カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

別府近鉄百貨店跡地に大型リゾートホテル、2021年5月26日着工-タワマン計画から宿泊施設に

大分県別府市のJR別府駅前にあった「別府近鉄百貨店」跡地に、「共立メンテナンスグループ」(東京都)の大型リゾートホテルが2021年5月26日に着工された。

ホテル建設工事が着工された近鉄別府店の跡地。
左側の建物は立駐・別館跡、向かいは開業したばかりのスーパーホテル。

1994年閉店の近鉄百貨店跡、タワマン計画があったが…

別府近鉄百貨店は1958年に中村呉服店(1990年代廃業)の支店「中村百貨店」として開業。1960年に近鉄百貨店が購入し「別府近鉄会館」に、のち「別府近鉄百貨店」となった。
なお、一時期は館内地階に温泉が併設されていたが、のちに食品売場となった。
しかし1988年10月にすぐ近くにトキハ別府店(現:トキハ別府店東館)と別府ショッピングプラザコスモピア専門店街(現:トキハ別府店西館専門店街)が開業。売り上げが低下したため、1994年8月に閉店した。

トキハ別府店

その後、大分県宇佐市に本社を置くディベロッパー「本多産建」が本館跡地を買収し、温泉付きタワーマンションの建設計画を発表。再開発に向けて近隣のビル数軒も解体がおこなわれた。
2011年にはリーマンショックの影響を受け階数を15階建てに削減したものの、リーマンショックによって会社が事実上破綻状態となったことから着工されなかった。

本多産建(宇佐市、解体済み)。

跡地は更地のまま2014年に福岡県の不動産会社「樹」が購入し、賃貸駐車場「トラストパーク別府駅前」となった。
なお、別館・立駐は「つるみカーパークプラザ」として営業しており、1階は専門店街となっている。

「ドーミーイン」の共立メンテ、リゾートホテル建設

共立メンテナンスはビジネスホテル「ドーミーイン」で知られるほか、全国各地に共立リゾートなどが運営するリゾートホテルを約1200室展開している。
別府駅前に建設されるホテルは地上13階建て・客室数282室で、同社のリゾートホテルのなかでもかなり大規模なものとなる。建設主は土地を所有する「樹」。
敷地内には源泉があることから温泉が設けられると見られ、1階にはテナントゾーンも設けられる予定。

別府近鉄百貨店跡地に掲げられた建設計画。
奥に建設中のビルは「ホテルアマネク別府」。

近鉄跡では2021年5月26日ごろよりトラストパーク設備の撤去作業がおこなわれており、7月1日から本格的に着工される予定となっている。

徒歩圏に「星野リゾート」「アマネク」「アパ」建設中

近鉄跡の向かいには2020年7月に「スーパーホテル別府駅前」が開業したほか(1階テナントゾーンはテナント募集中)、徒歩圏には2021年6月に「星野リゾート界別府」が、2021年12月ごろに「ホテルアマネク別府」が、2022年春に「アパホテル別府駅前」が開業する予定で、駅前のホテル地図が大きく塗り替えられることとなる。

追記:建設計画図(2021年8月時点)


作成:都商研/元図:GoogleMap/出典:現地調査による。

ホテル名は「御宿 野乃 別府」が見込まれる。

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イオンそよら上飯田、2022年春開業-ダイエー跡、旧店よりも縮小に

名古屋市北区の上飯田駅近くにあった総合スーパー「イオン上飯田店(旧・ダイエー上飯田店)」跡地の東半分に、イオンの都市型商業施設「イオンそよら上飯田」が、2022年春に開業する。

イオンそよら上飯田。

47年の歴史に幕を下ろしたダイエー跡地

イオン上飯田店は1973年4月にダイトウオリベックビルの核店舗「ダイエー上飯田店(上飯田ショッパーズプラザ)」として開店。1984年に増床リニューアルした。

イオン上飯田店。

その後、ダイエーの総合スーパー事業縮小に伴い2016年3月をもってイオンリテールに運営移管され、イオン上飯田店となった。
建物は売場面積は13,036㎡で、未来屋書店、マツヤデンキ、カルディーコーヒーファーム、メガネの三城、キャンドゥ、モーリーファンタジーなど多くのテナントが出店していたが、老朽化のため2020年2月29日に閉店していた。
イオンは閉店に際し、新店舗はシニアをターゲットとした「食と健康」がテーマの商業施設を建設するとしていた。

