カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

エピコット長岡、2019年7月28日閉店-旧・長岡サティ・ニックホビーショップ

京都府長岡京市のJR京都線長岡京駅・阪急京都線長岡天神駅近くにある商業施設「エピコット長岡」が、2019年7月28日18時に閉店した。

エコピット長岡。

ニチイとして開店、大型ホームセンターも営業していた

エピコット長岡は1971年7月に「ニュー長岡ショッピングセンター」として開業。建物は地上3階建、延床面積は約6,652㎡、2019年現在は関西地盤の不動産ディベロッパー「賛栄商事」のグループ会社が所有する。
当施設には長らく、ニチイ(後のマイカル)の総合スーパー「ニチイ長岡店」が核店舗として営業しており、1990年代には同社の生活百貨店業態「長岡サティ」に転換したが、競合する総合スーパー(西友、イズミヤなど)と比較し小規模だったこともあり、マイカルの経営破綻より前の1998年に閉店していた。その後、サティ跡は賛栄商事グループを始めとする複数の生鮮小売業者により構成される「エピコット生鮮館」となった。
1995年11月には京都地盤のホームセンター「ニック産業」(ダイニック傘下)の旗艦店「長岡ニックホビーショップ」がニチイと並ぶ核テナントとして出店したが、こちらも2003年のケーヨーデイツーとの経営統合に先駆けて閉店している。

閉店は老朽化が原因-48年の歴史に幕

近年は1階に業務用食品スーパー「卸売ひろばタカギ」、2階には総合衣料品店「オンセンド」100円ショップ「シルク」、3階にはオフィス池田が運営する地域唯一のカラオケボックス「カラオケレインボー」、女性専用岩盤浴「マナアイランド」が出店していたが、2018年8月に食品核であったタカギが施設の老朽化に伴い閉店して以降、専門店が段階的に撤退、2019年7月28日のカラオケレインボー営業終了をもって完全閉店した。

オンセンド(旧ニチイ衣料品フロア)。

跡地は未定

賛栄商事グループはエピコット長岡と同様に閉店した「じゃんぼスクエア富田林」(旧・西友富田林店)跡地に、新たな施設を2020年を目処に開設する方針を決めているが、当施設の建替えなどについては発表されていない。
店舗近隣には総合スーパー「イズミヤ長岡店」「西友長岡店」、食品スーパー「平和堂フレンドマート長岡京店」、公設市場が母体となった「リバティ長岡」、有機食品スーパー「ヘルプ長岡」など、複数のスーパーが営業しており、競合が激しいエリアとなっている。
(写真:浅葱さん

関連記事:プラザ大手筋、2019年8月7日閉店-業務スーパーは7月28日に閉店、コマストアー・西友時代から50年の歴史に幕
関連記事:グランマークシティ東向日駅前、2018年4月完成-向日町サティ跡、ダイエー出店するも「ダイエー屋号なし」

レマンショッピングセンター・イズミヤ宮崎店、2020年2月閉店

宮崎県宮崎市の南宮崎駅近くにあるショッピングセンター「レマン」が2020年2月に閉店する。

レマンショッピングセンター・イズミヤ宮崎店・レマンホテル。

九州唯一のイズミヤ、別館は2013年に閉館

レマンショッピングセンターは1972年10月開業。もともとこの地には宮崎県農業試験場などが立地していた。
売場面積は10,908㎡で、建物はイズミヤが所有する。核店舗の「イズミヤ宮崎店」は九州で唯一のイズミヤで、当初は「宮崎いづみや」の運営であった。宮交シティ(ダイエー宮崎店)、宮崎寿屋百貨店も同時期の開業だった。

宮交シティ。

現在はテナントとして「100円ショップミーツ」、「ヘルストロン」などが出店するほか、屋上に遊園地「レマンランド」があることでも知られる。

屋上のレマンランド。

近隣では、宮交シティ(旧ダイエー、現イオン)が近年複数回に亘る改装をおこなっている一方、イズミヤは老朽化が進んでおり、2013年には別館の「レマンホテル」と附属する飲食店街が閉館していた。

跡地はパチンコ店か?

