カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

レッドキャベツ、山口県から2019年2月撤退-創業の地、イオン入りから約4年で

イオングループのスーパー「レッドキャベツ」(本社:福岡県福岡市博多区、以前は山口県下関市)は、創業の地である山口県の店舗を全店閉店させ2019年2月中に撤退する。

レッドキャベツ本社。

創業の地から撤退-成長力のある福岡シフト強める

レッドキャベツは1984年8月に下関市で創業したスーパーマーケット。2014年にイオングループ入りし、イオンの連結子会社になるとともに2015年に旧・レッドキャベツ福岡空港店跡に本社機能を移した。
レッドキャベツではイオングループ入り後に店舗の改装とともに店舗整理を進めており、2017年8月には下関市の山の田店(本店)を閉店。同年10月には熊本県から全撤退。成長余地のある福岡へのシフトを進めていた。


レッドキャベツ本店(下関市)。2017年に閉店した。

今回閉店するのは下熊野店、新地店、上田中店、小月店(以上、下関市)、埴生店(山陽小野田市)、新天町店(宇部市)。
埴生店、新天町店は2000年に経営破綻した丸信の店舗であった。
イオングループは2020年までに系列各社の再編を進めているが、レッドキャベツはこのなかに含まれていない。一方で、今回の山口県からの撤退により全ての店舗が九州内となるため、何らかのかたちでイオングループの地域会社再編に関与するかどうかも注目される。

宇部市、中心部の琴芝・新天町エリアから大型店消える

宇部市では1990年代まで宇部新川駅・宇部中央エリアが中心商店街であったが、駅前大和、レッツ09(丸久)の閉店、セントラル大和の縮小(その後2006年に閉店)により大型店が全て消滅。中心商店街の宇部中央銀天街は半分以上が空き店舗となった。
一方、1キロメートルほど離れた琴芝・新天町エリアには近年まで複数の大型店があり、さらに市役所や数多くの銀行などあることから新川地区に変わって中心商店街としての様相を呈していた。

宇部新天町商店街。

しかし、琴芝・新天町エリアでも2008年に大型衣料スーパー「エムラ」が、2018年12月に百貨店「宇部井筒屋」が閉店。今回のレッドキャベツ新天町店の閉店により食品スーパー、100円ショップなどが中心商店街から消滅することとなる。

レッドキャベツ新天町店。

新天町から1kmほど西側には「トライアル宇部中央店」が立地するため買い物難民の発生は限定的なものとなろうが、レッドキャベツは中心商店街のアーケード内に、井筒屋はアーケード向かいに立地していただけに、商店街に与える影響は非常に大きいであろう。

宇部井筒屋。

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ホワイティうめだ・泉の広場、2019年度中に撤去へ-「泉の広場で最後にしたいこと」を募集

梅田地下街・ホワイティうめだのシンボル的存在であった「泉の広場」(大阪府大阪市北区)が2019年度中に撤去されることになり、それに合わせて「泉の広場で最後にしたいこと」の募集が行われている。

ホワイティうめだ「泉の広場」。

約50年に亘って親しまれた「泉の広場」撤去へ

泉の広場は地下鉄・大阪メトロ東梅田駅から東側の地点に立地。
梅田地下街は1962年に整備され、泉の広場は1度目の大阪万博が開催された1970年に設置された。
現在のヨーロッパ調の外観が特徴の噴水は三代目で、大阪市の姉妹都市であるミラノ市の彫刻家が設計に関わっているという。
噴水の撤去は地下街の全面改装のため。改装・撤去工事は2019年中に開始され、旧・噴水の周辺は新たな飲食店街に生まれ変わるという。

「梅田ダンジョンのセーブポイント」惜しむ声も

梅田の地下街といえば「梅田ダンジョン」と呼ばれるほど複雑であり、一度では覚えられない複雑な構造が特徴だった。そのため、噴水は「ダンジョンのセーブポイント」と呼ばれることもあり、また「心霊現象」などの都市伝説もあった。
それだけ大阪市民に親しまれてきた噴水であったがゆえ、撤去を惜しむ声は非常に多い。