ダイエー時代より縮小-核店舗はイオンスタイル

「そよら」はイオンの都市型店舗で、由来は「そら、寄って、楽しんでって!」。「イオンそよら上飯田」は3号店で、東海地方には初出店となる。

「イオンそよら」ロゴ。

イオンそよら上飯田の売場は1階と2階、延床面積は約9,163㎡。コンセプトは「暮らしの利便性を高めるコンパクトなまちの生活拠点」。コンパクトでありながらワンストップで買物できる「時短での買物」と、野外のテラススペースなどでの「時間消費」という、2つの「時間価値」を提供するとしている。
核店舗はスーパー「イオンスタイル上飯田(仮称)」。
「食と健康」をテーマとし、「採れたて地場野菜」「対面鮮魚コーナー」をはじめ、ベーカリー・サラダ・スイーツなどのデリカ商品を豊富に品揃えし「おいしく健康になる」売場を目指すという。
なお、敷地の西半分は長谷工グループの不動産大手「総合地所」の所有となっており、分譲マンションが建設される可能性が高い。

イオンそよら上飯田

住所 : 愛知県名古屋市北区織部町1丁目1番
営業時間:未定

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イオンモールダゴンセイカン、着工延期-2023年度のミャンマー1号店、クーデターで

イオンモール(千葉県千葉市)は、2023年度に開業予定だったミャンマー(ビルマ)初のイオンモール「(仮称)イオンモールダゴンセイカン」の着工を延期することを2021年5月に発表した。

ミャンマー初出店予定だったイオンモール

イオンモールが出店予定だったのは、ヤンゴン郊外のヤンゴン管区ダゴンセイカン郡区(タウンシップ)。
ダゴンセイカン郡区では新たな副都心計画の一つとして、2014年からミャンマー最大の不動産ディベロッパー「SHWE TAUNG(シュエタン)」グループにより新都市開発が進められている。

イオンモールダゴンセイカンの出店地。

イオンとイオンモールは、ミャンマー連邦共和国でショッピングモール事業を展開するためにシュエタングループとの合弁会社「AEON MALL MYANMAR CO.,LTD.(イオンモールミャンマー)」を設立。2021年夏ごろに1号店の着工を予定していた。
(詳しくは前記事を参照)

(仮称)イオンモールダゴンセイカン。

軍政による政変で着工延期に

着工の延期は、軍事政権下で先行きが見通せなくなったため。
イオンは、2016年からミャンマー各地でスーパーマーケット「イオンオレンジ」の運営もおこなっており、クーデターによる影響は大きいと考えられる。
一方で、イオンは「撤退は考えていない」としているといい、現時点では情勢が落ち着き次第イオンモールも着工されるとみられる。

関連記事:イオン、2016年8月1日にミャンマー進出-地元スーパー譲渡で
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ジ・アウトレット八幡東(仮称)、2022年春開業-スペースワールド跡、イオンのアウトレットモールに

福岡県北九州市八幡東区にあったテーマパーク「スペースワールド」跡に、イオンのアウトレットモール「ジ・アウトレット(THE OUTLETS)」を核とした複合施設が2022年春に開業する。

スペースワールド跡地・再開発の完成予想図(リリースより)。

イオン最大-アウトレット+科学館などの複合施設に

スペースワールドは1990年4月に新日鐵八幡製鉄所の一部敷地を利用して開園。開業当初は新日鐵、地元財界、自治体などが共同出資していた。
2005年からは北海道を中心にリゾート開発・再生を手掛ける「加森観光」(札幌市)傘下での運営となっていたが、2017年12月31日に閉店した。
なお、同園の大店法上の売場面積は3,403㎡だった。