跡地の活用方法については7月現在発表されていない一方、地元紙・宮崎日日新聞によると、宮崎県外のパチンコ店などを運営する企業に売却されることが有力視されているという。
なお、レマンホテルの跡にはマンションが建設されており、現在は商業施設の敷地にマンションがあるように見える状況となっている。

関連記事:宮交シティ、2019年11月リニューアルーイオン南宮崎店は5月24日に先行リニューアル
関連記事:アミュプラザ宮崎、2020年秋開業-「JR宮交ツインビル」の核テナント

平和堂米原店、「平和堂フレンドマート」に建替えへ-現店舗は2019年8月20日閉店

滋賀県米原市のJR米原駅前に位置する総合スーパー「平和堂米原店」が2019年8月20日をもって閉店し、店舗跡地に平和堂の新たな食品スーパー「平和堂フレンドマート米原店(仮称)」が2021年を目処に開店する。

平和堂米原店。

2018年に閉店を撤回、縮小した米原駅前の平和堂

平和堂米原店は1986年10月に、JR米原駅西口にフルライン型の総合スーパーとして開業。営業フロアは1~3階、売場面積は6,911㎡。建物は平和堂が自社所有している。
開業当初は店内に時計台を設置、大手家電量販店「ベスト電器」の関西1号店(業務提携店舗)も出店するなど、米原の玄関口となる大型店として営業していた。その一方、近年は専門店の撤退が相次ぎ、2017年3月には売上低迷を理由に閉店を検討していることが報じられた。2018年には営業フロアを1階に集約、同店最大の特徴であった中古書籍売場や絵画売場を廃止していた。

名物だった古書売場。

2019年現在は、食料品や日用品、衣料品、銘店売場「湖国銘産品」といった直営売場に加え、100円ショップ「Watts with」(ワッツウィズ)や金券ショップなどが営業を行っている。

フレンドマートとして2021年を目処に営業再開

平和堂米原店は旧・米原町内唯一のスーパーであり、米原駅最寄りのスーパーは3km近く離れた距離にある旧・近江町の「バロー」「フタバヤ」(ともにバローグループ店舗、両店は徒歩5分圏内の距離に出店)のみとなるため、旧・米原町民を中心とした買物難民の発生や、駅を利用する観光客の利便性低下を危惧する声が上がっていた。
都商研の取材に対し、平和堂の担当者は「1年半後にフレンドマートという形で建替えをさせていただく」とコメントしており、閉店後は建物を解体し、食品スーパー「平和堂フレンドマート米原店(仮称)」として2021年を目処に再開店するとみられる。

関連記事:京阪交野タウン・平和堂フレンドタウン交野、2019年2月15日開業
関連記事:平和堂から公式VTuber「鳩乃 幸」デビュー-店頭での双方向対話も
関連記事:平和堂石山店、2018年8月19日閉店-築48年の平和堂4号店、跡地に新店舗建設へ
関連記事:平和堂米原店、当面存続へ-2018年2月閉店予定、地元の署名で
関連記事:エイスクエア、2017年9月6日リニューアルオープン-店舗面積6万㎡を超える巨大商業施設に
関連記事:平和堂近江八幡店、2016年10月16日閉店-人気の交通パノラマ館も閉館へ

天満屋広島アルパーク店、2020年1月31日閉店-三井不動産系から大和ハウスに施設売却

広島県広島市西区のJR山陽本線新井口駅・広島電鉄宮島線商工センター入口駅に直結するショッピングセンター「アルパーク」の核テナント「天満屋広島アルパーク店」(アルパーク天満屋)が、2020年1月31日をもって閉店する。

アルパーク西棟・天満屋広島アルパーク店。

まもなく開業30周年を迎える「アルパーク」

アルパークは1990年4月に、広島市西部で進められた臨海部開発プロジェクト「広島西部開発事業」(商工センター)の商業核として、広島市や大手不動産ディベロッパー「三井不動産」、準大手ゼネコン「フジタ」(現在は大和ハウス傘下)など民間企業複数社により開業した。

