カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

イケア、原宿駅前に2020年春出店-NTT系再開発ビルに都内初「都心型」店舗

家具大手「イケア」(IKEA、本社:オランダ)の日本法人「イケア・ジャパン」(本社:船橋市)は、2020年春に東京都心初となる店舗を原宿駅前に建設される再開発ビルに出店させることを発表した。

原宿駅から徒歩1分の「イケア」誕生

イケアが出店するのはJR原宿駅から徒歩1分の場所に建設中の「原宿駅前プロジェクト」(仮)。
この場所にはかつて原宿アパートメンツ、原宿第一マンションズなど複数のビルが立地しており、「ICI石井スポーツ」などが出店することでも知られていたが、再開発のため2016年前後に解体されていた。

右側のビルにICI石井スポーツなどが入居していた。
原宿駅から徒歩1分の場所となる。

イケアが出店する「原宿駅前プロジェクト」(仮)はNTT都市開発が開発する地上10階、地下3階建ての複合ビル。
低層階は商業施設や飲食店などに、高層階はマンションとなる。
イケアが出店するのは低層階の商業施設部分で、面積は約2,500㎡。
郊外店よりも規模は小さいものの、イケアにとって東京都心初の店舗となる。同社はパリ中心部でも出店を計画するなど、世界各地で都心型店舗の開発を進めつつある。
店舗のコンセプトなどについては今後発表するとしている。

原宿駅前プロジェクト完成予想図。

ニトリや無印良品などの競合他社が都心エリアでの攻勢を強めるなか、将来的にこうした「都心型イケア」が首都圏各地、そして全国へと拡大していくのかどうかが注目される。

ニトリは2017年に渋谷に旗艦店を出店。
無印良品は2019年に銀座に旗艦店を出店予定だ。

追記:建物名は「WITH HARAJUKU」に

「原宿駅前プロジェクト」の正式名称は「WITH HARAJUKU」(ウィズ・ハラジュク)に決定した。

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スーパー大栄、旧「丸和」と経営統合へ-2019年3月を目処に

イズミ傘下の食品スーパー「ユアーズ」(広島市東区)は、九州・山口北西部地区の全店舗(旧・丸和の運営店舗、飯塚店を除く)の会社分割と、同じイズミグループに属する「スーパー大栄」への事業承継、店舗運営の移管を2019年3月を目処に行うことを発表した。P1020275-1-1
ユアーズの店舗(広島県)。

イズミ、九州・山口の食品スーパー2社を地域で整理

ユアーズ」は1979年5月に広島県で設立。
2005年には日本初の24時間営業スーパーとして知られた「丸和」(北九州市小倉北区)を、2007年には「アパンダ」を運営していた「石原商事」(北九州市小倉南区、旧スーパーなかのなど)を傘下に収め、最盛期にはグループ全体で100店舗超を展開していたが、2015年にイズミの傘下となった。イズミ傘下となる前から行われていた不採算店の閉鎖により、2018年11月現在は全屋号を併せても40店舗にまで減少している。
イズミ傘下となって以降は、一部丸和店舗の「ゆめマート」ブランド化や販売商品、物流、ポイントサービスの共通化を進めている。
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丸和小倉本店。日本初の24時間営業スーパー。

スーパー大栄」は1962年7月創業。最盛期にはショッピングセンター「D&D」、生鮮ディスカウント「フレッシュ8」など60店舗近く展開していたが、2014年1月にイズミの傘下となった。イズミ傘下となる前から行われていた不採算店の閉鎖により、2018年11月現在の店舗数は20店舗まで減少している。
イズミ傘下となって以降は、「ゆめドラッグ」の導入や販売商品、物流、ポイントサービスの共通化を進め、2016年6月には運営する全店舗を「ゆめマート」に転換している。
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ゆめマートに転換したスーパー大栄D&D田川大任店。

今回の「スーパー大栄」と旧「丸和」の分離統合によって、イズミ傘下のスーパーマーケット事業運営会社はイズミ本体の運営店舗を除くと、

  • スーパー大栄」(山口県・福岡県)
  • ユアーズ」(広島県・岡山県)
  • ゆめマート」(熊本県)
  • デイリーマート」(徳島県)

の4社となり、県単位でほぼ「一本化」されることとなる。

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イオン千葉長沼店、2019年2月閉店-ワンズモールの核、旧ダイエー

千葉市稲毛区にあるショッピングセンター「ワンズモール」の核テナント「イオン千葉長沼店」が2019年2月に閉店する。

ダイエー千葉長沼店。(現・イオン千葉長沼店)