「泉の広場で最後にしたいこと」を募集

現在、梅田地下街「ホワイティうめだ」では「泉の広場で最後にしたいこと」を募集中。

「したいこと」の募集告知。

応募方法は、ホワイティうめだのSNSアカウントをフォローしハッシュタグ「#泉の広場で最後にしたいこと」をつけてSNSへ投稿するか、ホワイティうめだ内に設置された応募箱に投函するだけ。応募締め切りは1月31日となっている。

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元祖大阪梅田ミックスジュース、2019年春移転-閉店危機の日本初「駅ナカジューススタンド」存続へ

存続が危惧されていた阪神梅田駅地下2階東改札口にある梅田ジュースコーナー「元祖大阪梅田ミックスジュース」(大阪府大阪市北区)が、現店舗を閉店させるとともに2019年春を目処に移転・新装することを発表した。

阪神梅田駅「元祖大阪梅田ミックスジュース」。

閉店危機の「日本初の駅ナカジューススタンド」移転へ

元祖大阪梅田ミックスジュースを運営するサカイは1951年4月に坂井飲料として設立。設立当初は、西日本初となる「噴水型ジュース自動販売機」によるジュース販売を主力事業としていたが、大手飲料メーカーとの競争激化に伴い阪神駅構内での飲食店運営に主力事業を転換していた。
2019年1月現在は阪神電鉄3駅で「元祖大阪梅田ミックスジュース」「阪神そば」「カレーショップミンガス」などを展開している。

元祖大阪梅田ミックスジュースは1969年秋に噴水型ジュース自動販売機跡に開店。当時は「日本初の駅ナカジューススタンド」であった。
現在も阪神梅田駅改札前という好立地に位置し、主力商品を1杯150円という低価格で迅速に提供することから、駅利用客を中心に親しまれており、阪神梅田駅のシンボルの1つとなっている。
同店は、大阪神ビル(阪神百貨店梅田本店)建替えに伴う駅改修工事により閉店が危惧されていた。しかし、1月22日の同店公式Twitter開始に合わせて現店舗の閉店と「現在地から徒歩10秒ほどの距離」に移転・存続することが発表された。

ミックスジュース(150円)。並々と注がれる。

創業50年を迎える阪神梅田駅の名物ジューススタンド。今後も駅利用客の喉を潤してくれるであろう。

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琉球王国市場、2018年12月から順次開店-沖縄三越跡

沖縄県那覇市国際通りの「沖縄三越」跡に新たな商業施設「琉球王国市場」が2018年12月1日から順次開店しつつある。

琉球王国市場。

沖縄三越→ハピナハ、再開発延期で再活用へ

沖縄三越は1957年に大越として開店。1970年に沖縄三越となったが、経営不振のため2014年9月に閉店。
2015年春からリウボウが運営する観光客向け商業施設「ハピナハ」となった。

沖縄三越。

ハピナハは再開発のため2017年6月に閉館していたが、地権者の同意が得られなかったため、地元企業が「琉球王国市場」として再生することとなった。

飲食店、劇場などが順次開業

琉球王国市場のコンセプトは「美味しいと楽しいを結ぶマーケット」。
地階、1階、2階は観光客をターゲットとした飲食店(レストラン、フードコート)とお土産品、銘菓など関連物販店ゾーンとなり、12月1日より順次開業している。
テナントとしては和歌山で飲食店を経営する「HIROYA」、シンガポールの和食・鉄板焼き店「TEPPEI」、韓式ハットグ店「粉助」なども出店。日本、アジア各地のグルメを味わうことができる。
また、オリオンビールのコーナーやフードコート形式店舗、弁当・惣菜店などもあり、那覇を訪れたビジネスマンや周辺オフィス勤務者にとっても便利な施設になろう。

館内のようす。

このほか、KADOKAWA作品を中心に漫画・アニメ関連商品を扱う「ジャパンアニメマーケット」も出店する。館内にはイベントステージなども設置されており、観光客をターゲットとしたイベント、ワークショップなども開催する計画。
3階には2019年3月(2月プレオープン)に劇場「TEE!Family」が開業する。こちらも外国人観光客をターゲットに、言葉を使わないノンバーバル演劇などをおこなう計画。
営業中のフロアの空きスペース、4階以上にも飲食店、大型テナントなどを誘致する予定で、今後順次開業予定だという。

