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西武百貨店八尾店、36年の歴史に幕-2017年2月28日閉店、新施設に期待の声も

八尾市の近鉄八尾駅前にある百貨店「西武百貨店八尾店」(八尾西武)が2017年2月28日20時を以て閉店し、36年の歴史に幕を閉じた。

西武八尾ショッピングセンター。

ショッピングセンターとして開業、現在はアリオと連結も

西武百貨店八尾店」は「西武八尾ショッピングセンター」の核店舗として1981年5月に開店。建物は八尾市都市開発と八尾ビルディングが所有している。売場面積は37,536㎡。
八尾西武は、高槻西武、大津西武、つかしん西武などとともに従来の百貨店に専門店を加えた「ショッピングセンター」として開業した(当時は百貨店としての出店申請が難しかった背景もある)。
現在も、ユニクロ、ロフト、エディオン、無印良品、ABC-MART、山野楽器、JINSなど数多くのテナントが出店している一方、近年は類似したテナントが出店するショッピングセンターとの競争も激しかったと思われる。
また、隣接する「アリオ八尾・イトーヨーカドー八尾店」(2006年12月開業)と連絡通路で接続されたことは、西武百貨店のセブンアンドアイホールディングス入りを印象づける出来事であった。八尾西武の広告塔屋には「アリオ」の名前も記されている。
 
閉店セール中の八尾西武。
最終営業日には多くの看板が撤去されていた。

また、通常は屋上にあることが多い稲荷神社が8階のレストラン街に設置されていることも特徴となっており、現在、神社は向かいの大手お好み焼きチェーン「千房」などが管理をおこなっていた。この千房は、千房の百貨店出店1号店でもあった。

8階レストラン街の稲荷神社と千房。

天候に恵まれた最終日、新施設に期待の声も

最終営業日となった28日は、朝から天候にも恵まれ多くの買物客が店に訪れた。既に建物外壁に設置されていた「SE[I]BU」看板の大半が取り外されており、広告塔屋や日除けに描かれたロゴもシールなどで覆われるなど閉店前とは思えない異様な光景が見られた。

閉店当日の八尾西武。

また、1階ではアクセサリー売りつくしセールが開催されるなど、館内は大いに賑わいを見せた。

閉店セールで賑わう館内。

8階レストラン街には、閉店を記念した「メッセージボード」が設置された。開業当時の写真やチラシ、紙袋、記念品など様々な資料が公開され、当時を懐かしむ客の涙腺を刺激した。
「キラッキラの、八尾。」「おや、おや、やおや。」などのセゾンらしいキャッチコピーも並ぶメッセージボード

買物客からは「子供の頃からなぁ、遊び場だったもんなあ、かくれんぼしたよなぁ」(10代男性学生)、「親が子供の頃からあったのにつらいなあ」(10代男性学生)など、閉店を惜しむ声が多く聞かれたほか、「ただただ寂しい、でも建物は残るみたいで安心やねぇ、若い子が寄るような店は残る?無印は閉店するのねぇ」(60代女性)、「H&Mが入ると嬉しい」(30代男性)、「ロフトが残るの初めて知ったんだけど!」(学生団体)といったような、新施設への期待の声も多くきかれた。
また、地階食品売場でも、食品スーパー、惣菜専門店の営業継続について店員に尋ねる買物客が多く、西武閉店後の買物場所を心配したり、一部テナントの営業継続に安堵する様子も見られた。

店頭に掲げられた閉店カウントダウン。

式典なく静かな閉店に

閉店間際となった午後8時、「お客様の安全性」を名目に閉店記念セレモニーなどは実施されなかったもの、多くの買物客が閉店の瞬間を見届けるべく1階玄関前に集まっていた。買物客の一部からは「大の西武なのに安全上の理由もせんとか、せやから西武潰れるんやで」(50代男性)といった不満の声も聞こえたが、午後8時10分にシャッターが閉まった瞬間拍手が巻き起こった、
その後店員の1人が「ありがとうございました」といい、八尾西武は36年の歴史に幕を下ろした。

多くの人が詰めかけた。

新たな施設として再生へ-多くのテナントが営業継続

八尾都市開発と八尾ビルディングは、不動産会社「ザイマックス」とともに西武百貨店跡を新たな商業施設として再生する計画を発表している。
3月1日以降は西武百貨店運営フロアを除く多くのテナントが営業を継続。2017年9月ごろの全面リニューアルオープンを目指して工事が進められる。

