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イオンスタイル笹丘、2023年10月6日新装開店-イオン九州初オーガニック「ビオララ」導入、12月には無印良品も

福岡県福岡市中央区笹丘にあるイオングループの大型総合スーパー「イオンスタイル笹丘」が2023年10月6日午前9時に新装開店した。

イオン九州と旧ダイエーのシナジー集大成1号店だった

イオンスタイル笹丘の前身となる「ダイエー笹丘店」は1994年6月に開店。建物は地上3階地下1階建で店舗面積は20,158㎡。
ダイエー笹丘店は2015年9月の「イオンストア九州(現イオン九州)」への店舗承継にあわせ、他店舗に先駆けて「イオン笹丘店」として看板を更新し、転換記念式典を実施。
2016年9月には「両社のシナジー効果の集大成となる第1号店」として福岡市内初となる「イオンスタイル」に転換し、3~40代のファミリー層をメインターゲットに据え「上質な生活提案」を掲げた地域密着志向の店舗として全面刷新するなど、イオン九州の主力店舗のひとつとなっている。
また、同店は自動車学校跡地再開発の一環として開店したことから、2023年10月現在も施設の3階及び屋上部分に自動車学校「マイマイスクール」が営業する全国的にも珍しい商業施設となっている。

直営フロアの刷新で生活提案を深化

イオンスタイル笹丘の建物は地上3階地下1階建で敷地面積は約23,408㎡、店舗面積は約20,159㎡。
同店はリニューアルコンセプトに「お客さまが“ウェルビーイング”を実感できる」を掲げ、イオン九州直営新規ショップ「B!iolala(ビオララ)」の導入や直営ウエルネス売場「sporsium(スポージアム)」の拡大、住生活雑貨売場「HOME COORDY(ホームコーディ)」の刷新を行うなど、直営売場と専門店が融合した空間で上質なライフスタイルの提案をめざすとしている。

イオンスタイル笹丘。

同社初有機食品ショップ「ビオララ」は特徴的な品揃え

リニューアルの目玉となるビオララは、コンセプトに「オーガニック」「ナチュラル」「ヘルス&ウェルネス」「サステナビリティ」を掲げ、生鮮食品に関しては有機JAS認定農園「いしばし農園」(福岡県筑紫野市)や動物性堆肥・化学性肥料不使用にこだわる「ならはら農園」(福岡県久留米市北野町)のこだわり野菜を展開。
イオングループと提携関係にあるフランス・パリの有機食品スーパー「Bio c’ Bon(ビオセボン)」やニュージーランドのデイリーケアブランド「ecostore(エコストア)」商品、オーガニックナッツの量り売りコーナーを取扱うなど、日々の心と身体の健康にそっと寄り添い身近に感じてもらえるショップをめざす。

ビオララ。

12月までに無印良品や福岡の人気惣菜店も

イオンスタイル笹丘では直営フロアの刷新に加えて、2023年12月までに専門店の入替えを進める。
専門店入替えの一環として、10月6日には中国・四川重慶の有名ホテル出身料理長が福岡で手掛ける中華総菜・弁当・点心専門店「中華料理鼎」と糸島キムチ・韓国惣菜店「玉家のキムチ工房」が開店。11月10日には100円ショップ「DAISO(ダイソー)」に同社の300円ショップ「THREEPPY(スリーピー)」が開店。11月17日にはイオングループのペットショップ「PETEMO」、12月上旬には大型ライフスタイルストア「無印良品」が開店する予定となっている。
同店はダイエー笹丘店開店から30年となる節目の年に再び姿を大きく変えることとなった。

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鳥貴族HD、社名を「エターナルホスピタリティグループ」に改称-2024年5月1日付で

大手居酒屋・鶏料理チェーン「鳥貴族ホールディングス」(本社:大阪府大阪市浪速区)は、2024年5月1日付で社名を「エターナルホスピタリティグループ」に変更することを2023年9月22日に発表した。

鳥貴族。(鳥貴族上新庄店)