稲毛区最大のショッピングセンターの核店舗

ワンズモールは、日産不動産により2000年11月15日に開業。建物は地上5階建で、店舗面積は45,100㎡、売場面積は35,289㎡。2018年11月現在、施設は東西アセットマネジメントが所有し、ザイマックスアルファが運営を行う。
千葉都市モノレールスポーツセンター駅から少し離れた国道16号線沿いに立地しており、「トイザらス」「スポーツデポ」「ニトリ」といった大型専門店も出店。2013年春に大規模リニューアルを行ったこともあり、稲毛区で最大の商業施設として高い集客力がある。

ワンズモール。

イオン千葉長沼店は、ワンズモールの核テナント「ダイエー千葉長沼店」として、ワンズモールの開業翌日となる2000年11月16日に開店。
ダイエーが産業再生機構傘下となった翌年2005年2月には、不採算店として閉鎖店舗の対象に加えられたものの、同年9月に一転して営業継続が決定。その後も、直営3フロア(17,674㎡)を1/2に集約し、家電、玩具、インテリア売場を廃止、専門店に転換することで営業を続けていた。開店以来、長らくダイエーの直営店舗であったが、2016年3月にはイオンリテールに運営移管され、現在の店名に改称している。

新テナントは未発表-競合激しい地域、今後どうなる?

長沼エリアには、「イオンタウン稲毛長沼」(マックスバリュ稲毛長沼店)や「フレスポ稲毛」(マミーマート稲毛長沼店)といった郊外型ショッピングセンター、「トライアル長沼店」「ドン・キホーテ稲毛長沼店」といったディスカウント業態も出店する商業激戦区であるが、ワンズモールは前述の通り高い集客性を維持していることから、新たな核テナントの導入が期待される。

外部リンク:ワンズモール
外部リンク:イオン千葉長沼店 | お買物情報やお得なチラシなど
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もとまちユニオン新橋店、11月12日開店-改装進める京急ウィング、2019年春の全面開業めざす

改装を進めている東京都港区の地下街「京急ウィング新橋」の核テナントの1つ「もとまちユニオンby京急ストア」が全面改装され「もとまちユニオン新橋店」として11月12日に開店した。

もとまちユニオン新橋店。
開店記念として割引券付チラシが配布された。

改装すすめる京急ウィング

京急ウィング新橋は1972年開業。新橋駅には京急線の駅は無いものの、1968年より相互乗り入れをおこなう都営浅草線が乗り入れている(開業当初は都営1号線)。コンセプトは「Spice of days」で、通勤者が日常遣いできるショッピングセンターとして親しまれてきた。

京急ウィング新橋。

今回の改装は2017年から行われてきたもの。合わせて耐震補強工事なども行われている。
ファッションエリアでは、10月1日までに新規テナントとして「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング」のビジネス関連アイテムに特化したブランド「ワークトリップ アウトフィッツ・グリーンレーベル リラクシング」など、新橋という立地を生かしたビジネス関連店舗を中心に10店舗が新たにオープンしていた。

もとまちユニオン、全面改装-カウンターコーヒーも

もとまちユニオン新橋店は、かつて近くにあった「けいきゅう新橋店」(2010年1月閉店)を移転させる形で「もとまちユニオンby京急ストア」として2010年4月に開店。売場面積は約188㎡。
当時、もとまちユニオンは京急グループとなったばかりで、ダブルネーム店舗の出店は初のことであった。
今回の改装では、店舗名を「もとまちユニオン新橋店」に改称。
狭い面積ながら同社が得意とする輸入食品、周辺のビジネスマンとターゲットとした弁当などを扱うほか、新たにカウンターコーヒーコーナー「もとまちユニオンカフェ」を設置。コーヒーと一緒に楽しめるヴィヌーベルの焼きドーナツの販売なども実施される。

カフェコーナーが設けられる。

なお、11月16日までは開店記念セールが開催されている。

全面開業は2019年春

京急ウィングは今後も改装を進め、雑貨・コスメ店舗等の新規誘致・リニューアルをおこなうとしており、2019年春のグランドオープンに向けて工事が進められる。

もとまちユニオン新橋店

営業時間
平日:7:00~23:00 
土曜日:8:00〜21:00
日・祝日:10:00〜21:00

外部リンク:11月12日(月) もとまちユニオン新橋店 オープンのお知らせ
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くみまちモールにいざ、2018年11月23日開業-新座駅北の新たな街の中核に

