カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

JR福井駅前「三角地帯」、全面再開発へ-電車通り「トランジットモール化」も検討

JR福井駅西口の中央大通りと駅前電車通りに囲まれた「三角地帯」の再開発計画案がまとまった。

福井駅西口の通称・三角地帯(左)。

福井駅西口、北陸新幹線開通を前に大規模再開発へ

素案は不動産大手「森ビル」(東京都港区)の子会社がまとめたもの。
当初、再開発は三角地帯の一部(ユアーズホテルフクイ周辺)のみで行われる計画であったが、地権者でつくる「中央1丁目4東地区まちづくり協議会」などは、より大規模な再開発をおこなうために2016年10月に再開発検討地域を三角地帯全体へと広げていた。

三角地帯図(GoogleMapより作成)。

現在の三角地帯には「ユアーズホテルフクイ」、「勝木書店本店」などの大型施設があるものの、老朽化した建物が多いほか、2016年にはミスタードーナツが撤退するなど空洞化が進行している。
また、3月24日には福井市を商圏とする北陸最大級のイオンモール「イオンモール新小松」が石川県小松市に開業。福井駅前を取り巻く商環境は大きな転換点を迎えている。

三角地帯には老朽化した建物が多い。
中央の白いビルが再開発の核施設となるユアーズホテル。

ホテル、マンション、コンベンション施設を軸
-「ヒゲ線」エリアのトランジットモール化も検討へ

計画では、中核施設として「ユアーズホテルフクイ」の建替えを軸とする。ホテルは高層部を使い、中層部はオフィスフロアとし、その一部は起業家らを集める「インキュベーションオフィス」とする。このインキュベーションオフィスについては、北陸大手のドラッグストア「ゲンキー」(福井県坂井市)も運営に協力する姿勢を見せている。
また、ホテルに隣接して別棟で、500人規模のホールを備えたコンベンション施設を建設する。さらに、その隣接地には高層マンション棟を建設し、まちなか居住を進めるという。また、3棟ともに下層階は商業施設となり、現在商店街に立地している商店などを出店させる計画だ。
これらの三角地帯の再開発事業について、再開発協議会は2022年の北陸新幹線福井駅開業までにすべてを完成させたいとしている。
また、再開発後は、福井鉄道の駅前支線(ヒゲ線)が走る駅前電車通りを公共交通と歩行者のみが通行できるトランジットモール化し、車道を中央大通りに集約することも検討されている。

駅前電車通りのトランジットモール化も検討される。
右側が再開発される三角地帯。

その一方で、地元紙・福井新聞によると、こうした大規模な再開発には一部の地権者が慎重な姿勢を見せており、計画の詳細が決まるまでにはまだ時間がかかりそうな状況だ。

再開発すすむ福井駅前

福井駅前では2022年の北陸新幹線開業を控えた再開発が各地で進んでおり、2014年には飲食街、商業施設、図書館などを備えた再開発ビル「アオッサ」が、2016年にはタワーマンションと公共施設、商業施設を備えた再開発ビル「ハピリン」が開業したほか、同年には福井鉄道駅前支線(ヒゲ線)が駅ロータリーまで延伸、福井鉄道とえちぜん鉄道の相互直通運転も開始されるなど、公共交通網の整備も進んでいる。

2014年に完成した再開発ビル「AOSSA」。
2022年の北陸新幹線延伸を前に開発が進む。

関連記事:福井市の大型店4店、合同セールを開催-イオンモール新小松に対抗
関連記事:福井鉄道・えちぜん鉄道、2016年3月27日より相互乗り入れ開始-駅前線延伸も同時開通
関連記事:イオンモール新小松、3月24日開業

千葉三越、2017年3月20日閉店-33年の歴史に幕、”上得意様向け”小型店開設へ

千葉県千葉市中央区のJR千葉駅近くにある「三越千葉店」が2017年3月20日に33年の歴史に幕をおろした。
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千葉三越。

