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アミュプラザ小倉、2018年9月14日リニューアルオープン-小倉駅ビル開業20周年で

福岡県北九州市小倉北区にあるJR小倉駅ビル「アミュプラザ小倉」が、大規模改装を終えて9月14日にリニューアルオープンした。

アミュプラザ小倉。
火災により外壁にあった「AMU」のロゴは撤去された。

開業20周年を迎えたアミュプラザ、大規模リニューアル

アミュプラザ小倉(小倉ステーションビル)は1998年3月にJR九州が運営する駅ビル「アミュプラザ」の1号店として開業。売場面積は16,934㎡で、北九州市の中心・小倉唯一の駅ビルとして大きな集客を誇る。
館内にはセレクトショップ「URBAN RESEARCH DOORS」やcoenの地域密着型業態「coen Grand Store」、ストリートファッション専門店「WEGO」、「GLOBAL WORK」、ワンランク上の靴を取扱う「ABCマート プレミアステージ」、ブック&カフェ「くまざわ書店」、CD・DVDショップ「新星堂」、イオングループの食品スーパー「レッドキャベツ」など約150の専門店が入居するほか、高層階にはJR九州グループのホテルが入居する。

駅ビル開業20周年で「全面改装」-来春にも改装予定

今回のリニューアルは、開業20周年を記念して8月上旬から進められていたもの。
新規出店店舗は、西日本初となるヴィレッジヴァンガードの「食」と「コト」のセレクトショップ「こととや」や、九州初となる服飾雑貨店「アコモデ」、阪急阪神百貨店系の化粧品専門店「フルーツギャザリング」、広島県呉市にある老舗茶問屋の日本茶カフェ「田頭茶舗」、地元・北九州の和菓子店「菓匠きくたろう」など8店舗。

西日本初となるヴィレヴァンのグロサリー「こととや」。


「きびだんご」の製造工程が見える「菓匠きくたろう」。

また、若年女性に根強い人気のあるストライプインターナショナルの「earth music&ecology」やアダストリアの「niko and」、雑貨店「PLAZA」「Francfranc」、ベルギーの高級チョコレート店「ゴディバ」など16店舗がリニューアルオープンした。
このほか、今回の改装に先駆けて今夏までにJR九州グループが初めてFC運営する「スターバックスコーヒー」、手作りコスメ等を扱う「LUSH」など数店舗が新規出店、もしくはリニューアルオープンしている。

再開発進むJR小倉駅前

小倉駅周辺では、大丸ビル跡地にテナントビル「KDビル」が2017年秋に開業、小倉駅前郵便局や三菱UFJ信託銀行北九州支店跡地で建設中の「(仮称)小倉駅南口東地区第一種市街地再開発事業ビル」が2019年5月に完成するなど、バブル期から凍結状態にあった大型再開発プロジェクトが規模を縮小しながらも再び動き始めた。

アミュプラザ小倉の隣では再開発ビルの建設が進む。

その一方、地元老舗百貨店「井筒屋」が運営する百貨店「コレット」(旧小倉そごう→小倉玉屋→小倉伊勢丹)が2019年2月に撤退するなど、九州の玄関口の先行きは不透明な状態が続いている。

コレット井筒屋/アイム専門店街。

アミュプラザ小倉の魅力向上により、これらの駅前再開発やコレット再活用に弾みが付くと良いのだが、果たして…。

外部リンク:アミュプラザ小倉|AMU PLAZA ONLINE ファッション・雑貨はもちろん!福岡・北九州のお土産もアミュプラザ小倉でどうぞ。
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丸栄、東郷青児デザインの「エレベーター扉」を販売-入札方式で、2018年9月18日まで

6月30日に閉店した愛知県名古屋市中区栄の百貨店「丸榮」(丸栄)は、エレベーターに設置されていた東郷青児デザインの「丸栄百貨店店舗「女性画扉絵付昇降機(客用エレベーター)扉」2分割1組」を入札方式で9月18日まで販売する。

