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イオンタウン松原、2023年9月21日から順次開業-ダイエーイオンフードスタイル松原店を核に、ハンズマンは本州初出店

大阪府松原市の国道309号線沿いに、ショッピングセンター「イオンタウン松原」が2023年9月21日から10月12日にかけて開業する。

イオンタウン松原。

河内松原駅・高見ノ里駅から1キロの場所にイオンタウン

イオンタウン松原が出店するのは、近鉄南大阪線の河内松原駅・高見ノ里駅から約1kmほどの国道309号沿い。当初は「イオンタウン松原新堂」という仮称だった。
周辺はもともと田畑が広がっていたが、区画整理が進んでいた。
コンセプトは「日々の暮らしに、新たな出会いと発見を求めて」。建物は2階建てで、延床面積は約47,073㎡となる。

ダイエー、高見ノ里エリアに再出店

核店舗は「ダイエーイオンフードスタイル松原店」。
松原市では現店舗から僅か1キロほどの高見ノ里駅前に「ダイエーグルメシティ松原店」が2009年まで営業していたため、14年ぶりの再出店となる。

ダイエーイオンフードスタイル松原店。

ダイエーは1階のみで、店舗面積は約1,864㎡。
店内には直営ベーカリー「D’s ベーカリー」を導入するほか、冷凍食品を強化。高い鮮度を維持した冷凍食品「冷凍dai革命商品」として展開する。また、10月下旬から「ダイエーネットスーパー」を開始する。

本州初巨大ホムセン「ハンズマン」など37店出店

もう1つの核店舗であるホームセンター・雑貨店「ハンズマン松原店」は延床面積27,700㎡。ハンズマンは本州初出店で、地域最大級のホームセンター・雑貨店となる。

ハンズマンなど37店舗が出店する。

このほか、物販店として衣料品「パレット」、子供服「西松屋」、スポーツ用品「ヒマラヤ」、ドラッグストア「ウエルシア」などが、飲食店として「バーガーキング」「スガキヤ」「一風堂」「びっくりドンキー」「大阪王将」などが出店。
また、ダイエーのほかにも食品物販ゾーン「新堂マルシェ」も設けられており「雄加丑食品」「日本鮮魚」「京美」などが出店する。
総テナント数は37店舗となる。
なお、一部専門店は10月9日に、ハンズマンは10月12日に開店する予定となっている。

イオンタウン松原

大阪府松原市新堂4-1154
ダイエーの営業時間:9時~22時
ハンズマンの営業時間:7時~22時

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ドン・キホーテ ドミセ アリオ八尾店、2023年9月8日開店-ワケアリ業態「ドミセ」が大阪・西日本初出店

大阪府八尾市の近鉄八尾駅前にあるセブンアイのショッピングセンター「アリオ八尾」1階に、ドンキのワケアリ新業態小型店「ドン・キホーテ ドミセ アリオ八尾店」が、2023年9月8日に開店した。

ドミセ、アリオ八尾に2号店

ドミセは「『驚きのニュース』がない商品は、発売しない。」を志として、「おドろき専門店」をコンセプトに「情熱価格」などドンキのPB商品を中心に品揃えする新業態。

ドミセ アリオ八尾店。

ドミセは大阪のみならず西日本全体で初出店で、アリオ八尾店の店舗面積は634㎡。狭いながらも約 4,200点の商品をバラエティ豊かなラインナップで展開するとしている。
店内には1号店の道玄坂店と同様に、担当者の反省文・言い訳を掲示する「ドすべり」をはじめ、「ドップ10」「ドこたえ」「ド試し」などユニークなコーナーも設置するほか、ドミセでしか買えない限定焼き芋お菓子などの販売もおこなう。

ドミセ アリオ八尾店

大阪府八尾市光町 2 丁目 3 番地 アリオ八尾1F
営業時間:10時~21時

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そうてつローゼン品川南大井店、2023年9月27日開店ー相鉄電車に続いて「東京23区初進出」、立会川駅近くのニチイ1階に

東京都品川区の京急立会川駅近くに、相鉄ローゼン(神奈川県横浜市西区)の東京23区1号店となる「そうてつローゼン品川南大井店」が2023年9月27日に開店する。

相鉄ローゼン、都内は町田にしか出店していなかった

相鉄ローゼンの東京23区初出店となるのは、介護・教育大手のニチイグループ(ニチイ学館)が運営する複合ビル「ニチイホーム南大井」の1階。
上層階はニチイが運営する高齢者住宅となっている。