営業継続の案内を掲げる八尾ロフト。

3月1日以降も営業を続けるテナント
地下1階
  • パントリー(食品スーパー)
  • おきな昆布(乾物・惣菜)
  • 花屋敷(洋菓子)
  • 三都屋菓子舗(和菓子)
  • 千鳥屋(和菓子)
  • 播彦(和菓子)
  • 桃林堂(和菓子)
1階
  • E.R.G(婦人服)
  • ハニーズ(婦人服)
  • フリースタイル(婦人服)
  • ミューゼ(婦人服)
  • ラナンキュラス(婦人服)
  • リップスター(婦人服)
  • 靴下屋(靴下)
  • ブランハンナ(フラワーラウンジ)
  • ラフィネ(リラクゼーション)
  • ミスターミニット(靴の修理・合カギ)
  • すまいSelect(住宅相談)
  • 八尾自動車教習所カウンター
  • カフェJr.(カフェ)
  • カラダファクトリー(リラクゼーション)
  • 八尾 チャンスセンター(宝くじ)
1階別棟
  • 八尾市ワークサポートセンター(就労支援)
  • 小学館英語教室(スクール)
  • フタバクリーニング(クリーニング)
2階
  • アミティエ(婦人服)
  • ミューゼ(婦人服)
  • 資生堂(化粧品)
  • 宝飾サロン(宝石)
  • アールズステージ(婦人カラーフォーマル)
  • 香里乃港(仏壇・仏具・線香)
  • アンフィドゥ(婦人肌着)
3階
  • エムニバイ・センソユニコ(婦人服)
  • 京都ふうや(婦人服)
  • タケオニシダ(婦人服)
  • ブティックエコー(婦人服)
  • ブティック・キュア(婦人服)
  • ブティック サラン(婦人服)
  • プレタセレクト(婦人服)
  • ベルミラン(婦人服)
  • リサルトジョカーレ(婦人服)
  • ルートアン(婦人服)
  • ビーズリー(パンツショップ)
  • フォーマルサロン(婦人フォーマル)
  • 京のきもの屋 四君子(呉服)
  • クラフトハートトーカイ(毛糸・生地・手芸)
  • リフレッシュサロン(リラクゼーション)
  • マジックミシン(洋服のお直し)
4階
  • ライトオン(カジュアル衣料)
  • ユニクロ(カジュアル衣料)
  • ABCマート(靴)
  • かんかん(エスニック雑貨)
  • イケダペットファーム(ペット)
  • ヴァンカウンシル(美容室)
  • 小学館幼児教室ドラキッズ(スクール)
5階
  • ロフト(生活雑貨・文具)
  • JINS(メガネ)
7階
  • メガネの三愛(メガネ・補聴器)
  • 保険ひろば(保険コンサルティング)
  • もりかわ歯科(歯科)
  • エディオン(家電・携帯・リフォーム)
  • 山野楽器(音・映像・楽器・音楽教室)
  • リブロ(書籍)
  • カフェ・ド・クリエ(カフェ)
8階
  • とんかつ 八尾 花(とんかつ)
  • 串のアイワ(串揚げ専門店)
  • 千房(お好み焼)
  • 五旬(季節料理)
  • にっこりマッコリ(韓国食彩)
  • 占い開運館(占い)

※無印良品は閉店する。

外部リンク:西武八尾店
関連記事:西武百貨店筑波店、32年の歴史に幕-2月28日閉店、跡地利用長期化か
関連記事:
筑波西武・八尾西武、2017年2月末閉店-百貨店リストラに突き進むセブンアイ
関連記事:そごう柏店、43年の歴史に幕-9月30日、西武百貨店旭川店も閉店

アリオ松本、2017年9月10日閉店-アルピコ松本バスターミナルの核店舗

セブンアンドアイグループが運営するJR松本駅前のショッピングセンター「アリオ松本」が2017年秋ごろに閉店する。
追記:閉店日は9月10日となった。

アリオ松本。

「JR松本駅前の顔」、39年の歴史に幕へ

「アリオ松本」は1978年4月に「イトーヨーカドー松本店」として開業。
松本電鉄(2011年に「アルピコ交通」に改称)が建設した「松電バスターミナルビル」への出店で、建物は地上7階、地下1階建。1階にはアルピコ交通(松本電鉄)のバスターミナルが設けられている。売場面積は13,178㎡。
 イトーヨーカドーは1996年にショッピングセンター業態の「エスパ松本」に、2011年には「アリオ松本」となったが、核店舗としてはイトーヨーカドーが開店以来継続して出店している。なお、かつて食品売場にはアップルランド(松電ストア)が出店していた。

1階にはバスターミナルが設置されている。

1月に西武、コムサなど相次ぎ撤退

2011年12月のアリオ化による全面改装では、テナントとして雑貨店の「ロフト」、「ヴィレッジヴァンガード」、「パスポート」や、タワーレコードの小型店「タワーミニ」、ベビー用品「赤ちゃん本舗」、レストラン街などが出店したほか、2階と5階には準核店舗として「西武百貨店アリオ松本ショップ」も出店。これまでのイトーヨーカドー直営フロア中心の売場からイメージを一新した。

アリオ化により多くのテナントが出店した。

しかし、2017年1月には西武百貨店が全面撤退したほか、同時期にファストファッション「コムサ」、写真館「スタジオマリオ」、クリームパン「八天堂」、信州そば「こすげ亭」なども相次いで閉店。一部はヨーカドーの直営売場拡大で埋められたものの、空き店舗が目立つ状態となりつつあった。

イオン開業を見越した閉店か-一変する松本の商業地図

アリオ松本の閉店を報じた地元紙・信濃毎日新聞によると、今回の閉店は2017年秋の開業を目指して工事が進められている「イオンモール東松本」(延床面積約97,000㎡、旧カタクラモール建替え事業)の影響を見越したものだと見られるという。
また、築40年を迎える松電ターミナルビルの老朽化も閉店の大きな要因であろう。
スクリーンショット 2016-08-13 22.29.14イオンモール東松本(イオンモール公式サイトより)。

アリオの閉店とイオンモールの開店は、松本市の商業地図を大きく塗り替えるものとなり、アリオと同じく中心市街地に立地する井上百貨店、松本パルコ、ミドリ(駅ビル)への影響も必至である。
アリオ跡の活用方法などについては発表されていないが、松本駅前の一等地であるうえにバスターミナルが入居しているということもあり、早期の再活用や再開発が望まれる。

