カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

Apple渋谷、2018年10月26日リニューアルオープン-1年ぶりに営業再開

長期休業していた東京都渋谷区神南のAppleストア旗艦店の1つ「Apple渋谷」が、10月26日午前8時にリニューアルオープンする。

Apple渋谷。

1年前に閉店していた公園通りのApple渋谷

Apple渋谷は、国内4店舗目となるアップル直営店「Apple Store 渋谷」として渋谷パルコ近くに2005年8月に開店。建物は地上8階建で、Appleは1~2階部分で営業していた。
渋谷パルコ(建替中)など多くの店舗が集積する「渋谷公園通り」に立地することもあり、新製品が発売される度にAppleファンが列を作る様子が一種の風物詩となっていたが、改装を理由に2017年11月をもって一時閉店していた。

1年ぶり再開で4フロアに増床

今回のリニューアルを機に、Apple渋谷はこれまでの2フロアから4フロアに増床。これまでのアップルマークが目立つ外観から次世代型の店舗モデル「タウンスクエア」を導入、全面ガラス張りのデザインとなるなど、内外装を一新した。

シンボルロゴ。

館内のうち、1階・2階は展示スペースなど、3階は実演スペース、4階は法人向けのBOARDROOMとなっている。シンボルであった螺旋階段は3階まで延長されている。

Apple、店舗のスクラップアンドビルド進む

Appleは国内店舗のスクラップ&ビルドを進めており、新宿マルイに「Apple新宿」を2018年4月に、パルコが開発を手掛ける京都ゼロゲートに「Apple京都」を同年8月に開店させた一方で、新宿伊勢丹のAppleWatch専門店「Apple Watch at Isetan Shinjuku」を同年5月に閉店している。
Appleは日本のスマートフォン市場で高いシェアを維持することから、投資する方針を示しており、今後も未出店地域への新規出店、もしくは再出店が期待される。

外部リンク:渋谷 – Apple Store – Apple(日本)
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JR西日本、新快速に有料座席を2019年春導入-名前は「Aシート」

JR西日本は、JR東海道本線・山陽本線(JR神戸線・JR京都線・琵琶湖線)で運行される「新快速」の一部に有料座席サービス「Aシート」を2019年春から導入する。

223系電車。

新快速にも有料シート

「Aシート」は12両編成の新快速の1両(9号車)に設けられる有料座席。定員は46名で、着席料金は500円。
特徴として、

  • リクライニング機能、テーブルつき座席の設置
  • 内装の工夫による、落ち着きのある空間の提供
  • 全席にコンセントを設置(JR西日本在来線普通車初)
  • 無料Wi-Fiサービスを提供
  • 荷物スペースを設置

の5つが挙げられるという。

ロゴタイプ。

まずは223系1000番台2編成(2両)が改造され、2019年春より上下4本で運行開始される予定。

車内イメージなど。

JR西日本の新快速は通勤通学客に加えて姫路・神戸・京都など沿線に人気観光地を多く抱えるため観光客の利用も多いが、日常的に混雑しており、JR西日本は中期経営計画において2022年までにこうした有料シートを導入することを示唆していた。
関西地方では2017年に京阪電鉄が「プレミアムカー」を新たに導入している。

リリース:2019年春 新快速に有料座席サービス「Aシート」を導入します
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日本橋三越本店、2018年10月24日第1期リニューアル開業-コンシェルジュによる「おもてなし」も

三越伊勢丹ホールディングスが進めていた「日本橋三越本店」(東京都中央区)の第一期改装工事が10月24日に完成し、リニューアルオープンを迎えた。
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日本橋三越本店。

「カルチャーリゾート百貨店」目指した全面改装

日本橋三越本店は1673年に伊勢商人・三井高利により呉服店「越後屋」として開店。現在の建物は1914年に建てられたもの(1927~35年改修)で、エレベータ、エスカレータ、暖房設備、スプリンクラーなどを備えた当時としては最新式の建築だった。
日本橋三越本店は2014年より「カルチャーリゾート百貨店」をテーマとした店作りを進めており、今回の改装はその一環。
改装は約150億円を投じて2020年までおこなわれているもので、今回開業したのはその第1期部分。
環境デザイン担当には建築家の隈研吾氏が機用されている。