「奈良屋」からの300年近い歴史に幕

三越千葉店(千葉三越)は1743年に創業した呉服店「奈良屋」を前身とする百貨店。
現店舗は1972年10月に「奈良屋」と三越が合弁で運営する百貨店「ニューナラヤ」として千葉駅前の「塚本千葉第2ビル」に開業した。
三越からの商品調達や商品券の相互利用を開始、外壁に「ライオンレリーフ」を設置するなど、千葉を代表する三越系百貨店として営業を続けていた。
1984年10月には奈良屋が経営から撤退するとともに屋号を「千葉三越」に改称。それ以降は、ラグジュアリーブランドの強化やライオン像の設置など、三越色をより一層強めていった。(詳細は前記事を参照)

地域密着路線で生き残り目指した千葉三越

2016年9月に閉店が発表されて以降、1階ライオン口にニューナラヤ時代外壁に設置されていた「ライオンレリーフ」を復活させたほか、大通側の催事スペースでは猪熊弦一郎氏が手掛けた三越の包装紙「華ひらく」をモチーフにしたアート作品や、千葉三越閉店記念グッズ、震災チャリティ商品の販売が行われるなど、長年の買物客に向けたイベントが次々と開催された。

三越「華ひらく」コレクション。
(ティファニー跡・プロモーションスクエア)

また、3月からは「千葉三越と地域の歩み写真パネル展」と題して、千葉三越の前身「奈良屋百貨店」のみならず、イオンの前身の1つである「扇屋百貨店」、千葉パルコの前身であった「田畑百貨店」など、千葉県内の地場百貨店各社を取り扱った写真・案内板を設置。買物客からもかつての店舗を懐かしがる声が多く聞かれるなど、フィナーレに相応しい空間がつくられた。

千葉三越と地域の歩み写真パネル展。

営業最終日となった3月20日午後7時30分から閉店記念式典が行われ、北條司店長を始めとする10人ほどのスタッフが大通り西側玄関に集結、式典を見るべく玄関前は千葉市民で溢れかえった。

最終日を迎えた千葉三越。

閉店式典において、百貨店の顔であったルイ・ヴィトン、ブルガリ、ティファニーといったラグジュアリーブランドが千葉三越から相次ぎ撤退、その多くがライバルの千葉そごうに移転したこともあり、「ここ数年間においては商品面や売場店内の環境面においても皆様を十分ご満足いただくことはできなかった」と語った一方、「地域の皆様と密着したイベントの開催や、販売員一人一人がお客様ご指名いただくような販売員になろうと皆で努力した」「(励ましの言葉が)この半年間商売を続けてくるなかで私たちの大きな心の支えとなりってまいりました」「明日から皆様たちのお役に立つことは叶いませんが、私たちはこれまでご愛顧いただきました多くのお客様、そしてこの千葉の地域の皆様のことを決して忘れることはございません」と、奈良屋時代から遡った買物客やスタッフへの感謝を語り、33年の集大成ともいえる式典を締めくくった。

33年の歴史に幕を下した千葉三越。

「富裕層」「ギフト」「学生」に特化した小型店を開設

千葉三越は3月20日の百貨店閉店以降、隣接する塚本大千葉ビル(旧・千葉そごうBee-One館)5階に常設の学生服取扱店舗「三越スクールユニフォーム 千葉」(約100㎡)を、9階にお中元・お歳暮時期限定の贈答品専門店「三越日本橋本店 千葉ギフトカウンター」(約135㎡)を、そごう千葉店に隣接したJPR千葉ビル5階に富裕層・外商利用客を対象とした「お得意さま向けのサロン」(約140㎡)を順次開設。百貨店閉店後も上得意客の囲い込みを図る。