アルパーク東棟。

アルパークの建物は地上10階地下2階塔屋2階建(東棟)、地上5階地下1階塔屋1階建(西棟)、地上8階地下2階塔屋2階建(南棟・駐車場)、地上4階建(北棟)、施設全館の店舗面積は約90,200㎡、延床面積は約197,400㎡。
2019年7月現在は、西棟に百貨店「天満屋」、東棟に食品スーパー「スパーク」(広電ストアマダムジョイ跡)、紳士服「ORIHICA」、セレクトショップ「WEGO」、ファストファッション「UNIQLO」「GU」「Gap」、ベビー服・ベビー用品店「アカチャンホンポ」、靴量販店「ABC-MART」、雑貨「無印良品」、100円ショップ「ダイソー」、アミューズメント「namco」など専門店約140店舗が出店。北棟には「フタバ図書アルティ」、「スーパースポーツゼビオ」、「109シネマズ」のほか飲食店4店舗、美容院が出店する。

アルパーク通り。

天満屋グループの広島における旗艦店だった

天満屋広島アルパーク店は1990年4月に「アルパーク天満屋」として開業。運営会社再編の一環により1997年に現在の店名となった。営業フロアは1~4階、売場面積は26,421㎡。
2012年3月の「天満屋広島八丁堀店」(現・天満屋広島八丁堀ビル)閉店後も、天満屋の広島市内における百貨店旗艦店として営業を継続していたが、競争激化による業績不振を理由に2020年1月31日をもって閉店することが決定した。

天満屋は広島八丁堀店も閉店済み。

天満屋グループが広島市内で営業する百貨店店舗は、安佐南区のJR可部線緑井駅前に位置する「天満屋緑井店」(緑井天満屋)1店舗のみとなる。また、アルパーク天満屋が管轄する山口県周南市の「アルパーク天満屋周南ショップ」の営業継続については現時点で発表されていない。

三井不動産、アルパークを売却-大和ハウス系の運営に

アルパークは開業時には中四国で最大の商業施設で、日本国内では数少ない「郊外型百貨店」を核に据えた広域集客型ショッピングセンターである一方、郊外ながら駅からペデストリアンデッキを通じて直結するなど、競合施設よりも交通アクセスにおいて高い優位性を備えていたことから、山口県東部からも集客していた。
アルパークは2000年10月に東棟を増床、2008年からの大規模改装により2009年4月には北棟を新設するなど、集客力の向上のために設備投資を続けたものの、2019年5月には三井不動産グループが「競合商業施設新規開業の影響による施設売上下落」「築年数経過による施設競争力維持のためコスト増加」を理由に西棟・東棟を大和ハウス工業に売却。施設の運営形態及び専門店の営業継続が不透明なものとなっていた。

競争激化するショッピングセンターー後継テナントは?

アルパーク周辺では、2015年6月にイズミのショッピングセンター「ゆめタウン廿日市」、2017年4月にイズミの生活提案型ショッピングセンター「LECT(レクト)」が相次ぎ開業。

LECT.

さらに、アルパークからは距離があるものの同じく山陽本線の駅と直結する「イオンモール広島府中」が2015年から2016年にかけて増床を実施し中四国最大となる延床面積約256,000㎡を有するショッピングセンターとなったほか、2018年4月にイオンモール初となるアウトレットブランド「THE OUTLETS HIROSHIMA(ジ・アウトレット 広島)」が開業するなど、イズミとイオンの大手2社によるショッピングセンター競争が激化している。
wjvmyijf01
2019年現在中四国最大のSC「イオンモール広島府中」。

アルパークは2019年現在も、中四国地方ではイオンモール広島府中、イオンモール岡山に次ぐ規模を有するが、開業から築30年近く経過。さらに、開業当初から営業を続ける西棟・東棟と大型専門店や映画館が入居する北棟が分断されているなど、施設の構造が時代の変化に対応しきれていないといった課題が存在する。