追記:新施設は「アルピコプラザ」

アルピコ交通はアリオの建物を新たな複合商業施設「アルピコプラザ」として再活用する方針を示しており、核店舗として「デリシア」(松電ストア)が出店する。

外部リンク:アリオ松本
関連記事:イオンモール東松本、8月3日着工-松本カタクラモール跡、2017年秋開業へ
関連記事:そごう・西武、中小10店舗を2017年夏までに閉鎖へ
関連記事:イトーヨーカドー、1号店の千住店など閉店へ-来春まで20店舗

さくら野百貨店仙台店、自己破産-2017年2月27日より店舗閉鎖、同名他店は影響なし

宮城県仙台市青葉区の「さくら野百貨店仙台店」を運営する株式会社エマルシェ(本社も同地)が、 2月27日に仙台地方裁判所に自己破産を申請した。
さくら野百貨店仙台店は同日朝より閉鎖されている。

閉店告知を見る人々(2月27日)。

丸光百貨店が起源、ミュージックサイレンで親しまれる

さくら野百貨店仙台店は「丸光百貨店」として1946年6月に仙台駅前のバラックに開業。
その後、丸光百貨店は石巻(移転後、現:石巻市役所ビル)、釜石(のちのニチイ釜石店→閉店)、気仙沼(のちのイコーレ気仙沼→閉店)、郡山(現:エリートビル)、八戸(現:さくら野百貨店八戸店、資本関係はない)に出店したほか、スーパーマーケット「トーコーチェーン」(1995年に自己破産)の運営も開始した。
1953年から1987年まで続いた屋上からの「ミュージックサイレン」は、長きに亘って仙台市民に親しまれた。

ニチイ(マイカル)との提携で一度破綻、再生はかるも…

丸光は1978年に東日本の百貨店4社(イチムラ(長岡市)、カネ長武田百貨店(青森市)、山田百貨店(福島市)、小美屋(川崎市))とともにニチイグループ(のちのマイカル、SATYなど運営)と業務資本提携し「百貨店連合」を設立。1982年にはこれらの百貨店5社が合併した「ダックビブレ」の運営となり、その後は店名を「ダックシティ丸光仙台店」、「ダックビブレ仙台店」、「仙台ビブレ」と改めた。
しかし、マイカルグループの民事再生法申請に伴い、2001年9月にダックビブレも民事再生法適用を申請。ダックビブレは2002年9月に「さくら野百貨店」と社名を変更、仙台ビブレは「さくら野百貨店仙台店」として再スタートを切り、2004年からは大手百貨店「高島屋」との提携も開始した。
民事再生手続きの終了に伴い、2005年4月には青森店など他店を「カネ長武田百貨店」を源流に持つ「さくら野東北」(のちに社名を「さくら野百貨店」に)として分離。
さくら野百貨店仙台店は単独での運営となった。

さくら野百貨店仙台店(2月27日)。

71年の歴史に幕-負債額は約31億円

さくら野百貨店仙台店の運営会社は、2010年8月に社名を「エマルシェ」と改め、その後はブックオフ、石井スポーツ、H&Mなどを新規テナントとして導入するなどの経営改革を行っていた。2016年には、開店70周年記念イベントが開催されたばかりだった。
店舗は綺麗に改装されていたものの、度重なる増築を繰り返しているために老朽化が深刻で、耐震性の問題も経営破綻の遠因になったとも考えられる。

閉店を知らせる貼り紙。

負債額は約31億円、店舗は2月27日から閉鎖されているが、一部テナントは営業を継続している。

レストラン街は閉鎖に。

さくら野百貨店仙台店で当面営業を続けるテナント
  • ドコモショップ
  • 楽天モバイル
  • 伊藤豆屋
  • 宝くじチャンスセンター
  • H&M
  • ゼクシィ
  • ニットソーイング倶楽部
  • 石井スポーツ
  • エルセーヌ
  • ブックオフ
  • 佐藤貴美枝ニットソーイングクラブ
    (2月27日現在)


H&Mは営業中(2月27日)。

さくら野の他店とは「資本関係なし」、他店は営業継続

先述の通り、さくら野百貨店のそのほかの店舗は、かつてマイカルの資本が入り同一企業となっていたために屋号を同じくしているが、現在は青森市に本社を置く「カネ長武田百貨店」を起源とする「株式会社さくら野百貨店」が運営しており、仙台店との資本関係は無く、これまでと変わらずに営業を継続する。
なお、さくら野百貨店仙台店が発行した商品券やポイントなどについては、現在の「さくら野百貨店」4店舗(青森、弘前、八戸、北上)での取り扱いを継続するほか、エマルシェ発行の百貨店商品券は今後も全国で使用できる。

さくら野百貨店青森本店(カネ長武田百貨店)。

寝耳に水の閉店「駅前で便利だったのに…」

さくら野百貨店仙台店の経営破綻は、地元民にとっても寝耳に水であった。

停止したエスカレータ。地下鉄連絡口も封鎖された。

仙台駅に直結していたため、「駅前で便利だったのに」(40代女性)と話す人や、近年はテナントの導入により若者客も増えていただけに「テナントしか利用しないけれど残念」(10代男性)という声も聞かれた。
27日より一部テナントのみの営業となっている店内は、売場に柵が設けられるなど、前日までの状況とは一変した。

