東京都小平市の西武多摩湖線一橋学園駅近くに、大和情報サービスのショッピングセンター「アクロスプラザ小平」が2021年2月11日午前9時に開業した。
日立自動車教習所跡地、大和情報サービスの商業施設に
アクロスプラザ小平は、2018年12月に閉校した「日立自動車教習所」跡地に出店するもので、建物は地上2階建、敷地面積は約7,150㎡、建築面積は約4,772㎡、延床面積は約9,368㎡。
アクロスプラザ小平。
首都圏地盤の食品スーパー「食生活♥♥ロピア小平店」を核に、ドラッグストア「サンドラッグ」、100円ショップ「Seria」、イタリアンレストラン「サイゼリヤ」、ベネッセの英語教室「BE studio」、インドアゴルフスクール「ステップゴルフプラス」など11店舗が出店。3月31日には歯科医院「アクロスデンタルオフィス」も出店する。
一橋学園駅周辺では貴重なショッピングセンター
アクロスプラザ小平の近隣には、一橋大学や国土交通大学校、関東管区警察学校などの教育機関やルネサスエレクトロニクス武蔵事業所(旧・日立製作所半導体事業部武蔵工場)、陸上自衛隊小平駐屯地といった大型施設が数多く立地。施設を囲うかたちで住宅街を形成しているが、大型商業施設はサミットストアとコーナンの複合店舗程度と少ない状況であった。
一橋学園駅前の商店街には、イオン系のマルエツやビッグ・エー、全日食系のスーパーあまいけがあるが、いずれの店舗も規模が小さいため、低価格な生鮮品を中心に根強い人気をもつロピアを核に据えたショッピングセンターの開業は、多くの近隣住民にとって待望の施設となるだろう。
アクロスプラザ小平
住所:東京都小平市上水本町4丁目22番1号
営業時間:午前9時~午後6時(ロピア小平店)
関連記事:イオンフードスタイル小平店、2018年10月4日開店-ダイエー小平店を業態転換
関連記事:ドムドムベーカリー小平店、2018年5月31日閉店-ドムドム唯一の「ベーカリー」消滅
関連記事:ミーツ国分寺、2018年4月7日開業-再開発ビル「ココブンジ」に、東急ハンズなど出店
さいか屋横須賀ショッピングプラザ、2021年3月6日再開業-「閉店」から2週間で営業再開、成城石井や「ワクチン接種場」も入居
神奈川県横須賀市の百貨店「さいか屋横須賀店」が、2021年2月21日の一時閉店後、愛称に「さいか屋横須賀ショッピングプラザ(SAIKAYA YOKOSUKA SHOPPING PLAZA)」を冠し、2021年3月6日にリニューアル開業する。

さいか屋横須賀店。
さいか屋の本店、閉店から一転「営業継続」に
さいか屋は1867年に浦賀で創業。1872年の横須賀移転を機に「雜賀屋呉服店」、1928年の百貨店化を機に「雑賀屋(さいか屋)」に改称。神奈川県内を中心に百貨店やファッションビルを多店舗展開することとなった。
さいか屋横須賀店は、同社の創業店として店舗建物4館と立体駐車場を備えていたが、経営悪化を発端とした2009年8月の事業再生ADR申請にともない、2010年5月に老朽化が進む本館(大通り館)を閉鎖。新館下層階に百貨店機能を集約し、上層階に大型専門店(ユザワヤ・サカゼンなど)を導入する店舗の抜本的な構造改革に乗り出した。
その後、2020年5月に競争激化を背景に現店舗を閉店、後継店としてサテライト店を開設する方針を発表した。