スペースワールド。

スペースワールド跡に出店するのは、イオンが運営するアウトレットモール「ジ・アウトレット(THE OUTLETS)」。
ジ・アウトレットは2018年4月に開業したジ・アウトレット広島に次ぐ2店目となる。

ジ・アウトレット広島。

スペースワールド跡地の敷地面積は約27万㎡で、隣接地にある「イオンモール八幡東」と合わせた総敷地面積は約33万7000㎡となり、イオンモールとは連絡デッキで接続される。
総敷地面積はイオンのなかで最大の敷地面積である「イオンレイクタウン」(越谷市、総面積:337,357㎡)とほぼ同規模で、イオン最大級の店舗となる見込みだ。
なお、土地は日鉄系の日鉄興和不動産などが所有する。

開発地の概要(ニュースリリースより)。

イオンはこの新店を「地域創生型商業施設」と位置付けており、アウトレットエリアに隣接したスペースワールド駅側には国内外の観光客が誘致できるような「エンターテインメントエリア」も開設される。このエリアには、八幡東区桃園にあり老朽化が進んでいる「北九州市立児童文化科学館」の後継となる施設が開館する予定となっている。
同館には最新式のプラネタリウムも設けられるほか、スペースワールドから北九州市が引き継いだ宇宙関連の資料も展示されると思われ、かつてのスペースワールドに思いを馳せる内容となりそうだ。
建物は2020年12月に着工、5月時点では建物の工事も進められている。同店は2022年の開業であるが、イオンは従来店舗よりも空気循環を多くするなど「新型コロナ対策にも力を入れる」としている。

(仮称)八幡東田プロジェクト/ジ・アウトレット八幡東

住所:福岡県北九州市八幡東区東田4丁目1番101外

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ピーコックストア自由が丘店、2021年5月31日閉店-自由が丘学園→トモエ学園跡の旧・大丸、2023年再出店めざす

東京都目黒区の東急自由が丘駅前にあるイオングループ系の総合スーパー「ピーコックストア自由が丘店」が、建物の建て替え・再開発のため2021年5月31日をもって閉店する。

ピーコックストア自由が丘店。

自由が丘の“大丸”

ピーコックストア自由が丘店は、1968年11月に大丸傘下の総合スーパー「大丸ピーコック自由が丘店」として開店。建物は地上4階地下1階建で店舗面積は3,888㎡。隣接地に別館(飲食棟)と立体駐車場を併設する。
同社店舗としては1964年10月に開店した青山店(2019年2月閉店)に次ぐ首都圏2号店であったが、2013年4月のイオングループ傘下入りと社名変更にあわせて、現在の屋号に改称した。

店舗エントランス。

自由が丘店は長らく同社直営売場を中心にイトキン・ワールド系のブランドや百貨店向け惣菜ショップを配するミニ百貨店的店舗づくりを行っていたが、2009年10月のユニクロ導入と2013年10月のユニクロ売場拡張にあわせて全館リニューアルを実施した。

2021年時点のフロア構成。

リニューアル以降は、地下1階~地上1階に直営食品売場「ピーコックフードプラザ」やロックフィールド(RF1)の惣菜・サラダショップ「Green gourmet」「神戸コロッケ」、2~3階にファストリテイリングのファストファッションブランド「ユニクロ」やドトール系(旧・ユニマット運営)の高級カフェ「CAFE LA MILLE」といった専門店、4階に直営医薬品「ピーコックドラッグ」や直営衣料品・生活用品・インテリア雑貨売場、別館には「ドンク」「築地銀だこ」が出店するフロア構成となっていた。

52年の歴史に一旦幕、2023年目処に再出店へ

今回のピーコックストア自由が丘店閉店は老朽化による建替えを理由としたもの。同店を運営するイオンマーケット(旧・ピーコックストア)は新しく建設される建物に2023年を目処に再出店する方針を示している。

館内に掲示される「トモエ学園跡」案内。横には寄せ書き。

自由が丘店は、黒柳徹子氏の出身校として小説やテレビ朝日系連続ドラマの舞台となった「トモエ学園」跡地(東京大空襲で焼失)としても知られる。
1988年には敷地内に学園跡を示す記念碑が設置されているが、ピーコックストアの建替え後もこの記念碑は維持されるという。

