いなげや、傘下の三浦屋を投資ファンドに2021年8月売却-都内の高級スーパー、丸の内キャピタル傘下に

東京・多摩地区を中心に店舗展開する食品スーパー「いなげや」(東京都立川市)は2021年6月23日、子会社の高級スーパー「三浦屋」(東京都杉並区)の全株式を投資ファンドの「丸の内キャピタル」(東京都千代田区)に譲渡することを発表した。
譲渡実行日は2021年8月1日で譲渡額は非公表。

三浦屋東伏見店(東京都西東京市)。

大正13年創業の高級スーパー

三浦屋は1924年(大正13年)創業の高級スーパーで、多摩地区を中心に駅ビルや駅前に小型の高級スーパーを8店舗展開している。
自然・健康・安心・美味」を掲げ、パンやスイーツなどの自社製造食品やコーヒー、缶詰といった高品質のプライベートブランド商品に強みを持つ。

三浦屋こだわりの商品。

2012年10月、後継者問題のため同じ多摩地区を本拠地とする食品スーパー「いなげや」に全株式を売却。
買収後はいなげやの既存店の一角に新業態「三浦屋グルメ」を出店したり、三浦屋の総菜加工センターからいなげやの店舗向けに総菜を供給したりするなど、連携を深めていた。
しかし、買収後に出店した三浦屋の小型店の販売が振るわず、2019年にはいなげやが三浦屋ののれんについて10億円の減損損失を計上していた。

売却先はかつて「成城石井」「クイーンズ伊勢丹」を買収

三浦屋の株式の売却先である丸の内キャピタルは三菱商事と三菱UFJ銀行が出資する投資ファンド。2011年にはレックスホールディングスから高級スーパー「成城石井」を買収(成城石井は2014年にローソンに売却)。2017年は三越伊勢丹ホールディングスから高級スーパー「クイーンズ伊勢丹」の運営会社の株式の66%を取得するなど、高級スーパーの経営に一定のノウハウを持つ。
なお、三浦屋の製造事業に関しては、いなげやの連結子会社である「サンフードジャパン」が承継するとしている。

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