さくら野百貨店仙台店の店内(2月27日)。

外部リンク:さくら野百貨店仙台店
関連記事:仙台ロフト、9月2日全面改装-東北初「MoMA」導入
関連記事:仙台パルコ2、7月1日開業-新館「オトナ」ターゲットに
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イオンモール新小松、2017年3月24日開業-北陸最大級のイオン、福井県も商圏に

石川県小松市の大型ショッピングモール「イオンモール新小松」が3月24日にグランドオープンする。イオンモール新小松。

約160店舗の専門店が集結-福井県も商圏に

「イオンモール新小松」は、JR小松駅の南東約2kmの区画整理地に出店。国道8号線のアクセスが便利な位置にあり、小松空港へも約5kmと近い。
建物は地上3階建てで、延床面積は約83,000㎡、総賃貸面積は約63,000㎡。同じ石川県に立地する「イオンモールかほく」(延床面積約75,500㎡)より少し大きい規模で、イオンモールとしては北陸最大級となり、福井県の一部(嶺北地方)も商圏とする。

イオンモール新小松位置図(Googleマップより作成)。

イオンモール新小松の開発コンセプトは「加賀ノ国文化ヲ嗜ム-豊かな時と美意識が息づく加賀文化で過ごす」。
核店舗の総合スーパー「イオンスタイル新小松」(1-3階)をはじめ、サブ核店舗の娯楽施設「楽市楽座」(2階)、映画館「イオンシネマ」(3階)、スポーツ用品の「スポーツオーソリティ」(3階)など約160店舗の専門店が出店する。
また、館内の吹き抜けにはシンボルモニュメントとして九谷焼を用いた「九谷五彩柱」が設置される。

シンボルモニュメント「九谷五彩柱」(公式サイトより)。

「イオンスタイル新小松」、イオン初の「カレーバー」導入

核店舗となるイオンスタイル新小松では“おもてなしSTYLE STORE”をコンセプトに、これまでになかった「経験」と「出会いの場」を提供する。

イオンスタイル新小松。

1階・食品売場、生鮮コーナーで展開するジューススタンド「デポデサンテ」では、加賀の観光農園「加賀フルーツランド」の果実を原料としたこだわりのジュースを提供する。
惣菜コーナー「リワードキッチン」ではイオン初となる「カレーバー」を導入。ビーフやチキン、キーマ、トマトカレー、金沢カレーの5種類のカレールーと、とんかつやハンバーグと言ったトッピングを組み合わせることで、オリジナルの一皿を作ることができる。

カレーバーなどを展開する1階・食品売場。

2階・美と健康の専門ショップ「グラムビューティーク」では、300種類のカラーアイテムが揃う「コスメティック・バー」や毎日の健康状態を気軽にチェックできる「SALU STATION」を展開。
また、年中無休の調剤薬局「イオン薬局」を併設し、処方箋情報をスマートフォンで送るだけで予約と薬の出来上がりの連絡を受けられる「スマホde調剤薬局」サービスを実施する。

2階・美と健康の専門ショップ「グラムビューティーク」。

3階・ファッションと雑貨のゾーンのメガネ専門店「グラスアップ」では、メガネの特産地として有名な福井・鯖江産のメガネフレームを使用したメガネを多く取り揃える。
キッズ・暮らしのゾーンでは北陸最大級の幼児向けギフトコーナー「ベビーポケット」や、ホームファニシングストアの「ホームコーディ」を展開する。
そのほか、館内にはイオンモール従業員の家族が利用できる「イオンゆめみらい保育園」も開設される。

専門店街には「めいてつエムザ」の小型店

1階イオンスタイルに隣接して設けられる食物販の専門店ゾーン「Komatsu Marche」では、JA小松市運営の「道の駅 こまつ木場潟」が地場産品を品揃えする食の発信拠点「えちゃけな」や、金沢市を中心にレストランやケーキショップを展開する「ぶどうの木」のカフェ業態「カフェぶどうの木」など13店舗が集結する。

Komatsu Merche。

また、Komatsu Marcheには名鉄グループ傘下の百貨店「めいてつ・エムザ」のセレクトショップ「めいてつ・エムザ 黒門小路」も出店。金沢銘菓を自由に選べる“金澤づつみ”をはじめ、北陸・金沢の名産品を提供する。

「ファストファッション大型店競争」も?

ファストファッションとしては、スウェーデンの「H&M」とスペインの「ZARA」(今夏オープン)が1階と2階のメゾネットタイプ(売場面積はともに約2,000㎡)で出店。ユニクロ傘下の「G.U.」も1階に北陸最大級となる売場面積約1.900㎡の大型店を出店する。
これら3店舗合計の売場面積はおよそ6,000㎡にものぼり、モール内での白熱した店舗間競争が見込まれる。

「レストラン・フードコート」には「金沢グルメ」の新業態が

1階レストラン街「小松食回廊」では「金沢カレー」の元祖として県民から愛される「カレーのチャンピオン」が初めて手がけるラーメン店「チャンピオンカレーヌードル」が出店。
また、北陸の新鮮なネタが楽しめる回転寿司「もりもり寿し」や、北陸初出店となる立ち食いステーキ専門店「いきなり!ステーキ」など13店舗が出店する。

