カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

DON DON DONKI Downtown East店、2021年4月15日開店-ドンキ、シンガポール9号店は全国労働組合会議系の複合施設に

シンガポール共和国の全国労働組合会議(NTUC)系複合施設「DowntownEast」に、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)のジャパンブランド・スペシャリティストア「DON DON DONKI Downtown East店」が2021年4月15日午前10時(シンガポール時間)に開店する。

DON DON DONKI Downtown East Store.

全国労働組合会議系の大型施設にドンキ進出

Downtown Eastは2000年に開業。建物は地上2階建。全国労働組合会議(NTUC)傘下のエンターテインメント・レジャー部門「NTUC Club」(1986年設立)が運営する。
NTUC系のシンガポール最大手スーパー「Fair Price」を核に、日系均一ショップ「DAISO JAPAN」「THREEPPY 300 and Happy」、シンガポール地場大手日本食品・インテリア雑貨店「日本の家(JAPAN HOME)」、NTUC系コンビニ「Cheers」、日系コンビニ「セブンイレブン」、飲食店「McDonald」「KFC」「PizzaHut」「STARBUCKS」「和民」など120超の専門店が出店。シンガポール最大級の大型ウォーターパーク「WILD WILD WET」や宿泊施設「D’Resort」(387室)、コンベンション施設「MUCE(Membership and Union Community Engagement)」を備える。

ドンキならではの圧縮陳列・レジャー打ち出した店舗に

DON DON DONKI Downtown East店は、DowntownEast内の商業施設「E!Avenue」1階に出店するもので、売場面積は1,128㎡。パン・パシフィック・リテールマネジメント(シンガポール)が運営を担う。同社店舗としてはシンガポール9店舗目となる。
新店舗では店舗コンセプトを「キャンプ」に設定し、施設内のアクティビティ施設・BBQスペースとの相乗効果が見込まれる生鮮4品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)や飲料・酒を中心に展開。圧縮陳列を用いながら、ジャングルで宝探しをしているようなワクワク・ドキドキ感を提供するとしている。
また、新店舗はMRT東西線パシール・リス駅から徒歩10分ほどの距離にあるが、駅と新店舗間を結ぶオリジナルデザインの無料シャトルバスを運行するとしている。

ドンペンがあしらわれたMRT駅・ドンキ間無料シャトルバス。

DON DON DONKI Downtown East店

住所:E!Avenue #01-339, Downtown East, 1 Pasir Ris Close, Singapore
営業時間:午前9時~翌午前0時

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メロンブックス熊本店、2021年5月31日閉店-コロナ禍で縮小する同人誌書店、メロブも初の閉店に

熊本県熊本市中央区の下通商店街にある「ファインビル」4階の大手漫画・同人誌専門書店「メロンブックス熊本店」が2021年5月31日をもって閉店する。

ファインビル。

ニコニコドーのファッションビルだった「ファイン」

ファインビルは1984年11月に開業。建物は地上6階地下1階建で、売場面積は2,050㎡。地場不動産会社の桑本が所有する。
施設は長らく、九州地場大手流通グループだったニコニコ堂(現:ゆめマート熊本)が運営するファッションビル「ザ・ファイン」として、ワールド系のレディスファッションブランド数店舗(OZOC・indexなど)やキデイランド、ミナミスポーツ(Minami熊本FINE)、タワーレコードといった専門店が出店していた。
しかし、2002年4月のニコニコ堂民事再生法適用にともない同社が運営から撤退。2005年11月には3階・4階のタワレコが、2009年9月には2階・3階のWEGOが熊本パルコに相次ぎ移転したため、施設の大部分が空きフロアとなった。