本館1階内装を刷新-テーマは「おもてなしの森」

今回のリニューアルにおけるキャッチフレーズは「おもてなしの森」。
開店記念セレモニーでは三越伊勢丹HDの杉江俊彦社長、建築家の隈研吾氏らがテープカットをおこなった。
リニューアルで最も目を惹くのが、重要文化財に指定されている本館1階の内装の全面更新。これらは隈氏がプロデュースしたもので、一部は2018年春よりお披露目されており、話題を呼んでいた。

本館1階の新内装。

このほか、改装に合わせてティファニーなど館内に入居する一部のブランドショップもリニューアルが行われている。

改装されたティファニー日本橋三越店(ニュースリリースより)。

「おもてなし」重視の店舗に

サービス面における目玉は約90名にも及ぶコンシェルジュを各フロアに配置したこと。こうしたサービスは他の三越伊勢丹店舗でも行われているが、日本橋三越本店では更なる充実が図られ、カラーアナリストなど各分野の専門家が常駐。カラーセラピーなどは無料で、目的や予算に合わせて自分にあったコーディネートを頼むことも可能となる。
1階の中央ホール(吹き抜け)にはコンシェルジュの総合受付カウンターが設置されたほか、5階には顧客向けラウンジも開設された。

中央ホールのコンシェルジュカウンター。

近隣では9月にオヴォール日本橋が、2019年秋には誠品書店を核店舗とするコレド室町テラスが開業するなど、三井グループによる大型投資が続いている。
日本橋三越本店は今後も改装を続け、2020年の東京オリンピック開催までに全館リニューアルオープンする計画となっている。

日本橋三越本店

住所:東京都中央区日本橋室町1丁目4−1
営業時間:10時~19時
(1階、地階は19時30分、レストラン街は11時~22時まで)

営業時間は「午後7時閉店」に改められた。

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新潟三越、2020年の閉店後に売却へ-新潟市内の建設会社に

2020年3月に閉店予定の「新潟三越」(新潟市)の土地と建物を、同市内の建設会社が購入することを発表した。

新潟三越。

新潟三越の売却、早期に決まる

新潟三越は1907年に「小林呉服店」として創業。「小林百貨店」となったのち1978年に三越グループ入りし、1980年に「新潟三越」となった。
新潟では、三越と伊勢丹の経営統合以降、両店舗が比較的近接して立地しており、新潟アルタも含めた店舗の棲み分けが課題となっていたが、8月から9月にかけて新潟アルタは2019年3月での、新潟三越は2020年3月での閉店が発表された。
新潟三越の売場面積は20,596㎡、建物は新潟三越伊勢丹が所有する。
跡地の購入を決めたのは「広瀬」(廣瀨、新潟市)。
同社は主に新潟県内で建築業、不動産業を手掛けている。
売却は閉店後で、売却額は発表されていない。

老朽化が進む建物、近く大型再開発か

新潟三越の再活用方法に関しては10月時点では発表されていない。
しかし、建物の一部は築年数が非常に高く、老朽化が進んでいるため解体・再開発される可能性が高い。
地元ディベロッパー主導のもと、古町の顔となる新たな施設の誕生に期待が寄せられる。

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ブランチ福岡下原、2018年11月30日開業-福岡市東部市場跡再開発

福岡県福岡市東区の九州産業大学近くにショッピングセンター「ブランチ福岡下原」(BRANCH福岡下原が11月30日に開業する。

ブランチ福岡下原。

九州産業大学近くの福岡市東部市場跡再開発

ブランチ下原が建設されるのは、九州産業大学の北東にある旧「福岡市東部市場」の跡地。JR九産大前駅からも歩いて8分ほどの距離となる。
開発するのは不動産大手の大和リースで、コンセプトは「Community Terrace SHIMOBARU」。