ニチイホーム南大井店。(公式サイトより)

相鉄ローゼンは相鉄HD(相模鉄道)の子会社であり、神奈川県と東京都町田市に51店舗を展開しているが、東京23区内へは初出店となる。
(八王子市にはかつて店舗があった)

相鉄ローゼン都市型小型店の新フォーマットに

そうてつローゼン品川南大井店はワンフロアで、店舗面積は約453㎡。
おもに食品のみを取り扱うミニスーパーでありながら、高効率の小型店の新フォーマットとして、スペースの効率的活用と作業効率化を追求する。
また、都心型店舗ということもあり、即食・簡便・時短商品を充実、選ぶ楽しさやシースルー厨房では店内調理によるライブ感を提供。単身・少人数世帯が多い地域に合わせて、中小容量商品を中心に品ぞろえするほか、葉山発祥のベーカリー「葉山ボンジュール」のパンを常時約30種類展開するとしている。

相鉄ローゼン南大井店。

相鉄新横浜線・東急新横浜線の開業により、東急電鉄・東京メトロ・都営地下鉄・埼玉高速鉄道・東武鉄道との直通運転を開始したばかりの相模鉄道。
今後は相鉄車両やビジネスホテルと同じく、相鉄のスーパーマーケットも東京都心で見かけることが増えていくかも知れない。

相模鉄道。

そうてつローゼン品川南大井店

東京都品川区南大井4丁目14番6号  ニチイホーム南大井1階
営業時間:10時~23時

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エコさとちょう大鰐店・平賀駅前店、2023年9月12日閉店-「SDGs」掲げるアウトレット業態、佐藤長の倒産後初の閉店に

青森県津軽地方を中心に食品スーパー「さとちょう」を展開する「佐藤長」(青森県弘前市)が運営する新業態スーパーの、青森県南津軽郡大鰐町の「エコさとちょう大鰐店」と青森県平川市の「エコさとちょう平賀駅前店」が、2023年9月12日に閉店する。

さとちょうグループルミエール平賀店。
(現エコさとちょう平賀駅前店)

5月に誕生したばかり、佐藤長の「ワケアリ」販売店

佐藤長は2023年5月に新業態「エコさとちょう」1号店として「エコさとちょう小比内店」「エコさとちょう大鰐店」を開店。
エコさとちょうは「SDGs取組店」「フードロス撲滅」を掲げ、賞味期限間近の商品や賞味期限切れ商品といった「訳あり商品」を現金特価で展開するという、地場同業にはない意欲的な試みを打ち出していた。

ママの店。(現エコさとちょう大鰐店)

佐藤長は2023年6月1日に平賀駅前店(旧ルミエール平賀店)を、8日には浪岡店を同業態に転換するなど、自社系列店舗を含む近隣競合店との差別化策として、フードロス問題の解決策のひとつとして注目を集めたが、同社が前社長の逮捕の影響もあり2023年6月26日に民事再生法を申請、7月11日の民事再生手続きを開始するなど、先行きが危ぶまれていた。

残る店舗は「営業継続」表明

佐藤長は2023年9月現在、青森県内に食品スーパー26店舗を展開しているが、エコさとちょう大鰐店・平賀駅前店を除く、残る24店舗は当面営業を継続する方針を示している。

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イオンそよら東岸和田、2023年9月26日開業-ニチイ・サティ跡にイオン再出店、スタバ・マクド・ヤマダなども

大阪府岸和田市のJR東岸和田駅前にあるショッピングセンター「トークタウン東岸和田」の「イオン東岸和田店」跡地に、イオン系ショッピングセンター「イオンそよら東岸和田」が2023年9月26日に開業する。

イオンそよら東岸和田。

建て替え中だった東岸和田のイオン、3年ぶりに復活

トークタウン東岸和田ニューキャッスルショッピングデパート協同組合)は1979年11月に開業。もともとこの地には黒崎窯業岸和田工場(現・黒崎播磨)があった。岸和田に本社を置く岩出建設グループが建物を所有しており、管理・運営をおこなっていた。

