福岡県北九州市と遠賀郡水巻町をまたぐ、国道3号線と国道199号線沿いの分岐点にある元・大型商業施設(現・バナナ畑)「グランモール(GRANDMALL)」の商業ゾーンが、2021年1月17日の「Kid’s US.LANDグランモール水巻店」閉店にともない僅か1店舗のみとなった。

バナナ畑として営業するグランモール水巻。
バブル期から計画、2011年にようやく開業したが…
グランモール水巻の事実上の前身となる「生活城塞都市メルカート」は、1993年に北九州の地場不動産ディベロッパー「ダイフク興産」が出店計画を表明したもの。
その後、経済状況の変化などから開発計画は幾度となく延期。
2010年5月に九州初出店となるディスカウントスーパー「ラ・ムー」を核店舗とする豊田通商運営のショッピングセンター「グランモール」として2010年5月に第1期プレ開業、同年12月に第2期開業。そして2011年7月に約60店舗を要する大型ショッピングセンターとして17年越しにグランドオープン(第3期開業)していた。
建物は地上2階建で、敷地面積約69,600㎡、延床面積約52,300㎡であった。
詳しくはこちら。
植物状態のグランモール、植物工場に-残るは1店舗
グランモール水巻では、2011年7月のグランドオープン後もテナントの出店が続き、最盛期には専門店80店舗ほどが出店することとなった。
しかし、競合店の多さや(道路構造上の問題による)寄り付きの悪さなどが祟って集客が芳しくなかったとみられ、2014年6月に専門店10店舗超が一斉撤退(スポルトなどは近隣商業施設へ移転)するなどテナントの撤退が続出。同年9月には大規模減床リニューアル(リフレッシュオープン)に至った。

「ボウリング場開業準備中」。
その後も、核テナントの1つであったナフコが施設正面に学研都市店(北九州市若松区)の案内看板を設置したのち2015年11月に、ダイソー・ピノキオランド・サイゼリヤといった主力テナントも2016年6月に撤退し、地元金融機関各行もATMを撤去。同年7月9日には2階で唯一残っていたKid’s US.LANDが施設西側の1階ダイソー跡に移転、同年8月31日には美容室のイッツスタイルが撤退したため、第1期のプレ開業時点と同様に施設西側(水巻町側/ラ・ムー区画一帯)のみの営業となった。
ラ・ムー水巻店。
殆どのテナントが撤退し「植物状態」となったグランモールは、2018年に、投資アパート開発「明豊エンタープライズ」を経て不動産投資会社「都市綜研インベストファンド」(本社:大阪市北区)が取得。施設の大部分を、同社が投資物件(みんなで大家さん)として取り扱う屋内型バナナ栽培工場(植物工場)「アグレボバイオテクノロジーセンター」に転換された。

バナナ畑となったグランモール水巻。
その後は大部分がバナナ畑となり、2020年時点にはグランモール水巻の商業区画は建物西側のごく一部のみ、テナントは時間制屋内型遊園地「Kid’s US.LAND」とディスカウントスーパー「ラ・ムー」のみとなっていた。
しかし、2021年1月17日には「Kid’s US.LAND」が撤退。2021年3月現在、商業区画はラ・ムー1店舗だけが営業を続けている。
かつて多くの店舗が出店していた館内は、殆どの区画でバナナが生い茂っているものと思われる。

かつての駐車場入り口。
商業テナントが殆ど撤退したことにより、バナナ畑・植物工場の更なる増床などもおこなわれる可能性があり、建物全体の今後についても注目される。
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イオンスタイル千葉みなと、2021年4月16日開業-新決済システム導入の食品スーパー
千葉県千葉市中央区にあるJR本千葉駅近くの国道357号線沿いに、イオンリテールのスーパーマーケット「イオンスタイル千葉みなと」が2021年4月16日に開業する。

イオンスタイル千葉みなと。
スマホでバーコードをスキャン→並ばず決済
イオンスタイル千葉みなとが出店するのはポリテクカレッジ千葉のグラウンド跡地。建物は平屋で、売場面積は約3280㎡。
同店では新たに、貸出用の専用スマホで客自身がバーコードをスキャンしながら買物し、専用端末機で支払いをする形式の「どこでもレジ レジゴー」を導入。また、レジの精算機には非接触型パネルを導入した。