中央に設置される大屋根。

メインの建物は2階建てのオープンモールで、店舗面積は8,823㎡。建物の中央部には特徴的な大屋根が設けられ、イベントができる広場や子供の遊び場などが設置される。

マックスバリュ九州など約30テナントが出店

ブランチ福岡下原の商業エリアの核テナントは「マックスバリュ香椎店」。売場面積は1,683㎡。
このほか、大型テナントとしては100円ショップ「キャンドゥ」、リサイクルショップ「セカンドストリート」、ファミリーレストラン「サイゼリヤ」、ドラッグストア「マツモトキヨシ」など、約30テナントが出店する予定となっている。
なお、マックスバリュについては多くの店舗で見られるような24時間営業を実施しないとのことで注意が必要だ。

追記:11月30日に開業するのは16テナントとなる。

ブランチ福岡下原

住所:福岡市東区下原4-2-1
営業時間:午前10時~午後11時(マックスバリュ)

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ユニー・アピタ吹上店、2019年4月閉店-21年の歴史に幕

埼玉県鴻巣市の中山道(国道17号線)沿いにあるショッピングセンター「ユニー・アピタ吹上店」が2019年春に閉店する。
追記:閉店日は4月21日となった。

アピタ吹上店(GoogleMapより)。

アピタ吹上店、21年の歴史に幕

アピタ吹上店は1998年12月に開店。売場面積は17,297㎡。建物は同店の不動産を管理する特定目的会社が所有する。
テナントとしてはマックハウス、パリミキ、ダイソー、夢屋書店などが出店している。
鴻巣市では最大規模の商業施設であった。

近隣にある長崎屋運営「メガドンキ」も閉店の一因?

親会社のユニーは先日ドン・キホーテの完全子会社となることが発表されており、今後半分以上の店舗が「ドンキ化」される予定であったが、中山道沿いには同じくドンキの傘下となっている「長崎屋」が運営する「MEGAドン・キホーテ北鴻巣店」が立地。そのため、アピタ吹上店は「ユニードンキ化」されずに閉店するとみられる。埼玉県のアピタは3店舗のみとなる。
跡地の利用方法などについては、10月19日時点では発表されていない。
今後も近隣に「メガドンキ」があるユニー店舗の閉店が続く可能性もあるが、現在のメガドンキは旧長崎屋の店舗が多く老朽化しているところも少なくないため、同条件であっても既存店のメガドンキをユニーに「移転」させる例も生まれると思われる。

外部リンク:アピタ吹上店
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ダイエーグルメシティヒカリ屋山科店、2018年11月30日閉店-「ヒカリ屋」最後の店舗

京都府京都市山科区の京都市営地下鉄椥辻駅前にあるダイエーの総合スーパー「グルメシティヒカリ屋山科店」が、11月30日18時をもって閉店する。
同店はヒカリ屋最後の店舗だった。

ダイエー・グルメシティヒカリ屋山科店。

「ヒカリ屋」最後の店舗、閉店-45年の歴史に幕

ヒカリ屋は1949年に創業。滋賀県内に本社を置くスーパーとしては、平和堂に次ぐ店舗網を構築しており、長らくダイエーと資本業務提携関係にあった。
その後、ダイエーグループ経営再建の過程で2007年にグルメシティ近畿(旧サカエ)と経営統合、2015年にはダイエー本体に吸収合併されていた。
グルメシティ近畿との経営統合後も「ヒカリ屋」ブランドは維持され、滋賀県内に1店舗、京都府内に2店舗が営業していたが、2016年2月に総合スーパー「グルメシティヒカリ屋瀬田店」(旧ヒカリ屋本社)が、同年12月に衣料専門店だった「グルメシティヒカリ屋京都店」が閉店して以降、ヒカリ屋の屋号を持つ店舗は山科店のみとなっていた。
ダイエーグルメシティヒカリ屋山科店は「ヒカリ屋山科店」として1973年11月に開店。建物は地上3階建で、売場面積は6,937㎡。テナントとして喫茶店「カミング」などが出店する。

