イオングループのマックスバリュ東北は2016年5月25日までに運営する小型食品スーパー「ウエルマート」全店舗を「マックスバリュ」に業態転換した。
これにより、「ウエルマート」の屋号は34年の歴史に幕を下ろした。
マックスバリュエクスプレスに転換したウエルマート相生店。
マックスバリュの前身、大店法緩和で競争力失う
ウエルマートは1982年、ジャスコグループ(当時)の食品スーパーとして兵庫県姫路市に1号店となる田寺店を開店。
大規模小売店舗法(当時)の制約に縛らない売場面積999㎡以下の小規模スーパーであるために急速に店舗網を拡大。つるまい(秋田県、北日本ウエルマート)、ますや(長崎県、西九州ウエルマート)など地場スーパーの系列化もあり、最盛期には全国17県に店舗が存在していた。
しかし、1990年代以降の大店法規制緩和に伴う競合スーパーの大型化で競争力を失ったウエルマートは、業態転換や店舗網の縮小を迫られた。
その後、ジャスコは1994年から食品スーパーの新業態となる「マックスバリュ」、ディスカウントストア「メガマート」の展開を開始。
それ以降、ウエルマートはリブランドや、他社への店舗売却が進められた。
他店に売却された旧ウエルマート三重店。
ウエルマート発祥の兵庫、2月までにマックスバリュ転換
東北でも5月末までに転換し、ウエルマート消滅
2016年2月にウエルマート発祥の地である兵庫県のウエルマート相生店がマックスバリュエクスプレスに転換して以降、ウエルマートはマックスバリュ東北が秋田県で運営するウエルマート協和店、ウエルマート神岡店の2店舗のみとなっていた。
そして5月27日、協和店と神岡店が「マックスバリュ」に生まれ変わった。
5月にマックスバリュに転換した協和店(公式サイトより)。
これにより、「ウエルマート」の屋号を持つ食品スーパーは全国から消滅することになり、34年の歴史に幕を下ろした。