どこでもレジ レジゴー。

非接触型のレジパネル。
生鮮では、JA千葉みらい農産物直売所「しょいか~ご」が設けられるほか、内房・外房で獲れた鮮魚、千葉県産銘柄豚「いも豚」など、県産品の品揃えを強化する。また、ミニストップのソフトクリームの販売もおこなう。

生鮮品売場。
食品以外のイオングループの売場としては、美と健康をサポートする日用品・化粧品・一般用医薬品売場「グラムビューティーク」、調剤薬局「イオン薬局」が設置される。

日用品・化粧品・一般用医薬品売場「グラムビューティーク」。
テナントとしては「ダイソー」と「ポニークリーニング」が出店する。
イオンスタイル千葉みなと
住所:千葉県千葉市中央区問屋町2-29
営業時間:9時~22時
イオン薬局(調剤薬局):10時~19時
ダイソー:9時~21時
ポニークリーニング:9時~20時
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台湾国家撮影文化センター台北館、2021年4月19日開館-旧・大阪商船ビル、7年かけて復原
台湾・台北市中正区の台北駅前の「大阪商船台北支店ビル」の復原が完成し、博物館「国家撮影文化センター台北館(國家攝影文化中心台北館)」として2021年3月25日にプレオープン、4月19日に正式開館する。

国家撮影文化センター台北館(國家攝影文化中心台北館)。
中文摘要:「國家攝影文化中心」將於110年3月25日試營運、4月19日正式開幕。這座為1937年落成的「大阪商船株式會社台北支店大樓」。經歷七年規畫整修。
知られざる歴史建築だった「大阪商船ビル」を復原
大阪商船台北支店ビルは1937年に開業。大阪商船は住友系の商船会社として創業、当時は日本(内地)と台湾や南方を繋ぐ重要な航路を運航しており、昭和初期には台湾に18の拠点を構えていた。台北博覧会(1935年)を前にした1934年には台北市栄町二丁目(現:衡陽路)に大型の案内所を開設したほか、台北駅前にも店舗を構えていた。さらに、1937年には、基隆市にあった大阪商船の台湾本部機能(基隆支店、基隆大空襲で焼失)を台北駅前(台北市表町)に移転させるかたちで、現存する大型の自社ビル「大阪商船台北支店ビル」が完成した。
建物は渡邊節の設計で、地上3階建て(一部4階建て)。3階までは洋風建築でありながら4階は瓦屋根を乗せている、いわゆる「帝冠様式」の建物であった。1階には切符売り場が設けられ、2~3階はオフィスになっていたという。
戦後は建物を中国国民党政府が接収し「公路總局」などとして活用。のちに3階・4階の屋根は切除されオフィスが増築されており、外観は竣工時と大きく異なるものとなっていた。そのため、台北駅前の目立つ位置にありながら歴史建築だと知らない市民も多かったと思われる。

復原前の「公路總局」(ストリートビューより)。
その後、2013年には公路總局が萬華区へ移転したのに伴い台湾政府文化部の所有となったことで復原計画が具体化した。さらに、2014年には建物が古蹟に指定され、7年間かけて建物を元の姿に戻すべく、復原作業がおこなわれていた。

復原中の大阪商船ビル。4階部分の骨組みが見える。
なお、現在「大阪商船」は三井グループの「商船三井」となっており、内航部門として「フェリーさんふらわあ(旧・関西汽船)」など、不動産部門として「ダイビル」などを傘下に持つ。

同時期に同設計者により建設された大阪商船・ダイビル本館(大阪市)。
台湾の古写真などを展示する歴史とアートの博物館に
大阪商船台北支店ビルを活用した「国家撮影文化センター台北館(國家攝影文化中心台北館)」は、国立台湾美術館のもとで台湾を中心とした写真や映像、それに関連する書物などを所蔵・展示する博物館。建物の歴史についても展示されるほか、企画展として現代・過去の様々な写真作品の展示をおこなう。
3月27日から4月18日までは、予約が必要なプレオープン期間として運営。4月19日に開業記念式典が挙行され、グランドオープンとなる。

