丸井、2018年夏に「証券事業」参入-特徴は「エポスカード払いでつみたてNISA」

ファッションビルや百貨店を運営する「丸井グループ」(中野区)は、新たに証券事業に参入することを発表した。
旗艦店の1つ「渋谷マルイ」。

クレジットカードで投信購入可能-日本初

証券事業への参入は5月10日に青井浩社長が記者会見で発表したもので、投資信託を専門に行う。参入は2018年夏ごろの予定。
最大の特徴は、丸井グループのクレジットカード「エポスカード」(旧・赤いカード)で購入することも可能だということ。購入する際は「分割払い」なども可能で、同社によると、クレジットカード払いで投資信託を購入できるのは日本初だという。
「つみたてNISA」(少額投資非課税制度)の対象商品を取り扱い、投資信託の最低購入額は3000円、もしくは5000円を検討。スマートフォンで気軽に申し込み・購入することも出来るようにするといい、丸井店内での商品説明などもおこなうことで、同社が主な顧客とする若者の購入を促す方針だ。
丸井は「10年後に100万人へサービスを提供する」としている。
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同社で最も規模の大きい店舗である「北千住マルイ」。

丸井、主な顧客の「若者・女性」に訴求

丸井は元々クレジットカード事業を収益の柱としてきた。
若者のアパレル離れが進む近年は、アニメやアイドルとのコラボを強化するなど、新たなカード会員獲得にも乗り出しており、同社によるとカード会員657万人(2018年3月末時点)のうち、約半数が20代から30代、約7割が女性だという。
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近年はアニメコラボにも注力、エポスとアニメの提携も。

現在、国内の金融商品購入者は高年齢の男性が多く、丸井は若者・女性をターゲットにすることで棲み分けを図りたい考えだ。
その一方で、カードで借金をしてつみたてNISAを購入した場合、丸井に分割払い手数料や運用手数料(信託報酬)を払ったのち最終的に顧客に残る利益は非常に少ないものとなることは想像に難くない。
しかし、それでも「ゼロ金利」の銀行に預貯金するよりはマシと考える若者も少なくないと考えられ、丸井の一連の動きはまさに「低金利時代」を象徴したものであるとも受け取れる。

外部リンク:丸井グループが“つみたて専門”の証券会社を設立します
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