東郷青児による女性画扉絵付昇降機(客用エレベーター)扉。

丸栄の「シンボル」を販売-入札開始価格「54万円」

丸栄は1615年に創業した「十一屋呉服店」を起源に持つ。太平洋戦争最中の1943年に当時大手百貨店であった「丸物」傘下の「三星百貨店」と合併して現在の屋号となった。
1952年には建築家・村野藤吾の設計で、戦後に出来た建物を増築する形で現在の本館(地下2階、地上8階)が完成。外観のモザイクタイルの壁画、1階エレベーターの扉にあしらわれた東郷青児の絵など、豪華な内外装は栄地区の名物となった。

百貨店営業終了日の丸栄。

今回出品されるエレベーター扉は、縦215cm、横150cm、厚さ5cm、重量約80kg。丸栄の象徴として百貨店の営業終了まで買物客に親しまれていた。
エレベーター扉の入札開始価格は54万円(税込)。
販売個数は10セット。FAXまたは郵送で9月18日まで入札を受け付け、19日に開札を実施、28日に最高価格から上位10名の落札者を対象に電話での連絡が行われる。また、エレベーター扉はの配送は、丸栄グループの装飾・運送会社「栄工社」により、愛知県内(山間部・離島など除く)に限り行われる予定となっている。

外部リンク:丸栄 MARUEI(入札会開催のお知らせを掲載)
関連記事:丸栄、6月30日閉店-サカエの顔、403年の歴史に幕

伊藤忠商事、「ローラ・アシュレイ」の展開開始-「日本再進出」へ

伊藤忠商事は、8月に日本から撤退していた家庭用品・アパレルブランド「ローラ・アシュレイ」(Laura Ashley)の展開を開始することを発表した。
同ブランドは日本再進出することになる。

ローラ・アシュレイの店舗(閉店済み)。

日本ではイオンが展開-8月までに全店閉店していた

ローラ・アシュレイは1968年にイギリス・サウスケンジントンに1号店を出店。1985年に日本初出店を果たした。1986年にはジャスコグループ(現:イオングループ)主導のもと、イギリス「ローラ・アシュレイ」社との共同出資で「ローラ・アシュレイ・ジャパン」を設立。ポップな花柄をモチーフとしたデザインの家庭用品やホームウェアなどのアパレル商品は広く受け入れられ、全国の百貨店や駅ビルを中心に、グループの利を生かしてイオングループの大型店への出店もおこなっていた。
また、近年はサンリオとのコラボレーションも行ったことも話題となった。

サンリオとのコラボ商品。
(サンリオのニュースリリースより、© Laura Ashley 2015、©1976, 2015 SANRIO CO.,LTD.)

しかし、イオングループは英国法人との契約終了を決定。
8月31日(台湾では9月10日)までに「ローラ・アシュレイ・ジャパン」が展開する日本、台湾、香港の全店舗を閉店していた。

伊藤忠商事が9月から販売再開-再び店舗展開も

伊藤忠商事は、ローラ アシュレイ」ブランドの日本市場における独占輸入販売権およびマスターライセンス権を取得。ローラ・アシュレイの店舗は一旦全て閉店してしまったものの、9月18日から再び主要百貨店や専門店などで商品展開をおこなうことを発表した。
また、新たに展開を開始する公式通販サイトも開設する予定で、今後は直営店の出店もおこなう方針だという。
イオングループの「ローラ・アシュレイ・ジャパン」の年商は117億円(2017年2月期)であったが、伊藤忠商事は3年後に年商80億円(小売上代ベース)を目指すとしている。

外部リンク:「ローラ アシュレイ(Laura Ashley)」ブランドの独占輸入販売権およびマスターライセンス権取得について
関連記事:オールドネイビー、2017年1月22日に日本撤退-GAP姉妹ブランド、全店閉鎖に
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ダイエー横浜西口店、2019年2月閉店へ-「サンコー」から51年の歴史に幕