1階部分(開業前)。
館内は、1階がカフェ、文創商店(ミュージアムショップ)、図書館。2階と3階が展示室と倉庫となる。
同館の発表によると、建物の復原に際しては撤去されていた4階屋根部分の再現(復元)が特に困難を極めたとのこと。
開館記念展示として、台湾の歴史的写真を集めたテーマ展、さらに、現在の世界の写真家が撮影した作品を展示する国際展などが開催されている。
国家撮影文化センター台北館
國家攝影文化中心台北館
台北市中正區忠孝西路一段70號(旧・台北市表町二丁目9)
営業時間:10時~18時(※月曜日(星期一)定休日)
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大丸四万十店、2021年2月28日閉店-高知大丸の「四万十プラザ」、前身から約50年の歴史に幕
高知県四万十市中村の土佐くろしお鉄道中村駅前にある百貨店「大丸四万十店(高知大丸四万十プラザ)」が、2021年2月28日に閉店した。

高知大丸四万十プラザ。
中村の大丸、約半世紀の歴史に幕
高知大丸四万十プラザの前身となる中村の大丸小型店は1970年代に開業。永年、中村市中心部の天神橋商店街に店舗を構えていたが、2000年代に入り中村駅前のハローマック跡(ハローマックの跡、中古店が短期間出店)に移転した。
店内では婦人服、婦人雑貨、化粧品などを中心に銘菓なども販売していた。
なお、同店に入居する婦人服「ワールドサロン」は、今後も営業を続けるとしている。
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名古屋テレビ塔、2021年5月1日から「中部電力MIRAI TOWER」に-ネーミングライツ取得で改名
名古屋市中区栄にある展望タワー「名古屋テレビ塔」のネーミングライツを中部電力が取得し、2021年5月1日から「中部電力MIRAI TOWER(ミライタワー)」という新名称に生まれ変わる。

レイヤード・ヒサヤオオドオリパークと名古屋テレビ塔。
(撮影:hirotti…さん)
「タワー六兄弟」の長男、2020年にリニューアル
名古屋テレビ塔は日本初の展望台付きテレビ塔として1954年6月に開業。
設計者の内藤多仲博士は「塔博士」とも称され、同塔を皮切りに「タワー六兄弟」と呼ばれる通天閣(2代目)、別府タワー、さっぽろテレビ塔、東京タワー、博多ポートタワーを相次いで設計している。
2005年には国の登録有形文化財に指定された一方、テレビ塔としての機能は2011年のアナログテレビ放送と2012~2016年まで行われたNOTTVの放送終了を以て終了している。2020年にはリニューアルをおこない、合わせて館内に宿泊施設「THE TOWER HOTEL NAGOYA(ザ・タワーホテル・ナゴヤ)」が開業したほか、タワー下にある久屋大通公園も三井不動産などによって「レイヤード・ヒサヤオオドオリパーク」としてリニューアルしている。

「レイヤード・ヒサヤオオドオリパーク」ロゴ。
中部電力のネーミングライツ所得で「ミライタワー」に
「中部電力MIRAI TOWER」の新名称は、中部電力のネーミングライツ取得により同社の創立70周年となる5月1日より使用が開始される。命名権契約額は非公表。

新名称「中部電力ミライタワー」ロゴ。
(ニュースリリースより)
改名を前に、4月30日18時からはオープニングセレモニーを実施。
新名称となる5月1日は「中部電力の日」として展望台入場料を大人900円を500円に、小人400円を無料に割引し、入場料収益を社会貢献活動に寄附するとしている。
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一畑百貨店ゆめタウン出雲店、2021年3月12日開店-駅前から移転、2年ぶり「復活」
島根県出雲市にあるショッピングセンター(総合スーパー)「ゆめタウン出雲」の1階に、小型百貨店「一畑百貨店ゆめタウン出雲店」が2021年3月12日に開業した。

ゆめタウン出雲。
2019年に閉店していた一畑出雲店
一畑百貨店ゆめタウン出雲店の前身となる一畑百貨店出雲店は1964年に一畑百貨店松江本店の支店として開店。
老朽化のため2000年に当時の店舗は解体され、跡地に建設された一畑ツインリーブスホテルの建物に2001年に縮小再出店した。

旧・一畑百貨店出雲店。
売場面積は1,639㎡+催事スペースであったが、2019年2月28日に閉店。出雲市では2000年に広島そごう出雲ショップも閉店しており、市内から(空港売店を除いて)百貨店は消滅していた。
一畑出雲店、ゆめタウン1階に2年ぶり復活
一畑百貨店ゆめタウン出雲店が出店するのは「ゆめタウン出雲」の本館1階。1階ではイズミについで面積が広い同店の核テナントの1つで、店舗面積は414㎡となる。
こうした総合スーパーへの百貨店出店は九州を中心に多く見られるが、山陰地方では珍しい。