9月からは「閉店大感謝セール」を行っている。
しかし、2020年12月には当初の発表から一転、一時閉店を経て現店舗で営業を継続する方針を発表した。
百貨店業態で営業、専門店も多くが存続-「接種場」も
さいか屋横須賀店は営業再開に合わせ、愛称に「さいか屋横須賀ショッピングプラザ(SAIKAYA YOKOSUKA SHOPPING PLAZA)」を冠し、テーマを「地域の方々から期待される百貨店としてのステイタスやランドマークとしての役割を意識した品揃え」「デイリー商材の充実」とする店舗に刷新する。
さいか屋横須賀ショッピングプラザ。
地下1階食料品売場では、従来からの生鮮3品・惣菜売場に加えて、お肉屋さんのお惣菜「肉処大和」、鎌倉の紫いもアイスクリーム・コロッケ店「鎌倉いも吉館」を導入。
1階銘菓売場(菓匠街)では、ベルギー王室御用達チョコレートブランド「レオニダス」を導入するなど、エリア最大級の品揃えを維持。上層階のサービスカウンター(商品券売場など)を1階に移設、お中元・お歳暮コーナーを開設可能なシーズンスペース(催事場)を新設することで「ワンストップギフトコーナー」を構築する。また、高品質食品スーパー「成城石井」も営業継続する。
1階ワンストップギフトコーナー。
2階では婦人服・靴・ハンドバッグに加え、宝飾品売場を移設。
3階では婦人服に加え、寝具やキッチン用品売場をコンパクトに展開。上層階のアウトドア専門店「好日山荘」が館内移転する。
4階は上層階の紳士服店「サカゼン」が館内移転、専門店のフロアとなる。
さいか屋横須賀ショッピングプラザのフロアガイド。
また、南館の学生服売場や中国料理店、外商拠点なども従来どおり存続する。
5階・6階は、当面のあいだ横須賀市の「新型コロナワクチン集団接種会場」が入居する。なお、集団接種会場としては「横須賀アリーナ」も使用される。
追記:さいか屋では「ワクチン接種者」に特別割引を実施する予定。
ローコスト化図るも大きく変わらない店舗・体制に
さいか屋横須賀店では「ローコストオペレーションでの営業体制の確立」を目的に、従業員を多能工化(マルチタスク化・マルチスキル化)、営業時間を“一直勤務体制可能な水準”に短縮、新たに定休日を導入するとしているが、営業時間は30分の短縮(2021年2月時点比)、定休日は月1回(繁忙期除く)に留まっている。
また、さいか屋が「エリアオンリーワンブランド」と称する有力専門店(成城石井・サカゼン・好日山荘)も存続するなど、地域住民の営業継続を望む声を反映したかなりの、今までと大きく変わらない店舗として生まれ変わることとなった。
さいか屋横須賀ショッピングプラザ
住所:神奈川県横須賀市大滝町1−13
営業時間:10時~18時
関連記事:京急ステーションストア、2020年11月15日全店閉店-新型コロナで休業中だった京急売店
関連記事:さいか屋横須賀店、2021年2月閉店-創業店、約150年の歴史に幕
関連記事:川崎ゼロゲート、2019年8月開業-パルコ、さいか屋跡に小型店
関連記事:コースカベイサイドストアーズ、2020年4月24日開業-旧・ダイエーショッパーズプラザ横須賀跡を全面改装
三越伊勢丹、小型百貨店5店舗を2021年2月28日閉店-馬事公苑店・新所沢・成田・MI河辺・セントレア、3月にはMI登米佐沼も
三越伊勢丹は、首都圏の小型百貨店4店舗を2021年2月28日に閉店させる。
同グループでは、コロナ禍のなか中小店の閉店が相次いでいる。
追記:伊勢丹が運営する「イセタンセントレアストア」(愛知県常滑市)も2月28日に閉店。同日閉鎖は5店となる。
馬事公苑ちかくの三越エレガンス、50年の歴史に幕
三越馬事公苑店(東京都世田谷区)は、三越の地域密着型百貨店「三越馬事公苑エレガンス」として1978年11月に開業。三井グループの太平洋興発が開発を手掛けた大規模分譲マンション(パシフィック馬事公苑前・地上11階建)への出店であった。営業フロアは1階のみ。

三越馬事公苑店。
他の三越の外商事務所兼小型売店(ギフトサロン)と比べ、銘菓・グロサリーや高価格帯のファッションアイテムなど幅広く展開。催事スペースを備えていたこともあり、店名改称後も地域住民を中心に三越エレガンスとして親しまれていた。