神奈川県横浜市西区のJR横浜駅前にある総合スーパー「ダイエー横浜西口店」(ダイエー横浜ショッパーズプラザ)が近く閉店することを発表した。

ダイエー横浜西口店。

追記:閉店日は2019年2月11日となる。

岡田屋モアーズ傘下のスーパー「サンコー」だった

ダイエー横浜西口店は、横浜岡田屋(モアーズ)傘下のスーパー「サンコー横浜西口店」として現在の本館部分に1968年開業。
その後、ダイエーに経営譲渡、増床されて1972年4月に「ダイエー横浜ショッパーズプラザ」としてリニューアルオープンした。
なお、サンコーは1981年に当時ダイエーグループだったマルエツと合併、消滅している。
現在は本館(1-2階、3-10階はUR南幸市街地住宅)と新館(1-7階)で構成され、売場面積は11,348㎡。建物は権田金属工業が所有する。
テナントとしては、本館には「ディッパーダン」、「サーティーワン」、新館には「ブックファースト」、「レコファン」、「キャンドゥ」などが出店する。
以前は「GU」、「あおい書店」、「ドムドムハンバーガー」なども出店していた。
かつては継続して100億円以上の年商があり、ダイエーグループの旗艦店であった。

閉店セールは9月15日から-UR住宅も建替えか

ダイエー横浜西口店では9月15日から閉店セールが開始される。
「完全閉店」としていることから、イオンへの転換ではなくそのまま閉店するものとみられる。
なお、本館の上層階は集合住宅(公団住宅)「UR南幸市街地住宅」となっており現在は入居者もいるが、URは同住宅を近い将来に商業施設を備えた新たな集合住宅へと建替えする方針であるといい、住宅部分を含めてそのまま解体となる可能性もある。

外部リンク:ダイエー横浜西口店
外部リンク:南幸市街地住宅(建替)住宅建設その他工(都市再生機構【UR】(神奈川地域))(ダイエー本館の建替え入札について)
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イオン下大利店、2019年3月31日閉店-閉店危機を乗り越えた旧・ダイエー、建替えめざす

福岡県大野城市下大利の西鉄下大利駅前にある総合スーパー「イオン下大利店」が、2019年3月31日に閉店する。

イオン下大利店。

経営悪化を乗り越えた元ダイエー、ついに閉店

イオン下大利店は1987年4月、ユニードと地元資本の協同組合が共同開発した「下大利えびすショッピングセンターピュア」の核テナント「ダイエー下大利店」として開店。建物は2階建で、売場面積は10,879㎡。ダイエーの九州内大型店舗を承継したイオンストア九州が施設を所有する。
ダイエーの九州地方撤退に伴い、2015年9月にイオン九州に運営移管され、店舗名を「イオン下大利店」に改称していた。

館内のようす。吹き抜けの照明は殆ど切れている。

開業当初は、館内の一部が協同組合による専門店街「ピュア」となっていたほか、館内の吹き抜け部分に星座の装飾(一部現存)が施され、九州初となるミニ映画館(現在は廃止)も併設されるなど、時代を感じさせる豪華な設備が特徴であった。

閉店一転、幾度も改装-迷走した32年に幕

ダイエー下大利店は、ダイエーが産業再生機構傘下となった翌年2005年2月に不採算店として閉鎖店舗の対象に加えられたものの、同年9月に一転して営業継続が決定。
2007年には1階に直営売場を集約し、衣料品の取扱いを終了。2階に大型家具アウトレット専門店「ビッグウッド」(2010年3月閉店)を導入するなど改装を進めたが、ビッグウッド跡に進出した「蔵HOUSE」が2012年3月に撤退、蔵HOUSE跡に進出したアウトレット衣料「T&H」も短期間で撤退したことから、再び直営衣料を再導入するなど迷走が続いていた。