お得意さま向けのサロン。

また、現段階では詳細は発表されていないが、今後の動向を見て2018年に全面開業予定のJR千葉駅ビル「ペリエ千葉」に、「エムアイプラザ」「イセタンミラー」などの小型店を出店する可能性もあるという。
千葉三越の閉店により、千葉市内の百貨店はそごう千葉店(千葉そごう)のみとなる。
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千葉そごう。

外部リンク:三越千葉店
外部リンク:ココリア多摩センター
関連記事:千葉三越、2017年3月閉店
関連記事:多摩センター三越、2017年3月閉店-旧そごう、ココリア多摩センターの核店舗
関連記事:JR千葉駅、11月20日リニューアル-駅機能は3階に
関連記事:イオンモール幕張新都心前のJR京葉線新駅基本計画発表-開業は約10年後?

ココリア多摩センター、2017年3月20日の三越閉館で専門店街拡大-多くのテナントが営業継続へ

東京都多摩市にあった百貨店「三越多摩センター店」が2017年3月20日に閉館したことに伴い、1~2階の多くのテナントが「ココリア多摩センター」専門店街に統合され、3月21日より新たなスタートを切った。

ココリア多摩センター。

旧・多摩そごうから続く「百貨店の歴史」、28年で終幕

多摩センター三越(三越多摩センター店)は1989年10月開店の「多摩そごう」(2000年9月閉店)跡の下層階に2000年11月出店。全館の売場面積は32,031㎡。そごう破綻後初の本格的な店舗再活用とあって話題を呼んだ。
多摩そごうの建物はバブル期のそごう建築らしい非常に贅沢な造りで、ダブルクロスエスカレータや人工川などがあり、ランニングコストも大きくかかったと考えられ、のちに一部の吹き抜けを埋めるなど大規模な改装工事を行っている。
2010年には3~5階に出店していた「IDC大塚家具」が立川市に移転することに伴い、所有者の「新都市センター」により2011年4月からビル全体が「ココリア多摩センター」として全面改装され、現在3~5階にはユニクロ、ニトリ、丸善書店、ダイソーなどが出店、6階はレストラン街となっている。
多摩センター三越の閉店により、多摩市内の百貨店は京王百貨店聖蹟桜ヶ丘店(せいせき京王)のみとなる。

ココリア拡大で大部分が営業継続-地階は改装へ

3月20日に閉店した多摩センター 三越は地階~2階に出店していた(売場面積14,324㎡)。
近年は、三越部分も直営の売場面積を減らしており、三越内に「無印良品」「ライトオン」「眼鏡市場」などが出店。地階を除くと専門店中心となっていた。そのため、一部の三越直営テナント(フォンテーヌ、ちふれ化粧品など)を除く多くの専門店がココリア多摩センターに引き継がれ、営業を継続することとなった。
一方で、地階(食品館)については殆どが三越の売場であり、3月20日を以てフロア全体が閉鎖となる。ココリア多摩センターでは今後地階の改装をおこない、2017年秋にリニューアルされる予定。新たなテナントなどは未定となっている。
現在下層階は19時30分閉店となっているが、下層階も高層階に合わせて営業時間を延長することも考えられる。
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1階エントランス。

「ココリア専門店街」に統合されて営業を継続するテナント
2階
  • 無印良品
  • コムサイズム
  • ライトオン
  • 眼鏡市場
  • LBC マーケット
  • パスポート
  • タオル美術館
  • アイクロック
  • かんかん
  • ゲンキ・キッズ プラス
  • パンジー
  • アナヒータストーンズ たまゆら
  • クレアーズ
  • プチ・ファミーユ
  • モアメーム
1階
  • スターバックスコーヒー
  • ローラアシュレイ
  • リュテス
  • SAKURAYA FOR ME
  • パーフェクトスーツ ファクトリー
  • 神保町いちのいち
  • エスプリドール
  • リフレクト
  • アシックスウォーキング
  • ラ・プリマヴェーラ
  • 青山フラワーマーケット
  • ハウス オブ ローゼ
  • パオロボトーニ
  • キプリング
  • アンティエーレ
  • エンジェルソール
  • 藍工房
  • リベラルコレクション
  • ハーモニカ
  • カーサセンソユニコ
  • アップルハウス
  • セルリアンブルー
  • ハヴァナイス トリップ
  • エコー
  • アミ・ブルージュ
  • ハッシュパピー
  • タルボット
  • ミスターミニット