三越馬事公苑店の閉店告知。
また、三越馬事公苑店には、東京都中野区に本店を構える有名洋菓子ブランド「ロイスダール(RUYSDAEL)」(本店:中野区)がテナントとして出店。ロイスダールとしては珍しくベーカリーカフェを併設するなど、中野に次ぐ同社の看板店舗であったが、そちらも三越の閉店にあわせて営業終了する予定となっている。
新所沢の「郊外型三越」、ロードサイド店だった
三越新所沢(埼玉県所沢市)は1990年2月に開店。建物は地上2階建。西武新宿線新所沢駅徒歩圏内のロードサイド型店舗であり、同社が運営する外商事務所兼小型売店のなかでは比較的規模が大きい店舗であった。また、2018年9月には三越伊勢丹全サテライトショップに先駆け、タブレット端末による自社ECサイトでの買物サポートサービスを開始していた。
イオンモール成田の正面にあった成田三越も閉店
三越成田(千葉県成田市)は2003年6月に開店。建物は地上2階建。
成田市土屋土地区画整理事業の一環として整備された「ウイング土屋」への出店で、道路を挟みイオンモール成田と隣接する。開店当初は千葉三越(後の三越千葉店)を母店とするサテライトショップであったが、2017年3月に千葉店が閉店したため、2021年現在は他3店舗と同様に三越日本橋本店・伊勢丹新宿本店のサテライトショップとなっている。
エムアイプラザ1号店のMI河辺は7年で閉店
エムアイプラザ河辺(東京都青梅市)は2013年9月に開店。売場面積は300㎡。JR青梅線河辺駅近くの大京が開発を手掛けた分譲マンション(ライオンズプラザ河辺駅前・地上12階建)1階の地場玩具チェーン跡への出店で、道路を挟み西友河辺店と隣接する。
河辺店は三越伊勢丹の編集型小型店新業態「エムアイプラザ」の1号店として、従来の高価格帯衣料や贈答品中心のサテライトショップと異なり、グロサリーや雑貨中心の商品構成とするなど、意欲的・実験的な売場づくりをめざしたが、僅か7年での閉店となってしまった。
三越伊勢丹、小型店「180店展開」めざすも閉店相次ぐ
三越伊勢丹は、小型店「エムアイプラザ」を三越伊勢丹HD経営改革の要となる新業態として、既存の外商事務所兼小型売店をリプレイスするかたちでショッピングセンターを中心に店舗網を急速に拡大。2016年2月には「2018年度(2019年3月期)までに180店舗体制」とする出店目標を打ち出した。しかし、大西洋社長(当時)の退任に伴い、MIプラザ業態での新規出店を凍結。小型店の出店自体も減っていた。
三越伊勢丹グループでは、2020年下期に松山三越が運営していた小型店「三越新居浜」「三越西条」「三越今治」を閉店したばかり。2021年2月28日には、2018年にリニューアルした恵比寿ガーデンプレイス内にある中型店「恵比寿三越」も閉店するほか、3月7日には仙台三越が運営する「エムアイプラザ三越登米佐沼」(2014年10月開店)が閉店する予定となっている。

恵比寿三越も2月28日に閉店する。
三越伊勢丹は、僅か数年前に打ち出した「小型店180店舗」の目標から大きく遠ざかることとなる。
(写真撮影:文鉄・お札とコインの資料館)
関連記事:恵比寿三越、2021年2月28日閉店-恵比寿ガーデンプレイスの核店舗
関連記事:イオンスタイル河辺、2019年8月9日開店-東急ストア・河辺とうきゅう跡
関連記事:イセタンマート、2020年12月16日開設-三越伊勢丹「アート特化」ネットショップ開設
関連記事:三越伊勢丹、ANNA SUI事業から2020年3月撤退-同社が展開するアナスイ店舗は閉店へ
関連記事:伊勢丹、2019年2月20日から包装紙を変更-22年ぶりに
岡山市民会館・岡山芸術創造劇場、2023年夏開館-千日前商店街に、路面電車の延伸も
岡山県岡山市の中心商店街である表町商店街エリアの南にある「千日前商店街」(岡山市北区)に、新たな岡山市民会館「岡山芸術創造劇場(仮称)」が2023年夏の開業をめざして建設されている。
市民会館が立地する千日前商店街では建設に先駆けて2020年初めにイメージの一新を図るためアーケードを撤去。さらに、近い将来、新たな市民会館前を走る国道250号線東山通りには岡山電気軌道が路面電車の新路線を開通させる計画も発表されている。

アーケード撤去前の岡山千日前商店街。
写真左奥が再開発エリア。
かつて賑わった岡山千日前、再び「演劇」の町に
千日前商店街はかつて映画館や劇場が集積しており多くの人で賑わったが、現在の表町商店街の中心や路面電車の電停から外れた場所にあり、約60年に亘って商店街の顔であった人気店「福福饅頭」も2019年3月に閉店するなど賑わいが失われつつあった。
特に、中心商店街の逆側にあたる商店街の南側では空き店舗が目立っていたため、再開発が検討されていた。