ダイエー下大利店。

2018年9月現在、イオングループのゲームセンター「モーリーファンタジー」、100円ショップ「キャンドゥ」、フードコート「どんどん」など11の専門店が営業するほか、JA筑紫(筑紫農業組合)の事務所が入居する。(テナント数は銀行ATM、宝くじ売場を除く)

建替え・再出店をめざす

イオン下大利店跡の建物は解体する方針で、その後は建て替えによる再出店が検討されているという。
急行停車駅の駅前立地であるため、マンションとの合築なども予想される。
(撮影:@tyario_lalala

外部リンク:イオン下大利店公式ホームページ
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岩田屋久留米店新館、2019年3月21日閉店-本館「米城ビル」に売場集約

岩田屋三越(福岡市)は、福岡県久留米市の西鉄久留米駅に直結する「岩田屋三越 岩田屋久留米店新館」(千歳プラザ)を2019年春に閉館させる。
追記:閉館日は3月21日となる。

久留米岩田屋新館。

「千歳プラザ」の売場を閉鎖、米城ビルに集約

岩田屋久留米店(久留米岩田屋)は西鉄久留米駅東口に竣工した「米城ビル」(地上11階、地下1階)に1972年5月開業。
今回閉店する新館は、米城ビルに隣接する再開発ビル「千歳プラザ」(西鉄久留米駅東口再開発A棟、専門店街を含む売場面積6,002㎡、岩田屋部分は約5,000㎡。なお「B棟」(千歳プラザ西館)はリベール。久留米市、地権者などが出資・所有する第三セクター)の竣工に合わせて1983年8月に開店した。
新館は地上10階、地下1階建てで、岩田屋は1階から4階までに出店。紳士服売場、銘菓売場、書籍「リブロ」などが入居する。
なお、久留米岩田屋全館の売場面積は17,655㎡、2017年度の年商は117億7,100万円となっている。

久留米岩田屋本館「米城ビル」(左)、新館「千歳プラザ」。

新館が入居する「千歳プラザ」のうち、5階から10階には久留米ハイネスホテルが入居するが、今後も営業を続けるものと思われる。
なお、地階の専門店「ダイソー」は岩田屋の売場ではない(専門店街「ビープラ」)が、エスカレータで岩田屋の売場とも繋がっているため、営業継続するかどうかは未定である。

新館のようす。

改修を進める本館、屋上庭園も人気に

一方の岩田屋久留米店本館は1972年5月開業と古いものの、近年は所有者の米城ビルが全面改修を進めており、2013年には屋上庭園・屋上フードコートが再整備されたほか、耐震補強工事や外壁更新、トイレの洋式化も実施されたばかり。
駅直結の好立地だけに、今後は綺麗になった本館への「一館化」による更なる活性化、そして新館跡への新たなテナント誘致も期待される。

屋上庭園。

外部リンク:IWATAYA|岩田屋久留米店 月間イベント情報 – 岩田屋三越
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I.Gストア渋谷、2018年10月28日閉店-丸井にある「アニメ制作会社直営店」、ネット店に統合で

アニメ制作会社大手「Production I.G」(東京都武蔵野市)が運営するアニメグッズ販売「I.Gストア渋谷」が10月28日に閉店する。

I.Gストア渋谷。

「サブカルに強いマルイ」を象徴する店舗だった

「Production I.G」は1987年にタツノコプロから独立して設立。
攻殻機動隊」、「黒子のバスケ」、「ハイキュー!!」、「魔法使いの嫁」などの制作で知られる。
I.Gストア渋谷は2016年4月に渋谷マルイ7階に開店。当時は大手アニメ制作会社が渋谷のファッションビルに出店したとあって話題を呼んだ。

渋谷マルイ。

同社の発表によると、閉店は売上が伸びているネット店舗の展開に注力するため。10月22日に「I.Gストアサイト」をリニューアルオープン、11月12日に「I.Gストアオンラインサイト」をリニューアルオープンさせる予定で、ネットショップへの「店舗統合」となる。