地階は全フロア閉鎖となる。
これ以外のフロア(3~6階)のテナントは元々ココリア専門店街の管理であり、以前と変わらず営業をおこなう。

外部リンク:三越多摩センター店
外部リンク:ココリア多摩センター
関連記事:千葉三越、2017年3月閉店
関連記事:多摩センター三越、2017年3月閉店-旧そごう、ココリア多摩センターの核店舗
関連記事:“新”東京都立多摩図書館、2017年1月29日移転開館-国内最大の「公立雑誌図書館」、西国分寺に 

水戸オーパ、3月18日開業-JR水戸駅前、ガルパンショップも出店

以前の記事はこちら:水戸オーパ、2017年3月開店-ヤマダ電機LABI水戸跡

茨城県水戸市のJR水戸駅南口にイオン傘下(旧・ダイエー系)のファッションビル「水戸オーパ」(水戸OPA)が3月18日にグランドオープンした。

水戸オーパ。

サウスタワー、「オーパ」として2年ぶり復活

水戸オーパは不動産ディベロッパー「サムティ」の関連企業が保有していたJR水戸駅南口の大型商業ビル「水戸サウスタワー」を、株式会社オーパがマスターリースして運営を手がける。なお、サムティは後継テナントが決まったことにより、OPA入店を前に建物を別企業に売却している。
水戸オーパの総賃貸面積は約12,500㎡で「らしく楽しむ、らしく暮らす」をコンセプトに61の専門店が出店する。
なお、水戸サウスタワーに2008年11月から核店舗として出店していた「ヤマダ電機LABI水戸」は、隣接するビッグカメラや郊外店との競争などで2015年5月末に閉店しており、サウスタワーはおよそ2年ぶりの全館復活となった。

個性的なファッションテナントが数多く出店

水戸オーパのうち、3階、4階、6階はファッションテナントが中心となっている。
3階には、厳選されたイギリスブランドを扱うセレクトショップ「ロンドンコーリング」や、スポーツオーソリティが新たに手掛けるコンセプトショップ「コーナーズ スポーツオーソリティ」が茨城県初出店となった。

パンク〜ポストパンク期の雰囲気漂う「ロンドンコーリング」。

また、ウェア売場と雑貨売場がボーダーレスになった生活提案型ショップ「ウィノフ スタイル」(4階)、「スーツセレクト」(6階)などが水戸市初出店となった。

話題のスイーツ&カフェも出店

サウスタワーの高層階はレストラン街となっているが、水戸オーパの館内にも話題のスイーツ&カフェが出店している。
3階にはイタリア・シチリア島発祥のスイーツ”ブリオッシュ・コン・ジェラート”の専門店「ブリジェラ」が茨城県初出店、4階では2014年関西パンケーキグランプリNo. 1にも輝いたパンケーキ専門店「グラム」が水戸市初出店となった。

4階のパンケーキ専門店「グラム」。

また、8階には未来屋書店プロデュースのブック&カフェ「MIRAIYBookmark Lounge cafe」が茨城県初出店となった。
MIRAIYA Bookmark Lounge cafe。

5階には”サブカル拠点”、ガルパンおじさんも歓喜

オーパ5階には水戸の新たなサブカル拠点が誕生した。
エスカレーター近くには、地元・茨城県大洗町を舞台とするアニメ「ガールズ&パンツァー」のグッズショップ「ガールズ&パンツァー劇場版オンリーショップ」が出店。水戸限定オリジナルグッズの販売や、ここでしか見ることができない作品資料の展示などを行っており「ガルパンはいいぞ~」と言わずにはいられないラインナップとなっている。