千日前商店街・福福饅頭前。
新たな市民会館「岡山芸術創造劇場(仮称)」が建設されているのは、この千日前商店街の南側・東山通り沿い。

岡山市による岡山芸術創造劇場(仮称)イメージ。
「岡山芸術創造劇場(仮称)」は地上6階、地下2階建て。延べ床面積1万9,700㎡で総工費は約235億円。大ホールは1750席、中ホールは800席規模で、立体駐車場や防災設備なども備える。
当初は2022年中の開館を目指していたが、工事の都合などから開館は2023年夏になる見込みだという。
なお、現在の岡山市民会館・市民ホールは老朽化しているため閉館する方針を発表している。

館内イメージ。
また、岡山芸術創造劇場に隣接してマンションを核にオフィスなどが入居する高層棟が設けられる。
路面電車も延伸-千日前は「電停前の商店街」に
千日前商店街では市民会館の進出を前に2020年はじめまでに老朽化したアーケードの撤去が行われた。近年、商店街内ではアジアン食堂「アジア市民会館」が開店するなど、市民会館の開業に期待する動きが高まっている。
さらに、岡山市は市内で路面電車を運行する岡山電気軌道と協力し、市民会館周辺の城下筋~国道250号線東山通りに路面電車の新路線を開通させる計画を発表している。

岡山電気軌道の路面電車。
新路線が建設されるのは、岡山電気軌道清輝橋線の大雲寺前電停と東山線西大寺町電停のあいだ、約600メートル。この区間を単線で結び、岡電が環状運転をおこなう計画だという。岡山市の総事業費は約9億円。軌道は札幌市電都心線でみられるような線路を歩道の片方に寄せるサイドリザベーション形式となり、市民会館前には電停が設けられる。

路線概要(グーグルマップに加筆)。
なお、新路線の開通は2023年の市民会館開館には間に合わないとみられる。

新たに路面電車の線路が敷かれる城下筋。
(2021年現在、右側にはマンションとラムーが立地)
近年、千日前商店街は人通りが少ない状況であったが、新たな市民会館と路面電車の新路線延伸に向けて、大きく姿を変える可能性もあろう。
関連記事:高島屋フードメゾンイオンモール岡山店、2021年2月28日閉店
関連記事:高島屋、岡山高島屋を2020年7月1日に完全子会社化-両備グループとの合弁解消へ
関連記事:イコットニコット、2018年12月7日開業-旧ダイエー岡山店・ドレミの街、丸井系運営に
関連記事:セガ・岡山ジョイポリス、2018年9月2日閉館-「杜の街づくりプロジェクト」本格始動
丸広百貨店日高店、2021年2月14日閉店-JR高麗川駅前、「ファミリーまるひろ」冠する最後の店舗
埼玉県日高市のJR高麗川駅前にある百貨店「丸広百貨店日高店(ファミリーまるひろ日高店)」が、2021年2月14日に閉店した。

丸広百貨店日高店。
JR高麗川駅前の丸広百貨店、22年の歴史に幕
丸広百貨店日高店は1999年10月開店。建物は2階建てで店舗面積は4,840㎡。建物は近隣住民が所有する。
丸広百貨店は地域密着型の中小規模百貨店に「ファミリーまるひろ」の愛称を冠しており、かつては「ファミリーまるひろ神明町」「ファミリーまるひろ新河岸店」を含め3店舗を展開していたがいずれも閉店済み。日高店はファミリー業態で最後の店舗となっていた。
日高店は2階建てながら日本百貨店協会に加盟しており、衣・食・住をフルラインで展開。1階にはフードコートも設けられており、駅前の核となっていた。

館内入口には寄せ書きメッセージが掲げられた。
ほぼ「売り切れ」となった最終営業日
最終営業日となった2月14日は、前日に地震があったにも関わらず閉店を惜しむ多くの客が訪れ、夕方には多くの売場の棚が空となった。

閉店直前の日高店店内。

殆どの売場では商品が売り切れとなった。
閉店時間になると、1階入口で閉店セレモニーが行われた。
日高店店長は同店の閉店理由の1つとして「食品が売上中心の店舗だったため競合店進出の影響を受けていた」ことを挙げたうえで、「21年間日高の人にお世話になったことに感謝を申し上げる。」「今後も川越店などの近隣の他の店舗を利用してほしい。」と締めくくった。