熊本初の大手同人ショップだった「メロブ」

メロンブックス熊本店は2009年12月5日に開店。
同社店舗としては福岡店と小倉店に次ぐ九州3店舗目、大手同人ショップとしては熊本県内初となる店舗であった。同店の開店にあわせて、提携関係にある総合アニメショップ「アニメイト」が近隣の高濱ビル3階からファインビル3階に増床移転、2010年7月には同じく提携関係にある同人・アニメグッズ販売買取店「らしんばん」が隣接するみどりやトーキビル地階に九州初となる店舗を開店(後にファインビル4階に移転)するなど、地方都市では珍しいアニメショップの一大集積を形成することとなった。
熊本地震でも被害を受けたものの、その後は各テナントともに営業を再開している。

震災被害のため2016年4月28日まで休業した。

ファインビルは、2010年10月にアム・スペースのゲームセンター「ams下通り(現・THE 3RD PLANET 下通り)」が地階と2階に開店、2013年8月にはワールド系の「ピンクラテ」が撤退し、後継としてハイコム系の携帯キャリアショップ(au・Softbank)が開店するなど、開業当初のファッションビルから大きく姿を変えた。

メロブとしては異例の完全撤退、コロナ禍では初

メロンブックス熊本店の閉店は「諸般の事情」によるものとしている。
同社は積極的なスクラップ&ビルドを行うエーツー(駿河屋)や、度重なる出店戦略の見直しを行っており、コロナ禍(とそれに伴うコミケ中止・延期)で経営規模を大幅縮小することとなった虎の穴(コミックとらのあな)といった競合他社と異なり、コロナ禍のなかでも屋号にメロンブックスを冠する店舗の閉鎖をこれまで行っていなかった。

2015年8月閉店の岡山店は“一時休業”扱いであり、2017年1月閉店の柏店(アニメイト跡・らしんばんとの共同出店/入居施設は後に解体)は2018年3月に近隣の長崎屋ドン・キホーテ柏駅前店4階に再開店しているため、熊本店の閉店は異例といえる。今後、とらのあな等と同様にメロンブックスも縮小へと向かうことになるのか、注目される。

2021年4月の現時点では、メロンブックス熊本店と同じフロアに出店するらしんばんを含め、ファインビル内の他店舗は閉店などを発表しておらず、店舗跡の活用方法については不明となっている。

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ガーデンズ千早、2021年4月24日開業-「スポガ」併設の商業施設、無印良品など出店

福岡県福岡市東区の千早駅近くに、「スポガ」で知られる高橋グループ運営の大型ショッピングセンター「ガーデンズ千早(GARDENS CHIHAYA)」が2021年4月24日に開業する。

千早駅近くの「スポガ」、ショッピングセンター併設に

ガーデンズ千早が開業するのは、JR博多駅から7.2kmの距離に位置する千早駅近くにある国道3号線・香椎浜団地入口交差点前。千早駅からは約720m、徒歩10分ほどの距離になる。
もともとこの地には、1965年に開業した高橋グループ(本社:福岡県久留米市)のスポーツアミューズメント施設「スポガ香椎(スポーツガーデン香椎)」と同系列の「エスタゴルフセンター」があったが、ガーデンズ千早はこのゴルフガーデン跡地に建設された。

スポガとガーデンズ千早。

建物は地上3階建てで、延床面積は約1万5256㎡。約300台収容の時間有料制駐車場と、72台収容の駐輪場を併設する。

「サニー」「無印良品」など約20店が出店

ガーデンズ千早のテーマは「食と健康」。スポガと同様に高橋グループが運営し、総テナント数は約20店舗となる。

ガーデンズ千早・ロゴ。

核店舗は西友が運営する24時間営業の食品スーパー「西友 サニーガーデンズ千早店」(1階、売場面積2,279㎡)と「無印良品 ガーデンズ千早」(1階・2階)。そのうち、無印良品は九州最大級の品揃えとし、インテリアアドバイザーが常駐。イベントスペース「Open MUJI(オープンムジ)」も併設される。
そのほかの1階は「食のグッドサイクル」をテーマとした「つながるマルシェ」となり、キーコーヒーの喫茶店「KEY’S CAFE」、市内に本店を構える「やおや植木商店」や「玄米てむすび ばんくす」、大分県のからあげチェーン「ポッポおじさん」、宮崎県の100円ベーカリー「100 Premium Bakery SUMOMO」などが出店する。
また、高橋グループが運営するシェアキッチン「たのしかラボ千早キッチン」を開設。惣菜、製菓・製パン、レストランの3種類のキッチンブースが設けられており、期間限定店舗の出店やイベントに活用される予定となっている。