I.Gストア渋谷のキービジュアル(公式サイトより)。

I.Gショップは近年の「サブカルに強いマルイ」を象徴するものであっただけに、後継店舗もこうしたサブカル関連店となるのかどうか注目される。

今やアニメコラボは「丸井の定番」だ。

外部リンク:I.G STORE
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デパートサンライズ、2019年度に解体へ-阿波池田駅前の旧・ジャスコ

徳島県三好市のJR阿波池田駅前にある複合商業施設「デパートサンライズ」が2019年度中に解体される。

デパートサンライズ。

阿波池田駅前の巨大ビル、40年の歴史に幕

デパートサンライズは1979年2月に開業。地上7階、地下1階建てで、売場面積は6,462㎡。建物は協同組合まるせんデパートが所有していた。デパートのキャッチフレーズは「ふるさとのあたらしい街」。
開業時には核店舗として「ジャスコ阿波池田店」が出店(売場面積3,050㎡)、残りは協同組合まるせんデパートの専門店街(35店舗、売場面積3,412㎡)となっていたが、ジャスコは開店20年となる1999年9月に閉店。
跡地には地場大手の「デイリーマート」が出店したが、デイリーマートは2007年7月に徒歩圏の工場跡に開業した「フレスポ阿波池田」に移転。なお、同店は平屋ながら売場面積7,767㎡とサンライズより広い。

徒歩圏にあるフレスポ阿波池田。

その後、サンライズには地元企業により「スーパー阿波っ子」が出店したが5年程度で閉店した。このほか、大型テナントとしては「マツヤデンキ」(2007年閉店)、「宮脇書店」(2015年閉店)なども出店していた。
徒歩圏に大型商業施設が出来たことから近年はほぼ空き店舗となっており、商業テナントは2015年までに撤退、同年に建物は三好市に譲渡されていた。
現在は「三好市立中央図書館」、オフィスなどが入居するが、建物が古く、駐車場も狭いために図書館としても使い勝手はよくなかったと思われる。

館内のようす。

三好市の発表によると、解体は建物にアスベストが使用されているため。建物は40年の歴史に幕を下ろすが、跡地利用については決まっていない。
先述の通り同ビルは三好市が所有しており、三好市は小規模の公共施設建設などを検討しているという。

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八幡祇園町銀天街、アーケード撤去へー約60年の歴史に幕、2016年には大火も

北九州市八幡東区の商店街「八幡祇園町銀天街」のアーケードが、近く撤去されることになった。

八幡祇園町商店街。

製鉄景気で賑わったアーケード、60年近い役目終える

八幡祇園町銀天街は八幡駅から1kmほどの九州国際大学近くに所在。
商店街内にはだいしん通り、前田中央市場など複数の共同店舗や横丁もあり、毎月7の付く日には「七日市」も開催されている。

アーケードの南入口。

アーケードの撤去は、屋根の老朽化によるもの。
祇園町銀天街の現在のアーケードは1960年に造られた。八幡製鐵→新日鐵の社宅も近く、かつては多くの食料品店があったものの、新日鐵の合理化と高齢化により客足が減少。アーケード内は空き店舗が目立ち、アーケードは老朽化により損傷している箇所も見られた。
さらに、2016年7月には商店街北側にあった市場「祇園マーケット」で火災が発生。8棟が全焼し、空き店舗の増加に拍車がかかっていた。
衰退が進んだとはいえ、地元客から根強い人気があった商店街だけに、アーケード撤去後の新たな街づくりに期待が寄せられる。

横丁には多くの市場があり、地元客に根強い人気がある。

外部リンク:八幡祇園町銀天街
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日本橋高島屋S.C.、2018年9月25日グランドオープン-4館体制の「都市型ショッピングセンター」に

東京都中央区日本橋で開発が進められていた「日本橋二丁目地区第一種市街地再開発事業」が完成を迎え、核となる「日本橋高島屋S.C.」が9月25日に全面開業を迎える。

日本橋高島屋S.C.