閉店の挨拶がおこなわれた。
店舗跡地の活用方法などについては、2月時点は発表されていない。
テナントについては、2階婦人服「アルファキュービック」「プチオンフルール」は2月18日に丸広百貨店東松山店2階で営業を再開するほか、飲食店「インディアンキッチン」、生花「アンジェフルール」、クリーニング「ラビット21」についても、旧店の近隣等に移転するとしている。
関連記事:イオンタウンふじみ野、2020年11月21日開業-日本無線跡、近隣のヨーカドー跡はヤオコー出店
関連記事:シティタワー所沢クラッシィ、2020年9月7日から商業フロア順次開業-住友商事・住友不動産、駅西口再開発の先駆けに
関連記事:トコトコスクエア、2020年9月一部開業-ダイエー・イオン所沢店跡、12月までにミスターマックスとオーケー出店
関連記事:グランエミオ所沢、2020年9月2日全面開業-西武所沢駅ビル、イセタンミラー・TSUTAYAなど126店が出店
関連記事:ドン・キホーテ川越東口店、2020年8月21日開店-丸井川越モディ跡、「アニメイト」「らしんばん」「ダイソー」など出店
関連記事:ビバモール東松山、2020年3月25日開業-ボッシュ工場跡地、ビバホーム・マミーマート生鮮市場TOPなど出店
渋谷マークシティ、2021年7月リニューアル開業-東急百貨店「フードショー」増床、1階に「ダイソー」大型店も
東京都渋谷区の渋谷駅前にある複合商業施設「渋谷マークシティ」の商業ゾーンが、2021年6月までにリニューアルオープンする。

渋谷マークシティ。
開業21年を迎える井の頭線ターミナル・マークシティ
渋谷マークシティは東京地下鉄・東京急行電鉄・京王電鉄が主体となって開発した地上25階・地下2階建ての複合ビルで、2000年4月に開業。
建物は2街区に分かれており、東側(JR渋谷駅側)はおもに京王井の頭線渋谷駅と渋谷エクセルホテル東急が入居する「マークシティイースト」、西側はおもにバスターミナル、東京メトロ車両基地、オフィスが入居する「マークシティウエスト」と呼ばれる。
また、両街区の下層階は商業ゾーンとなっており、そのうち地階・1階はおもに物販店が、2階の一部・3階の一部はおもにサービス店が、4階はおもに飲食店が出店する。
東横店閉店でフードショー増床-大型「ダイソー」も
今回、大型リニューアルがおこなわれているのは地階と1階。
そのうち、地階の核店舗である「東急百貨店 渋谷東急フードショー」は、2020年3月の「東急百貨店東横店」の閉店を受けて増床リニューアルされる。

旧・東横店。
「東急百貨店 渋谷東急フードショー」のリニューアルコンセプトは「SHIBUYA “ ENTERTAINMENT ”FOODSHOW」。
2020年9月より一部の売場を東横店からマークシティ地階に移設して暫定営業していたが、改装後はイースト・ウエストの地階、イーストの1階の殆どが東急フードショーの売場となる。
そのうち、仮営業中のウエスト地階は「生鮮・グロサリーゾーン」として2021年7月にグランドオープンするほか、イースト1階は「スイーツゾーン」となり、2021年6月にオープン。さらに、渋谷地下街には総菜などを販売する「デリゾーン」も展開し、2021年7月にオープンさせる。いずれも運営は東急百貨店となる。

渋谷マークシティの東急百貨店フードショーは増床へ。
なお、今回の改装に伴い銘店ゾーン「東急のれん街」は、2020年5月に「渋谷ヒカリエ ShinQs 東横のれん街」として移転リニューアルしたほか、2021年1月までに「アクアガール」「ユナイテッドアローズグリーンレーベル」「フライングタイガー」などが閉店している。