ガーデンズ千早・館内イメージ。

2階・3階は、「健康のグッドサイクル」をテーマとし、無印良品に加えて高橋グループのスポーツクラブ「スポーツクラブエスタ クオリア千早」やクリニックなどが出店する。
また、屋外には広場が設けられるほか、別棟となる「スポガ香椎店」も営業を継続する。

 

スポガの「新たな可能性」に期待

繊維業を祖業とする高橋グループは、現在は福岡県内をはじめとして各地にスポーツアミューズメント施設「スポガ」などを展開しており、その多くが人口密集地に所在する。

久留米市にあるスポガ旗艦店。(本館は右奥)

今後も千早のように、スポガを商業施設併設の新業態へと刷新することがあるのかどうか注目される。

GARDENS CHIHAYA(ガーデンズ千早)

住所:福岡県福岡市東区千早3-6-37
営業時間:サニーは24時間、多くのテナントは10時~21時

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ニシザワデパート、2021年6月28日閉店ー地場大手スーパー「ニシザワ」創業の地、再開発で

長野県伊那市のJR飯田線伊那市駅近くにある百貨店(衣料品スーパーマーケット)「ニシザワデパート」が2021年6月28日に閉店する。

ニシザワデパート。

ニシザワ創業の地、最近は1階のみ営業だった

ニシザワデパートは1924年に「西澤書店」として開店。1967年に現在の建物となるとともに業態を百貨店に変更した。
建物は地下1階、地上6階建てで店舗面積は3,246㎡。現在は売り場を縮小し、1階のみの営業(2階はトイレのみ)で衣料品を中心に扱っていた。
店舗を運営する地場大手スーパー「ニシザワ」は1974年にダイエーとフランチャイズ契約を締結して以降、約30年間にわたって商品供給を受けていたほか、ダイエーの閉鎖店舗をニシザワが継承するなど深い関係にあった。

ダイエー提携時代のロゴタイプ。

そのため、ニシザワデパートには現在もダイエーが1975年まで使用していた旧旧シンボルマークが店内に残されている。

跡地は再開発へ、1階に再出店めざす

現在の建物は建設から50年以上が経ち、建物の老朽化が進んでいるほか、ニシザワデパートのある「伊那市通り町商店街」で再開発事業の計画があることから取り壊すことを決めたという。
地元メディアなどによると、新しい建物は4階建てで、1階に小売店舗、2~4階に賃貸住宅とする計画。
9月下旬から取り壊し工事を始め、2023年春の完成を予定している。
(写真協力:全国スーパーめぐりさん

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西武武蔵小杉ショップ、2021年4月28日再出店-4年ぶりに、グランツリー改装で

神奈川県川崎市中原区の武蔵小杉駅前にあるセブンアイグループのショッピングセンター「グランツリー武蔵小杉」に、百貨店「西武武蔵小杉ショップ」が2021年4月28日に再出店する。

グランツリー武蔵小杉。

開業時から出店していた西武、2017年に閉店していた

グランツリー武蔵小杉には2014年11月の開業時より準核店舗として「西武・そごう武蔵小杉」が出店。川崎駅前のさいか屋が閉店した直後の2015年6月には全面改装をおこなっていたが、そごう・西武の小型店事業縮小に伴い、2017年8月31日に閉店していた。