埼玉県新座市大和田に、ベイシアグループのショッピングセンター「くみまちモールにいざ」が2018年11月23日に開業する。
くみまちモールにいざ

くみまちモール第2弾、新座市の土地区画整理事業の核に

ベイシアグループは、「創業60周年」「カインズ設立30周年」を2019年に控えたグループ連携の一環として、2018年6月に初となるコンセプト共通型商業施設「くみまちモールこじまた」(群馬県前橋市)を出店。今回、新座市に開業する新施設はくみまちモール第2弾となる。

くみまちモールにいざロゴ

くみまちモールにいざの店舗面積は13,394㎡。
新座駅から徒歩10分ほどの距離にあり、テナントとして、大型ホームセンター「カインズ新座店」(平屋建2棟、売場面積10,264㎡)、食品スーパー「ベイシア新座店」(平屋建、売場面積3,249㎡)を核に、眼鏡店「JINS」、「スターバックスコーヒー」、「ライフ動物病院」、宝くじ「チャンスセンター」が出店。

核店舗となるカインズ新座店では、各種工具、レーザー加工機といった専門機器の貸し出し、調色カウンターを導入した「CAINZ工房」や自転車の販売、修繕、即日修理(一部メニューのみ)にも対応した「サイクルパーク」、カインズ直営カフェ「CAFE BRICCO」(カフェブリッコ)を併設したインテリアグリーン売場「ライブグリーン&カフェ」に加え、「資材館」では同社初となる切り売り商品のWEBでの事前受付サービスにも対応する。

CAFE&GARDEN

また、ベイシア新座店では同社としては業界初となるキャッシュレス惣菜購入サービス「タッチdeデリカ」にも対応、スマートフォンアプリによる事前注文、事前支払により迅速な商品の受取が可能となる。

タッチdeデリカのイメージ

くまみちモール周辺、開発つづく

くみまちモール新座が出店する新座市大和田では、市主導による「大和田二・三丁目地区土地区画整理事業」(2020年事業完了予定)が進められており、今後も工業系企業の進出や公園、運動場の整備が行われる計画となっている。
これまで新座駅南口と比べ、北口一帯は核となる商業施設(スーパー)が存在せず、栄えているとは言い難い地域であったが、くみまちモールの進出を始めとする土地区画整理事業により、新座駅周辺の都市機能、求心力強化が期待される。

くみまちモールにいざ

住所:埼玉県新座市大和田2丁目6番32号
営業時間(カインズ):9時~21時(資材館は6時30分~20時)
営業時間(ベイシア):9時~20時

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寿屋牛深店、2018年秋までに解体終わる-2002年閉店の大型スーパー、跡地未定

熊本県天草市牛深(旧・牛深市)の旧市役所となりにあった大型スーパー「寿屋牛深店」(原田ビル)の解体・整地作業が10月までに完了した。

寿屋牛深店。

牛深市中心部のランドマークだった

寿屋牛深店は1981年10月に開店。地上4階建てで、売場面積は1,329㎡であったが、寿屋の倒産により2002年1月31日に閉店していた。なお、館内が非常に狭かったため「ことぶきベーカリー」など一部店舗は建物外に出店していた。
建物は2002年の閉店後空き店舗となっており、地域の催事などに使われていたが、2009年にホテルに転用されるために売却。しかし、実際に再活用されることはなく、放置されていた。

中心商店街に立地。

寿屋はハイヤ通り商店街に面し、旧市役所に隣接する好立地であったものの、11月現在は跡地の活用方法などは発表されておらず、近く熊本市の不動産会社により売却される予定だという。

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アスティ新富士、2018年11月21日開業-JR新富士駅、駅前整備も完了して脱”不便な駅”に

静岡県富士市の東海道新幹線JR新富士駅ビルに、ジェイアール東海静岡開発が運営する商業施設「ASTY新富士」(アスティ新富士)が11月21日に開業する。

ASTY新富士。

不便な新富士駅に「駅併設の商業施設」誕生

前身となる富士市新富士駅都市施設「ステーションプラザFUJI」は1988年、JR新富士駅の開設に合わせて開業。一般社団法人富士山観光交流ビューローにより、展示室、会議室などが運営されていたが、2018年6月30日をもって閉鎖されていた。
今回開店する「ASTY新富士」の延床面積は1,446㎡。
海鮮レストラン「まるごと駿河湾」、静岡地盤の焼肉チェーン「焼肉飯店 京昌園」、洋風居酒屋「丸鶏ハコザキ」、「エイトリッチーズカフェ」、地元製紙会社「紺屋製紙」プロデュースの紙バンド手芸が楽しめる雑貨店「カミレオン58」、「近藤薬局」の6店舗が出店し、セブン銀行ATMも併設する。