東大阪で生まれ、全国の大都市圏で親しまれる鳥貴族

鳥貴族は1985年に近鉄俊徳道駅前(東大阪市)に1号店を出店、2005年に東京に進出した。初期には「イターナルサービス」という社名を用いており、社名は先祖返りともいえる。
2023年現在は、東名阪の大都市圏を中心に「鳥貴族(TORIKIZOKU∞)」「やきとり大吉」「トリキバーガー(TORIKI BURGER)」を展開。居酒屋メニューのみならず食事メニューも比較的多く、とくにコロナ禍以降はランチメニューの充実を図っている店舗もある。

鳥貴族の焼き鳥。

ドミナント出店をおこなっていることもあり、展開エリアは比較的狭く、日本海側では福岡市のみにしか出店していない。(2023年時点)

鳥貴族、海外進出を目指し社名変更

鳥貴族HDは、社名を「エターナルホスピタリティグループ」に変更することについて「本格的な海外進出を見据えたもの」だといい、今後はアジア圏や米国への出店・パートナー開拓をめざすとしている。

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ダブルツリーbyヒルトン大阪城、2024年春開業-日経大阪ビル建替え、下層階はテレビ大阪本社

大阪市中央区大手前の京橋(※橋名)横・大阪城京橋口前に建設中の日本経済新聞と大和ハウス工業によるヒルトンホテルを核とする複合ビル「大阪・大手前一丁目プロジェクト」が、2024年春に開業する。

大阪城となり「日経大阪ビル」建て替え、21階建てに

「大阪・大手前一丁目プロジェクト」は日本経済新聞大和ハウス工業による日本経済新聞大阪本社ビルの建て替え・再開発プロジェクト。
隣接地には大阪砲兵工場化学分析場の建物が残されている。
建物は地上21階建てで、そのうち1階から4階までは日経新聞が、6階以上は大和ハウス工業が区分所有する。

大阪・大手前一丁目プロジェクト。(手前は追手門学院)

外観デザインは「和模様」をコンセプトとし、隣接する大阪城の白壁や石垣、日本古来の市松模様など日本的な要素を取り入れた。
また、寝屋川沿いには大阪城公園へと続く桜並木のテラス空間を設けたほか、敷地の東西には憩いと賑わいの空間となる多目的広場を整備して一般に開放する。

高層階はヒルトン系ホテル、下層階はテレビ大阪

高層階には大和ハウス工業が誘致した高級ホテル「ダブルツリーbyヒルトン大阪城」が2024年初夏に開業する。
ダブルツリーbyヒルトンはヒルトンのなかではカジュアルなブランドで、総客室373室を要するほか、レストラン、カフェバー、ロビーラウンジ、フィットネス・プール、エグゼクティブラウンジ、宴会・会議室などを備える予定としている。

ダブルツリーbyヒルトン大阪城のロビーイメージ。
(大和ハウス工業リリースより)

日本経済新聞が区分所有する下層階には、日経グループのテレビ東京系「テレビ大阪」が本社・スタジオ・演奏所を構える。

大阪・大手前一丁目プロジェクト

大阪府大阪市中央区大手前一丁目1番1・1番2・1番3・1番4

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ドン・キホーテ驚安堂福生店、2023年10月15日閉店-ドンキのローコストスーパー、約8年で全店閉店

東京都福生市にあるパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)の生鮮食品ディスカウントストア「ドン・キホーテ驚安堂福生店」が2023年10月15日21時をもって閉店する。

ビッグコンビニとして誕生した「驚安堂」

驚安堂は2013年6月にドン・キホーテ直営の新業態(ビッグコンビニ・小規模型業態実験店)として東京都杉並区の桜上水駅近くに1号店「驚安堂桜上水店」を開店。既存のドンキ小型店を業態転換するかたちで店舗網を拡大したが、2015年までに大半の店舗をピカソに再転換したため、全店舗が一時消滅した。