一畑百貨店ゆめタウン出雲店(公式サイトより)。
ファッションコーナーではマックレガー、エリフェ、セラピなどの婦人服、婦人雑貨・化粧品などを中心に販売。
食品コーナーでは、地元産品コーナー「これね しまね」や全国銘菓を扱う「菓匠庵」を開設。松江銘菓「桂月堂」も出店する。
このほか、ギフトコーナー、サービスカウンター(一畑友の会受付)も設けられる。

店内のようす(一畑百貨店・公式ツイッターより)。
一畑百貨店ゆめタウン出雲店
住所:島根県出雲市大塚町650-1 イズミゆめタウン出雲1階
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松江タウンスクエア・キャスパル、2021年4月18日閉館-旧アピア、40年の歴史に幕
島根県松江市の松江城近くにあるショッピングセンター「松江タウンスクエア キャスパル」が、2021年4月18日に閉館する。

松江タウンスクエア キャスパル。
山陰有数の老舗ショッピングセンター・キャスパル
キャスパルは協同組合松江ショッピングプラザが運営するショッピンングセンター「松江ショッピングプラザ アピア」として1981年11月に開業。当時は島根県では数少ない郊外型ショッピングセンターであった。
しかし、核店舗であったスーパー「原徳チェーン(現在のホック)」が2004年に倒産。アピアは同年に休業(事実上の閉店)となった。
その後、アピアは原徳チェーンの後継企業「ホック」が全館を借り受け、2006年3月に「キャスパル」として営業を再開することとなった。

別館(左、後述)との連絡通路。
現在の店舗面積は9,536㎡で、建物は2階建て。ホックを核にファストファッション「ハニーズ」、手芸「丸十」、100円ショップ「TOKUTOKUYA(得得屋)」、「サンドラッグ」、「宮脇書店」などが出店する(一部は閉店済み)ほか、フードコートを備える。
また、建物の南側には空中連絡通路で接続された別館がある。
跡地は未定-別館のビッグエスは営業継続
閉店後の跡地の活用方法などについては、3月時点は発表されていない。
なお、別館にある「フィットネスジム24 ビッグ・エス松江」、敷地内にある「島根銀行黒田出張所」は、営業を続けるとしている。
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コンフォートホテル京都東寺、2021年4月8日開業-ダイエーグルメシティ九条東寺店跡に「東寺&トレインビュー」ホテル誕生
京都府京都市南区の近鉄京都線東寺駅前にあったダイエーグルメシティ九条東寺店の跡地に、チョイスホテルズジャパンの宿泊施設「コンフォートホテル京都東寺」が2021年4月8日に開業する。
東寺のダイエー跡地、NTT都市開発の複合施設に
チョイスホテルズジャパン(本社:東京都中央区)は、2000年9月に大手ホテルチェーン「Choice Hotels International」(本社:米国メリーランド州/世界40ヶ国7,000施設超)の日本におけるマスターフランチャイジー会社「日本チョイス」として設立。設立当初より、東海地方地盤の大手ホテルチェーン「グリーンズ」(本社:三重県四日市市)の完全子会社として経営が行われている。
コンフォートホテル京都東寺が出店するのは九条油小路交差点近くの国道1号線・九条通り沿い。近鉄東寺駅、市バスの九条近鉄前バス停からもすぐの場所となる。
建物は2021年2月に竣工、地上8階地下1階建、敷地面積は984.24㎡、延床面積は約5,944.37㎡。客室数は全182室。

Comfort HOTEL Kyoto Toji.
駅やバス停から至近の場所となる。
当地には長らく、1968年11月に開店したダイエーグループの総合スーパー「ダイエーグルメシティ九条東寺店」(旧・サカエ/地上3階建、売場面積1,325㎡)が営業していたが、競合店の相次ぐ進出もあり2018年12月をもって閉店。
ダイエー跡地ではNTT都市開発主導のもと、2019年11月以降「京都東寺駅前開発プロジェクト」として、コンフォートホテルを核にブランワン(本社:京都市中京区)のベーカリーカフェ「Fiveran」が出店する複合施設の建設が進められていた。

