フリマアプリや電子決済サービスを展開する「メルカリ」(本社:東京都港区・六本木ヒルズ森タワー18階)は、子会社で電子決済サービスを展開する「メルペイ」が、電子決済サービス「オリガミペイ」(Origami Pay)を展開する「オリガミ」(Oigami、本社:東京都港区・六本木ヒルズ森タワー31階)の全株式を2020年2月に取得することを発表した。

両社が本社を構える六本木ヒルズ森タワー。
地方展開に力を入れたオリガミペイ
オリガミ(Origami)は2012年2月に設立、2013年4月にサービス開始。2016年5月に「Origami Pay」の名称で電子決済サービスに本格参入した。「折り紙」の名称は「海外に知られている日本らしい名称」として採用したという。
2018年9月には「信金中央金庫」(信用金庫)と資本業務提携。
日本独自の電子決済サービスとして、地方や中小事業者のキャッシュレス環境の整備推進にも深く関わっていることで知られる。
メルカリとともに成長したメルペイ
一方のメルペイはメルカリの子会社として2017年11月に設立されていた。
当然ながら大手フリマサイト「メルカリ」と深く関わりがあり、メルカリの売上金を決済に利用できることも特徴で、そのためメルカリの成長とともに利用者数を増やしていた。
オリガミペイはメルペイに統合
今後、オリガミは2月25日にメルペイに全株式を譲渡。今後、オリガミはメルカリグループ(メルカリの孫会社)となる。
また、オリガミペイはメルペイにサービス統合されることになる。
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サボイ豊里味道館、2020年2月20日閉店-旧・豊里センター、57年の歴史に幕
大阪府大阪市東淀川区の大阪メトロ(旧・大阪市営地下鉄)今里筋線だいどう豊里駅前に立地する「サボイ豊里味道館」が、2020年2月20日をもって閉店する。

サボイ豊里味道館。
だいどう豊里の駅チカ「サボイ」
サボイ豊里味道館の前身となる市場「豊里センター」は1964年4月に開業。1992年5月に大阪地盤の地場中堅食品スーパー「サボイ(現・サーブ)」の食品スーパーを中心とする店舗に業態転換した。
サボイは長らく、近隣の豊里三番街(ライフ豊里店)とともに地域の商業核としての役割を担っており、2006年12月の今里筋線開業後は、だいどう豊里駅に最も近い食品スーパーとなった。
しかし、2015年4月に京都地盤の大手食品スーパーであるフレスコが、東淀川区内初となる店舗「フレスコ豊里店」(24時間営業)を至近距離に出店するなど、競争が激化したため閉店を決定したものとみられる。

サボイ豊里味道館閉店のご案内。
スーパー激戦区「上新庄」4年ぶりのスーパー撤退
サボイ豊里味道館が立地する上新庄エリアでの食品スーパー閉店は、2015年12月の「コーヨー上新庄店」閉店以来4年ぶりとなる。
その一方、上新庄エリアは「ライフ」「フレスコ」を始め、「イズミヤ」「平和堂」「関西スーパー」など10店舗を超える総合スーパー・食品スーパーがしのぎを削る大阪市内有数の商業激戦区であるため、サボイ撤退が地域に与える影響は軽微とみられる。
2020年2月現在、サボイ豊里味道館の跡地活用については未定となっている。
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CoCoLo新潟・万代、2020年3月22日閉店-新潟駅ビル、60年を超える歴史に幕
新潟県新潟市のJR新潟駅ビル「CoCoLo新潟」のうち、最も古い「CoCoLo万代」が、駅高架化にともなう再開発工事のため2020年3月22日午後6時をもって閉店する。

CoCoLo新潟・万代(CoCoLo万代)。
新潟最古の駅ビル「新潟民衆駅」、60年超える歴史に幕
CoCoLo万代は1958年に新潟駅万代口駅ビル地下街「名店デパート」として開業。2000年12月にJR東日本新潟支社管内で駅ビルを展開する「トッキー」の商業施設ブランド「パティオ万代」にリニューアル。2004年10月には運営会社の再編に伴い、一般公募で選ばれた「CoCoLo」を冠した現在の施設名に改称した。