自由が丘学園・トモエ学園跡の記念碑。

関連記事:ピーコックストア青山店、2019年2月28日閉店-旧大丸ピーコック都内1号店
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グランシップ、2021年7月15日全面開業-大船駅と直結、伊勢丹・ヤマダなど出店

神奈川県横浜市栄区のJR大船駅笠間口に複合商業施設「グランシップ(GRAND SHINP)」が2021年7月15日にグランドオープンする。

グランシップ。

ニチイ・サティ・ヤマダ跡、駅直結「大型商業施設」に

グランシップの建設前にあった建物は1976年4月に「ニチイ大船店」として開業。「大船サティ」に転換したのち、建て替え・再開発が検討されたものの2002年1月に閉店。その後「オー!プラッザ」となった。

オー!プラッザ。

建物は地下1階、地上5階建てで、売場面積は10,878㎡で、「ヤマダ電機 LABI大船」を核店舗に、食品スーパー「ライフ」、100円ショップ「ダイソー」など複数の専門店が出店していたが、大船駅北第二地区第一種市街地再開発事業のため2017年4月に閉店していた。

ライフ、ヤマダなどが2月から順次開業していた

「グランシップ」は東急不動産が中心となって開発したもので、商業施設は地下1階から4階まで、駐車台数は311台。名称は「大船」に由来する。建物はJR大船駅や駅前バス乗り場などとデッキ・連絡通路で接続されるほか、隣接して21階建ての分譲マンション「ブランズタワー大船」も併設されている。

連絡通路でバス乗り場などと接続される。

商業施設部分は2021年2月より順次開業している。
地階にはスーパーマーケット「ライフ」(2月27日開業)が再出店。売場面積は2,130㎡、年間売上目標は40億円で、ベーカリーコーナー「小麦の郷」を併設する。
3階・4階には「ヤマダデンキLABI大船」(3月12日開業)が再出店している。

1階・2階は伊勢丹が出店

1階・2階の核店舗「FOOD&TIME ISETAN OFUNA(フード&タイム 伊勢丹 大船)」は7月15日に開業する。店舗面積は約3,000㎡で、ストアコンセプトは、「地域の人々の暮らしに合わせて、一日を通して生活に寄り添う『All Day Casual Dining&Lifestyle』」。キャッチフレーズとして「Friendship ともだち×大船」を掲げる。
大船駅近くには2009年3月まで「鎌倉三越」が出店しており、三越伊勢丹としては11年ぶりの再出店となる。

コンセプトイメージ。

伊勢丹の1階は「もっとおいしく暮らす『大船キッチン』」。
デパ地下と同様の業態で、地元の有名店として鎌倉発祥のアップルパイ専門店「あっぷるぱい 考太郎」、耳までおいしい食パン「Bread Code by recette」、北鎌倉発祥のチョコレート専門店「Chocolaterie CALVA」、洋菓子カフェ「ル・ミリュウ鎌倉山」、三崎発祥のドーナツ専門店「ミサキドーナツ」などが出店。
そのほか、ライフが展開するオーガニック食品「ビオラル」、三越伊勢丹と提携関係にあるパリ発祥のドンク系ベーカリーカフェ「ジョアン」、とんかつ「新宿さぼてん」、鮮魚「魚の北辰」傘下の「鮨辰」などが出店する。

1階エントランス。

伊勢丹の2階は「もっと快適に暮らす『大船サロン』」。
化粧品「アインズトルペ」、美容室「aera AVEDA」、眼鏡「JINS」など、コスメ・美容・ファッション関連の店舗が出店する。

伊勢丹区画のテナント一覧。

グランシップでは4月28日に「マクドナルド」が、6月16日には「大船de焼肉DOURAKU」が開業するなど店舗区画ごとのオープンが続いていたが、この伊勢丹開業を以てグランドオープンを迎えることとなる。
(撮影:ITOさん

グランシップ

住所:神奈川県横浜市栄区笠間2-2-1
営業時間:9時30分~23時(ライフ)