JAPAN ANIME MARET。Re:ゼロから始めるデパート再生。
果たして鬼がかった成功となるか…。
(画像は琉球王国市場公式Twitterより)

同店の飲食街はQRコードが書かれたカードで決済し、退店時に一括支払する方式を採る方針であることも特徴として挙げられる。(システムに不具合が生じたため1月現在は実施されていないとみられる)

変わる国際通り周辺、牧志も再開発へ

国際通り周辺は観光客の増加とともに地元民向けの店舗が減りつつあるが、この琉球王国市場も観光客をターゲットにした店舗となった。
近隣の牧志地区でも大型再開発が計画されるなど、国際通り周辺は大きく姿を変えつつある。

国際通り。

琉球王国市場の館内にはまだ空きスペースも多いが、観光客への知名度上昇、そして集客の成功なるかどうか、また早期の「再開発決定」による発展的営業終了とすることができるかどうかも注目される。
(店舗の写真は地理人研究所提供)

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錦糸町パルコ、2019年3月16日開業-東京楽天地、西友リヴィン錦糸町跡

東京都墨田区のJR錦糸町駅前にある複合商業ビル「東京楽天地」に、新たな核店舗としてファッションビルの「錦糸町パルコ」が2019年3月16日に開店する。

錦糸町パルコ。

旧リヴィン、錦糸町パルコに-105店舗が出店

パルコが出店する東京楽天地ビルはJR錦糸町駅南口に立地。
建物は地下2階、地上9階建てで、売場面積は24,725㎡。東京楽天地が所有する。
当地は昭和期に複数の映画館やキャバレー、温浴施設などを擁する一大娯楽施設「江東楽天地」として営業していたが、再開発により1986年11月に西友運営の百貨店「西友錦糸町西武店」を核とする商業施設に転換。のちに「西友リヴィン錦糸町店」に改名され、パルコ出店によるビル改装のため2017年10月に閉店していた。

「リヴィン錦糸町」時代。

館内には東京楽天地として映画館「楽天地シネマズ錦糸町」や温浴施設「天然温泉 楽天地スパ」などの娯楽施設が営業しており、かつて江東地区を代表する“遊び場”として栄えた歴史を伺わせる施設となっている。

東京楽天地エントランス。

パルコが出店するのは東京楽天地の1階から7階。
キャッチフレーズは「変わる、はじまり。」で、105テナントが出店。周辺3キロエリアを主な商圏とし、都心に通勤する女性のためにコスメ・美容関連ショップを全フロアに出店させることが特徴だ。
なお、パルコカード所持者は3月15日のプレオープンに入店することができる。

無印、タワーレコードは旗艦店級-地階は西友に

エントランスとなる1階には飲食街「すみだフードホール」を開設。墨田区初出店の飲食店も多く出店する。
4階にはリヴィン時代から出店していた「無印良品」が再出店する。
同店は4階のワンフロア全体に出店。売場面積約3,300㎡の旗艦店級となり、カフェ併設型店舗となる。
5階には2018年2月に閉店した「タワーレコード錦糸町店」(旧店は錦糸町オリナス)が復活する。
新店舗の名称は「タワーレコード錦糸町パルコ店」。オリナスに出店していた旧店は毎週数多くのイベントが開催されており「アイドルイベントの聖地」としても知られていたが、新店舗でも約60坪のイベント専用スペースを設置。再びアイドルイベントの聖地を目指すという。なお、オープニングポスター・キービジュアルには元アイドルネッサンス所属で人気急上昇中の女子高生シンガーソングライター原田珠々華さんを起用する。キャッチフレースは原田珠々華さんの人気曲に因んだ「錦糸町にハジマリのオトが鳴る!」。3月16日の開店当日には開店記念イベントとして原田さんのライブが開催される。

オープニングポスター(原田珠々華さんツイッターより)。

このほか「ロフト」、「チュチュアンナ」、郵便局やクリニックなども出店する。ロフトの売場面積は592㎡で小型店となる。
また、パルコの館外となる地階には2018年9月6日に「西友錦糸町店」が再出店している。西友の売場面積は2,544㎡で、24時間営業となっている。