新潟駅万代口駅舎。
2020年1月時点では、大栄魚類の生鮮食品スーパー「けんこう市場」を核に、グロサリー専門店「Jupiter」、牛丼屋「吉野家」、聚楽グループの和食レストラン「うどんや」、新潟の老舗蒲鉾店「竹徳かまぼこ」、三条市に本店を置く花屋「Hanasho」など22店舗が入居するが、万代改札口付近の5店舗を除く17店舗は3月22日をもってCoCoLo新潟・本館や周辺施設(新潟伊勢丹など)に移転もしくは閉店する。
JR東日本新潟支社も移転、跡地は駅前広場に
今回のCoCoLo万代閉店は、新潟市が主導する「新潟駅付近連続立体交差事業」「新潟駅万代広場拡張整備」に伴うもので、2019年3月には地階の「文信堂書店」など5店舗が上記整備事業に伴い先行して閉店している。高架化事業は2021年度を目処に完了、駅前広場は2023年度を目処に供用開始される予定。
駅ビル内に入居する「JR東日本新潟支社」は、2020年11月に竣工予定の新ビル(地上8階建)に移転する。
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トート阪急洛西口、2020年1月29日第2期開業-フレスコ核の商業施設に
京都府向日市の阪急洛西口駅高架下商業施設「TauT阪急洛西口(トート阪急洛西口)」が2020年1月29日に第2期開業する。

TauT阪急洛西口。
2018年に第1期開業した「トート阪急洛西口」
TauT阪急洛西口は、阪急京都線(洛西口駅付近)連続立体交差化事業(鉄道高架化)の一環として2018年10月に第1期開業。建物は地上1階建、敷地面積は約11,200㎡、総延長約1km(阪急洛西口駅-桂駅)。

「TauT阪急洛西口」ロゴマーク。
開発コンセプトに「行きたい 住みたい KYOTO 洛西口 ~ヒトとヒトをつなぐ エキはマチの縁側(えんがわ)~」を掲げ、物販・サービス系テナントとして、自転車専門店「サイクルベースあさひ」の体験型アクティビティストアや貸自転車「阪急レンタサイクル」、プログラミング教室「プログラボ」などの店舗が出店。
飲食系テナントとして、京都出身のラジオDJ・しもぐち☆雅充氏と料理研究家・川上晶也氏が手掛ける「おとな食堂京都」や長岡京市の天然酵母パンショップ「BAKEHOUSE Mère」、城陽市のラーメン店「京都 麺屋たけ井」、暮らしのスタイルを提案するコミュニティカフェ「巣箱」など、京都・滋賀・大阪発祥の店舗が出店している。
京都地盤の「フレスコ」など生活密着型店舗が新規出店
TauT阪急洛西口第2期エリアの建物は地上1階建、敷地面積は約1,933㎡、延床面積は約697㎡。
京都地盤の地場大手食品スーパー「フレスコ洛西口店」を核に、学習塾「スクールIE」、動物クリニック「エイトアニマルクリニック」の3店舗が新規出店する。

TauT阪急洛西口。
TauT阪急洛西口周辺は、キリンビール京都工場跡地再開発の商業核として2014年10月に「イオンモール京都桂川」が開業して以来、大規模分譲マンションの建設が相次ぐなど、急速に開発が進む地域である。その一方、現在に至るまでイオンモール内の「イオンスタイル京都桂川」と生鮮食品ディスカウント「新鮮激安市場!」(2015年開店)の2店舗しかスーパーが存在せず、コンビニも極めて少ない状況にあった。
TauT阪急洛西口は、2020年末を目処に全面開業(第3期開業)を予定しており、手軽に買物可能な食品スーパー(フレスコ)と同様、駅利用者や地域住民の生活利便性向上に繋がる専門店が新規出店するものとみられる。
TauT阪急洛西口のテナント一覧(2020年1月29日時点)
| 店舗名 | 業種 | |
| 新規 | フレスコ | スーパーマーケット |
| 新規 | スクールIE | 学習塾 |
| 新規 | エイトアニマルクリニック | 動物クリニック/トリミングサロン |
| 既存 | サイクルベースあさひ | 自転車専門店 |
| 既存 | プログラボ | プログラミング教室 |
| 既存 | 阪急レンタサイクル | レンタサイクル |
| 既存 | 京都 麺屋たけ井 | 麺屋 |
| 既存 | ひより | 生パスタと自家製スイーツ |
| 既存 | 巣箱 | カフェ |
| 既存 | 銀の卵 | 粉もん専門店 |
| 既存 | すいば | 立ち飲み屋 |
| 既存 | クリーニングぴいぷる | クリーニング |
| 既存 | お酒とごはんキラボシ | 酒場 |
| 既存 | LatteArt Junkies RoastingShop(ラテアートジャンキーズロースティングショップ) | ラテアート |
| 既存 | BAKEHOUSE Mère(ベークハウスメール) | 天然酵母パン |
TauT阪急洛西口第2期エリア(フレスコ洛西口店)
住所:京都府向日市寺戸町正田5-2ほか
営業時間:午前8時~午後10時(平日)
営業時間:午前9時~午後9時(土日祝)