トークタウン東岸和田・イオン東岸和田店。

当初の核店舗はニチイ東岸和田店で、1993年には映画館(シネマコンプレックス)「ワーナー・マイカル・シネマズ岸和田」が開館、1994年には岸和田サティに転換し(2011年にマイカルとイオンが経営統合したことに伴い「イオン東岸和田店」に改称)、1999年に増床が行われた。その後、ワーナーマイカルシネマズは2008年に閉館。さらにトークタウン本館が老朽化による建て替えのため2020年に閉館した。建物は地上5階建で、店舗面積は31,630㎡だった。
なお、別棟のトークタウン専門店街の多くの店舗は建て替え中も営業を継続。専門店が営業を続けるための新棟も建設された。

イオンを核にスタバなど出店、キャンドゥなど再出店も

「そよら」はイオンの都市型店舗で、由来は「そら、寄って、楽しんでって!」。そよら東岸和田の建物は地上2階建てで、売場面積は約17,707㎡となる。

そよらのロゴ。

核店舗は再出店となる総合スーパー「イオンスタイル東岸和田」。店舗は1階~2階、直営面積は5,217㎡。館内には銘品コーナー「DISCOVER 岸和田」、イオンの調剤薬局「イオン薬局」、「キャンドゥ」、CATV「テレビ岸和田」などが出店する。
イオンは再出店に合わせて7月に岸和田市と包括連携協定を締結しており、新たにご当地WAON「きしわだWAON」の発行をおこなう。

イオンスタイル東岸和田。

そのほか、敷地内には複数の別棟が設けられており、別棟の大型テナントとしては「ヤマダデンキ」「ユニクロ」「#ワークマン女子」「JINS」「シャトレーゼ」「スターバックス」「マクドナルド」「イオン薬局(2店目)」「ホリデイスポーツクラブ」 などが出店する。

フロア構成。(公式サイトより)


別棟・ヤマダデンキ。

このほか、トークタウン専門店街のなかで営業を続けていた「NOVA」「たこ焼き得心」「新日本旅行」「カーブス」なども営業を継続する。

トークタウン専門店街。

そよら東岸和田・イオンスタイル東岸和田

 大阪府岸和田市土生町二丁目32番地39号
営業時間:8時~23時(イオン食品)

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ライフ桜ノ宮店、2023年9月6日開店-関西電力都島社宅跡地に

大阪府大阪市都島区のJR大阪環状線桜ノ宮駅と大阪メトロ(旧大阪市営地下鉄)谷町線都島駅近くに、ライフコーポレーションの食品スーパー「ライフ桜ノ宮店」が2023年9月6日に開店した。

人口増加進む都島区にライフの新店舗

ライフ桜ノ宮店の建物は地上2階建で営業フロアはワンフロア(1階)、売場面積は1,101㎡。桜ノ宮店の開店により同社店舗は303店舗体制となる。

ライフ桜ノ宮店。

ライフ桜ノ宮店は「大阪市中心部へのアクセスの良さから、単身世帯や共働き世帯に人気で、人口が年々増加している地域」という立地特性を活かし、農産部門では有機JAS規格適合農産物に加えて「八百屋さんの手作りサラダ」「八百屋さんのおいもスイーツ」を展開する。
また、水産部門では対面調理場の導入に加えて、生ネタ使用のにぎり寿司・海鮮丼を中心とする「うを鮨」やフライパンで調理可能な「冷凍ミールキット」を展開。畜産部門では冷凍大容量パックや個食鍋、レンジ対応商品に加え、自社オリジナルのシーズニングで味付けた「ローストビーフ」を展開。惣菜部門では専用調理機器による焼き上げを特徴とした「洋風DELI」シリーズや手作りパスタ・手作りおにぎり、インストアベーカリー「小麦の郷」を展開する。
そのほか、ライフの有機食品スーパー「ビオラル」特設コーナーや快適睡眠コーナー、地元ベーカリー「パパンツリー」のアジアン商品を展開するなど、食卓をサポートする商品やSNSでのトレンドを意識した商品、時短・簡便商品の拡充により、「いつでも・安心して・楽しくお買い物ができる」お店を目指すとしている。

ライフ桜ノ宮店のフロアマップ。

ライフ桜ノ宮店

住所:大阪府大阪市都島区都島中通1-9-3
営業時間:9時30分~24時

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そごう・西武、2023年9月4日に新人事発表-親会社の 劉 勁氏が代表に、投資ファンド色が強まる

大手百貨店「そごう・西武」(本社:東京都豊島区 西武池袋本店書籍館)は、外資系投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」(本社:米国)傘下となったことに伴い、2023年9月4日に経営体制変更と役員人事を発表した。