小松食回廊。

2階フードコート「Food Forest」では、地元のラーメンチェーン店“8番らーめん”で知られる(株)ハチバンが、野菜の種類や量を増やした新メニューを提供する「8番らーめんエクスプレス」を出店。
また、富山県射水市創業の老舗料亭「料亭 三角」が手がけるトンカツ・牛カツの新業態店「三角屋」や、ローストビーフ丼専門店「ローストビーフ 星」など13店舗をラインナップする。

Food Forest。

また、別棟のカフェ「星乃珈琲」はイオンモールの開店に先駆けて2月1日にオープンしている。

北陸最大、広い商圏-商業地図を塗り替えるか

先述の通り、イオンモール新小松は北陸最大級のイオンモールとなり、金沢都市圏は勿論のこと、福井県嶺北地方(福井市周辺)も商圏に据え、年間800万人の来店を見込む。

福井市中心部。

福井県には現在イオン系ショッピングセンターが全くなく(過去にあったが撤退)、売場面積が3万㎡を超える店舗はユニー系の「フェアモール福井・エルパ」(福井市、売場面積44,571㎡)のみ。このほかにもユニーはこの地域に多くの郊外型ショッピングセンターを持つが、ユニーはファミリーマートとの経営統合に伴い、東海地方以外に立地する店舗網の縮小を示唆している。
また、イオンモール新小松には福井県に本社を置くテナントも7店が出店することを決めており、北陸最大級のモールの登場で、北陸地方の商業地図が大きく塗り替わる可能性もあろう。
なお、イオンモールの開業に先駆け、福井市では2016年より「西武百貨店福井店」、「フェアモール・エルパ」(ユニー)、「ベル」(平和堂)、「パリオシティ」(ヤスサキ)の「ライバル同士による共同販促」も開始されているという。

イオンモール新小松

住所:石川県小松市沖周辺土地区画整理事業地内、三田町
営業時間:8:00~23:00 (専門店街9:30~21:00など)
敷地面積:約128,000㎡
延床面積:約83,000㎡
総賃貸面積:約63,000㎡
駐車台数:約3,200台

外部リンク:イオンモール新小松
関連記事:香林坊東急スクエア、2016年4月28日開業
関連記事:福井鉄道・えちぜん鉄道、2016年3月27日より相互乗り入れ開始-駅前線延伸も同時開通

化女沼レジャーランド「廃墟テーマパーク計画」中止に-別事業者が購入で

2017年1月より営業再開を目指したクラウドファンディングがおこなわれていた遊園地「化女沼レジャーランド」(宮城県大崎市)の再生計画が中止となった。
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化女沼レジャーランド。(クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」の募集ページより)

別事業者購入で中止に-一部を廃墟のまま残す計画だった

化女沼レジャーランドは1979年に開園。仙台市からも近く、大型ホテルも併設されており、かつては多くの客で賑わったというものの、経営不振から2001年に閉園。その後も多くの遊具が園内に残されていたため、遊園地の廃墟として様々な映画のロケ地やコスプレイベントの会場としても使われていた。
営業再開計画では、クラウドファンディングにより一部資金を集め、新たな店舗なども誘致しつつ園内の一部を「廃墟地域」として廃墟のまま保存・活用する予定で、話題を呼んでいた。
しかし、遊園地跡を別事業者が購入する計画がまとまったため、再開計画が中止されることになったという。新たな購入先や、その後の計画については2月現在発表されていないが、レジャーランド跡地は東北自動車道「長者原スマートインターチェンジ」(閉園後の2004年に開設)のすぐそばにあり、交通至便なことから様々な活用方法が想定される。

化女沼レジャーランドでは2月19日には最後の見学会が実施され、100人以上が遊園地との別れを惜しんだ。
今後は2月末に売買契約が結ばれる予定で、その後の施設の見学はできなくなる見込みだという。

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三宮OPA2、2017年2月24日開業-ダイエー神戸三宮店に、現「OPA」は数年以内に閉店へ

兵庫県神戸市の総合スーパー「ダイエー神戸三宮店」が2月24日に全面リニューアルし、改装工事が行われていた2~9階が「三宮オーパ2」(三宮OPA 2)となって2月24日にグランドオープンした。

新たなフォントのロゴを掲げた三宮OPA2。

新生OPA1号店、ダイエーのお膝元に誕生

三宮OPA2の延床面積は17,600㎡、総賃貸面積は11,700㎡(2~9階)。
施設コンセプトに「今日が、明日が楽しくなる“ゴキゲンCHARGE STATION”」を、店舗広告に「マイニチ ヨリミチ」を掲げ、駅前立地を活かし、デイリーユースを想定した女性ターゲットの施設を目指した。
三宮駅とペデストリアンデッキを通じて接続する2階「ファッション&ライフスタイルグッズ」のフロアには、グロサリー専門店久世福商店が展開する和カフェ「久世福茶寮」が近畿初出店。「万能だしのだし玉うどん」や「老舗あんこのあんみつ」など、日本全国のうまいものを取り揃えるという久世福のコンセプトを体現したようなメニューが提供される。
衣料・雑貨テナントとしてはワールドの「groove」、アダストリアの「studio clip」(スタジオクリップ)、芦屋のインテリア雑貨店「ル・グラン・トレザワ」が手掛けるヨーロッパのアンティーク雑貨専門店「Dentelliere」(ダンテリエール)などが出店する。
2階のダイエー神戸三宮店管轄フロアには「スターバックス」「サンマルクカフェ」などが出店しており、一大喫茶店ゾーンが形成されることとなった。