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京王ストアキッチンコート三鷹店、2020年1月31日閉店-武蔵野タワーズモールの核店舗
東京都武蔵野市のJR三鷹駅北口に立地する「武蔵野タワーズモール」の核店舗、京王ストアの高級食品スーパー「キッチンコート三鷹店」が、2020年1月31日午後6時をもって閉店する。

京王ストアキッチンコート三鷹店。
三鷹駅前のキッチンコート、わずか10年で閉店
武蔵野タワーズモールは2010年3月に、野村不動産・三菱地所など5社が共同開発した新規分譲ツインタワーマンション「武蔵野タワーズ」の南棟(スカイゲートタワー)低層階に開業。建物は地上28階建地下3階建(商業フロアは地上1階~5階)、敷地面積は3,699㎡。
京王電鉄グループの商業施設として、京王ストアの高級業態5号店「キッチンコート」を核に、ピザ・イタリアン専門店「PIZZA SALVATORE CUOMO&BAR」、ポッカサッポロ系のカフェ「CAFÉ de CRIÉ」、各種サービス系店舗が出店。野村不動産グループのフィットネスジム「メガロス三鷹」や医療モールも併設する。
キッチンコート三鷹店は、JR三鷹駅北口で最も新しく規模の大きい食品スーパーであったが、わずか10年で閉店することとなった。キッチンコートの閉店後、SALVATORE CUOMOも2月7日に閉店する。

PIZZA SALVATORE CUOMO&BAR三鷹。
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近商ストア生駒店、2020年1月31日閉店-グリーンヒルいこまの核店舗
奈良県生駒市の近鉄生駒駅に直結する商業施設「グリーンヒルいこま」の核店舗、近鉄グループの総合スーパー「近商ストア生駒店(KINSHO生駒店)」が、2020年1月31日をもって閉店する。

近商ストア生駒店。
生駒唯一の総合スーパー、40年近い歴史に幕
近商ストア生駒店は1982年に、グリーンヒルいこまの核店舗として開店。建物は地上4階地下1階建、店舗面積は3,547㎡。
同店は奈良県内有数の規模を有するターミナル駅「近鉄生駒駅」や「ぴっくり通り商店街」にペデストリアンデッキを通じて直結する良好な立地環境にあり、2009年2月のジャスコ生駒店閉店後は生駒駅徒歩圏内唯一のスーパーにもなるなど、地域の食品需要の多くを担う店舗であった。
しかし、2014年4月に「近商ストア新生駒店」がベルテラスいこま1階に開店、2017年2月にはジャスコ跡地に「万代生駒店」が開店、2017年6月には関西最大級となる高級食品スーパー「成城石井近鉄生駒店(近鉄百貨店FC)」が近鉄百貨店1階に開店するなど、競合店が相次ぎ出店。近商ストア生駒店は40年近い歴史に幕をおろすこととなった。

近商ストア新生駒店が事実上の後継店舗となる。
老朽化進むグリーンヒル
グリーンヒルいこまは、2017年3月に要緊急安全確認大規模建築物指定を受けており、2019年7月から耐震改修を計画するなど老朽化への対応が課題となっていた。
グリーンヒルには2020年1月現在、近商ストアを核に20近い専門店、金融機関(三井住友銀行)が入居しているが、核店舗の撤退は施設の今後の営業方針に影響を及ぼすとみられる。

グリーンヒルいこま。
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イイノ立川、2020年1月18日全館開業(テナント一覧)-立川マルイ・モディ・ロフト跡、新たな商業施設に
東京都立川市のJR立川駅前にある立川ロフト跡(丸井・井上共同ビル)に、商業施設「イイノ立川」(iino Tachikawa)が2020年1月18日に全館開業した。