建物は築45年と老朽化が進んでおり、閉店後、イオングループは新しい商業施設「イオンタウン山科」の出店を検討しているという。

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太陽家具、大型店2店を2018年10月31日閉店-”店舗半減”の太陽家具、旧「井筒屋」の本城店も閉店に

太陽家具百貨店(山口県宇部市)は、「太陽家具北九州西店(ライフステージ太陽北九州西店)」(北九州市八幡西区)、「太陽家具柳井店」(山口県柳井市)の大型店2店を2018年10月31日に閉店させる。

太陽家具の旗艦店・北九州西店(旧・井筒屋本城店)。

縮小続く太陽家具、ついに「大型店1号店」も閉店

太陽家具百貨店は1947年4月に山口県宇部市で創業。
西日本の地場大手家具店として、郊外型大型家具店「Life Stage TAIYO」、地域密着型家具店「太陽家具」を16店舗展開している。(2018年10月現在、熊本地震以来休業扱いのANBIENCE+熊本を除く)
同社は1990年8月に、大型店舗1号店となる「太陽家具北九州西店」を地場大手百貨店「井筒屋本城店」跡に出店して以降、前述した郊外型大型家具店「Life Stage TAIYO」とインテリア性の高い家具を取扱う「AMBIENCE」の出店を加速。集客性の高い大型ショッピングセンター(イオンモール、アリオなど)の核テナント、準核テナントとしての店舗モデルを確立することで、2004年11月には関東初となる「AMBIENCE KITATODA」をイオンモール北戸田(埼玉県戸田市)に、2006年には関西初となる「Life Stage TAIYO 神戸店」(神戸市西区)を出店させるなど、最盛期となる2008年には全国各地に27店舗を展開していた。

しかし、近年は低価格家具店などとの競争激化に伴い、首都圏、関西圏からの全面撤退、他社系商業施設からの一時全面撤退、老朽化が進む市街地立地店舗の閉鎖、社員数削減といったリストラ策を進める一方で、旗艦店の大規模リニューアル、移転を進めるなど、事業の立て直しを図っている。
北九州西店、柳井店の閉店により、同社の営業店舗数は10年前の約半分となる14店舗となる。

外部リンク:太陽家具
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アミュプラザ宮崎、2020年秋開業-「JR宮交ツインビル」の核テナント

JR九州と宮崎交通は、2社がJR宮崎駅(宮崎県宮崎市)の前に開発する商業ビルを「JR宮交ツインビル」とし、核テナントをJR九州が運営する複合商業施設「アミュプラザ宮崎」とすることを発表した。
追記:開業日は2020年11月20日となる。

JR宮崎駅。

アミュプラザ宮崎、2館体制に

今回、新たな複合商業ビル「JR宮交ツインビル」が建設されるのはJR宮崎駅西口の駐車場、駅レンタカーなどがある場所。現在はJR九州、宮崎交通などが所有する。
開発予定地。

JR九州の駅ビル「アミュプラザ」の中では最小となるものの、建物は県道を挟んで2館体制となる。
そのうち、駅前のビルは地上10階建て、うち9,800㎡が商業施設、4,100㎡がオフィス。駅前商店街に面するビルは地上6階建てで、6,300㎡の全てが商業施設となる。
駅前商店街は近年空き店舗や駐車場が目立っていただけに、活性化にも大きく貢献することになりそうだ。

完成予想イメージ。

駅前の建物にはシネマコンプレックスが設けられるほか、屋上庭園も整備される予定。

施設構成イメージ。

また、合わせて高架下の商業施設「えきマチ1丁目宮崎」についてもリニューアルされる。
工事は2019年春に着工され、2020年秋にJR宮交共同ビルの開業、高架下商業施設のリニューアルが完成する予定となっている。

完成予想イメージ。

主なテナント(2020年7月追記)
  • ビームス
  • ミラオーウェン
  • ジェラートピケ
  • センスオブプレイス バイ アーバンリサーチ
  • タイル
  • アフランシール
  • 紀伊國屋書店
  • まつの
  • キャンドゥ
  • ワンダーアティックシネマ
  • 交通神社