まるごと駿河湾。

また、大階段や内装の一部に地元産の「富士ひのき」を使用するなど、富士市の玄関口として相応しい環境づくりを目指すとしている。

館内イメージ。


館内イメージ。

「富士山口」整備も完了-利便性向上に

新富士駅では、富士市がおこなっていた「富士山口(北口)駅前広場整備事業」が11月1日に完成。バス乗降場のロータリー化、一般駐車場の増設などが行われた。

富士山口(北口)整備イメージ。

新富士駅は東海道新幹線の駅では唯一、在来線・他社鉄道路線が接続されておらず、富士市の中心部からも2kmほど離れているため利便性が高いとは言いがたかった。
駅周辺には東芝グループや王子製紙グループ、日本製紙の工場、富士市産業交流展示場「ふじさんめっせ」が立地するにもかかわらず、駅前にはディスカウントストア1店舗しかなく、飲食店の出店も僅かなものであったため、今回のASTY新富士開業は出張客のの満足度向上にも繋がるであろう。

外部リンク:ASTY静岡 | ASTY新富士
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マミーズ、2018年11月中に「旗艦店含む8店舗閉店」へ-大黒天物産の傘下入りで

九州を地盤とするスーパー「マミーズ」(福岡県柳川市)は、「マミーズ久留米インター店」「マミーズ善導寺店」「マミーズ太宰府店」「マミーズ中島店」「マミーズ沖端店」「マミーズ諸富店」「マミーズ勝立店」「マミーズ原万田店」の8店舗を11月30日午後6時をもって閉店させることを発表した。
閉店を発表したマミーズ諸富店(佐賀市)。

九州の中堅スーパー、買収で経営規模拡大していた

マミーズの前身は2003年に経営破綻した「オレンジチェーン本部」。
設立以降、炭鉱の購買を起源とする「三井松島産業」(パインバリュー)や地場スーパーの「日の出屋」、「福岡大洋フードセンター」、福岡県内の「トーホーストア」などを買収・事業譲受することで、最盛期となる2011年には九州北部に40店舗を展開していた。

旗艦店のマミーズ久留米インター店(久留米市)。

しかし、その過程で老朽化が進む小規模店舗を多く取得していたこともあり、近年は既存店のリニューアルと不採算店の閉鎖を続け、店舗数を30店舗にまで減らしていた。

寿屋系の建物を再活用したマミーズ善導寺店(久留米市)。

大黒天物産入りに伴い旗艦店含む8店舗を閉鎖

今回の8店舗閉鎖はディスカウント大手「大黒天物産」(岡山県倉敷市)による「マミーズ」の事業一部譲受に伴うもの。
対象店舗にはオレンジチェーン時代から旗艦店として営業を続けていた「マミーズ久留米インター店」や「太宰府市いきいき情報センタービル」(旧ジャスコ・パインバリュー)の食品核として営業する「マミーズ太宰府店」も含まれている。

マミーズ太宰府店(太宰府市)。

今後、大黒天物産グループでは取扱われていないクレジットカード・各種電子マネーでの商品精算、太宰府市の補助により運行する買物サポートカー「マミーズまほろば号」の処遇については未定となっている。

マミーズまほろば号。

今後は「大黒天物産」カラー強まるか

大黒天物産は、マミーズ30店舗のうち今回閉店する8店舗を除いた22店舗を大黒天物産が100%出資する子会社へと承継させる予定。
同社は2012年6月に「西源」(長野県)を買収、2018年3月に「マツサカ」(岡山県)をマミーズと同様のスキームで傘下に収めており、西源では本店を除く全店舗が大黒天物産ブランドの「ラ・ムー」に業態転換、その他の店舗でも大黒天物産のPB商品「ディープライス」の取扱いを開始している。
マミーズが展開する九州北部は価格競争が激しいエリアであり、今後はマミーズでも「ディープライス」取扱いや、将来的には不振店舗を中心に更なる店舗整理、「ラ・ムー」「ディオ」への業態転換の実施なども予想される。

外部リンク:株式会社マミーズの事業の一部譲受に関するお知らせ
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レッドキャベツ南長崎店、2018年11月18日閉店-イオン傘下の同社、マックスバリュ九州への”移管”進む