そごう広島店。

「そごう・西武」外資へ売却:これまでの経緯

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そごう・西武、新人事でフォートレス色つよめる

新たに2023年9月1日よりそごう・西武の代表取締役に就任したのはフォートレス・インベストメント・グループ・ジャパン(本社:東京都港区 六本木ヒルズ)の出身で、フォートレス傘下のレオパレス21の取締役なども務める劉勁氏(39歳、モルガン・スタンレーMUFG証券→フォートレスジャパン出身、中国・内蒙古自治区生まれ、東大院卒)。大手百貨店の代表としては異例の若さとなる。
8月に代表取締役社長になった田口広人社長(62歳、西武百貨店出身)は代表権が外れ、取締役社長執行役員社長に就任した。
フォートレスからはこのほか2人が取締役会に入った。また、8月に取締役となった3人は執行役員に降格した。
そごう・西武では、8月1日にセブン&アイHDが売却を急ぐべく、社長を林拓二氏(70歳、西武百貨店出身)から田口広人氏に交代。このほか、3人の取締役を送り込んでいた。

西武百貨店(西武池袋本店)。

そごう・西武は、今回の役員人事について「親会社であるフォートレス・インベストメント・グループLLCの関連事業体である特別目的会社(フォートレス)を中核とした企業集団とのシナジーを最大限に発揮させるため」であるとしている。
経営陣の中心がフォートレス出身に刷新されたことによって、今後のそごう・西武の経営方針の発表などが待たれる。

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井上百貨店本店、2023年8月31日減床ーEC拡充しつつ4階以上を改装、5階は「オフィス化」

長野県松本市のJR松本駅近くにある百貨店「井上百貨店本店」が、2023年8月より4階から6階の改装を行うことが都商研の取材で分かった。
同社は2022年よりEC事業の拡大を図っているが、これに呼応するかたちで5階売場を8月31日で営業終了するなど、実店舗は事実上の減床(売場縮小)となる。

井上百貨店本店。

創業約150年、かつては2館体制だった

井上は1885年に呉服店として創業、1979年に現在の店舗へ移転した。
かつては本館と新館の2館体制であったが、2010年に新館(現在「コングロM」として丸善など出店)を閉鎖した後は本館に売場を集約し営業している。
本館の売場は地階から7階、店舗面積は8,000㎡となっている。

井上本店、13年ぶりの大規模改装-売場は縮小

都商研の取材によると、井上百貨店本店本館のうち、おもに家庭用品や子供服を扱っていた5階売場は8月31日をもって営業終了、オフィス(事務所)に転用される。
5階で展開していた売場は多くが取り扱い終了となり、さらに一部は4階と6階に集約、事実上の売場縮小となる。
井上百貨店への取材によると、5階には別棟の事務所などが移転するとしており、また一部の子供服ブランドは郊外支店「井上アイシティ21店」に移転することを検討したものの「売場スペースの都合上移転を断念することになった」としている。

4階で展開の準備が進んでいる子供服売場。

今回の改装(減床)に伴い、子供服売場は縮小して4階の上りエスカレーター正面の元紳士服ショップがあった壁面沿いに、家庭用品や食器は6階の上りエスカレーターの左側の元和雑貨売場の部分に売場を集約。
これによりリビング関連の商品は元々同階で転換している寝具も含め1フロアに集約して展開することになる。
このほか「上りエスカレーター正面のスペースをお客様用の休憩スペースとして整備する可能性があるが、まだ検討中」だとしている。

売場を縮小しつつ「ネット通販は拡充」へ

井上百貨店では2022年11月から食品を中心としたインターネット宅配事業「井上アイシステム」(ネットスーパー)をおこなっているほか、2023年1月には自社サイトによるネット通販(EC)「井上オンラインショップ」を開始するなど通信販売事業に力を入れており、これによって実店舗の縮小による売り上げ減を補う考えだとみられる。

井上百貨店近くにある松本パルコ。

松本市内では2017年9月の「イオンモール松本」の開業以降、井上百貨店の近くでは「アリオ松本(イトーヨーカドー)」が2017年9月に閉店(「アルピコプラザ」として2018年に再開業)、「松本パルコ」が2025年2月に閉店する予定が発表されるなど、商環境の大幅な変化が生じている。
今後はパルコの顧客やブランドを取り込むことができるかどうかも店舗活性化へのカギとなるであろう。