ダイエーグルメシティ九条東寺店。(2018年当時)
コンフォート京都再進出2号店、独自の空間やサービスも
コンフォートホテル京都東寺では、3月24日に開業した「コンフォートホテル京都堀川五条」と同様、京都に特化した新たなコンセプト「re;KYOTO~ここからはじまる、新しい京都~」を掲げ、京都発のテキスタイルブランド「ケイコロール」(山元桂子氏)とのコラボを実施。
内外装は「シンプルでありながら、深みのあるデザイン」「静けさだけでなく、趣きもあわせ持つ、京都に魅せられた人々が何度も訪れたくなるホテル」を意識。館内中央には吹き抜け(坪庭)が設けられ、内装には碁盤の目のモチーフ、フロントには京町家のモチーフ、ライブラリーカフェには満月をモチーフとした照明や和傘があしらわれている。

Comfort HOTEL Kyoto Toji Front.
館内にはオープンスペース「Comfort LibraryCafe(コンフォートライブラリーカフェ)」を設置。同社としては27施設目で、フリードリンクやブックディレクターの幅允孝氏が選書した書籍・写真集(180冊超)に加え、フリーWi-Fiやコンセントが整備される。
また、宿泊者を対象とした茶道体験などイベントを開催可能なスペースを設ける。(茶道体験の提供方法や日程、金額など詳細は未定)

Comfort Library Cafe Kyoto Toji.
一部客室は「東寺ビュー」「トレインビュー」
客室にはソニー製のAndroidTV(HDMI接続可能)や可動式のデスクを導入するなど、コロナ禍での「ニューノーマル」やテレワークに対応。

客室。
さらに、京都駅徒歩圏内かつ東寺駅そばであることから、一部の客室からは神社仏閣や京都タワーに加えて新幹線や近鉄京都線を一望することができる。

鉄道好きの担当者オススメの客室。
写真左には近鉄京都線の東寺駅がみえる。
都商研の取材に対し、鉄道好きの担当者は「この部屋に当たると嬉しくなる」とコメント。客室からの景色のよさ、そして「トレインビュー」であることも人気を呼びそうだ。
コンフォートホテル京都東寺
(Comfort HOTEL KyotoToji/凱富酒店京都東寺)
住所:京都府京都市南区西九条島町 54-1
(ダイエーグルメシティ九条東寺店跡地)
※予約・宿泊プラン詳細は以下リンク参照
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コンフォートホテル京都堀川五条、2021年3月24日開業-旧・日本1号店近くに再出店、京都らしい「伝統文化の提案」掲げる
京都府京都市下京区の京都市営地下鉄烏丸線五条駅近くに、チョイスホテルズジャパンが運営する宿泊施設「コンフォートホテル京都堀川五条」が2021年3月24日に開業する。
米国発のグローバルホテルチェーン「チョイスホテルズ」
チョイスホテルズジャパン(本社:東京都中央区)は、2000年9月に大手ホテルチェーン「Choice Hotels International」(本社:米国メリーランド州/世界40ヶ国7,000施設超)の日本におけるマスターフランチャイジー会社「日本チョイス」として設立。設立当初より、東海地方地盤の大手ホテルチェーン「グリーンズ」(本社:三重県四日市市)の完全子会社として経営が行われている。
チョイスホテルズジャパンは、2019年10月のマスターフランチャイズ契約更新にあわせてロゴマークを刷新。あわせて訪日外国人観光客増加を見据えた積極的な新規出店と既存施設のリニューアルを進めていた。

現在のコンフォートホテル・ロゴマーク。
2021年2月末時点で、日本国内における「コンフォートイン」「コンフォートホテル」「コンフォートスイーツ」の施設数は全国66施設、客室数は10,495室となっている。
コロナ禍のなか堀川五条に出店したコンフォート
コンフォートホテル京都堀川五条が出店するのは堀川五条交差点近くの国道1号線・堀川通り沿いの民家跡。地下鉄五条駅、市バスの堀川五条バス停からもすぐの場所となる。
建物は地上10階建、延床面積は約4,573.08㎡。客室数は全153室。

Comfort HOTEL Kyoto Horikawagojo.
駅やバス停から至近の場所となる。
コンフォートホテル京都堀川五条では、観光客需要に加え、京都府内の大学や研究所、MICE施設利用客などビジネス需要の獲得をめざす。
その一環として、館内のオープンスペース「Comfort LibraryCafe(コンフォートライブラリーカフェ)」(同社26施設目)では、フリードリンクやブックディレクターの幅允孝氏が選書した書籍・写真集に加え、フリーWi-Fiやコンセントを整備。客室にはコンセントやUSBポートを10口ほど整備、ソニー製AndroidTV(HDMI接続可能)や可動式のデスクを導入するなど、コロナ禍でのニューノーマルやテレワークへの対応をおこなっている。