既存のアルパークと離れた位置にある「アルパーク北館」。

アルパークでは2019年7月現在、売却以前と同様に「三井不動産商業マネジメント」により「三井ショッピングパーク アルパーク」として運営が行われているが、11月下旬を目処に三井ショッピングパークカードでのポイント付与を終了することを天満屋の閉店発表に先行して告知している。
アルパークは今後も営業を続けるものの、段階的に三井不動産との関係を薄めていき、将来的には完全に大和ハウスグループによる運営に移行するとみられる。
競合施設に存在しない「百貨店」の撤退は集客力に影響を及ぼす結果となるか、また、これを機に天満屋以上の集客力を持つテナントを誘致することができるのか、今後の動きが注目される。

関連記事:エディオン広島本店、2019年6月21日全面開業-旧店の建て替え完成
関連記事:JR広島駅ビル、20階建てに建替えへ-ASSEは2020年春閉館、広電「2階乗り入れ」に
関連記事:ジ・アウトレット広島、2018年4月27日開業-イオン、西風新都に「地域創生型商業施設」
関連記事:エキエ、2017年10月29日第1期開業-広島駅の新商業施設、全面開業は2019年春
関連記事:レクト、2017年4月28日開業-イズミの新業態、「カインズ」「T-SITE」広島初出店
関連記事:エキシティ・ヒロシマ、2017年4月14日開業-核店舗は「エディオン蔦屋家電」

関連記事:ビックカメラ広島駅前店、2016年9月14日開店-52階建「ビッグフロント」の核店舗

 

イオンスタイル河辺、2019年8月9日開店-東急ストア・河辺とうきゅう跡

東京都青梅市のJR青梅線河辺駅前に、イオンの総合スーパー「イオンスタイル河辺」が2019年8月9日に開店する。

2019年4月に閉店した「河辺とうきゅう」

イオンスタイル河辺の前身となる東急ストアの「河辺とうきゅう」は、再開発ビル「河辺タウンビルA館」の核テナントとして2007年4月に開店。建物は地上5階建で、売場面積は11,021㎡、公益財団法人東京都都市づくり公社が所有する。

河辺とうきゅう。

東急ストアの開業当初は総合スーパー業態として営業を行っていたが、2013年12月の改装を機に直営売場を大幅に削減し、2階直営食品・日用品売場を主とする食品スーパー業態に転換、3階・4階の直営衣料・書籍・文具・玩具売場跡を「パシオス」「マックハウス」などの専門店フロアに刷新したが、2019年4月30日をもって完全閉店していた。

イオンスタイル河辺、食に加えて化粧品や衣料品も展開

イオンスタイル河辺の直営売場面積は約3,500㎡、専門店売場面積は約5,200㎡(A・B棟含む)。
同店舗は東急ストアの一部専門店とパート社員40名を引継ぎ、商品、サービス、売場環境を一新し開店するもので、近隣住民や駅利用者の需要に対応した店舗づくりを行う。
2階フロアの直営食品売場では、青梅市の老舗酒造会社「小澤酒造」(1702年創業)の澤乃井酒粕と青梅産の豚肉「青梅豚」を使った豚汁「御嶽汁」のフリーズドライや地元産野菜を展開。グローサラント型売場「ここdeデリ」では、和洋中惣菜約40種類を提供する「リワードキッチン」や店内製造のピッツァ、3種類のカレーなども提供する。
3階フロアでは、イオン直営のインナーカジュアルストア「IC」や美と健康の専門ショップ「グラムビューティーク」を展開する。

東急時代からのテナントに加え、4店舗が新規出店

イオンスタイル河辺には東急ストア時代からの専門店として、東急百貨店のベーカリー部門として創業した「サンジェルマン」、イオングループの靴量販店「ASBee fam.」、100円ショップ「ダイソー」、書店「文教堂」、手芸用品店「クラフトハートトーカイ」など20店舗が引続き出店するほか、8月23日には新たな専門店として雑貨店「HIDE&SEEK」、眼鏡店「メガネフラワー」、とんかつ「かつ良」、釜揚げ讃岐うどん「きぬさ屋」の4店舗が新規出店する。