ガールズ&パンツァー劇場版オンリーショップ。


パネル展示なども実施。

このほか、5階にはマンガ「キン肉マン」の公式ショップ「キン肉マンKIN29SHOP」や、話題のキャラクターグッズや懐かしの駄菓子を取揃える「キャラクターグッズ×ハイカラ横丁GOGOstore」、キャラクター雑貨「WOOP」などのサブカル系店舗が集積しており、OPAの掲げる「今までの水戸にはなかった新しいラインナップを実現する」というテーマに相応しい売場となっている。

サブカル店舗が集積する5階。100円ショップも。

水戸オーパ

住所:茨城県水戸市宮町1丁目7番33
営業時間:10時30分〜20時(飲食店等一部店舗は異なる)

外部リンク:水戸オーパ
関連記事:みとサントピア、解体へ-跡地未定
関連記事:渋谷マルイで「ご注文はOIOIですか??」開催-サブカル系コンテンツに注力する丸井

マルカツデパート地階のラルズ、2017年3月19日閉店-買物公園商店街を代表する老舗スーパー

北海道旭川市の商店街「買物公園」にある大型ショッピングセンター「マルカツ」地階の食品売場「ラルズマートマルカツ店」が2017年3月19日に閉店する。

旭川マルカツデパート。

旭川買物公園を代表する老舗スーパーマーケット

マルカツデパートは松村呉服店として1918年創業。1936年に丸勝松村百貨店に改称し、百貨店化した。
隣接する丸井今井旭川店とともに、旭川を代表する百貨店として営業していたが、西武百貨店進出など競争激化にともない1970年代に経営が悪化。日本百貨店協会から脱退、百貨店事業を段階的に縮小したのち、ショッピングセンターに転換した。2011年からは北海道札幌市に本社を置く「海晃ホールディングス」が施設を取得、管理・運営している。売場面積は11,954㎡。
ラルズマートマルカツ店は北海道地場大手スーパー「アークスグループ」の道北アークスが運営するディスカウント志向の食品スーパーで、長年に亘って商店街で唯一の地場スーパーマーケットとして親しまれていた。
(なお、丸井今井跡のフィール旭川には高級スーパー「北野エース」などが出店する食品売場がある)

イオンモール開業で岐路に立たされる旭川買物公園

買物公園商店街は、近年まで百貨店「丸井今井」「西武百貨店」が営業していたほか、ファッションビル・ショッピングセンター「オクノ」「マルカツデパート」「エクス!」(旧・長崎屋)、駅ビル「エスタ」もあり、大きな集客力があった。
しかし、郊外店との競争、建物の老朽化などにより、2009年以降は丸井今井、エクス!が相次ぎ閉店(丸井今井跡にはショッピングセンター「フィール」が開業)。
さらに、2015年には駅ビル「旭川エスタ」の再開発により「イオンモール旭川駅前」が開業、2016年9月には西武百貨店旭川店が閉店し、館内にあったロフトや無印良品も撤退。また、エクス!に出店していた免税店・家電「ラオックス」も僅か1年で撤退している。

2016年9月に閉店した西武百貨店旭川店。

活性化つづけるマルカツ、地階の活用方法は?