錦糸町パルコは大丸松坂屋傘下となって2店目の都内大型店となる。同社にとっては珍しい「小商圏型の大型店」だけに、その経営手法が注目される。

錦糸町パルコ

住所:東京都墨田区江東橋四丁目27番14号 東京楽天地
営業時間:10時~21時(パルコ)
飲食街は11時~23時、西友は24時間営業

外部リンク:錦糸町PARCO
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ごちそう回転寿し栄助、2019年1月15日全店閉店-新潟の寿司チェーン、運営企業「創栄」破産で

新潟県を中心に回転寿司チェーン「ごちそう回転寿し栄助」を展開する飲食店地場大手「創栄」(新潟県新発田市)が1月15日に事業停止し、1月16日までに新潟地裁から破産開始決定を受けた。

ごちそう回転寿し栄助の店舗(GoogleMapより)。

日本海の海産物が自慢の寿司チェーンだった

創栄は1980年に設立され、新潟県を中心に山形県、秋田県などで飲食店を展開。中核業態であった「ごちそう回転寿し栄助」は地元の海産物を中心としたこだわりのネタが多いことが特徴で、いわゆる「100円寿司」をウリにする全国チェーンとは一線を画した経営をおこなってきた。
しかし、近年は日本海側にも全国チェーンの回転寿司店が数多く進出し、劣勢に追い込まれていた。

2019年1月現在の店舗数は14店舗であった。複数の地元メディアの報道によると、ピーク時の2002年には約40店舗を経営し、年商は約44億円に上ったといい、店舗数は半分以下となっていたことになる。

「ごちそう回転寿し栄助」の各店舗は運営企業の破産開始決定を受け、1月15日から閉鎖状態となっている。
各店舗の後継事業者などについては1月時点で発表されていない。

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浦安魚市場、2019年3月31日閉鎖-「漁師町」の面影消える

千葉県浦安市の東京メトロ浦安駅近くにある「浦安魚市場」が2019年3月31日に閉場する。
魚市場は浦安市においてかつて漁師町であった時代の面影を残す数少ない施設であった。 
浦安魚市場。

かつての面影残す魚市場、66年の歴史に幕-売却へ

浦安魚市場は1953年に開設。当時の浦安は漁師町であり、館内には昔の写真も飾られている。
現在の建物は1971年に建設されたもので、浦安魚市場協同組合が管理する。大店法上の売場面積は2,283㎡。上層階は賃貸住宅となっていた。東京メトロ浦安駅近くにあることから、同社のテレビCMやリーフレットにも登場したことがある。

館内に掲げられる昔の浦安のようす。

閉鎖は2018年10月に決められたもの。すでに退去が進んでおり、現在の建物は売却される方針だという。
浦安駅が近いため、近い将来の再開発が予想される。

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シベール、2019年1月17日に民事再生法を申請-東北発「人気ラスク店」が倒産

ラスク販売大手の「シベール」(CYBELE、山形県山形市)が、2019年1月17日に山形地裁へ民事再生法の適用を申請、事実上倒産した。

シベールの「ラスクフランス」。

「ラスク」を銘菓へと育て上げたシベール

シベールは1966年に山形市で創業した老舗洋菓子店で、山形県や宮城県各地で洋菓子店やパン屋などを展開。1994年にそれまで売れ残ったフランスパンを加工して作っていた「ラスク」の通信販売を開始すると、贈答品やお取り寄せ商品として人気を呼び、売り上げを大きく伸ばすこととなった。

2004年10月には港区・南青山に直営のラスク販売店「麦工房」を開設して首都圏に進出、2005年7月にはジャスダックに上場。その後は日本橋三越本店や玉川高島屋といった有名百貨店にも出店し、店舗網をさらに拡大していくかに思えた。

シベール麦工房東京南青山店(閉店済み)。

ライバル店相次ぎ首都圏撤退-営業は継続へ

成長を続けていたシベールであったが、ラスク以外のヒット商品を生み出すことができない一方で、近年はシベールの後を追うかたちでラスク販売をおこなうライバル店も相次いで登場。
全体の売り上げは2008年8月期を、店舗売り上げは2013年8月期をピークに減少。2016年8月期から3期連続での赤字となっており、2018年3月には首都圏の店舗販売から完全撤退。首都圏で常設購入できる店は山形県アンテナショップのみとなった。その一方で、近年は地元・東北でのベーカリー併設店の展開に力を入れていた。