2015年に生鮮食品ディスカウントとして復活するも

その後、ドン・キホーテHD(現PPIH)が2015年7月に設立した新会社「ライラック」による新生驚安堂1号店として、同年9月に「驚安堂福生店」が開店した。建物は平屋建で売場面積は999㎡。

驚安堂福生店。

驚安堂福生店は「日常品に特化したロープライス追求店舗」を掲げ、生鮮食料品(青果・精肉・鮮魚・惣菜)や日用雑貨品、酒類など生活必需品を中心に展開。
同業他社撤退店舗(ABCドラッグ)跡への居抜きやグループ共通電子マネー「majica(マジカ)」を含むキャッシュレス決済の非取扱い、カットケース陳列や店内装飾の不採用など徹底したローコスト運営を行いつつ、テナントとして生鮮専門店や100円ショップ「ダイソー」を専門店として導入することで、街の冷蔵庫として、日常品に特化したワンストップショッピングを小商圏で実現する店舗をめざすとしていた。

近年は店舗数減少、業態の立ち位置も不透明に

ライラックは2015年11月に「驚安堂松伏店」(埼玉県北葛飾郡)、2017年2月に「驚安堂東松山六軒町店」(埼玉県東松山市)、2018年2月に「驚安堂あきる野店」(東京都あきる野市)を開店するなど、住宅街を中心に驚安堂の店舗を拡大。2019年5月には従来のローコスト小商圏生鮮食品ディスカウントとは異なる女性特化型新業態として「驚安堂幸手店」を開店した。
一方、2020年5月に運営会社がドンキに吸収合併されて以降、同年7月に幸手店が閉店、2023年9月17日に松伏店が閉店、同年9月30日にあきる野店が閉店となるなど店舗数の減少が続いた。
驚安堂福生店の閉店により、ライラックが手掛けた驚安堂全店舗が消滅することとなる。

驚安堂幸手店。

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イオンタウン松原、2023年10月9日開業-ダイエーイオンフードスタイルとハンズマンを核に37店舗、土地区画整理事業の目玉に

大阪府松原市の国道309号線沿いに、イオングループの近隣商圏型ショッピングセンター「イオンタウン松原」が一部専門店を2023年9月21日に先行開業、2023年10月9日に全面開業する。

イオンタウン松原。

松原市の土地区画整理事業の商業核にイオンタウン

イオンタウン松原の建物は地上2階建で、敷地面積は約62,121㎡、延床面積は約47,073㎡。駐車場台数1,387台相当を備える。
同施設は近鉄南大阪線高見ノ里駅・河内松原駅から1km程度離れた「松原市新堂4丁目土地区画整理事業」の商業核として建設が進められたもので、計画段階では「イオンタウン松原新堂」の仮称が与えられていた。
同施設はコンセプトに「日々の暮らしに、新たな出会いと発見を求めて」を掲げ、専門店37店舗が入居することとなる。

1階はダイエーを核とする「食」のエリア

イオンタウン松原1階はダイエーの食品スーパー「イオンフードスタイル松原」を核に、食物販フロア「新堂マルシェ」やフードコート「新堂キッチン」、ドラッグストア「ウエルシア薬局」など展開。
新堂マルシェには生鮮店「京美」「日本鮮魚」「雄加丑食品」や韓国食材店「韓国スーパーリトルソウル」、自家焙煎珈琲レストラン「高木珈琲」新コンセプト店舗といった店が揃うことで、生鮮品や名産品・スイーツを求める需要に対応する。

新堂マルシェの高木珈琲。

また、新堂キッチンにはワッパーを売りとしたファストフード「バーガーキング」や名古屋地盤のラーメン・甘味専門店「スガキヤ」、大衆中華店「大阪王将」、香川県高松市に本店を置く有名讃岐うどん店「さぬき麺業」といった大阪府内初、松原市内初を含む飲食店6店舗が揃うことで話題性を提供する。