西武・そごう武蔵小杉ショップ。

4年ぶりの再出店となる「西武武蔵小杉ショップ」の店舗面積は旧店よりも狭い約120㎡。

西武武蔵小杉ショップ(リリースより)。

旧店は2階にあり、紳士服・婦人服の取り扱いをおこなっていたが、新店舗は1階への出店で、「デパ地下」で人気の食品とギフトを中心に「ショッピングセンター等では通常展開のない百貨店MDに特化」(そごう西武の発表)した店舗となる。

グランツリー全館でリニューアル実施-11月まで

グランツリー武蔵小杉では、2021年4月現在リニューアルを実施中。
4月28日までに西武百貨店のほかに北欧雑貨「フライングタイガー・コペンハーゲン」(4月16日開店)、コーセーのコスメショップ「cosmeteria」(4月23日開店)、製菓グッズ店「TOMIZ(富澤商店)」、広尾のフルーツサンド&ティー専門店「茶季」など新たに22店舗が新規出店。グランドオープンは2021年11月20日を予定している。

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金沢ロフト、2021年7月閉店-片町きららの核店舗

石川県金沢市の中心商業地・片町のファッションビル「片町きらら」にある大手雑貨店「金沢ロフト」が、2021年7月に閉店する。

2015年開店の金沢ロフト、近隣にハンズが出店していた

金沢ロフトは大和デパート系列のファッションビル「片町きらら」(旧ラブロ片町)の3階に核店舗の1つとして2015年5月に建物の開業と同時に開店。店舗面積は1,221㎡だった。
閉店は地元メディアが報じたもの。2016年には徒歩圏の「香林坊東急スクエア」に「東急ハンズ」が出店。同店はロフトより売場面積が広く、競合関係にあった。

東急スクエア香林坊。

片町きららは営業を継続するが、ロフトの跡地の活用方法や、ロフトが金沢市周辺に移転・新規出店するかどうかなどは、4月時点では発表されていない。
片町きららには、4月時点で「スギ薬局」「H&M」が核テナントとして出店している。一方で、近隣にある百貨店「金沢エムザ(旧めいてつエムザ/名鉄丸越百貨店)」は3月に運営企業が変わったばかりであり、同店も近い将来の改装が見込まれるため、近隣商業施設のテナントの動向が注目される。
金沢ロフトの閉店により、北陸三県のロフトは、福井市の福井西武にある「福井ロフト」、富山市のフューチャーシティーファボーレ(核店舗:平和堂)にある「富山ロフト」の2店となる。

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とらのあな秋葉原店B館・C館、2021年4月6日までに閉店-同社旗艦店、女性向け同人誌は秋葉原での取扱終了

東京都千代田区のJR秋葉原駅近くにある大手漫画・同人誌専門店「虎の穴」(本社:東京都千代田区)の「コミックとらのあな秋葉原店C」が2021年4月4日に閉店、「コミックとらのあな秋葉原店B」が2021年4月6日に閉店した。

とらのあな秋葉原店A・とらのあな秋葉原店B。

角田無線電機本店跡の「C館」、ビル建替えで閉店

コミックとらのあな秋葉原店Cは、2013年11月に秋葉原店A・秋葉原店B正面の「東京角田ビル(旧・角田無線電機本店/カクタソフマップ本店)」に開店。
開店当初の営業フロアは1フロア(3階)かつ古書・古物専門の店舗であったが、うたわれるものシリーズで知られるゲーム会社「アクアプラス」(虎の穴グループ・ユメノソラHDと2013年10月資本業務提携)特設コーナーの開設などにより順次取扱い品目を拡大。当時、虎の穴やユメノソラHDの事務所があった4階・5階にイベントスペースを開設し、イベント重視の店舗となった。
東京角田ビルは、とらのあな秋葉原店Cに加えて、ビックカメラグループのPC専門店「ソフマップAKIBA2号店パソコン総合館」や、諏訪市公認キャラクターの諏訪姫で知られるPLUMのアンテナショップ「PLUM LIVE SHOP」、アイドル・モデル撮影イベント会場「Fresh! Akiba 新館」が出店するなど、秋葉原らしいPC・ホビー・イベント分野に特化したビルだった。