渋谷ヒカリエShinQs 東横のれん街 地下2階。
このほか、ウエスト1階の大部分はあらたな核店舗として渋谷最大級の100円ショップ「ダイソー 渋谷マークシティ店」が、2021年春にオープンする予定となっている。
ウエスト1階の延床面積は推定で6,000㎡ほどであり、ダイソーとしては都内屈指の大型店となることが予想される。
マークシティは渋谷駅前でありながら京王線やバスターミナル利用客以外は足を運ぶことが少なかった印象であるが、「東急百貨店の増床」に加えて「渋谷駅前では貴重な存在となる100円ショップの開業」によって、集客力が大きく増すことになろう。
追記:ダイソー新業態「スタンダードプロダクツ バイ ダイソー(Standard Products by DAISO)」も出店する。
関連記事:東横のれん街、2020年5月25日移転開業-渋谷マークシティからヒカリエShinQsに移転
関連記事:渋谷駅前の「青ガエル」、2020年7月までに大館市に譲渡
関連記事:JR原宿駅新駅舎、2020年3月21日供用開始-旧駅舎は解体へ
関連記事:コロンバン原宿本店、2020年2月16日閉店-東急・神宮前再開発で「オリンピアアネックス」と共に解体へ
関連記事:@cosme TOKYO(アットコスメ・トーキョー)、2020年1月10日開店-@cosme最大の旗艦店、原宿駅前のGAP跡に
関連記事:ウィズ原宿、2020年6月5日開業-「道」がある複合ビル、核は都心型イケア・ユニクロ
オークワオーシティ田辺、2021年2月20日閉店-跡地は田辺市役所、隣接地にオークワ田辺東山店が3月6日開店
和歌山県田辺市東山のオークワ系複合商業施設「オーシティ田辺」が、2021年2月20日をもって閉店する。

オークワオーシティ田辺店。
オークワグループの旗艦店として開業-約40年の歴史に幕
オーシティ田辺は1982年4月に開業。建物は地上7階建、敷地面積は約22,579㎡、店舗面積は7,499㎡。
開業当初は、低層商業棟(1~3階)に直営総合スーパー「オークワオーシティ田辺店」や市内初となるミスタードーナツ、高層ホテル棟(1~7階)にはオークフーズ運営の「紀伊田辺シティプラザホテル」が出店。
建物が高低差を活かした複雑な構造であったため、店舗正面には和歌山県道31号線田辺白浜線を跨ぐ「オークワ礫坂陸橋」を整備、県道側1階2階・ホテルエントランス側3階にそれぞれ玄関を設置。店内には3層を貫く吹き抜けと噴水、ホテルには和洋食レストランや結婚式場・宴会場・会議室を備えるなど、同社の旗艦店の1つだった。

県道31号線を跨ぐ「オークワ礫坂陸橋」。
オークワはオーシティ田辺の出店を機に、わくわくシティ尾崎(1986年11月)やスカイシティ泉南(1992年12月)、パームシティ和歌山(1993年11月)といった愛称に“シティ”を冠する郊外型ショッピングセンターの開発を進めた。
一方で、オーシティは1996年10月の「オークワパビリオンシティ田辺」の開業もあり、2000年代初頭までにグループ内外の専門店が撤退を開始。さらに、再開発構想が持ち上がったこともあり、高層階のホテルは2019年9月30日に閉館していた。

オークワオーシティ田辺店。
2021年2月現在のテナントはメガネ館ヤマナカが運営する眼鏡店「眼鏡市場」や1,100円カット専門店「カットコムズ」など4店舗のみとなっている。
オーシティ、市役所用地に-敷地に小型のオークワ開店
オーシティが立地する田辺市は、南海トラフ地震対策として老朽化した市庁舎を高台移転する方針を決定。
新庁舎整備計画地として「オーシティ田辺」の地権者である紀州のドンファンこと故・野崎幸助氏らとの交渉を開始、2017年8月に「田辺市新庁舎整備事業に係る基本協定書」を締結、2018年3月に「田辺市新庁舎整備事業に係る土地及び建物等の取扱いに関する確認書」を締結。そして、オークワの閉店・解体撤去と跡地への新庁舎整備、敷地内へのオークワ再出店の方針が決まった。
敷地は3分割され、その一部にはすでに「オークワ田辺東山店」(地上4階建、売場1階、建築面積は約2,149㎡、延床面積約7,995㎡)の建設が進められている。同店は3月6日に開店する予定。
また、オーシティの別館的存在だった「TSUTAYA WAYオーシティ前店」(イズミヤ紀伊田辺店跡)は「WAY書店 TSUTAYA田辺東山店」として2020年11月にリニューアルオープンしており、こちらも併せて営業を継続することとなる。
いかり摂津本山駅前店、2021年2月11日開店-ガーデンライフ岡本に
兵庫県神戸市東灘区のJR摂津本山駅近くの「ガーデンライフ岡本」に、いかりスーパーマーケットの高級食品スーパー「いかり摂津本山駅前店」が2021年2月11日に開店する。