イオンスタイル河辺のテナント一覧
1階
  • ほっ!と保険(保険)
  • リンガーハット(ちゃんぽん)
  • かつ良(とんかつ)
  • 釜揚げ讃岐うどん きぬさ屋(うどん)
  • ハロースミス(合鍵・靴修理)
  • おしゃれ工房(洋服・バックお直し)
  • マミークリーニング(クリーニング)
  • 宝くじチャンスセンター(宝くじ)
  • ドコモショップ(携帯電話)(別館)
  • ロッテリア(ハンバーガー)(別館)
2階
  • サンジェルマン(ベーカリー・カフェ)
  • 文明堂(和菓子)
  • 伊藤園(お茶)
  • うおひで(魚惣菜)
  • 日本一(やきとり)
3階
  • ASBee fam.(靴)
  • シ・エ・ル(美容室)
4階
  • 文教堂(書籍)
  • クラフトハートトーカイ(手芸)
  • ダイソー(100円均一)
  • ハイド&シーク(雑貨)
  • メガネフラワー(眼鏡)
  • セイハ英語学院(教室)
  • ニットソーイングクラブ(洋裁教室)
イオンスタイル河辺

住所:東京都青梅市河辺町10丁目7番1号
営業時間:9時~22時(食品)
営業時間:9時~19時(イオン薬局、土日祝は18時まで)
営業時間:9時~21時(iC、グラムビューティーク)

関連記事:河辺とうきゅう、2019年4月30日閉店-河辺タウンビルの核店舗
関連記事:驚安堂あきる野店、2018年2月1日開店-ドンキのディスカウントスーパー、都内2号店

関連記事:“新”東京都立多摩図書館、2017年1月29日移転開館-国内最大の「公立雑誌図書館」、西国分寺に

プラザ大手筋、2019年8月7日閉店-業務スーパーは7月28日に閉店、コマストアー・西友時代から50年の歴史に幕

京都府京都市伏見区の伏見大手筋商店街近くに位置する商業施設「プラザ大手筋」が、2019年8月7日をもって閉店する。

プラザ大手筋。

伏見大手筋で最も歴史のある大型店、50年の歴史に幕

プラザ大手筋は1968年10月に、関西地盤の総合スーパー「コマストア伏見店」として開業。建物は地上5階地下1階建、店舗面積は4,153㎡。1971年にコマストアが西友傘下となったのち「西友伏見店」となり、1978年に開業した「ニチイ伏見店」(現・イオン伏見店)とともに伏見大手筋商店街の商業核としての役割を果たしていたが、西武セゾングループの経営悪化や六地蔵エリアへの競合店進出、建物の老朽化もあり1998年8月をもって閉店していた。
西友の閉店を機に現在の施設名に改称、ベストグループの「プラザ大手筋食鮮館」、関西地場大手家電量販店「和光デンキ」、100円ショップ「ザ・ダイソー」といった大型専門店3店舗により構成されるショッピングセンターとして営業再開した。

プラザ大手筋開業当初から残るダイソー伏見プラザ大手筋店。

プラザ大手筋として営業再開した当施設であるが、主要テナントの1つであった和光デンキが経営不振(のちに民事再生法適用、廃業)に伴い1年ほどで撤退。プラザ大手筋食鮮館は2000年に経営母体であったベストグループ(現在のユナイテッドベジーズ、ローソンストア100など)の解体に伴い、店舗の運営主体が「シートゥーネットワーク」、青果・精肉部門の運営主体が「オーエムツーネットワーク」に分離。その後、2003年にシートゥーネットワーク運営の大手食品スーパー「つるかめランド」に業態転換したが、同社の英国テスコ傘下入りによる首都圏特化、不採算店閉鎖の方針により2008年をもって閉店していた。
そのため、プラザ大手筋では2009年9月の1階への業態スーパー出店まで高層階(3階4階)のテナントのみ営業する状態が1年以上続くなど、入居テナントの移り変わりが激しい商業施設であった。

業務スーパーは移転検討、建物の跡地活用については未定

プラザ大手筋には2019年現在、京都地盤の老舗酒店「奥田商店」が運営する生鮮食品スーパー「業務スーパー&酒のケント」(2009年9月開店)、低価格衣料品店「オンセンド」、100円ショップ「ダイソー」の3店舗が営業するが、業務スーパーは7月28日に閉店、オンセンドとダイソーは8月7日に閉店することを発表しており、同施設は50年の歴史に幕をおろすとみられる。