マルカツは2011年に海晃ホールディングスが施設を取得して以降、直営(FC)売場としての古書店「ブックネットワン」、100円ショップ「キャンドゥ」を開設、「アニメイト」や公共施設「まちなかしごとプラザ」の誘致、体験型脱出ゲームの開催といった個性的なイベントを開催するなど積極的な施設活性化を目指している。
3月時点で今後の地階の活用方法については発表されていないが、海晃ホールディングスは主力事業として居酒屋「つぼ八」、定食屋「大戸屋」、「イタリアン・トマトカフェジュニア」などの飲食店をフランチャイズ展開、2016年には経営破綻した道内地場大手回転寿司チェーン「回転寿司とっぴ~」の商標権を取得し、飲食事業の拡充に取り組んでいる。
そのため、駅に近い立地を生かすかたちで、館内に飲食店街などを整備することも考えられよう。

外部リンク:ラルズマート マルカツ店|株式会社 道北アークス
外部リンク:旭川 マルカツデパート ホームページ
外部リンク:株式会社海晃ホールディングス – つぼ八・焼き肉「牛若丸」などの飲食事業、不動産、スポーツ施設運営、デパート・ショッピングモール、リサイクル店、エンターテイメントを運営
関連記事:西武百貨店旭川店跡、B館にホテル誘致へ-A館は解体すすむ
関連記事:西武百貨店旭川店・旭川ロフト、9月30日閉店
関連記事:西武百貨店旭川店、閉店を検討

東京臨海部BRT、2017年春予定の会社設立延期へ-築地市場移転延期で環2線開通できず

東京都と京成バス(市川市)は、虎の門・新橋と東京臨海部(勝鬨・有明・豊洲方面)を結ぶ「バス高速輸送システム」(BRT)の会社設立を延期する方針となった。

京成バスが運行する連接バス(千葉市)。

築地市場の移転延期で道路建設できず

BRTの設立延期は、築地市場の移転延期により、築地市場内を通る環状2号線(汐留-豊洲新市場間)の開通時期が未定となっているため。

築地市場内を通る予定の環状2号線(電通本社より撮影)。

BRTは連接バスや燃料電池バスなどによって運行される。当初は2019年ごろの開通予定で、コミックマーケットなど東京ビッグサイトでのイベント輸送や2020年の東京オリンピック輸送にも活躍。将来的には需要を見て一部区間のLRT運行(軌道化)も検討するとしていたが、予定通り2019年に運行を開始できるかは不透明な状況となった。

BRT運行計画図(東京都都市整備局)。

環状2号線やBRTについては、タワーマンションの建設が進む晴海や月島の住人からも早期の開通を求める声が非常に大きく、このまま開通が遅れれば、東京オリンピックの関連施設整備や、選手・観客輸送にも大きな影響を及ぼすことは必至なものとなる。

環状2号線・豊洲大橋。橋の本体部分はほぼ完成しているのだが…。

外部リンク:都心と臨海副都心とを結ぶBRTについて/東京都都市整備局
関連記事:築地市場、豊洲への移転を当面延期へ

長野駅前「ウェストプラザ」、ドン・キホーテ出店へ-平安堂書店跡

長野駅前の大型複合商業ビル「ウェストプラザ長野」の新たな核店舗としてディスカウントストアの「ドンキホーテ」が出店する。

ウェストプラザ長野(GoogleMapより)。

ドンキ、長野駅前に出店-長野県初の都市型店舗

ウェストプラザ長野は1974年に計画された再開発によって建設されたもので、1997年11月に開業。計画決定から実に23年かけての完成となった。建物は地上10階、地下1階建てで、2階はJR長野駅・駅ビル「ミドリ」からの陸橋で接続されている。

長野駅から直結。(GoogleMapより)。

 ビル内には永年に亘って地場大手書店の「平安堂」が2階から4階に出店し、核店舗となっていたが、平安堂は2016年9月に近隣の「ながの東急百貨店」別館シェルシェに移転するために閉店(新店舗は同年11月開店)。以降、2~4階が空き店舗となっていた。
なお、ウェストプラザ内にはこの他に、地階に駐車場、1階に郵便局などが、5階~6階に美容院などサービス系テナント、オフィス、ビル管理会社、7階~8階に積水ハウス系オフィス、9階~10階に飲食店が出店している。商業施設部分(おもに2~4階)の売場面積は2,051㎡。
ドンキホーテ長野駅前店(仮)は長野県初の都市型店舗として、平安堂跡の2~4階全体に出店することになる。
地元紙の信濃毎日新聞によると、開店は2017年秋ごろとなる見込みというが、詳しい出店時期や営業時間などに関しては3月時点では発表されていない。