新堂キッチン。

2階はサービス系中心のエリア、別棟にはハンズマンも

イオンタウン松原2階には大型衣料品店「パレット」や総合スポーツ用品店「ヒマラヤスポーツ&アウトドア」、子供服・ベビー服・ベビー用品店「西松屋」といった大型物販店に加え、24時間インドアゴルフ練習場「ゴルフのミカタ」や子供体操教室「HOS」など個性的なサービス系店舗を展開する。

ヒマラヤスポーツ&アウトドア。

そのほか、別棟に関西初となるホームセンター「ハンズマン」や博多豚骨ラーメン店「一風堂」、ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」、自動車ディーラー「スズキプラザ」、ペットショップ「ペットワールドアミーゴ」といった専門店が軒を連ねる。

ハンズマン。

10月9日のグランドオープンにはイベントも

イオンタウン松原は、核店舗のひとつ「ハンズマン松原店」のプレオープン日である10月9日を施設のグランドオープンと位置づけている。同日には各種イベントの開催予定もあり、賑わいをみせることとなりそうだ。

イオンタウン松原

住所:大阪府松原市新堂4-1154
営業時間:9時~22時(ダイエー)
営業時間:7時~22時(ハンズマン)

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ドン・キホーテ驚安堂あきる野店、2023年9月30日閉店-業務用スーパーIchiba!!跡、驚安堂わずか1店舗に

東京都あきる野市のパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)系生鮮ディスカウントストア「ドン・キホーテ驚安堂あきる野店」が2023年9月30日21時をもって閉店した。

店舗数減少続いていた驚安堂

驚安堂は2013年6月にドン・キホーテ直営の新業態(ビッグコンビニ・小規模型業態実験店)として東京都杉並区の桜上水駅近くに1号店「驚安堂桜上水店」を開店。既存のドンキ小型店を業態転換するかたちで店舗網を拡大したが、2015年までに大半の店舗をピカソに再転換したため、全店舗が一時消滅した。
その後、ドン・キホーテHD(現PPIH)は、2015年7月に地域密着型ローコスト生鮮食品ディスカウント業態運営会社として新たにライラックを設立し、同年9月に新生・驚安堂1号店「驚安堂福生店」を開店、2019年5月には女性特化型驚安堂新業態1号店「驚安堂幸手店」を開店するなどテコ入れを図ったが、2020年5月のドンキによるライラック吸収合併後も、2023年9月17日に「驚安堂松伏店」が閉店となるなど、店舗数の減少が続いていた。

新生・驚安堂2号店、わずか5年で閉店

驚安堂あきる野店は、2018年2月1日に拝島駅西側約2kmほどの距離にある「業務用スーパーIchiba!!あきる野店」跡に開店。建物は平屋建で売場面積は597.8㎡。同業態は福生店に次ぎ都内2店舗目であった。

驚安堂あきる野店。

あきる野店は福生店と同様、同業他社撤退店舗跡への居抜きやグループ共通電子マネー「majica(マジカ)」を含むキャッシュレス決済の非取扱い、カットケース陳列や店内装飾の不採用、生鮮部門のテナント外注など、徹底したローコスト運営を行うことで競合店との差別化を図っていたが、わずか5年で閉店することとなった。

館内構成。

同店の閉店により、驚安堂は福生店1店舗を残すのみとなる。

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トスク本店、2023年9月30日18時閉店-Aコープ系・鳥取生活センターから55年の歴史に幕、全店閉店

鳥取県鳥取市のJR鳥取駅近くにあるJA鳥取いなばグループ(本社:鳥取市)の大型総合スーパー「トスク本店」が2023年9月30日午後6時をもって閉店した。

鳥取県内有数の複合施設だった「鳥取生活センター」

トスク本店は1968年11月に鳥取市農協(現JA鳥取いなば)の複合商業施設「鳥取生活センター」として開業。開店当初の建物は地上4階建で売場面積は約1,800㎡。
鳥取生活センター本店は当時の鳥取市内では珍しく、物販機能に加えて食堂や結婚式場、料理教室、友の会、著名タレントによる歌謡ショーといったサービスを提供。あわせて、婦人服フロアの刷新や家電量販店(ベスト電器→エディオン)のFC展開、駐車場の整備など、時代の変化に応じたリニューアルを実施することで、鳥取を代表する地場流通大手の旗艦店として発展することとなった。