業務スーパー&酒のケント大手筋店。(2009年9月開店)

業務スーパーは現店舗近隣への再出店を検討しているが、移転先については公表していない。プラザ大手筋の跡地活用について現時点では明らかにされていないが、解体するものとみられる。

業務スーパー・オンセンド・ダイソーの閉店告知。

関連記事:イズミヤ伏見店、2017年10月8日閉店-築47年・老朽化で、2018年冬の建替え目指す
関連記事:イトーヨーカドー六地蔵店、2017年2月19日閉店

DON DON DONKI クラークキーセントラル店、2019年8月1日開店-ドンキ、ルミネが出店する「セントラル」に出店

シンガポール共和国の複合商業施設「Clarke Quay Central」(Central)に、PPIHグループのドンキ新業態店舗「DON DON DONKI クラークキーセントラル店」が2019年8月1日に開店する。

Clarke Quay Central.

当初はパルコ運営、現在はルミネも入居する「Central」

DON DON DONKIクラークキーセントラル店が出店する「Clarke Quay Central」は2007年開業。建物は地上5階地下1階建で延床面積は約29,752㎡、地場大手不動産ディベロッパー「Far East Organization」が所有する。
開業当初、ファッションビル「パルコ」(PARCO(Singapore)Pte Ltd)が運営を手掛けていたことから、キッコーマン傘下の日系スーパー「ヤマカワ」(山川、Yamakawa Supermarket)、居酒屋「和民」、抹茶カフェ「辻利」、「麻布茶房北海道アイスクリーム」、「らーめん山頭火」といった日本ブランド、温泉を意識した公衆浴場「Ikeda Spa Prestige」(池田スパ)など日系専門店が多数出店していた。
2009年のパルコ運営撤退後も日系企業を中心とした商業ビルとなっており、2017年11月には2階フロアにJR東日本グループのファッションビル「ルミネシンガポール」が開業するなど、2019年現在も日本色が強い商業施設となっている。

DON DON DONKIの新業態、レストラン一体型店舗に

DON DON DONKIクラークキーセントラル店は、Clarke Quay Centralの地下1階に出店。売場面積は1,139㎡。DONDONDONKIとしてはシンガポール共和国内5店舗目。(Sweet potato factory業態除く)
同店舗では「レストラン一体型店舗」として、生鮮4品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)や酒売場、化粧品専門コーナーに加え、焼き芋メニューを提供する「Sweet Potato Factory」(DONDONDONKI店内初)やフードコートを導入、イートインスペースも併設する。フードコートには北海道スイーツカフェダイニング「HOKKAIDO MELT」や牛丼専門店「SUGIMOTO BONTA」、「シロイトンカツ」など、シンガポール初進出の日本食テナント6店舗が出店することから、PPIHグループは「日本の食文化だけでなく、新商品の情報発信とワクワクドキドキするお買い物の楽しさを体現できる店舗を目指す」としている。
Clarke Quay Centralの地下1階には開業以来長らく、日系スーパー「ヤマカワ」が営業していたが、サンテックシティモールの系列店舗を含めて2018年までに全店閉店していた。同施設へのDONDONDONKI出店により、約1年ぶりに日本食を取扱うスーパーが復活することとなった。

DON DON DONKI クラークキーセントラル店

住所:6 Eu Tong Sen Street, The Central,Singapore 059817
営業時間:24時間営業

関連記事:DON DON DONKI Sweet potato factory チャンギ国際空港ターミナル3店、2019年5月1日開店-ドンキ、「いも」特化の新業態
関連記事:ドンキモールトンロー、2019年2月22日開業-ドンキ、タイ初出店は日系店舗中心の商業施設に
関連記事:東急グループ、タイでタワーマンションなど大型の住宅分譲事業を発表
関連記事:ルミネシンガポール、2017年11月25日開店-ルミネ、海外初進出
関連記事:ドン・キホーテ、シンガポールに出店-東南アジア1号店