2016年9月に開業したベーカリー併設店「シベールの杜荒井店」(仙台市若林区)。

2018年8月期末時点の負債額は約19億6200万円。
同社が1月17日に行った記者会見によると、支援企業となる食品会社1社と協議中であり、従業員などは継続して雇用され、営業も継続する見込みであるという。

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ジーユー渋谷店、2019年3月15日開店-GU、渋谷に2年半ぶり復活

東京都渋谷区の渋谷センター街にファストファッション「GU」の旗艦店「ジーユー(GU)渋谷店」が2019年3月15日に開店する。

GU渋谷店。

ジーユー、センター街のブックオフ跡に出店

ジーユー渋谷店が出店するのは、2018年7月までブックオフ旗艦店「ブックオフ渋谷センター街店・ヤフオフ!」と同社が運営する古着店「BINGO」が出店していた建物。
同ビルにはパルコ傘下のライブハウス「渋谷クラブクアトロ」も入居するが、こちらは営業を継続している。

GU旗艦店が出店する建物

なお、ブックオフは閉店したものの「BINGO」は同年9月に丸井系のファッションビル「渋谷モディ」へと移転・再出店となった。

ジーユー4店舗目の「旗艦店」-渋谷では2年半ぶり

ジーユー渋谷店の売場面積は約520坪(1719㎡)。ジーユー旗艦店としてはは心斎橋店、銀座店、池袋東口店に続いて4店舗目となる。
ジーユーは2016年8月まで渋谷パルコに出店していたが、パルコの閉店(建て替え)に伴い閉店しており、約2年半ぶりの渋谷再出店となった。

かつて出店していた渋谷パルコ。

外部リンク:ジーユー4店舗目となる旗艦店「ジーユー 渋谷店」2019年3月15日(金) 東京・渋谷にオープン
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タワーレコード渋谷店、2019年1月19日全面リニューアル-14日から一部のみ営業に

東京都渋谷区神南にある世界最大規模の大型CDショップ「タワーレコード渋谷店」が改装のため1月14日から18日まで大部分を休館し、1月19日に全館リニューアルオープンする。

タワーレコード渋谷店。

タワレコ渋谷、1月14日から18日まで一部のみ営業に

タワーレコード渋谷店は1995年3月に開業。1981年に開店した旧渋谷店(宇田川町)からの移転だった。
建物は地下1階・地上8階+屋上で、2019年現在は世界最大のCDショップとして知られる。なお、現在、日本法人は現在はセブン&アイHDの傘下となっている。
今回改装を行うのは、主に3階から7階までの5フロア。この5フロアは1月14日から18日までのあいだ休業する。

「イベント」強化で「音楽ファンとのハブ」めざす

今回のリニューアルのテーマは「“応援する人”を“応援する”店舗」。「アーティストと音楽ファンの“ハブ”になること」をより強化すべく、イベント・催事スペースの強化が図られた。

改装後のフロア概要。

改装の目玉は、4階のイベントスペースを5階に移動したこと。イベントスペースはこれまでの2倍の規模となる。これ以外にも、各フロアの催事コーナーが強化され、リアル店舗ならではの“体験”の場を提供する。

イベントコーナーが強化される(イメージ)。

残る5階は全床が韓国音楽関連(K-POP)の売場となる。「世界NO.1のK-POPストア」を目指し、売場はこれまでの約2倍に増床された。19日からは同社が所有する韓国人アーティストのサイン色紙などの特別展示も開催される。
また、3階、4階は全床が邦楽(J-POP)となり、こちらも増床となる。これに伴い、アイドルジャンル(男女)を3階から4階に移動・独立させる。増床後は、インディーズアーティストなど従来のCDショップでは取り扱わない商品をタワーレコードの視点でいち早く紹介し、新しい音楽との出会いの場を提供していくという。

邦楽インディーズコーナーを強化(イメージ)。

洋楽は6階、7階の2フロア。減床となるが、全体の商品数は減らさないという。
邦楽、洋楽を合わせた全フロアの在庫数は80万枚となっている。

近年、CD販売店はネット通販との競合により縮小が続いているが、同店はイベントや催事、インディーズアーティストの紹介など「コト消費」や「タワレコならではの取り組み」を強化。
360°エンターテイメント・ストア」を標榜することで集客を図りたい考えだ。

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