高島屋の旗艦店、再開発を機に都市型SCに業態転換

高島屋日本橋店は1900年に高島屋東京店として開業。現在の本館(日本生命館ビル)は1933年竣工、地上8階・地下2階建てで、売場面積は44,808㎡。
本館の設計は帝国ホテル新本館を手掛けた高橋貞太郎、1952年増築部分の設計はそごう大阪店や丸栄を手掛けた村野藤吾によるもので、2009年に百貨店建築初となる重要文化財指定を受けている。

本館の館内。

今回の再開発・都市型ショッピングセンター化は「日本橋二丁目地区第一種市街地再開発事業」(2014年着工)の一環として、高島屋、三井不動産、太陽生命など複数の企業が参加する日本橋二丁目地区市街地再開発組合により計画されたもの。
高島屋周辺では、すでに2015年に時計専門館「タカシマヤ ウォッチメゾン 東京・日本橋」(地上1~2階、売場面積約800㎡)が、2018年春に「日本橋高島屋S.C.東館」(地上4~5階、売場面積約2,000㎡)が先行開業しており、9月25日の「日本橋高島屋S.C.新館」(地下1階~地上7階、売場面積約17,000㎡)の開業により同店は4館体制となる。

2018年春に先行開業した日本橋高島屋S.C.東館。


東館の核テナント「ポケモンセンタートウキョーDX」。

新館には日本初含む115店舗が出店、客層拡大図る

日本橋高島屋S.C.全面開業後の売場面積は約66,000㎡。
全体コンセプトに「『美しい暮らしスタイル』を発信する店」、新館コンセプトに「『日本橋生活者』のための場の提供」を掲げ、従来から高島屋を利用していた顧客に加え、近隣商圏のオフィスワーカーや居住者、国内外からの観光客を想定ターゲットにした施設づくりを目指すとしている。

日本橋高島屋S.C.のフロア構成。

本館地下1階の和洋菓子売場には、高島屋和洋菓子バイヤーによる“かつてないギフトに特化した洋菓子セレクトショップ”「THE BEST CHOICE」、伝統的フランス焼菓子のサブレ専門店「Sabléya」(サブレヤ)、ショコラ専門店「ル・ショコラ・アラン・デュカス」、静岡県浜松市の老舗和菓子店「巖邑堂」、大阪のチョコレート専門店「Cacaotier Gokan」、河田勝彦氏による老舗パティスリーの新業態「オーボンヴュータンシャルキュトリー」など、百貨店初となるブランド、業態が多数出店。
本館1階には“コト・体験型”を切り口としたトータルビューティーサロン「ベルサンパティック」や地域最大級の婦人靴売場「SHOEWORLD」(売場面積約1,000㎡)、化粧品5ブランド、本館4階には上質で本物志向のインナーを取り揃えた「マイボディルーム」(売場面積約460㎡)、本館6階にはファッションディレクター・干場義雅氏監修の「タカシマヤ スタイルオーダー サロン」(売場面積55㎡)が新たに導入。本館8階にはパリ最高峰のレストラン「タイユヴァン」が手掛ける「LES CAVES de TAILLEVENT TOKYO」(売場面積約100㎡)が出店する。
LES CAVES de TAILLEVENT TOKYO(イメージ)

本館ガレリア部分と新館には、115店舗が新規出店する。(9月6日時点)

