大阪府大阪市北区梅田の百貨店「阪神梅田本店」の建て替え第1期棟が6月1日にグランドオープンした。
阪神百貨店梅田本店建て替え第一期棟。
「食」の阪神百貨店、創業85年を機に生まれ変わる
阪神百貨店は1933年に阪神マートとして創業、1940年に現在地に移転。1951年にターミナル百貨店「阪神百貨店」として開店した。当初は地上2階建てであったが、1957年、1963年に大規模な増築工事を行い、地上8階建てとなった。
旧・阪神百貨店、大阪神ビル。
同店は西日本一のデパ地下とも称される地階食品売場を持つことで知られており、建て替え前は200を超える和・洋菓子、総菜、ベーカリーブランドの集積や、後述する「スナックパーク」は人気を集めたが、それらは今回の建替工事のために大部分が閉店・休店状態であった。
客層の拡大を図る-「食」の阪神、1階にも食品拡大
阪神梅田本店建て替え第1期棟が出店する建物は地上13階建てで、百貨店は地上9階~地下1階部分で営業する。建替工事に伴う総投資額は530億円。
今回開業する部分の売場面積は約27,000㎡で、従来の阪神百貨店の半分の規模。今後の増築により、元の面積とほぼ同じ規模となる。売上目標(2018年度通期)は410億円。
コンセプトに「毎日が幸せになる百貨店」を掲げ、「暮らし」や「健康」分野に軸を置いた生活に密着した売場づくりを目指すなど、阪急うめだ本店や競合店との差別化が図られる。
窓が印象的な夜の姿。
従来、阪神梅田本店は近隣の百貨店と比べ、顧客の年齢層が高いことが特徴として挙げられていたが、建て替えを機に30~40代の女性(特に阪急阪神百貨店が「西梅田OL」と呼ぶ働く女性層)も新たにターゲットにするなど、客層の拡大・若返りを目指したという。
関西初となるハンバーガーレストラン「Shake Shack」など新たなテナントも迎え入れ、客層の拡大を目指す。
これまで婦人雑貨などが販売されていた1階には新たに食品売場が拡大・展開されており、人気のベーカリーを集めた「パンワールド」や、約400種類のワインの試飲もできる「リカーワールド」が設置されたことも特徴だ。
日替わりで毎日15種類の食パンも並ぶ「パンワールド」。
賑わうオープン当日、ハイタッチ隊による歓迎も
開業当日となった1日の朝、2階デッキには営業開始を待つ多くの買物客で長蛇の列となった。
パフォーマーによるパントマイムの披露や吹奏楽の演奏、ハイタッチ隊による歓迎もあり、9時55分に華々しいオープンを迎えた。
ハイタッチ隊やパフォーマーが買物客を出迎えた。
食文化発信「スナックパーク」復活-ちょい飲み需要も
今回の建て替え第1期棟の開業に伴い、人気のフードコート街「スナックパーク」も約3年ぶりに完全復活した。
新装なったスナックパーク。
新装「スナックパーク」の常設店舗は13店で、これ以外に催事店舗が2店出店する。(2018年6月現在)
建替前から営業していた「阪神名物いか焼き」「ちょぼ焼き」「うまかラーメン」「玉子丸」「御座候」の5店舗に加え、箕面船場の天丼専門店「天ぷらの山」、中華そばの名店「カドヤ食堂」といった新ブランドも出店した。
阪神百貨店近隣では、ルクア大阪の「ルクアフードホール」「バルチカ」、阪急三番街の「ウメダフードホール」など、改装を機に食物販ゾーンを拡充させる商業施設が増加していることもあり、380円のローストビーフの注文でワイン30分飲み放題が540円となる「ローマ軒」など、ちょい飲みに適した店舗も導入されている。
大阪の食文化が集まる「スナックパーク」のメニュー。
阪急と合わせて「大阪梅田ツインタワーズ」形成
阪神電鉄は、今後西側部分の建替工事を進め、今回開業した部分と合わせて2022年春に「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」として全面開業させる予定。なお、阪神梅田本店部分は2021年秋にグランドオープンするほか、高層階はオフィスとなる。
また、2022年の全面開業時には阪急うめだ本店が入っている梅田阪急ビルを「大阪梅田ツインタワーズ・ノース」に改称、両ビルを「大阪梅田ツインタワーズ」と総称することになる。
阪急百貨店との連携も図られる。
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