鳥取市中心部では貴重な100円ショップ「ダイソー」大型店も。
農協内だけあって園芸用品が豊富だった。

店名も「Aコープトスク」から「トスク」へ

鳥取生活センター本店では店舗設備に加え、1988年3月の新装開店を機に新ブランドを冠した「TOSC鳥取生活センター本店」に、1995年10月の鳥取県東部農協経営統合にともない「Aコープトスク本店」に、2001年8月の店舗部分社化にあわせて「トスク本店」に店名変更する。
トスク本店は運営母体の再編や消費生活者の需要の変化にあわせて店舗イメージを刷新を繰り返したもの、鳥取県民の生活を支える場所としての役割を一貫して担い続けた。

最盛期20店舗超抱えたトスク、全店閉店

トスクは1972年7月の稲葉店を皮切りにチェーン展開を開始。1995年10月の鳥取県東部農協経営統合により各農協系食品スーパー「Aコープ」を引継ぐことで、鳥取県東部に20店舗超という店舗網を敷くこととなったが、店舗の大多数が競争力に乏しい狭小店舗であったため、2000年代以降店舗整理を余儀なくされた。

店舗整理の過程で市中心部に近い支店は吉成店のみとなった。

その後、JA鳥取いなばグループによるトスク廃業の方針により、2023年7月31日には「トスク佐治店」「トスクふなおか店」の2店舗が閉店。同年9月31日午後1時には「トスク吉成店」「トスク丹比店」「トスク用瀬店」「トスクちづ店」「トスク若桜店」「フレッシュライフいわみ」の6店舗が閉店していた。

地域に愛されたトスク、55年の歴史に幕

トスク本店閉店当日となる2023年9月30日は、昼過ぎから雨模様となったが、店内では催事イベントの服飾雑貨発掘に勤しむ若者や衣料品フロアでのマネキンや事務用品の処分販売を気にする女性客、子供連れで記念写真を撮るファミリー、閉店を惜しむ常連客で賑わいをみせた。

閉店当日昼過ぎのトスク本店。

トスク本店では閉店時刻となる18時に閉店式典を開催。夕方から激しい雨となるも大勢の買物客に囲まれ、55年の歴史に幕を下ろした。

大雨のなか大勢の買物客に囲まれ、55年の歴史に幕を下ろした。

一部専門店営業継続するも解体後の活用方針は未定

トスクは2023年度中に閉店する全9店舗のうち、7店舗の譲渡交渉を進めているが、道の駅きなんせ岩美隣接の「フレッシュライフいわみ」(岩美町)と旗艦店である「トスク本店」(鳥取市)に関しては譲渡交渉対象外としている。
トスク本店では2024年の建物解体まで家電量販店「エディオントスク本店」(トスクFC)を始めとする専門店の一部に加え、母体である農協窓口「JA鳥取いなば行徳本店」が営業を継続する方針を発表しているが、現時点において跡地活用の具体的な方針は定まっていない。

JA鳥取いなば行徳本店貯金課による営業継続の案内。

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トスク用瀬店、2023年9月30日13時閉店-旧用瀬町からAコープ系スーパー消滅、買物支援の動きも

鳥取県鳥取市のJR因美線用瀬駅近くにあるJA鳥取いなばグループの総合スーパー「トスク用瀬店」が2023年9月30日13時をもって閉店した。

旧用瀬町唯一のAコープ系大型スーパー

トスク用瀬店は1974年12月にAコープ系スーパーとして開店。1989年3月に改装を実施したのち、1995年10月の鳥取県東部農協経営統合にともない「Aコープトスク用瀬店」に店名変更、2001年8月の店舗部分社化にあわせて「トスク用瀬店」となった。