いかり摂津本山駅前店。
有名惣菜店やベーカリー立ち並ぶ摂津本山にいかり出店
ガーデンライフ岡本は2000年9月に竣工。建物は地上14階建。
2021年現在は、低層階に化粧品店「POLA THE BEAUTY」やファストフード「マクドナルド」、カフェ「スターバックス」、地場生花チェーン「二楽園」の本店など出店。高層階は分譲マンションとなっている。
いかり摂津本山駅前店は、ガーデンライフ岡本1階の「ブックフォーラム岡本」跡に出店するもので、同社店舗としては神戸市内7店舗目、JR摂津本山駅/岡本駅周辺では2店舗目となる。
摂津本山駅前店では、生鮮食品(青果・精肉・鮮魚)に加え、店内製造のデリカコーナーを導入。同社が得意とする直輸入のグロサリー商品や自社製造の和食・洋食・中華惣菜・ベーカリーを取扱うことで、コンパクトながら充実の品揃えを目指す。
摂津本山駅前店店長は「いかりを育てていただいた岡本の地に、より便利でより上質で豊かな食生活をお届けしたい」とコメント。既存店舗(岡本店)は阪急神戸本線岡本駅・JR摂津本山駅ともに1kmほどの距離があったため、近隣のDONQグルメ館やグリーングルメ(旧・RF1)の路面店とともに、こだわりの食材を求める地域住民の需要を満たす駅近店舗として営業していくこととなる。
いかり摂津本山駅前店
住所:神戸市東灘区岡本1丁目2-18 ガーデンライフ岡本1階
営業時間:午前10時~午後9時
関連記事:ライフ阪神鳴尾店、2020年9月16日開店-阪神鳴尾・武庫川女子大前駅前ビルの核店舗
関連記事:KOHYO神戸店、2020年9月8日開店-光洋、JR神戸駅ナカ「ビエラ神戸」に再出店
スイートデコレーション本庄店、2021年2月11日開店-北海道のインテリア大手「スイデコ」、首都圏初出店
埼玉県本庄市のJR本庄駅近くにあるベルクのショッピングセンター「フォルテ本庄」に、北海道の大手家具店「長谷川産業グループ」が運営するインテリア店「スイートデコレーション」の首都圏1号店となる「スイートデコレーション本庄店(スイデコ・本庄店)」が、2021年2月11日午前10時に開店する。

スイートデコレーション本庄店(公式サイトより)。
フォルテ本庄、建替リニューアル進めていた
フォルテ本庄は、1999年4月に埼玉地盤のスーパー「ベルク」(現在はイオン系)がダイエーの総合ディスカウント「Dマート本庄店」(旧・忠実屋本庄店)を居抜き出店するかたちで開業。店舗面積は11,293㎡。熊谷市に本社を置く不動産会社(バナーズ)が所有する。
核店舗のベルクは2019年6月に敷地内で新築移転、8月からは別棟にドラッグストア「マツモトキヨシ」やファッションストア「パシオス」、100円ショップ「Seria」が順次開店するなど、建替えをともなう大規模リニューアルを進めていた。
本州で店舗網拡大に挑む道内大手家具店「スイデコ」
長谷川産業は1950年に創業、1953年6月に設立。
北海道内を中心に大型家具店「住まいのデパート長谷川」「スイートデコレーション」17店舗や住宅設計監理販売・建設資材卸売事業などを展開する。
スイデコは長谷川産業グループのなかでも、コンセプトに「やさしい♡かわいい♡きれい♡」を掲げる家具・雑貨・ホームファニシング専門店。長らく道内に特化した店舗展開を行っていたが、2016年3月には道外初・関西初となる神戸店(アグロガーデン神戸駒ヶ林内)、2017年10月には東北初となる新青森店(ガーラタウン青森内)を出店、2020年11月には首都圏初となる本庄店の出店に向けてバナーズと20年間の定期建物賃貸借契約を締結していた。
スイデコ首都圏1号店は「ビバホーム」跡
スイートデコレーション本庄店は、LIXILビバのホームセンター「ビバホーム本庄店」(2019年10月に増床移転のため閉店)跡に出店するもので、建物は地上2階建、延床面積は6,372㎡。