長崎市磯道町にあるイオン傘下のスーパー「レッドキャベツ南長崎店」が2018年11月18日午後6時をもって閉店し、跡地にマックスバリュ九州が出店する。

レッドキャベツ南長崎店。

長崎市南部を代表する大型店、「マックスバリュ」核に

レッドキャベツ南長崎店は2006年12月に「ダイエーハイパーマート南長崎店」(1995年6月開店)跡に開業。建物は地上5階建で、商業施設面積は8,913㎡、売場面積は8,741㎡。中島木材工業が所有する。
レッドキャベツを核とする「レッドキャベツショッピングモール南長崎」として、大型衣料品店「ファッションセンターしまむら」、スポーツ用品店「ヒマラヤスポーツ&ゴルフ」、家電量販店「ベスト電器」、100円ショップ「セリア」といった専門店10店舗ほどが出店。伊王島、端島(軍艦島)、野母崎などの観光地を擁する長崎市南部で随一の規模の大型ショッピングセンターとなっている。

「レッドキャベツショッピングモール南長崎」全景。
ベスト電器、しまむらなどが出店する。

レッドキャベツ閉店後も専門店街は営業を続けるほか、レッドキャベツの跡地には同じくイオングループのマックスバリュ九州が11月23日に「マックスバリュ南長崎店」の開店を予定しており、事実上の「運営移管」となる。

九州・中国地方に跨る店舗網、イオン化でどうなる?

レッドキャベツは2014年のイオングループ傘下入り以降、山の田本店の閉鎖、本社機能の福岡移転、熊本県内のレッドキャベツ全店舗のマックスバリュ九州移管など、店舗整理とイオンへの店舗移譲を進めていた。

レッドキャベツ本社。

2019年9月にイオングループのスーパー事業運営会社整理の一環として、九州地方で「イオン九州」「マックスバリュ九州」「イオンストア九州」の経営統合、中国地方で「マックスバリュ西日本」「マルナカ」の合併が予定されているが、北部九州・山口に店舗網が跨るレッドキャベツは上記計画に含まれておらず、今後の動向が注目される。

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万惣アルゾ飯塚幸袋店、2018年11月2日開店-広島の地場大手スーパー、九州で多店舗化めざす

福岡県飯塚市に万惣グループ(広島市佐伯区)の九州1号店「アルゾ飯塚幸袋店」が11月2日に開店した。
同社は本拠地の広島を飛び出し、九州への出店を進めつつある。

万惣alzo飯塚幸袋店。

広島発新進気鋭のEDLPスーパー、九州で多店舗化なるか

万惣グループは1960年3月、広島で八百屋「富屋」として創業。2018年10月現在、広島県地盤の地場大手スーパーとして「万惣」「マルシェー」「アルゾ」を34店舗展開する。同社は2010年9月、広島市安佐北区にディスカウント新業態「アルゾ可部店」を出店して以降、既存店のリニューアルを加速、店舗の1/3をアルゾブランドに転換した。

万惣の店舗(吉田店)。

アルゾは大型ショッピングカートの導入や冷凍食品の拡充、チラシ配布の未実施を謳うなど、エブリデイ・ロープライス(EDLP)型の店舗づくりが特徴で、通常店内で行われる生鮮品の加工処理や惣菜の製造も、関連会社のプロセスセンターが担う。
万惣グループは、アルゾ出店の要となる「クリアバリュー福岡プロセスセンター」(福岡県中間市)の稼働を11月1日に開始しており、12月には福岡県朝倉市に「アルゾ甘木店」、2019年1月下旬には佐賀県吉野ヶ里町のアクロスプラザ吉野ヶ里に「アルゾ吉野ヶ里店」の出店を予定している。

大型ショッピングカートもスムーズに通れる開放感のある店内。

アルゾ九州1号店の徒歩圏内は食品スーパー空白地となっているもの、2号店予定地近隣には「イオン甘木店」やディスカウントドラッグ地場大手「ドラッグストアモリ甘木インター店」(本部近接)が、3号店予定地近隣にも「トライアル上峰店」「スーパーモリナガ吉野ヶ里店」がそれぞれ営業するなど、競合店が多く立ち並んでいる。
九州は「トライアル」「ミスターマックス」「ディスカウントドラッグコスモス」といった、数多くの大手ディスカウントが本拠地を置く“激戦区”として知られる。九州での知名度が低い広島発の「アルゾ」が価格に対する意識の高い消費者の支持を集めることができるか、さらなる多店舗化を推し進めることができるか期待したい。
(写真は公式サイトより)

外部リンク:スーパーマーケット アルゾ
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