外部リンク:ウェストプラザ長野
関連記事:アリオ松本、2017年秋ごろ閉店-アルピコ松本バスターミナルの核店舗
関連記事:イオンモール東松本、8月3日着工-松本カタクラモール跡、2017年秋開業へ

仮設商店街「復興屋台村気仙沼横丁」3月20日閉鎖-クラウドファンディングで移転計画も

宮城県気仙沼市中心部の仮設商店街「復興屋台村 気仙沼横丁」が、区画整理事業の進展に伴い3月20日をもって閉村(閉鎖)される。
これを受け、ネット上ではクラウドファンディングを活用した商店街の移転プロジェクトが始動している。復興屋台村 気仙沼横丁。

気仙沼を代表する仮設商店街、区画整理により閉鎖に

復興屋台村気仙沼横丁は東日本大震災で被災した気仙沼市の中心部に、震災発生から8ヶ月後の2011年11月に開業。
延床面積は476㎡で、開業当初は飲食店や物販店など22店舗が出店。ご当地B級グルメ「気仙沼ホルモン」や、気仙沼名産メカジキの稀少部位「ハーモニカ」を使った料理、海の幸を使った定食・海鮮丼などが人気を博していた。
しかし、津波被害からの復興のため進められている区画整理事業に伴い3月20日をもっての閉鎖が決定、4月には建物が取り壊される予定となった。

クラウドファンディングでの「移転存続プロジェクト」始動

気仙沼横丁の閉鎖を受け、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」を通じた移転・存続活動がスタートしている。
同サイトや地元紙・河北新報の報道などによると、気仙沼横丁の7割の店舗が移転先や今後の動向が決まっておらず、中心部に新設される商業施設にも入居費の面などから出店を断念するテナントが多いという。
これを受け屋台村の商店主が主導する横丁の存続プロジェクトが始動。クラウドファンディングで集まった寄付金により、「屋台村気仙沼横丁」の名前を残し、別の場所に新たな横丁の建設を目指すとしている。
寄付は一口三千円からとなり、一定金額を寄付すると「気仙沼ホルモン」や「大判大漁旗」などが返礼としてもらえるという。
目標金額は1千万円で、募集期限は2017年4月29日まで。
詳しくは募集ページ『復興屋台村“気仙沼横丁”を存続させたい。「絆」をつなぐプロジェクト』(CAMPFIRE公式サイト)を参照のこと。

外部リンク:復興屋台村 気仙沼横丁
関連記事:“新”南三陸さんさん商店街、3月3日開業-BRT駅も移転、南三陸町の新たな「中心地」に
関連記事:南三陸さんさん商店街、12月31日閉鎖-志津川の仮設商店街、復興で新市街地に移転決まる

エヌクラス泉大津、3月16日開業-泉大津駅高架化で生まれた新商業施設

南海泉大津駅に南海電鉄グループの南海商事が運営する高架下商業施設「N.KLASS泉大津」(エヌクラス泉大津)が2017年3月16日に開業した。 

南海泉大津駅「N.CLASS泉大津」。

泉大津市の玄関口、装い新たに生まれ変わる

南海電鉄泉大津駅周辺では南海本線連続立体交差事業(高架化)の一環として、2016年より駐輪場の整備や老朽化が進む駅ビル「ショップ南海泉大津」の解体などが行われていた。
立体交差事業の目玉となる「N.KLASS泉大津」の店舗面積は約3,300㎡で、コンセプトは「おおつと育むあたたかい暮らし」。