ニュースリリース:宮崎駅西口共同開発の概要決定 (PDF)
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なんばスカイオ、2018年10月17日開業-南海難波駅直結、南海本社跡の超高層複合ビル

大阪市中央区の南海難波駅に、南海電鉄による新たな複合商業施設「なんばスカイオ」(skyo)が10月17日午前10時に開業した。

なんばスカイオ。

「世界のNAMBA」目指し、旧南海電鉄本社を再開発

開発予定地にあった「南海会館ビル」は1957年竣工。2013年2月まで南海電鉄の本社機能が置かれていたが、再開発に伴い2014年9月に解体されていた。本社機能は近隣の「南海なんば第1ビル」に移転している。
なんばスカイオの建物は地上31階・地下2階建、高さ約148m、延床面積は約84,000㎡。
なんばスカイオ入口

コンセプトに「世界のNAMBAへ」を掲げ、「国際交流拠点」「日本の伝統文化発信」「時代への呼応」を目指し開発が進められた。
施設名称及びロゴマークは、「世界の空と大阪を結ぶ翼」を表現したものとなっている。

スカイオ(skyo)ロゴマーク。

下層階は商業施設、高層階は「ラウンドワン本社」など

なんばスカイオの地下1階~6階には各種商業テナントや飲食店、金融機関が立ち並び、7階・8階にはMICE対応の多目的ホール・会議室「なんばスカイオコンベンションホール」、地下2階・9階には「メディカルフロア」が開設された。
13階~30階にはオフィスが整備されており、米国発のシェアリングオフィス「WeWork」(26~28階)の関西初拠点が2018年12月に開設、アミューズメント施設運営大手「ラウンドワン」(堺市堺区)が2019年1月に本社移転する予定となっている。

日本の伝統文化や健康などテーマ性のあるテナントが出店

なんばスカイオの商業フロア「ショップ&レストラン」(2階~6階)には、全国初7店舗、関西初7店舗を含む41店舗が出店。
2階・3階「ワーカーサポートフロア」には、大阪ミナミ初となる高級食品スーパー「いかりスーパーマーケット」を核に、西日本初となるヴィドフランス(山崎製パン)の深化型ベーカリーカフェ「サンルヴァン」、日比谷花壇の「Hibiya Kadan Style」、「金子眼鏡店」など、駅直結、オフィス直下の立地特性を活かした利便性重視のテナントが導入された。

いかりスーパーマーケット南海なんば駅店。

5階「伝統・文化の体験工房 ほんまもん」には、安心安全な国内産の食材にこだわった4店舗が集積したフードホール「ITADAKIMASU」や、大阪・泉佐野のタオルメーカーが手掛ける「タオルファクトリーヒオリエ」、漆器専門店「山田平安堂」の新業態「天正堂」、日本茶・和カフェ「茶寮つぼ市製茶本舗」など、日本の伝統文化の発信に繋がるようなテナントを導入。
6階「カラダのデザインサイト ヘルシー・ラボ」には、全国初となる象印の「象印食堂」や、健康ライフスタイルを提案する「ミズノウエルネスショップ」、美容器具ブランド「ヤーマン」の直営店、「黒酢レストラン黒酢本舗 桷志田」など、健康をコンセプトにしたテナントが導入された。

象印食堂。

地下1階・7階の一部フロアは百貨店「高島屋大阪店」の増床フロアとして10月8日に先行開業しており、関西初となるロボット・IoT家電売場「ロボティクススタジオ」の導入や、催事スペースの拡張などが行われている。
高島屋大阪店地階西ゾーンエントランス。

南海電鉄は、なんばスカイオを「当社グループの最重要拠点である難波における持続的な成長を目的とした戦略的プロジェクト」と位置付けており、下層階は大阪の玄関・難波駅に相応しい店舗、また周辺のオフィスワーカーを対象とした店舗が数多く出店した一方で、高層階はこれまで大阪・ミナミ周辺に不足していた大規模オフィスが施設の大部分を占める形となった。

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