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コミュニティ・ストア、2021年11月末までに全店閉店-国分グループ、新型コロナ影響で事業撤退

中堅コンビニ「コミュニティ・ストア」を展開する食品商社「国分グループ本社」傘下の「国分グローサーズチェーン」(東京都中央区)は、全事業を撤退することを2021年5月14日に発表した。
コミュニティ・ストアは2021年11月末までに消滅するとみられる。

コミュニティ・ストア八丁通りいたばし店(武蔵野市)。

「コミュニティストア」親会社は江戸時代創業の商社

コミュニティ・ストアの親会社である国分グループ本社の前身は伊勢商人により1712年に醸造業「大國屋」として創業。明治時代に食品総合商社となり、1915年に「國分商店」と改名した。
国分グローサーズチェーン」は1978年に国分子会社として創業。中堅コンビニ「コミュニティ・ストア」の経営、加盟店の経営指導、店舗設備機器、商品陳列器具の売買・ 賃貸などを主軸とするボランタリーチェーンの本部であった。
2021年現在の展開地域は東名阪の大都市圏を中心としており、学校内・事業所内店舗(一部は店舗一覧未掲載)なども少なくない。また、ローソンと提携する中堅コンビニエンスストア「スリーエフ」の直営店舗「gooz」(全3店舗)とも提携関係にある。
かつては北海道(一部は「K-nes」に)や九州(一部は「ベスト・マート」に)、四国等にも店舗があった。また、北関東中心に展開する「モンペリ」もかつては「コミュニティ・ストア」に加盟していた。

新型コロナなどにより業績悪化-会社清算へ

国分グループ本社によると、国分グローサーズチェーンは新型コロナウイルスの感染拡大などにより急速に経営環境が悪化。業績の回復が困難であるとして、会社清算を決めたとしている。
国分グローサーズチェーンは、今後は2021年11月末をもってすべての営業活動を終了、2022年4月末で会社清算の結了を予定している。
これに先駆けて、2011年から国分グローサーズチェーンと業務提携し生鮮コンビニ業態「京王ストアエクスプレス with コミュニティ・ストア」を出店していた京王グループは、グループ内の小型店をセブンイレブンに転換することを4月に発表している。
京王ストアエクスプレスwithコミュニティ・ストア1号店。
(東京都調布市/つつじヶ丘駅店)。

個人経営など多くのコミュスト店舗、引継先など未定

現在ボランタリーチェーンに加盟し「コミュニティ・ストア」として運営されている店舗の新たなFC契約先などは、運営する各企業や個人商店の判断にゆだねられるものと思われる。
そのため、当面のあいだ「コミュニティ・ストア」の看板のまま自主営業を継続する店舗や、京王グループのように企業・地域ごとに大手コンビニに加盟する店舗が現れる可能性もあろう。

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JR川崎タワー、2021年5月13日より順次開業-川崎駅西口のJR系複合施設「カワサキデルタ」全面開業

神奈川県川崎市の川崎駅西口で建設が進められていたJR東日本グループの複合施設「カワサキデルタ(KAWASAKI DELTA)」の中核施設となる「JR川崎タワー」が2021年5月13日より順次開業し、カワサキデルタはグランドオープンを迎える。

JR川崎タワー商業棟。

川崎駅西口南側にJR東日本系の大型複合ビル誕生

カワサキデルタ(KAWASAKI DELTA)の建物は3棟(JR川崎タワーオフィス棟・商業棟・ホテルメトロポリタン川崎)で、敷地面積は約12,400㎡、延床面積は約137,000㎡。
この地は長らく平面駐車場だった。「デルタ」の名称は、計画地の三角形の街区形状に象徴性を見出したことを由来としたものでJR東日本は「この象徴的な三角形の街区で、多様なヒト・モノ・コトが出会い、掛け合わさり、新たな価値・未来が生まれる場所になってほしい」という思いを込めたといい、「川崎のまちに、さらなる賑わいを創出する」としている。