N.KLASS泉大津・エントランス。

イオングループの食品スーパー「コーヨー」、ディスカウントドラッグ「オーエスドラッグ」といった日常生活に不可欠な物販店舗を核とし、食べログパンケーキ部門No.1獲得実績があるという”コインランドリー併設カフェ”「ニノーバルウォッシュカフェ」、セントラルスポーツが手掛ける24時間営業スポーツ施設「ジムスタ24」、泉大津市の子育て支援施設「ココフレア」など、個性豊かな12店舗が出店した。

 駅コンコースのイメージイラスト。

また、駅南側のに南海電鉄系ショッピングセンター「いずみおおつCITY」でも、N.KLASS開業を記念して共同販促イベントが開催されている。
高架下のようす。

“関空”追い風に復権めざす泉大津

泉大津駅周辺は1994年の関西国際空港開港に合わせて、大型総合スーパー「ダイエー泉大津店」や南海電鉄系の専門店街「いずみおおつCITY」、都市型高級ホテル「リーガロイヤルホテル泉大津」により構成される複合商業施設「アルザ泉大津」が開業するなど、急速な開発が行われた。
しかし、バブル崩壊後の開発停滞や関西国際空港の不振により失敗に終わった「りんくうタウン開発プロジェクト」と同様に、バブル期の開発計画を継承したアルザは、泉大津にとっては過剰ともいえる規模で、施設の核となるダイエーの直営売場大幅縮小や南海いずみおおつCITYの空き床拡大、リーガロイヤルホテルの撤退にも繋がった。

2016年9月に閉鎖された駅ビル(現在は解体)。

このように厳しい状況下に置かれていた泉大津駅周辺であったが、近年は訪日外国人観光客増加やLCC路線就航により関西国際空港の価値が見直されたことで、改めて脚光を浴びることとなった。
南海電鉄は解体した泉大津駅ビル跡地にも新たな施設の開発を計画しているほか、市内ではシャッター通り化が進んでいた泉大津中央商店街でも長谷工コーポレーション、山陽電鉄、三交不動産による新築マンション分譲計画が持ち上がり、同市田中町では南海不動産による社宅開発が持ち上がるなど、住宅開発による人口増加も期待されている。

外部リンク:N.KLASS|南海商事グループ
外部リンク:「N.KLASS(エヌクラス)泉大津」が3月16日(木)グランドオープン!
関連記事:堺北花田阪急、2017年7月閉店
関連記事:クロスモール堺、6月24日全面改装-ドンキホーテ出店

平和堂米原店、2018年2月までに閉店へ-米原唯一の大型店

JR米原駅前にある平和堂米原店が2018年2月までに閉店する。
追記:地元の存続運動を受け、食品売場のみ当面営業を継続する。

平和堂米原店。

米原駅前唯一の大型店、町に大きな影響与えるか

平和堂米原店は1986年10月に開業。
米原駅西口への出店で、隣接地には駅弁で有名な「井筒屋」がある。
売場は1階から3階、売場面積は6,911㎡。建物は平和堂が所有している。
新幹線駅前ということもあり、銘店売場「湖国銘産品」が設置されているほか、中古書籍売場、絵画売場などがあるのが特徴で、百貨店的な使い方もなされていた。テナントとしては塾やゲームセンターが出店している。かつてはダイソー、マクドナルドなども出店していたがテナントの撤退が進み、店舗にあった時計台も撤去されている。

1階の休憩所に併設されたゲームコーナー。


2階の直営中古書籍売場、品揃えの大半を漫画が占めている。

米原駅は滋賀県唯一の新幹線駅でありながら駅周辺には平和堂以外に目立った商業施設がなく、同店は旧米原町で唯一のチェーンスーパーとなっている。そのため、平和堂の撤退は地域に大きな影響を与えることは必至であるが、跡地の活用方法などは3月現在発表されていない。
追記:地元の存続運動を受け、食品売場のみ当面営業を継続する。

外部リンク:株式会社 平和堂-「地域社会へ尽くす」企業を目指します-
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