また、百貨店の閉店も相次いでおり、店舗数は1960年代の水準となっている。

2020年8月に閉店した中合。
再開発予定地であるが、5月に再開発より一足早く閉店することを発表した。

スーパーは売上増「巣ごもり需要」反映

一方で、日本チェーンストア協会(東京都港区虎ノ門)によると、去年の全国のスーパーの売上高は12兆7597億円となった。
これは2019年と比べて0.9%ほど増えており、百貨店とスーパーマーケットとで明暗を分ける結果となった。

スーパーマーケットは売上増となった。

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イトーヨーカドー田無店、2021年2月14日閉店-田無アスタの核店舗、「ヨーカドーの衣料専門スーパー」業態消滅

東京都西東京市の西武新宿線田無駅と直結する複合商業施設「田無アスタ」のセブン&アイHD系衣料スーパー「イトーヨーカドー田無店」が、2021年2月14日午後6時をもって閉店する。

田無アスタ。

明日の素晴らしい街 田無」から命名されたアスタ

田無アスタは、田無市(現・西東京市)が主導する「田無駅北口地区市街地再開発事業」の一環として1995年3月に開業。建物は地上17階建地下2階建、店舗面積は29,441㎡。
施設名称は「明日の素晴らしい街 田無」の略で、セゾングループ(当時)の新生活百貨店「西友田無西武店(現・LIVIN田無店)」を核に、専門店街やマンションを整備。スカイタワー西東京(通称:田無タワー)とともにアニメ「あたしンち」で度々登場するなど、田無のシンボル的存在となっている。

衣料専門のヨーカドー、ついに消滅

イトーヨーカドー田無店は、田無アスタの開業当初から専門店街2階に出店。店舗面積は1,270㎡。
ヨーカドー田無店が出店するアスタは、西友LIVINに加え、専門店街地下1階に生鮮品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)やグロサリーを取扱うテナントが数多く出店していることもあり、創業当初のヨーカドー(羊華堂)や再開発のため閉店した田無駅前通商店街の旧店舗と同様、婦人服や紳士服・肌着などに特化した生鮮食品非取扱い店舗(衣料スーパー)となっている。

イトーヨーカドー田無店。

かつてイトーヨーカドーは衣料品専門のスーパーを複数展開していたが、1990年代までにその大半を総合スーパーに転換、もしくは閉店させている。
田無店の閉店により、同社の衣料専門スーパー業態は消滅することとなる。
(このほか、イトーヨーカドー新百合ヶ丘店も食品売場が無いものの、衣料品売場以外に生活用品・日用品・雑貨・化粧品などの売場を備える)

田無店では1月15日より閉店セールが開催されている。

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