ビバホームは「ビバモール本庄」として移転した。
(撮影:たいせさん)。
スイデコ本庄店は、首都圏初の店舗として大型家具やインテリアに加え、アパレルや雑貨やガーデングッズなどを展開。スイデコが得意とする“かわいい”を強調した店づくりで差別化を図っていく。
スイートデコレーション スイデコ・本庄店
住所:埼玉県本庄市本庄2丁目3-37
営業時間:午前10時~午後8時
関連記事:西友行田佐間店、2020年10月26日閉店-旧・与野フードセンターYバリュー行田店、わずか8年で
関連記事:西友籠原店、2020年10月25日閉店-熊谷市の旧・とりせん、わずか7年で
関連記事:ドン・キホーテ驚安堂幸手店、2020年7月16日閉店-閉店相次ぐ驚安堂、女性特化新業態も1年で消滅
関連記事:MEGAドン・キホーテUNY本庄店、2020年5月19日開店-本庄駅南口近くのアピタ跡に
関連記事:ビバモール本庄、2019年12月4日開業-「スーパービバホーム」「ヤオコー」核、本庄市役所前に
カノン千住/千住ザ・タワー、2021年1月完成-トポス跡を再開発、東武ストア北千住店は2月11日開店
東京都足立区北千住の商店街「千住本町センター街」沿いの再開発事業「千住一丁目地区第一種市街地再開発事業」によって高層複合ビル「カノン千住」が2021年1月に完成した。
核店舗の「東武ストア北千住店」は2021年2月11日に開業する。

カノン千住。
全国最後のトポス、再開発のため2016年に閉店していた
カノン北千住の建設地の大部分にあった「トポス北千住店」は山口県のスーパー「丸信」(2000年倒産)がダイエーとの提携により「丸信千住店」として出店。建物は地下1階、地上4階建で、売場面積は4,137㎡。

トポス北千住店。
1977年にダイエー単独での運営になり、1981年からはダイエーのディスカウントストア「トポス」となったが、再開発のため2016年11月に閉店していた。
同店は全国で最後のトポスでもあった。
このほか、再開発エリアには「第一生命千住営業オフィス」、「東京都足立都税事務所(森鴎外旧居)」などがあった。
トポス跡、三菱地所のタワーマンションに
「カノン千住」の開発事業者は千住一丁目地区第一種市街地再開発事業組合と三菱地所レジデンス、三菱倉庫、杉本興業で、総事業費は約116億円。建物は地上30階・地下1階建て、高さ約112メートル。
そのうち、高層階は三菱地所レジデンスが事業主体となり、タワーマンション「千住・ザ・タワー」となる。

再開発実施計画地図。
(東京都ウェブサイトより引用)
1~2階には商業ゾーン「かのんSENJU」と認可保育園「ちぐさ保育園 カノン千住園」が入居。商業ゾーンには「しゃぶ葉」(3月18日開店)などが出店するほか、店舗向けの駐輪場なども設けられる。

カノン千住・フロアイメージ図。
(東京都ウェブサイトより引用)
核テナント、ダイエーから東武ストアにーUber導入
商業フロア1階には核店舗としてミニスーパー「東武ストア北千住店」が2021年2月11日に開店する。

東武ストア北千住店。
東武ストア北千住店の店舗面積は846㎡で、目標年商は19億円。
地域特性などから、生鮮食品は店内加工を中心とした商品を提供。高温のピザ窯で時間帯ごとに焼き上げるピザ、洋風カジュアルデリ、本格中華商品をコーナーとして展開するほか、セミセルフレジによるキャッシュレス決済、来店宅配サービス(買い物お届け便)、時間限定のウーバーイーツのデリバリーサービス(2月下旬開始・時間限定)を実施するとしている。

東武ストア北千住店
住所:東京都足立区千住一丁目30番3号
営業時間:9:00~22:00

(画像は東京都/東武ストアのリリースによる)
関連記事:サミット五反野店、2020年12月9日開店-旧店を建替えし「野菜工場」導入
関連記事:イトーヨーカドー食品館千住店、2019年3月15日開店-約3年ぶりの1号店復活、限定商品も展開
関連記事:ドン・キホーテ西新井駅前店、2018年3月2日開店-ドンキ集中出店の足立区、約1キロ圏内に3店舗