久世福商店を併設する和カフェ「久世福茶寮」。

3階「ビューティケア&リラクシング」のフロアには、美と健康に特化した品揃えが特徴の「イオンボディ」、化粧品通販会社「Kagami」の直営店、オーダーメイド枕専門店「ピロースタンド」が近畿初出店。三重発のインテリア雑貨「ルナワールド」も出店する。
4階「ベーシック&カジュアル」のフロアには「ASBee」「Right-on」「Honeys」など比較的低価格志向のアパレル、シューズテナントが出店。三宮OPA2の客層に合わせた売場づくり、商品展開が行われる。

開放感あるフロアづくりが特徴の4階。

5階「ホームコーディ(ホームファッション&クラフト)」のフロアには、イオンが新たに専門店化を推し進めるホームファッションブランド「HomeCoody」1号店と、手芸専門店「パンドラハウス」が出店。
HomeCoodyは、「ACCENTUATION(暮らしにアクセント)」をコンセプトに掲げ、生活雑貨や文具用品などを展開。パンドラハウスは三宮OPA2の客層に合わせ、「スイーツデコ」「DIY女子」などテーマ性のある講習会を開催するなど提案型の店舗を目指すという。
6階、7階には以前から出店していた登山用品に強みを持つアウトドア専門店「IBS石井スポーツ」、大型書店「ジュンク堂書店」がそのまま営業を続けている。

レストラン街は4倍の16店舗に

8階、9階はレストラン街「PATIO THE DINER」としてフロアを展開。
面積は改装前の約2倍に拡大し、店舗数は改装前の約4倍となる16店舗に増加した。
「お米の新しい可能性を探る」をコンセプトに掲げた「日本酒バル・米屋 イナズマ お米研究所」、健康バランスを重視した食事を提案する「おぼんdeごはん」、イオンモール堺鉄砲町に1号店を出店以降好評を博している「カプリチョーザ ピッツァ&ビュッフェ」など個性豊かなテナントが新規出店したほか、ダイエー時代から継続して「英國屋」「しゃぶ扇」なども営業する。

緑に包まれたレストラン街「パティオ・ザ・ダイナー」。

「マイニチ、ヨリミチ」目指したこだわりの店舗に

開業当日の記念式典でイオンモール吉田昭夫社長は「ホームコーディは生活雑貨、カルチャーのイオン1号店」「従前のダイニングの8階9階と、今回の8階9階を比べると全く違う施設になっている」と強いこだわりを見せており、神戸市担当者も「間違いなく役所の職員は、それこそマイニチ、ヨリミチして帰る」と冗談を交えながら語った。

開業当日の記念式典には多くの神戸市民が足を運んだ。

新しい「OPA」、ファッションビル・総合スーパーの未来担うか

新生OPA1号店「三宮OPA2」開業以前のOPAは、10~20代女性をメインターゲットとする渋谷109系、原宿系アパレル中心の店舗構成が特徴で、米国発のスタイリッシュな猫キャラクター「フレンチキティ」を各種広告に採用するなどし、現在でも関西圏のヤング層を中心に根強い支持がある。
しかし、今回の新店舗では既存店「三宮OPA」のような従来型OPAとは異なる食物販、デイリー重視のフロア構成となった。
こうした路線転換は、ファストファッションが台頭し、かつて隆盛を誇ったDCブランドなどのアパレルが次々と不振に陥るなかで、「ファッションビル」から「都市型ショッピングモール」への転換を図るというOPAの新戦略の象徴ともいえる。同じく「デイリーユース」重視の売場に転換した聖蹟桜ヶ丘OPA。
「ブックオフ」や「ニトリ」が出店する(東京都多摩市)。

近年はOPAの旗艦店「心斎橋OPA」でもこうした手法が採られており、2015年の改装時に地下2階の大部分をグロサリー、ベーカリー、スイーツ専門店により構成される「食物販ゾーン」、7階をアニメ専門店、リアル脱出ゲーム会場により構成される「サブカルチャーゾーン」に転換、8階の輸入古着店「HANJIRO」跡を旅行代理店「H.I.S」とするなど、アパレル比率を減らしつつある。
一方で、今回開業した三宮OPA2は、都市型総合スーパー「ダイエー神戸三宮店」の直営衣料・雑貨フロアからの転換であり、その流れとして、イオングループが「ホームコーディ」「パンドラハウス」「ASBee」などのテナントをフロアに再配置していることも特徴だ。
イオングループは、今後も業績不振が続く総合スーパーや従来型のファッションビルを、こうした都市型ショッピングセンターとしての「OPA」に転換する可能性もあろう。

三宮OPAは数年内に閉店-ダイエー・OPA2も再開発検討へ

現在、三宮地区ではJR西日本、阪急阪神HDによる再開発が行われており、JR三ノ宮駅に併設された「三宮OPA・三宮ターミナルビル」も2018年を目処に閉鎖する計画が持ち上がっている。
(詳細は前記事を参照)

数年以内に閉館するとみられる三宮ターミナルビル「三宮OPA」。

JR西日本グループでは大阪駅ビル「LUCUA」(ルクア)の成功以降、関西地区での駅ビル事業の拡充や高架下商店街の管理強化を進めており、三宮ターミナルビルも建替後はJRが自社系商業施設の開設を目指す可能性がある。
また、今回「三宮OPA2」が開業したサンシティビル(ダイエー神戸三宮店)も、2020年以降に神戸市主導による再開発が検討されていることから、OPAが従来通り営業を継続できる施設は「三宮VIVRE」1施設に限られる可能性が高い。
一方で、この三宮VIVREも築48年と老朽化が深刻であり、今後もOPAが創業の地である神戸での店舗を維持できるのかは不透明なものとなっている。