新館の建物と、本館を繋ぐ「日本橋ガレリア」。

地下1階「シティマルシェ」には、高島屋バイヤーによる月替わりポップアップショップや高品質食品スーパー「成城石井」、東京・青山のデリカデッセン「PARIYA」、スローフードスタンド「GREENBOWL」、日本橋にあるビストロの姉妹店「おかずフレンチ MANON」、「東京カレースタンドHATOMNOMORI」など15店舗が出店。うち12店舗がイートイン併設となるなど、美味しい「食」の便利を提供するフロアを目指す。
1階「プロムナード」には、オーストラリアの人気ジェラートショップが手掛ける「N2 Brunch Club」、JR東日本系の高級食品スーパー「紀ノ国屋アントレ」、代々木八幡のベーカリー「365日と日本橋」、お粥専門店「CAYU des ROIS」、サンドイッチ専門店「CAYU des ROIS 日本橋」など25店舗が出店。うち10店舗は7時30分から営業を行う。

新館と本館を繋ぐ「日本橋ガレリア」。

2階「クオリティークローゼット」には、セレクトショップ「TOMORROWLAND」の大型店、「martinique日本橋」、UNITED ARROWSが展開する「ドゥロワー」(日本橋三越から移転)など9店舗が出店。
3階「シティパークカジュアル」には、セレクトショップ「JOURNAL STANDARD」のインテリア雑貨専門店「journal standard Furniture」など16店舗が出店。
4階「日本橋スタジオ」には、中川政七商店グループの茶道教室・茶道具専門店「茶論(さろん)中川政七商店」、ティップネスの女性専用コンディショニング・ヨガスタジオ「libéry Yoga conditioning by TIPNESS」など、コト体験や好奇心に重点を置いたサービス店舗や雑貨店15店舗が出店。
5階「ガジェットハウス」には、校正・校閲事業に加え「かもめブックス」「歌舞伎町ブックセンター」を手掛ける鴎来堂の本棚専門新業態「HummingBird Bookshelf」、中目黒に本店を置く雑貨店「BRICK & MORTAR」など17店舗が出店。
6階「日本橋ダイニング」には、札幌・すすきのの人気寿司店「札幌鮨棗 日本橋」、五感で愉しむ鉄板焼店を謳う「虎幻庭」、1789年(寛政元年)創業の更科そば専門店「総本家 更科堀井」など10店舗が出店。
7階「日本橋テラス」には、表参道の「TWO ROOMS グリル&バー」のチームが手掛ける「SEPTIÈME Brasserie & Bar」、地元・人形町のグルメバーガー専門店「BROZERS’」、シーフード食堂スタイルのポルトガル料理専門店「マヌエル マリシュケイラ」などが7店舗が出店する。

「都内最大級」の屋上庭園は2019年春開業

日本橋高島屋S.C.では、2019年春に都内最大級となる屋上庭園「日本橋グリーンテラス」(約6,000㎡)の開設、VIP車輌やタクシーの乗降スペースの整備も予定されている。

日本橋グリーンテラス(イメージ)。

高島屋の競合店である日本橋三越本店も、2018年10月24日に隈研吾氏を起用した再開発(リモデル)プロジェクト第1期を完了させるべく、化粧品、雑貨、特選品フロアの一新やラウンジ、ウェルカムゲート(おもてなし拠点)の新設を進めている。

日本橋三越本店も改装を進める

日本橋高島屋S.C.は、老舗が集う日本橋だけに他の「高島屋系ショッピングセンター」とは一味違う、あくまでも「日本橋らしさ」「百貨店らしさ」を前面に押し出すかたちとなった一方、都内最大の屋上庭園やポケモンセンター、イートインの開設など、客層を広げるための新たな試みも垣間見える。
開業118年を迎える日本橋高島屋。時代にあった「進化」のその先に期待したい。

日本橋髙島屋S.C.

住所:東京都中央区日本橋2丁目4番1号
営業時間:午前10時30分~午後7時30分
9月25日から10月31日までは午後8時閉店(その他イベント時も延長)
地下2階・8階レストラン街、8階特別食堂:午前11時~午後9時30分
東館ポケモンセンタートウキョーDX:午前10時30分〜午後9時
東館ポケモンカフェ:午前10時30分〜午後10時

外部リンク:日本橋高島屋 S.C. | トップページ
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