Aコープトスク用瀬店時代のロゴマーク。

トスク用瀬店では同社旗艦店「トスク本店」同様、敷地内に隣接する「JA鳥取いなば用瀬支店」での農業・金融サービス提供や100円ショップ「ダイソー」の導入など、旧用瀬町を代表する大型店としての役割を担ったが、JA鳥取いなばグループによるトスク廃業の方針にともない、2023年9月30日をもって同店を含む全7店舗が閉店することとなった。

NPO法人の“共助交通”で買物環境維持めざす

トスク用瀬店の跡地活用に関して、2023年10月現時点では未定となっているもの、NPO法人「いきいき社まちづくり協議会」の交通空白地有償運送「いきいき社バス」(2022年4月運行開始/鳥取市有償バスの代替共助交通)による近隣大型食品スーパーへの路線延伸など、買物環境維持に向けた明るい話題もみられている。

トスク用瀬店の閉店式典。

用瀬町は「流し雛」の聖地のひとつとして、駅周辺で地元住民・観光客双方を対象としたカフェや冷蔵食品店の出店も目立っており、トスクの対岸には観光拠点「もちがせ流しびなの館」もあることから、観光資源を活かした跡地活用も期待できそうだ。

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トスクちづ店、2023年9月30日13時閉店-智頭駅前のJA鳥取いなば最古参Aコープ、60年近い歴史に幕

鳥取県八頭郡智頭町のJR因美線智頭駅・智頭急行智頭駅前にあるJA鳥取いなばグループ(本社:鳥取市)の総合スーパー「トスクちづ店」が2023年9月30日午後1時をもって閉店した。

トスク発足に先駆け開店、智頭での60年近い歴史に幕

トスクちづ店は鳥取生活センター(TOSC)発足に先駆けて1965年3月に開店。1996年12月にJA鳥取いなば(鳥取いなば農業協同組合)直営スーパー「Aコープトスクちづ店」として新設開店し、2001年8月の店舗部分社化にあわせて「トスクちづ店」となった。

閉店当日の「トスクちづ店」。店内ではトスクの歴史の展示も。

トスクちづ店は同社旗艦店「トスク本店」同様、直営衣料・服飾雑貨や“日本一小さいダイソーといわれる”100円ショップ「ダイソー」を導入するなど、JA鳥取いなば智頭町支店内にあった家電量販店「ベスト電器」(2003年閉店)とともに小規模ながら衣食住を幅広く展開することで地域生活の要となったが、JA鳥取いなばグループによるトスク廃業の方針にともない閉店することが決まった。

閉店当日の「トスクちづ店」。入口では店員による挨拶も。

跡地はエスマートが取得の方針

トスクちづ店の閉店により、智頭駅周辺の食品スーパーは「いかり楽粹」(地場豆腐店FC店舗)1店舗のみとなるが、トスク跡に関しては岡山地場流通大手「マルイ」(本社:岡山県津山市)傘下の食品スーパー「エスマート」(本社:鳥取市)が「トスク吉成店」「トスク若桜店」とあわせて取得する方針を示しており、早期の再開が期待できそうだ。

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京王多摩境駅前ビル、2023年12月開業-京王ストア核に、オフィス・倉庫も入居

東京都町田市の京王多摩境駅前に、京王電鉄の複合ビル「京王多摩境駅前ビル」が2023年12月に開業する。

京王多摩境駅ビル。(ニュースリリースより)

多摩境駅前に大型ビル、物流倉庫・オフィスは「TOMIZ」

京王多摩境駅前ビルは、多摩境駅東口前の平面駐車場などとして利用されてきた場所に建設されるもの。
建物は地上5階建てで、商業施設、医療モール、オフィス、倉庫の複合ビルとなる。
商業施設部分の核店舗は「京王ストア」。そのほか医療モールも設けられており、調剤機能を備える「スギ薬局」も出店する。
また、館内には町田市で創業した調理用品店「富澤商店」のオフィスと倉庫も設けられる。

京王多摩境駅前ビル

東京都町田市小山ヶ丘3-22-9

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