追記:三宮オーパ閉店の記事はこちら

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外部リンク:「三宮オーパ2」2月24日(金)AM10:00オープン

ダイエー、大きいサイズの紳士服店「グランバック」をタカキューに移管-整理すすむダイエー系企業、ドムドムも縮小へ

ダイエーは、2月1日に傘下に持つ大きいサイズ(Lサイズ)の紳士服専門店「GRAND-BACKグランバック)」の一部店舗とeコマース事業(ネットショッピング)を、イオン傘下の紳士服店「TAKA-Qタカキュー)」に売却した。
旗艦店のグランバックなんば店。

ダイエー直営の“大きいサイズ”専門店-グランバック

グランバックはダイエーグループの紳士服販売子会社「ロベルト」の一部門として1980年代に設立。ダイエーの事業整理・組織再編の一環により、2012年をもってダイエー本体に吸収合併されていた。
ダイエー食品売場のキャッチコピー「◯◯をおいしいと言わせたい!」になぞらえた「大きい男達をお洒落と言わせたい!」を掲げ、2L~5Lサイズ・TLサイズ(170~195cm)まで対応した紳士服・紳士カジュアルを販売している。
 かつての「プランタンなんば」に出店していたなんば店(写真)のようにダイエー系列の商業施設に出店することが多かったのは勿論であるが、同業他社の首都圏を中心に展開する「サカゼン」や、ロードサイド型店舗を得意とする「ビッグエムワン」などとは異なり、主要都市の中心部に大型路面店を構えていたのも特徴の一つだった。
2012年時点では「グランバック」ブランドを冠したダイエー内インショップ売場を合わせて全国各地で49店舗が営業していた。
グランバックの路面店「グランバック仙台広瀬通店」。

グランバック事業は「イオン傘下」のタカキューで継続へ

タカキューは1950年に創業した紳士服店で、現在は「TAKA-Q」「MALE&Co.」などのブランドで紳士服、カジュアル衣料などを展開している。
1992年よりジャスコグループ(現・イオングループ)と業務資本提携を結び、2017年現在はイオンが発行済株式の約33%を持つ筆頭株主となっているが、東証一部への上場を維持し、イオン系列外の商業施設へも店舗展開するなど、イオンと一定の距離感が保たれている。

ダイエーはイオン傘下となって以降、業績不振に陥っている旧来の総合スーパー業態からの脱却を図るために都市型食品スーパー「イオンフードスタイルストアbyダイエー」業態への転換を進めており、婦人服子会社「ロベリア」を除くダイエー直営売場を構成する衣料・雑貨子会社をダイエー本体に吸収、もしくは事業清算していた。

イオンフードスタイルストアbyダイエーに転換した市川店。

本体に吸収された「グランバック」事業であるが、「グランバック」ブランドを冠したインショップ売場は前述したダイエーの脱総合スーパー路線や、イオンへの地方店舗移管もあり減少傾向にある。路面店・eコマース事業も、ダイエーグループの商業施設、各種店舗との相乗効果が期待できないことから、今回の事業売却に至ったとみられる。
グランバックのタカキュー売却に伴い、ネット通販サイトは1月18日午後6時から2月3日午前10時、路面店は1月31日から2月2日まで臨時休業。2月3日より新体制でのスタートを切った。

整理すすむダイエー系企業、「ドムドム」も大幅縮小に

ダイエー傘下の衣料・雑貨部門の企業でイオン傘下となって以降に他社に譲渡されたものは、創業当初よりダイエーとの結び付きが強かった「メガネの愛眼」により一部店舗が移管された「ゼノン」(ブランドは消滅)、三愛出身者により事業継続に至ったとみられる大手中国雑貨専門店「大中」、ファンシー雑貨専門店「マルシェ」に続き3例目となる。
また、同じくダイエー傘下にある企業では、飲食店を経営する「オレンジフードコート」でも、運営する「ドムドムハンバーガー」や「オレンジキッチン」などの店舗整理を進めており、今後も経営規模の縮小や事業売却が続くものと思われる。

閉店が進むオレンジフードコートの店舗。

外部リンク:大きいサイズの服メンズ専門店 GRAND-BACKグランバック
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ドラッグストアモリ、ザグザクを傘下に-株式の約6割を取得

ドラッグストア「ドラッグストアモリ」(ドラモリ)を運営するナチュラルホールディングス(朝倉市)は、同業であるドラッグストア「ザグザグ」(ZAGZAG、岡山市中区)の発行済み株式総数のうち61.07%を取得し、子会社化したことを2月21日に発表した。

個性的なアニメCMで知られる「ドラモリ」と「ザグザグ」

「ドラッグストアモリ」は1983年に福岡市で森薬局として創業、1998年に本社を甘木市(現・朝倉市)に移転。
シンボルマークは林檎で、一部では調剤薬局も運営、店舗での健康相談会なども実施する。
2017年2月現在で、九州全域、沖縄県、中国地方西部、四国地方西部を中心に242店舗を展開している。2016年3月期の売上高(単体)は1146億円。