Comfort Library Cafe Kyoto Horikawagojo.
また、同ホテル最大の占有面積とベッド数を備える「ファミリールーム」(25㎡)には“小上がり”を導入するなど、「清潔感かつ温かみのあるデザインを前提に、アクセントとして京都旅行での躍動的な気分が継続できるような地域性をプラス」するとしている。

Family Room(Three Beds).
「7年ぶり復活」で「京都ならではの伝統文化」提案
コンフォートホテル堀川京都五条の近くには、かつて1999年2月にコンフォートブランド日本1号店として開業した「コンフォートイン京都五条」(2014年1月閉館/客室数46室)が立地。同ホテルとしては約7年ぶりの京都府内再進出となる。
同ホテルは日本における“コンフォートブランド始まりの地”への再進出であることから、京都に特化した新たなコンセプト「re;KYOTO~ここからはじまる、新しい京都~」を掲げ、伝統と新しさの双方に焦点を当てた内容となる。
その一環として、1930年創業の舞台衣装専門染工場「山元染工場」が2016年4月に立ち上げたテキスタイルブランド「ケイコロール」(山元桂子氏)とのコラボを実施。客室内には同氏によるファブリックパネルを展示するほか、ライブラリーカフェには「館内のダークな色調に悪目立ちしない明るい気持ちの配色を意識した山のライン」を強調した暖簾アートが展示されている。

コンフォートホテル京都五条の暖簾アートと山元桂子氏。
2021年4月8日開業予定の「コンフォートホテル京都東寺」においても、客室にケイコロールのパネルを展示。京都東寺のライブラリーカフェでは宿泊者を対象とした茶道体験などイベントを開催する。(茶道体験の提供方法や日程、金額など詳細は未定)
担当者は都商研の取材に対して(コロナ禍によって)ホテル内で楽しめる内容を充実させたことは「ビジネスホテルではなかなか珍しい」ことだとして期待を寄せる。

コンフォートホテル京都東寺の茶道体験。
コロナ禍のなか「付加価値」でより楽しめるホテルに
京都府内では、近隣の府県や都市と比べ新型コロナウイルスの感染者数の抑え込みがなされており、2021年2月28日をもって京都府の緊急事態宣言が解除、さらに京都市では3月22日をもって飲食店への時短要請が解除されている。その一方で、宿泊施設においては依然としてビジネス需要・観光需要ともに先行きが不透明な状況にある。
こういった背景もあり、コンフォートホテル京都五条は従来のビジネスホテルとしての価値向上のみならず、京都が持つ伝統文化をホテル内で体感・体験できるという付加価値を付け加えることで「ビジネスホテル+α」を実現。結果的に「ビジネス客」「観光客」の双方にとってより過ごしやすく、そしてより楽しめるホテルになったといえよう。
コンフォートホテル京都堀川五条
(Comfort HOTEL KyotoHorikawaGojo/凱富酒店京都堀川五條)
住所:京都府京都市下京区堀川通五条下る泉水町 134-32
※予約・宿泊プラン詳細は以下リンク参照
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東急ハンズ池袋店、2021年10月31日閉店-ハンズ旗艦店、37年の歴史に幕
東京都豊島区のサンシャインシティ近くにある大手雑貨店・都市型ホームセンター「東急ハンズ池袋店」が、2021年9月下旬に閉店する。
追記:閉店日は10月31日となった。

東急ハンズ池袋店・エントランス。
池袋のハンズ、37年の歴史に幕
東急ハンズ池袋店は「住友生命池袋ビル」の核テナントとして1984年9月に開業。建物は地下2階地上9階建て、売場は1階から8階まで、店舗面積は6,390㎡で、同社の旗艦店として知られる。
建物は三菱UFJ信託銀行を経て、2021年現在は大部分がヒューリックの所有となっている。

東急ハンズ池袋店(ヒューリックより)。
ハンズは閉店理由について老朽化を大きな要因としているものの、池袋駅近くではマルイが閉店を発表しているほか、飲食店の撤退も目立っている。ハンズも3月時点では近隣への移転などを発表しておらず、池袋地域はコロナ禍の影響が非常に大きなものとなっている。
建物の今後やハンズの後継店舗などについては、3月時点では発表されていない。
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