広島市西区福島町の広島電鉄福島町電停近くにある旧広島市中央卸売市場食肉市場跡地に、サンドラッググループの総合ディスカウントストアを核とする複合商業施設「THE RYOWA TRINITY TOWN(ザ・リョウワ・トリニティタウン)」が2023年7月に開業する。
肉の一大拠点だった旧食肉市場
広島市中央卸売市場食肉市場は1960年6月に開場。同市場は開場以来複数度にわたる施設増設を実施し、呉市食肉センター(1976年12月閉鎖)の受け皿としても機能するなど、地域の食肉関連施設とともに広島の食肉安定供給に重要な役割を担ったが、1992年4月に中央市場がある西区草津港(中央市場隣接地)への移転を実施。
広島市は旧食肉市場の解体後、跡地一帯(福島町二丁目地区)を広島市立地適正化計画に基づく「都市機能誘導区域」に指定し、約2haのうち約1.1haを西区地域福祉センターや民間保育園、駐車場として活用したが、残る約0.9haの活用は進んでいなかった。
そのため、同市は2021年8月に公募型プロポーザル方式による事業予定者募集を開始。2022年2月に地場大手総合不動産業「良和ハウス」など4社による代表法人「トリニティ」提案の新施設計画が決定した。
ダイレックスを核とする多世代対応型複合施設に
THE RYOWA TRINITY TOWN の建物はの3棟(商業棟・共同住宅棟・介護福祉棟)で、商業棟の建物は地上2階建、敷地面積は約5,549㎡、建築面積は約2,848㎡、売場面積は約1,647㎡、延床面積は2,993㎡。共同住宅棟の建物は10階建で敷地面積は約1,368㎡、建築面積は約513㎡、延床面積は約2,985㎡。介護福祉棟は地上3階建で敷地面積は9,082㎡、建築面積は約4,272㎡、延床面積は約2,704㎡。
THE RYOWA TRINITY TOWN.
同施設では事業コンセプトを「活力」「定住化」「医療と福祉」に定め、商業棟にはサンドラッググループの大手総合ディスカウントストア「ダイレックス」を核に、広島地場大手クリーニング店「白王 PECO SHOP」、障碍児保育園「Sansui」、美容院など出店予定。良和ハウスと町内会による地域交流センターも併設となる。
DIREX.
COMMUNITY SPACE.
共同住宅棟には良和ハウス管理運営による賃貸マンションやクリニック、調剤薬局など出店予定。介護福祉棟はIWASAKIによる住宅型有料老人ホームとなるなど、独身・夫婦・ファミリー世帯から老人まで幅広い年齢層をカバーする施設となる。
RYOWA HOUSE.
IWASAKI.
広島市は公募型プロポーザル実施に際し、旧食肉市場跡地一帯を「人口減少・高齢化率が西区の平均を大きく上回るとともに、スーパーマーケットなど生活利便施設の空白地帯になっている」と課題視していた通り、徒歩圏内の大型食品スーパーはJR西広島駅・広電西広島電停近くの「ゆめマート己斐」と広電観音町電停の「ユアーズ天満店」のみと極めて少なかった。
PLAN.
開発主体となるトリニティは「地域住民・行政・民間事業者のそれぞれの事業主体が持つ英知と知見を融合させた三位一体(Trinity)のプロジェクト」をめざすとしており、新施設による利便性向上や賑わいが期待される。
THE RYOWA TRINITY TOWN
住所:広島市西区福島町二丁目20番2の一部
営業時間:9時~22時
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