ソフマップAKIBA2号店パソコン総合館・とらのあな(上階)。

しかし、2021年2月にはPLUMが「東京角田ビル建て替えによる契約期間終了」を理由に撤退。さらに、3月にはソフマップがサポートカウンターやeスポーツ関連売場の移転を開始するなど、建替え・再開発される方針が明らかとなっていた。

閉店日のとらのあな秋葉原C館入口。

サトームセン跡の“とら”、女性専門「B館」だった

コミックとらのあな秋葉原店Bは、2006年8月に「コミックとらのあな秋葉原本店」として開店。2009年7月に現在の店舗名に改称した。
同店は2004年に閉店した家電量販店「サトームセン秋葉原中央通り2号店」跡への出店で、当時進めていた秋葉原地区における店舗再編の要であった。当初の営業フロアは6層(地上1~5階・地下1階)、従来の1号店(→A館)で取扱っていた映像ソフトやホビーに加え、女性向け商業誌・同人誌専門フロアや直営コンセプトカフェ「Café with Cat」(2009年5月閉店)を展開するなど意欲的な試みを行っていた。
その後も、2009年7月の店舗名改称にあわせて営業フロアを7層(地上1~7階)に拡大、低層を各種映像・音楽メディア(BD/DVD/CDなど)、高層を女性向けとする営業体制に移行。2019年6月には3階・4階にイラスト専門フロア「AKIBA ART STORE」「AKIBA ART GALLERY」を新設、同年12月には秋葉原唯一となる公認サンリオグッズ専門フロア「とらのあなサンリオ公認ショップ」を新設、2020年11月には3階をFateシリーズで知られる「TYPE-MOONフロア」に刷新するなど、女性特化・コンセプト重視の店舗に。2021年の閉店時点もサンリオとのコラボレーション看板が設置されていた。

閉店直前のB館・サンリオとシャニマスの看板(2021年4月4日)。

しかし、2020年からはコロナ禍により営業時間を段階的に短縮、2021年1月14日からは緊急事態宣言発令を受けて営業時間を同社全店舗最短となる4時間(15時~19時)に短縮。さらに、1月31日には秋葉原店Bのシンボルだった女性向け同人誌・商業誌の取扱いを終了(池袋店への移転統合扱い、一部一般商業誌のみ秋葉原店Aで取扱継続)するなど、規模の縮小が続いていた。

縮小続くとらのあな、秋葉原も大幅縮小に

虎の穴は2009年7月からの同人取扱い拡大以降、2016年に末広町駅前にあった若松通商ビル(現・秋葉原虎ビル)を取得、その後も中古ホビー専門店「とらのあな2nd」やバー併設の酒類販売店「とらのも(トラ(ノ)アナNOMOO)」、“オタク婚活”に強みをもつ結婚相談所「とら婚」を相次ぎ出店するなど、秋葉原を拠点とした事業多角化をおこなっていた。
しかし、2018年11月には「とらのも」を無期限営業休止(後に閉店)、2019年4月には「とらのあな2nd(本店)」を無期限営業休止。さらに、2020年にはコロナ禍を受け地方店の大半を閉店、2021年2月には古書・古物専門業態だった「とらのあな2nd PREMIUM 秋葉原ラジオ会館出張所」を閉店するなど、一連の多角化と経営規模の拡大で出店した店舗の大半を閉鎖。本業である「コミックとらのあな」についても秋葉原の店舗をA館に集約、さらには集客の要の1つだった女性向け同人の取扱いを終了することとなった。

秋葉原の「とらのあな」3店(A・B・C館)。

とらのあな秋葉原店は、今後A館のみで営業をおこなうとみられる。なお、女性向け同人誌については池袋店か同社の通販を利用するように案内されている。
それぞれの店舗跡地の活用方法は未定となっている(先述したとおり「角田ビル」は建て替えの方針)。