丸井・井上共同ビル「イイノ立川」。
丸井立川店跡、新たな専門店街に
イイノ立川の前身となる百貨店「丸井立川店(マルイミニ立川)」は、旧店舗(1952年開業)の建替えに伴い誕生した「丸井・井上共同ビル」の核店舗として1970年に開業。建物は地上7階建。
丸井立川店は立川駅北口を代表する商業施設のひとつだったが、1990年代のJR立川駅ビルへの移転計画断念、競合する伊勢丹・高島屋の増床移転、また、丸井としては狭い面積も災いして2007年8月をもって一時閉店していた。その後、2007年9月には丸井グループの専門店ビル「立川モディ」として業態転換、競合百貨店との差別化を目的に若年層特化型の商業施設として再生を目指したが、施設リニューアルのため2012年5月に閉店。2012年8月には大手雑貨店「立川ロフト」が1~4階に開店したが、ロフトはその後駅ビル「立川ルミネ」にも出店、立川ロフトは2019年5月26日をもって閉店していた。

立川ロフト。
しまむら、島村楽器など新規出店
丸井・井上共同ビルは、ロフトの閉店により、ブックオフの総合中古商品買取・販売店「BOOKOFF SUPER BAZAAR」やカメラ専門店「カメラのキタムラ」、カフェ「CAFE de CRIE」、献血ルームなど、一部店舗を除き閉鎖状態にあったが、2019年9月以降「イーノ立川」と名称を変え、いなげや系のドラッグストア「ウェルパーク」やファストファッション「ファッションセンターしまむら」、100円ショップ「Watts」といった大型専門店が順次開業新規出店。2020年1月18日の総合楽器店「島村楽器」開店により地下1階から地上7階までの全フロアが営業を開始し、グランドオープンを迎えることとなった。

新規出店したWatts。
館内の一部(1階など)にはまだ小規模な空きスペースがあり、今後、さらに出店テナントが増えると思われる。

ペデストリアンデッキ側のエントランス。
イーノ立川・テナント一覧(フロアガイド)
| 7 | 島村楽器、Youth Theater Japan |
| 6 | ブックオフ(本、CD、ゲーム、ホビーなど) |
| 5 | ブックオフ(洋服、雑貨など) |
| 4 | ファッションセンターしまむら |
| 3 | 薬ウェルパーク/北口デッキ連絡通路 |
| 2 | 100円ショップWatts、ハクビ京都きもの学院 |
| 1 | カメラのキタムラ、Softbank、iCracked、CAFE de CRIE |
| B | 献血ルーム |
(2020年1月18日現在)
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デイリーキング鳥羽店、2020年1月15日閉店-「デイリークイーン」国内最後の店舗、46年の歴史に幕
三重県鳥羽市のショッピングセンター「鳥羽ショッピングセンターハロー(鳥羽ハロープラザ)」1階に出店するかつての大手ファストフード店「デイリーキング鳥羽店(旧・デイリークイーン鳥羽店)」が2020年1月15日をもって閉店、46年の歴史に幕をおろした。

デイリーキング鳥羽店。(三重県鳥羽市)
デイリークイーン、2004年の日本撤退後は自主営業に
デイリークイーン(DQ)は1973年に、米国大手ハンバーガーチェーン「米デイリークイーン」(1940年創業)と大手商社「丸紅」の共同出資により日本法人を設立、松屋銀座に1号店を出店した。
日本進出以来、ソフトクリームを始めとするスイーツを主力商品としたファストフード店として営業しており、最盛期には全国300店舗ほどを展開したが、競合他社との競争激化や多店舗展開の出遅れもあり、1990年代に経営悪化に陥った。
1996年4月には日本法人を新会社「デイリークイーンジャパン」(丸紅65%、山崎製パン30%、明治乳業5%)に移行、丸紅傘下のベーカリーカフェ「カフェプラッツ」や山崎傘下のコンビニ「デイリーヤマザキ」への商品供給で再建を目指したが、店舗網は最盛期の1/10ほどに縮小、2004年3月をもって日本から撤退した。

Dairy Queen Wheelock Place。(Singapore,Orchard)
「デイリークイーン」国内最後の店舗、46年の歴史に幕
デイリーキングの前身となる「デイリークイーン鳥羽店」は、1978年7月の鳥羽ショッピングプラザハロー(鳥羽ハロープラザ)開業に合わせて開店。2004年3月のDQ日本撤退に伴い自主営業となり、屋号を「デイリーキング」に変更した。