井上百貨店本店・おもなブランドの移転先
5階⇒4階 ※全て子供服
  • ミキハウス
  • ハッカキッズ
  • こどもの森(ムージョンジョン)
  • 学生服売場
5階⇒6階
  • キッチン用品売場
  • 和洋食器売場
  • 漆器売場
  • インポートギャラリー(特選洋食器)
  • エプロン売場
  • スリッパ売場
  • ハウスオブローゼ(ボディケア、化粧品)
8月31日に取り扱い終了した5階のブランド
※★が付いているブランドは「井上アイシティ21店」で展開中。
  • 赤ちゃんの城(新生児用品)★
  • ワコールマタニティ(マタニティ用品)★
  • メゾピアノJr(子供服)
  • ポンポネットJr(子供服)
  • バイラビット(子供服)
  • シーズンメッセージ(ナイキほか、子供服)
  • 松本山雅FCオフィシャルショップ★
  • サンリオショップ「ハートクリップ」★
  • 玩具売場★
  • 生活の木(アロマ用品)★
  • オーダーワイシャツ売場(同店のみ4階)
    :9月10日をもって承り終了予定
井上百貨店本店

長野県松本市深志2丁目3−1
営業時間:10時~18時半

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イオン坂出店、2024年春閉店ー旧ニチイ・サティ、半世紀の歴史に幕

香川県坂出市のJR坂出駅前にある坂出市最大の大型ショッピングセンター「イオン坂出店」が、2024年春に閉店する。

イオン坂出店。

ニチイ坂出店から50年の歴史に幕

イオン坂出店は「ニチイ坂出店」(ニチイ坂出ショッピングデパート)として1974年4月に開業。国鉄坂出駅前かつ、店舗裏は中心商店街がある「本街道」に面するという好立地であった。

本街道・元町名店街。

当初は現在の店舗北西部分のみの建物であったが、1993年に大規模増床に合わせてマイカルの生活百貨店「坂出サティ」に業態転換、2011年3月にはイオンリテールとの経営統合のため現在の店舗名「イオン坂出店」に改称していた。
イオン転換後の2012年には、西側部分のアメニティ館にあったスポーツクラブ「ピープル」跡に坂出市中央公民館が入居している。
また、近年はライトノベル・アニメ作品「結城友奈は勇者である」シリーズの舞台の1つにもなっていた。

イオン坂出店館内。

イオン坂出店は坂出市最大の商業施設である一方、ここ数年は競争の激化などでテナントの撤退が相次いでおり、2019年9月にはイオン館(本館)の3階・4階が完全閉鎖されている。2023年時点でテナントとしてはセリアカーブスなどが出店する。
建物はイオンリテールが所有、店舗面積は22,993㎡で、店舗に隣接して大型の立体駐車場が設けられている。

建物を解体へ-坂出駅前、利便性低下避けられず

イオン坂出店の建物は解体されるといい、各地元メディアによると解体後に新たな店舗を建てる計画もあるというが、詳しい出店計画などについては未定となっている。
イオン坂出店は坂出市最大の商業施設かつ坂出駅近く唯一のスーパーマーケットであるほか、立体駐車場は鉄道利用者に「駅前の有料駐車場」としても使われており、駅利用者・駅チカ居住者にとっての利便性低下は避けられないであろう。

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ヨドバシHD、西武池袋本店の土地など約3000億円で取得へ-2023年9月1日にそごう・西武の親会社となった米ファンドから

家電量販店大手「ヨドバシHD」(東京都新宿区)は、2023年9月1日に「そごう・西武」の親会社となった外資系投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」(本社:米国)から、西武百貨店本店「西武池袋本店」(東京都豊島区)の土地などを約3000億円で取得する。

西武百貨店(西武池袋本店)。

「そごう・西武」外資へ売却:これまでの経緯

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ヨドバシ、池袋出店を前に西武本店の不動産等取得

そごう・西武は有利子負債を約3000億円ほど抱えている。
共同通信などの報道によると、米ファンド側はヨドバシHDに西武池袋本店の土地などを売却して得た資金をその返済に充てる考えだという。

新宿西口に本店を置くヨドバシカメラ。

ヨドバシが西武池袋本店の不動産を取得したことに伴い、「西武池袋本店へのヨドバシカメラ出店」への動きは一段と加速することになるであろう。 

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