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ヤマダデンキLABI新橋、2021年中に閉店-旧・キムラヤ新橋本店

東京都港区の新橋駅前にある大型家電量販店「ヤマダデンキLABI新橋」が、2021年中に閉店する。
追記:2021年10月1日に閉店することとなった。

ヤマダデンキLABI新橋。

かつて「キムラヤ旗艦店」だった

ヤマダデンキLABI新橋」は、2007年にヤマダ電機(2020年よりヤマダHD・ヤマダデンキ)傘下となったディスカウントストア「キムラヤ」の旗艦店「セレクトイン・キムラヤ新橋本店(1999年5月開店)」を同年12月に改装するかたちで、キムラヤ運営のヤマダ電機「LABI新橋デジタル館」として開店。のちに、ヤマダ電機直営となり、法人窓口なども備える総合家電量販店「LABI新橋」となっていた。

キムラヤ秋葉原店。
現在、キムラヤはくすりを中心とした小型店として存続。

また、2018年1月から2020年6月までは、高層階にヤマダ傘下のPC店「ツクモ」が出店していた。建物は地上6階、地下1階建て、売場面積は4,479㎡。
同店の閉店は、建物を所有する「森トラスト総合リート投資法人」の発表によって明らかになったもの。
賃貸契約の解除時期は2021年12月31日としており、ヤマダデンキはそれより前に閉店するとみられる。
なお、発表によると月額賃料(家賃)は7,650万円だという。

開業当初「LABI新橋デジタル館」だったころ。

ヤマダグループは、コロナ禍の影響もあり2020年中に旗艦店である「ツクモ秋葉原店(LABI秋葉原パソコン館)」、「LABI新宿東口店」を相次いで閉店。首都圏中心に展開する傘下のパソコン店「ツクモ」などでも、閉店・店舗統合が加速している。

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阪急阪神第一ホテルグループ、6ホテルの営業終了を2021年3月31日に発表-大阪新阪急ホテル、再開発へ

阪急阪神ホールディングスは、子会社の「阪急阪神ホテルズ」(阪急阪神第一ホテルグループ)が運営する6ホテルの営業を終了することを2021年3月31日に発表した。

近く創業100年を迎える阪急阪神第一ホテルグループ

阪急グループのホテル事業は、1926年5月に「宝塚ホテル」(兵庫県宝塚市、2020年6月移転)を開業させたことを起源とする。2002年には「阪急ホテルズ」と、阪急創業者である小林一三氏が設立に関わった「第一ホテルグループ」が経営統合。2006年には「ホテル阪神」を傘下に収めてグループ名を「阪急阪神第一ホテルグループ」とし、2008年には傘下ホテルの経営統合により設立された株式会社阪急阪神ホテルズの運営となった。

本社所在地であり、2024年までに閉館する「大阪新阪急ホテル」。

3月31日に閉店を発表したホテルは以下の6店。

  • 第一ホテルアネックス
    :東京都千代田区、2021年度末閉館
  • 吉祥寺第一ホテル
    :東京都武蔵野市、2021年度末閉館
  • 梅田OSホテル
    :大阪府大阪市北区、遅くとも2021年度末までに閉館
  • 第一ホテル東京シーフォート
    :東京都品川区、2022年度末閉館
  • 大阪新阪急ホテル
    :大阪府大阪市北区、2024年度末ごろ閉館、解体
  • 千里阪急ホテル
    :大阪府豊中市、2025年度末ごろ閉館、解体

そのうち、同社の旗艦店的老舗ホテルであるものの築年数が高い「大阪新阪急ホテル」(1964年築)と「千里阪急ホテル」(1970年築)については建物を解体する。
また「レム鹿児島」(鹿児島県鹿児島市)は別のチェーンホテルの運営となる。