東急百貨店東横店、2020年3月31日閉店-再開発で

東京都渋谷区の渋谷駅に直結する百貨店「東急百貨店東横店」が、再開発のため2020年3月31日に閉館する。

東急百貨店東横店。

東京初の本格的ターミナル百貨店、86年の歴史に幕

東急百貨店東横店は1934年11月に東京初の本格的ターミナル百貨店「東横百貨店」(のちの東館)として開業。1951年には改装により「東横のれん街」と屋上ロープウェイ「ひばり号」を新設した。のちにロープウェイは撤去されている。
さらに、1954年に玉電ビルに増床するかたちで劇場「東横ホール」(1985年閉館)を目玉とした西館を、1966年に南館を開業させ、1967年の白木屋改名に合わせて「東急百貨店東横店」となった。

東急百貨店東横店南館。

売場面積は31,543㎡であったが、渋谷駅再開発のため2013年3月に東館を閉館。「東急のれん街」は渋谷マークシティへと移転している。また、2012年には渋谷ヒカリエに東急百貨店の売場である「ShinQs」(シンクス)も開業している。

渋谷スクランブルスクエアに専門店出店

東急百貨店東横店の閉店は再開発のため。
今後、東急東横店は地階食品売場など一部のみで当面営業。また、隣接地において2019年11月に開業する「渋谷スクランブルスクエア東棟」に東急百貨店の売場として化粧品、ファッション雑貨を扱う「+Q」(プラスク)、セレクトショップ「428-224」(シブヤ224)、食品コーナー「東急フードショーエッジ」などを出店させる。

渋谷スクランブルスクエア東館。

東急百貨店東横店の跡地には、2027年の完成を目指して「渋谷スクランブルスクエア西棟」などが建設される予定となっている。

関連記事:東急プラザ渋谷、2019年12月開業―10月竣工の「渋谷フクラス」に
関連記事:ジーユー渋谷店、2019年3月15日開店-GU、渋谷に2年半ぶり復活
関連記事:渋谷ストリーム、別館「ストリームホール」こけら落としに欅坂46-2018年9月13日開業、本館には「東急ストア新業態」も

ニコニコ本社・ニコファーレ、2019年7月31日営業終了-イベントスペースは11月開業のハレザ池袋「ハレスタ」に移転

KADOKAWA傘下の「ドワンゴ」は、同社直営の複合施設「ニコニコ本社」及びイベントスペース「ニコファーレ」を2019年7月31日をもって営業することを発表した。

ニコニコ本社が入居するP’PARCO。

ニコニコ本社、(原宿)時代から8年の歴史に幕

ニコニコ本社は2010年12月に、動画共有サイト「ニコニコ動画」(現・niconico)の複合施設として、東京都渋谷区神宮前に開業。建物は地上2階地下2階建。2011年4月の全面開業時には、公式ショップ「ニコニコショップ」やカフェ「TEA ROOM 2525」、ニコニコ生放送が配信可能な「サテライトスタジオ」を併設していたが、東京都豊島区東池袋の池袋駅に隣接するファッションビル「P’PARCO」(ピーダッシュパルコ)への移転に伴い2014年1月をもって営業終了していた。原宿のニコニコ本社跡は2019年現在、セレクトショップ「スピンズ」の2.5次元提案型業態「2.5SPINNS」として営業が行われている。
現在のニコニコ本社は、2014年10月にP’PARCO地下1階の一部と地下2階全フロアに開業。コンセプトに「ニコニコを365日かけて地上に再現する」を掲げ、原宿時代と同様に公式ショップやカフェ「nicocafe」が営業、サテライトスタジオ「ニコぶくろスタジオ」を併設するほか、イベントスペースも設置していた。
今回の営業終了に伴い、ニコニコ本社は原宿時代から8年の歴史に幕をおろすこととなった。

六本木ニコファーレも営業終了

ニコファーレは2011年7月に、動画共有サイト「ニコニコ動画」直営のイベントスペースとして、エイベックスグループのディスコ「六本木ヴェルファーレ」(2007年閉館)跡地に建設が進められたセントラム六本木ビル(現・ラウンドクロス六本木)地下1階に開業。ニコファーレは「ネットとリアルが融合する次世代ライブ空間」を掲げ、アイドルグループやVtuberによる各種イベント、ゲーム関連イベント、アニソンDJイベントの開催を特徴としていたが、ニコニコ本社の営業終了に合わせて同施設も8年の歴史に幕をおろす。