オフィス・商業・ホテルで構成

カワサキデルタは、オフィス・商業棟の「JR川崎タワー」、ホテル棟の「ホテルメトロポリタン 川崎」、そして2階歩行者デッキ上の中央広場「デルタプラザ」で構成される。各棟2階は歩行者デッキ「川崎ペイブ」で接続される。
そのうち「ホテルメトロポリタン川崎」は2020年5月18日に先行開業済み。地上16階建、高さ約59m。店舗面積は約500㎡、客室数は304室。

ホテルメトロポリタン川崎。

JR川崎タワーオフィス棟は2021年4月に完成。地上29階地下2階建、高さ約128m。オフィス貸室面積は約66,000㎡、コンファレンスルームは約1,100㎡、保育施設は約400㎡、駐車場約200台を備える。
JR川崎タワー商業棟は地上5階地下1階建、高さ27m。物販フロア(カフェ&レストラン)は2階で面積は約2,500㎡、フィットネス&スパフロアは3~5階で面積は約4,000㎡となっている。

JR川崎タワー商業棟2階「CAFE&RESTAURANT」フロア。

この商業棟の今回の開業をもって「KAWASAKI DELTA」は全街区グランドオープンを迎える。

商業棟はおもに「飲食街」「スパ」で構成

商業棟は「飲食店」と「フィットネス・スパ」がメインとなる。
商業棟の2階「CAFE&RESTAURANT」は、5月13日より店舗ごとに順次開業。施設は「ジェイアール東日本ビルディングが運営を担う。
タリーズコーヒー」「日乃屋カレー」、横浜発祥の台湾風居酒屋「阿里城」、ラーメン「玉 GYOKU」、やまやの辛子明太子を好きなだけかけられる博多天ぷら定食専門店「博多天ぷら やまみ」、「ナポリの下町食堂」、「川崎市民食堂魚金-西」の7店が5月13日に開業。テラス席も設置される。なお、基本的に(通常時は)各店とも閉店時間は23時前後、最長で23時30分までとなる。

JR川崎タワー商業棟2階「CAFE&RESTAURANT」テラス。

さらに、5月19日には、JR川崎タワー商業棟3階~5階に「ジェクサー・フィットネス&スパ24川崎(JEXER FITNESS & SPA 24 川崎)」が開業する。
JR川崎タワー商業棟「JEXER FITNESS & SPA 24 川崎」バイク川崎。


JR川崎タワー商業棟「JEXER FITNESS & SPA 24 川崎」スパ。

なお、各棟の1階(グランドフロア)の大部分は駐車場となる。
このほか、オフィス棟2階には「ファミリーマート」、どろんこ会の認可保育園「メリー★ポピンズ川崎西口ルーム」の2店舗が出店している。

JR川崎タワー(カワサキデルタ)

住所:神奈川県川崎市幸区大宮町1番地5
営業時間:午前7時30分~午後11時30分
(商業棟/一部テナントは除く/コロナで変更あり)

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エアドゥとソラシドエア、経営統合へ-2021年5月中にも合意

エア・ドゥ」(Air Do、北海道札幌市)と「ソラシドエア」(Solaseed Air、宮崎県宮崎市)が経営統合する方針を固め、2021年5月中にも基本合意する。

「北海道」と「九州」の翼

「エア・ドゥ」は1996年に設立。当初は京セラ系や北海道財界が大株主となっていたが、2002年に民事再生法を申請。全日空の支援を受け経営再建することとなった。2021年現在は日本政策投資銀行、ANA HD(全日空グループ)、北海道財界が主な株主となっている。
1998年に就航した羽田-新千歳便をはじめとして、道内各地から本州各地に就航している。

エア・ドゥ「ベア・ドゥJET」(B767-300)。

スカイネットアジア航空は1997年に「パンアジア航空」として設立。1999年に「スカイネットアジア航空」に改称、2004年には「産業再生機構」の支援を受け経営再建をおこなった。2011年より愛称を「ソラシドエア」とし、2015年にブランド名に合わせ社名も「ソラシドエア」に改称した。当初から宮崎交通グループが大株主となっており、2021年現在は日本政策投資銀行、ANA HD(全日空グループ)も主な株主として名を連ねる。
2002年に就航した羽田-宮崎便をはじめとして、長崎・熊本・大分など、九州・沖縄を拠点に路線展開している。