コロナ禍のなか動き出すことになる梅田の大型再開発

阪急阪神ホテルズは閉店の原因を新型コロナウイルスの感染拡大によるものだとしており、同社はあわせて従業員数を2025年度初めまでに現在の2,300人から約1,500人に削減することも発表している。
2024年度末までの営業終了・解体を発表した「大阪新阪急ホテル」は大阪駅・梅田駅に隣接する大阪の一等地に立地しており、阪急阪神ホテルズの本社も置かれている。
同ホテルは解体されることが決まっているものの、跡地の活用方法は未定だとしている。新たな「大阪の顔」となるべき大型再開発が期待される。

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パワースーパーピアゴ富士宮店、2021年3月31日開店-ユニーのドンキ流スーパーセンター型新業態に

静岡県富士宮市のピアゴ富士宮店跡に、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)のユニーが運営する総合ディスカウントストア「パワースーパーピアゴ富士宮店」が2021年3月31日に開店した。

パワースーパーピアゴ富士宮店。

富士宮のサンテラス、昨年12月にはニトリが撤退していた

パワースーパーピアゴ富士宮店は、1994年12月にユニーのショッピングセンター「サンテラス富士宮」として開業。建物は地上1階地下1階建、売場面積は5,860㎡。
核店舗の総合スーパー「ユニー富士宮店」は、2009年2月のグループ店舗ブランド再編にあわせて「ピアゴ富士宮店」に改称。2015年11月の大型家具・インテリア雑貨店「ニトリ」開店にあわせて食品中心の店舗に刷新を図った。その後、2020年12月にニトリが近隣への新築移転のため撤退、2021年3月21日には新業態への転換のためユニー直営売場を閉店していた。

富士山を見渡すことができるピアゴ富士宮店。

直営売場を従来比2倍に拡大、靴専門店や医薬品の導入も

パワースーパーピアゴ富士宮店の直営売場面積は4,420㎡(従来比2倍)。駐車台数は361台、駐輪台数は19台。
富士宮店は、ユニー初となる“食料品、衣料・住居関連品、靴などの品揃えを強化したスーパーセンター型DS”として、店舗コンセプトに「常にお買い得感がストレートに伝わる店づくり」を掲げ、直営売場を“食品量販ゾーン”、“衣料・住居関連量販ゾーン”として展開。

パワースーパーピアゴ。

食品量販ゾーンでは生鮮4品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)や酒・菓子・冷凍食品・加工食品、衣料・住居関連量販ゾーンではインナーウェア・靴下などの取扱いを拡大。あわせて、新たに医薬品・化粧品・健康食品などの取扱いを開始した。
また、両ゾーンの“アウトスペース”には、シューズ専門店「Walk Away(ウォークアウェイ)」を導入。スニーカーやサンダルなどを中心に品揃えるなど、ニューファミリー層向けの品揃えを図った。

富士市3店舗と異なる“ピアゴ”活かしたリニューアルに

PPIHは富士宮市に隣接する富士市内において、2019年2月から2020年4月にかけてユニーの総合スーパー全3店舗を順次「MEGAドン・キホーテUNY」「ドン・キホーテUNY」に業態転換(UDリテールに運営移行)、2020年8月にはドンキ直営の富士店を閉店するなど、ユニーが運営する比較的大きな店舗にドンキ店舗を事実上統廃合するスキームによる店舗網の再構築を進めていた。
ピアゴ富士宮店は、地域唯一となったピアゴ屋号の店舗かつ、施設の半分ほどを占める大型テナント(ニトリ)の撤退という課題を抱えていたが、富士市内の3店舗と異なり、ドンキが得意とする圧縮陳列といったノウハウを活かしつつピアゴの屋号を維持する新業態として生まれ変わることとなった。

パワースーパーピアゴ富士宮店

住所:静岡県富士宮市東阿幸地541番地
営業時間:午前8時~午後11時

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