ハレザ池袋に後継施設-物販・カフェの存続は未定

ドワンゴは2019年11月に、旧豊島区役所跡地で建設が進められている複合施設「Hareza池袋」(ハレザ池袋)ホール棟の豊島区立芸術文化劇場「東京建物Brillia HALL」に後継施設「ハレスタ」を開設する。

ハレザ池袋。

一方で、2017年当時計画されていたニコファーレの施設名存続及びニコニコ本社が有していた物販・カフェ店舗の導入について現時点では未定となっている。

ハレスタのイメージ。

関連記事:キュープラザ池袋、2019年7月19日開業-都内最大級シネコンに日本初「4DX with ScreenX」
関連記事:池袋西口公園に「野外劇場」開設へ-2019年に、公園再整備で
関連記事:コスメロフト東急プラザ表参道原宿店、2019年4月19日開店-東急ハンズ跡に「コスメ特化」新業態1号店
関連記事:東急プラザ渋谷、2019年12月開業―10月竣工の「渋谷フクラス」に
関連記事:「ハレザ池袋」内に「ニコファーレ池袋」、2019年春開業-進む旧豊島区役所・公会堂跡再開発

フローリッシュタテマチ、2019年7月から解体-旧長崎屋・金沢テミス、ザイマックスが再開発へ

石川県金沢市の竪町商店街(タテマチストリート)にある商業施設「フローリッシュタテマチ」(旧・長崎屋金沢店OFF館、金沢テミス)の解体工事が2019年7月16日に開始された。
フローリッシュタテマチ(旧・長崎屋OFF館、金沢テミス)。

2館体制の大型総合スーパー「長崎屋」として開業

長崎屋金沢店は1969年10月に開店。1986年からは総合スーパー業態の「長崎屋金沢店生活館」とディスカウント業態の「長崎屋金沢店OFF館」の2館体制で営業を行っていたが、北陸鉄道石川線西泉駅近くへのショッピングセンター「長崎屋ラパーク金沢」(1993年10月開業)出店に伴い2館とも1993年までに閉店、生活館は同年中に解体されていた。

長崎屋金沢店OFF館。

北陸初の専門店が多くあった「テミス」

長崎屋OFF館の閉館後は日本総合企画グループが再生し、新たな商業施設「金沢テミス」(アメリカンマインドテミス)が1993年11月に開業した。
当施設には「ディズニーストア」、「タワーレコード」、「アニメイト」が北陸初出店。富山地盤のジーンズ・カジュアル衣料専門店「アメリカンスクエアマツヤ」やタカラグループの大型アミューズメント施設「タカラ島」も入居するなど、竪町を象徴する施設の1つとなっていた。
しかし、竪町商店街のユニー跡地に「金沢パティオ」が2007年4月に開業。「金沢ベルセル」がサブカル系に特化した大規模改装を2008年3月に実施したことで有力テナントが流出、さらに2009年には運営する日本総合企画グループが民事再生法を適用し倒産しており、近年は空きフロアが目立っていた。
日本総合企画グループの倒産後、当施設は「フローリッシュビル」に改称し、一部店舗が営業を継続していたが、セレクトショップ「SPINNS」のパティオ移転により閉館していた。
建物は地上7階建地下1階建であった。

不動産大手「ザイマックス」が所有するも跡地活用は未定

当施設は2019年7月現在、不動産大手「ザイマックスグループ」が所有しており、同社により委託を受けた解体業者により2020年6月30日までに解体工事を完了する予定。
ザイマックスグループは商業施設やオフィスの管理・運営のほか、宿泊特化型ホテル「からくさホテル」を展開するが、当施設の跡地活用については発表していない。

関連記事:パトリア七尾、2019年3月3日に閉館へ-運営会社の破綻で
関連記事:香林坊東急スクエア、2016年4月28日開業-グランドオープンは2016年秋
関連記事:「片町きらら」2015年9月18日開業-ロフトなど出店