鳥羽ハロープラザ・イオン鳥羽店。(三重県鳥羽市)
デイリーキングでは、DQの代表商品であったチョコレートソフトクリームやチキンフィレサンド、ホットドッグといった商品、店舗内装、各種販促物を引継ぎ営業していたため、地域住民のみならず、DQの根強いファンや昭和レトロ愛好家にも存在が知られており、店員によると全国からデイリーキングを目的に来客があったという。
デイリーキングの閉店により、デイリークイーンの名残をとどめる店舗が日本から消滅することとなった。

デイリーキングのチョコソフトアイス。
デイリークイーンとソフトクリームの形状は異なる。
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イオン島原店、2020年5月31日閉店-旧・ユニードダイエー、2022年に新店舗開店めざす
長崎県島原市中心部の島鉄霊丘公園体育館(旧・島鉄本社前)駅前にあるイオン九州の総合スーパー「イオン島原店」が、老朽化のため2020年5月31日に閉店する。

イオン島原店。
旧ユニード、築47年で老朽化が進行していた
イオン島原店は1973年7月に「ユニード島原店」として島原鉄道が建設した建物に開店。ユニードは福岡市に本社を置く大手スーパーで、1981年にダイエーグループ入りした。ユニードはユニードダイエーと改称したのち、1994年にダイエーと合併、当店も「ダイエー島原店」に改称。その後、2015年9月にダイエーが九州から撤退するのに伴い、イオン九州に譲渡され「イオン島原店」となっていた。
中心市街地立地の店舗で、近隣には島原市随一の商店街「一番街」やスーパー・キッド(旧・島原寿屋百貨店跡地)があるほか、隣接地には島鉄バスターミナルがある。

ダイエー島原店。
店舗は3階建てで、店舗面積は5,831㎡。建物は島原鉄道が所有するが、近年は老朽化が進行しており、また駐車場の狭さも指摘されていた。
テナントとしては手芸のカネダ、キャンドゥ、長崎銀行島原支店などが出店している。
イオン、再出店の意向を示す
イオン九州は建物を解体後に建設される建物に再出店したい意向を示しており、2022年春ごろの開店を目指すという。

イオン九州による新店イメージ。
一方で、現店舗の建物は島鉄が所有しており、建物の建替え・再出店には島鉄の協力が不可欠となるほか、同居する長崎銀行島原支店の仮店舗も必要になると思われ、今後「関係各所との再開発に向けた協議を進めていく」としている。
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ドン・キホーテ八千代店、2020年1月26日閉店-インテリアカーサ跡、わずか4年で閉店
千葉県八千代市の国道296号線沿いに立地するパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)のディスカウント「ドン・キホーテ八千代店」が2020年1月26日24時をもって閉店する。

ドン・キホーテ八千代店(公式サイトより)。
八千代初のドンキ、東葛家具センター跡への出店だった
ドン・キホーテ八千代店の前身となる「東葛家具センタービビホーム八千代店」は1995年3月に開店。2006年6月にはブランド再編の一環により店名を「インテリアカーサ八千代店」に改称、2009年12月には古着専門店を導入したが、2015年3月をもって閉店していた。
2018年には大規模改装を実施したが、わずか4年で閉店に
ドン・キホーテ八千代店は2015年12月に開店。建物は地上2階建、売場面積は2,878㎡。ドンキとしては千葉県内20店舗目、八千代市内初の店舗として、同社が得意とするトレンド性の高い商品を中心に展開していた。
八千代店開店約1年後となる2016年11月には、イズミヤ跡にドンキの新店舗「MEGAドン・キホーテ八千代16号バイパス店」が開店。新店舗は「新生GMS(総合スーパー)」を謳う大型店舗であったが、両店舗間の距離が3kmほど離れていたため八千代店は従来通り営業を継続、2018年には全面リニューアルも実施していた。

MEGAドン・キホーテ八千代16号バイパス店。
ドン・キホーテ八千代店の周辺は、コープみらい核の商業施設「パルルショッピングガーデン」やオリンピックのホームセンター「おうちDEPO(旧・ホームピック)」など複数の大型店が出店する商業集積地であり、八千代店が入居する建物の築年数も築20年ほどと比較的浅いことから、店舗跡にはドンキに代わる後継店舗が出店する可能性もあるだろう。
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