ドラモリの店舗(別府市)。

「ザグザグ」は1990年に岡山市で創業。
キャッチフレーズは「ちょっと気になるザグザグ」で、一部では調剤薬局も運営する。
2017年2月現在で、中国地方東部、四国地方東部を中心に139店舗を展開している。2016年8月期の売上高(単体)は615億円。

ZAGZAGの店舗(小豆島町)。

両店舗はともに印象に残る個性的なキャラクターによるアニメCMを行っていたことも特徴。それぞれのテレビCMは各公式ウェブサイトで見ることもできる。
ドラモリのCM
ザグザグのCM

NID所属で地盤が被らない両社、業務資本提携へ

ドラモリ、ザグザグはともに「日本ドラッグストアチェーン会」(NID)に加盟しており、プライベートブランドなどを共有している一方で、ザグザグは2012年からイオンが筆頭株主となっており(約15%保有)、イオングループのプライベートブランドであるトップバリュの導入も行っていた。今後もイオンはザグザグの株式を保有し続ける方針で、ザグザグではトップバリュの導入も継続するという。

ザグザグはイオン系店舗への出店も行っていた。

両社は同じNIDに加盟しており、地盤が被らないために物流などを共通化して効率化を図ることが大きな狙いであると考えられる。合併後の年商は2000億円近くにも達し、九州に本社を置くドラッグストアチェーンとしてはコスモス薬品(ディスカウントドラッグコスモス)に次ぐ規模となる。
なお、両店舗ともに屋号の変更などは行わないといい、両社お馴染みの「個性的なCMキャラクター」もまだまだ活躍の機会がありそうだ。

外部リンク:ドラモリオンライン
外部リンク:ドラッグストア ザグザグ
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関連記事:マルキョウ、西鉄との資本提携解消へ

マルショク・サンリブ四日市、2017年10月31日閉店-宇佐四日市商店街の核店舗

宇佐市四日市商店街の核店舗である総合スーパー「マルショク・サンリブ四日市」が2017年10月31日に閉館する。

マルショク・サンリブ四日市。

開業から54年、宇佐きっての老舗スーパー

マルショク・サンリブ四日市はマルショク四日市店として1963年12月に開店。旧・宇佐郡きっての老舗スーパーだった。
本願寺別院の門前町として栄えた四日市商店街にある旧・大分交通豊州線四日市駅跡のバスターミナルそばへの出店で、多くの集客があった。

現在の四日市商店街。本願寺附近。

その後、マルショク四日市店は1981年に3階建てのショッピングセンターに建替えられ「マルショク・サンリブ四日市」と改称、株式会社中津丸食(のちにマルショク大分本社に合併)の旗艦店となった。3階には文化ホールも入居した。
同年には、当時の宇佐市最大の商業施設となった「駅川寿屋」(現:トライアル宇佐店)、「トキハインダストリー長洲店」も開業している。

しかし、2000年代に入ると競合店の出店やマルショク(大分本社)の経営悪化に伴い、同社の他の大型店と同様に一部フロアを閉鎖。
近年は1階を中心に営業しており、建物の一部しか使われていなかった。とくに、2009年にすぐそばのバスセンターの一角に「ドラッグストアモリ宇佐四日市店」が開業したことや、徒歩数分の距離にある百貨店系総合スーパー「トキハインダストリー宇佐四日市店」が2014年に改装されたことは、大きな影響を与えたと思われる。サンリブ四日市は、近年は改装が行われておらず、老朽化も進んでいた。
現在の売場面積は4,110㎡(ただし一部しか使われていない)。
土地は地元住民などが、建物はマルショクが所有している。

跡地は未定

マルショク・サンリブ四日市の館内のテナントは殆どが撤退済み。
建物は築36年が建ち老朽化が進んでいるといい、10月の閉店後は解体されるという。
跡地については、2月現在まだ発表されていない。
マルショク(大分本社)では競合店の増加に加えて熊本地震で旗艦店が複数損壊した影響も大きく、この他にも旗艦店であったサンリブ日田を閉店・解体することや、熊本地震で損壊した店舗についても大幅に減床して再建することを発表しており、今後も経営規模の縮小が続く可能性が高い。

外部リンク:サンリブ四日市
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ユニー・アピタ黒部店、2017年8月までに閉店へ-旧・黒部サティ

黒部市の旧国道8号線沿いにあるショッピングセンター「アピタ黒部店」が2017年8月までに閉店する。

アピタ黒部店(GoogleMapより)。

旧・黒部サティ、アピタ化後に一度も売上目標達成できず

アピタ黒部店はマイカルが運営する「黒部サティ」として1997年8月に開店。 マイカルグループの経営破綻に伴い2003年6月に閉店し、同年11月にユニーが土地(一部除く)と建物を買収、2004年4月にユニー・アピタ黒部店となった。
アピタ黒部店の売場は1階と2階で売場面積は13,657㎡。このほかにパチンコ店などが出店する別棟を備える。
ユニーの出店当時は直営年商32億円を目標としていたが、売上は2006年の24億円をピークに減少。 競合店の増加とバイパスの開通による交通の分散もあり、核テナントの1つであった上新電機が2015年6月に閉店するなど不振を極め、一度も売上目標を達成することは出来ないままの閉店となった。
建物は築約19年と新しいものの、店舗跡地の活用方法は3月現在まだ決まっていないという。

外部リンク:アピタ黒部店
外部リンク:アピタ黒部店の開店について
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