ソラシドエア「がんばるけん!くまモンGO」(B737-800)。

コロナ禍で大きな赤字-新設する持ち株会社の傘下へ

両社はいずれも2021年時点で日本政策投資銀行、ANA HD(全日空グループ)が大株主となっており、ANAと共同運航をおこなっている。一方で、両社ともコロナ禍で大きな赤字を抱えることとなっていた。
北海道・宮崎県内各メディアの報道によると、経営統合では新たに設立する持ち株会社の傘下に「エア・ドゥ」「ソラシドエア」両社が入ることが検討されているという。

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東急百貨店渋谷本店、2023年1月31日閉店-東急文化村も長期休館、LVMHグループと共同で新店舗建設へ

東急グループの「東急」「東急百貨店」、高級ブランドを傘下にもつLVMHグループルイヴィトン・モエヘネシー)の不動産投資会社「L Catterton Real Estate(LCRE)」は、「渋谷区道玄坂二丁目24番土地における開発計画」を3社で推進していくことに2021年5月13日正式合意した。
追記:閉店日は2023年1月31日となる。

東急百貨店 渋谷・本店。

これにともない、再開発のため東京都渋谷区の東急グループ系複合施設「Bunkamura(東急文化村)」は2023年4月から大規模改修工事(長期休館)を開始。東急グループ系百貨店「東急百貨店 渋谷・本店」は2023年春以降に一旦「閉店」、現店舗の建物は解体する方針となった。

「東横・白木屋」統合後初の店舗-実は小学校跡地

東急百貨店渋谷本店は1967年11月に開店。もともとこの地には渋谷区立大向小学校があったが、同校は神南の米軍住宅「ワシントンハイツ」跡地へと移転し、のちに大和田小(現:渋谷区文化総合センター大和田)、渋谷小(現:美竹の丘・しぶや)との学校統合で1997年に神南小学校と改称した。
現在の東急本店は地上9階地下3階建てで、店舗面積は35,124㎡(東急百貨店:32,133㎡)。1989年9月には「シアターコクーン」「オーチャードホール」などの公演施設を備える複合施設「Bunkamura(東急文化村)」(2,991㎡)が開業、1990年8月には百貨店も増床した。
東急は同店の開業に合わせて、1967年に「東横百貨店」と「白木屋」の国内店舗を「東急百貨店」の屋号に変え、CIを実施している。

東急本店、再開発で休店-「世界級施設」に

東急グループとLVMHグループは、東急本店一帯の再開発について「隣接するBunkamuraとの一体化により、「感動」「高揚」など真の豊かさを感じる、日本を代表するワールドクラスクオリティの施設を渋谷エリアに創出する」としている。
ちなみに、ルイ・ヴィトンなどを傘下に持つLVMHグループは大丸松坂屋百貨店などとともに銀座松坂屋を再開発した複合商業ビル「GINZA SIX」も手掛けている。

同じく「百貨店×LVMH」で再開発したGINZA SIX。

渋谷駅周辺では東急グループによる再開発が進んでいるほか、東急本店向かいのドンキホーテ渋谷店旧店跡ではPPIHグループ(ドンキ)による再開発もおこなわれている。
東急本店の再開発後の建物の具体的な規模・構成などは5月時点で発表されていない。
一方で、近隣では2020年に再開発のため閉店した「東急百貨店東横店」は、現時点では1つの建物として復活することなく、旧来の百貨店とは異なったかたちで「渋谷マークシティ(フードショー)」「渋谷ヒカリエ(シンクス)」「渋谷スクランブルスクエア」の3館に分散移転している。
また、東急本店と同じく「百貨店×LVMH」で再開発した「GINZA SIX」も、再開発後は百貨店ではなく一部に百貨店売場が出店したうえで「複合商業ビル」として営業することとなった。
東急本店の再開発後の建物は「ワールドクラスクオリティの施設」にするとしているが、再び現在と同じ場所・同じ業態の「東急本店」として復活することになるのかどうかは不透明だ。

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