岡島百貨店、2023年3月3日移転開業-再開発ビル「ココリ」に移転、縮小するも充実の店舗に

山梨県甲府市の百貨店「岡島百貨店」が、2023年3月3日に移転リニューアルオープンする。

岡島百貨店の新店舗(ココリ)。

創業180年の老舗百貨店、移転で新装

岡島百貨店は1843年に呉服店・茶販売店として創業。現店舗は1938年に移転開業したもので、1988年の増床リニューアルにより現在の姿となった。
館内はフルラインの百貨店であり、三越と提携。建物は8階から地階、店舗面積は29,520㎡となっていたが、建物が老朽化。
現店舗を閉店し、ほぼ空き店舗となっている再開発ビル「ココリ」(正式名:紅梅地区再開発ビル)の地階-2階に移転することとなった。
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閉店当日を迎えた岡島現店舗。

岡島の旧店舗は大手ディベロッパー「タカラレーベン」(東京都千代田区)に売却、現店舗を解体して再開発がおこなわれている。
詳しくはこちらの記事参照

岡島跡のタワーマンション。

ほぼ空き店舗となっていた再開発ビル「ココリ甲府」

岡島が移転する再開発ビル「ココリ」は、2010年8月に開店。総事業費約107億円のうち半分を甲府市と山梨県、国がそれぞれ補助金として負担して2010年8月に開業した再開発ビルで、高層階は(タワーマンションライオンズマンション)、中層階は専門学校、下層階は商業施設で構成される。

岡島となったココリの全景。

開店当初のココリは地元の宝石産業をアピールするために「アウトレットジュエリーモール」が核となっており、不振を極めた。そのため、2011年12月には2階を「アニメイト」などが出店する「ホビータウン甲府」に改装することで活性化を図ったが、ホビータウンの来客がビル全体の集客不振を解消するには至らず、ジュエリーモールを核店舗に決めた行政の責任が問われる事態となっていた。

ホビータウン甲府。

そこで「イオンモール」が「イオンモール甲府昭和」の増床に合わせて2014年末にココリのプロパティマネジメント契約を締結。「毎日うれしいがココに」をキャッチフレーズに、2016年までにイオンリテールの運営する食品スーパー「イオン」(2016年7月開店)を核に、酒売場「イオンリカー」、「未来屋書店」といったイオン系テナントや、「築地銀だこ」、「サンマルクカフェ」といった飲食店が誘致され、普段使いしやすい商業施設として生まれ変わったことで以前と比較して多くの地元住民の利用が見られるようになった。

イオンモール甲府。

一方で、近年は2019年8月にイオン系の未来屋書店が、2020年3月に300円ショップが閉店するなど、テナントの撤退が相次いでおり、エントランスである1階にも非物販テナントであるマンションギャラリーや就労継続支援A型事業所が出店。
さらに、コロナ禍のなか2020年11月には1階のイオンとイオンリカーも撤退、2022年にはホビータウンの店舗などが順次閉店し、ココリの商業床はほぼ空き店舗となっていた。

岡島新店舗、規模縮小も百貨店ブランドの多くは存続

岡島新店舗の店舗面積は約4,500㎡で、コンセプトは「地域共創型上質スペシャリティストア」。旧店舗の7分の1の面積となる。

岡島の看板が設置されたココリ。
外向き店舗の多くは以前のまま営業しているが、岡島の区画となった場所も。

フロア構成は以下のとおり。

2階 新しいライフスタイルのフロア リビング・服飾・催事場等
1階 上質ファッションのフロア デパコス・服飾など
地階 上質な日常を提供する食のフロア 生鮮・食品・明治屋など

 

旧店舗で人気を集めていた「ジュンク堂書店」など撤退となったテナントもある一方で「コーチ」「シャネル化粧品」「ロクシタン」「コムサプラチナ」「Jプレス」「レリアン」「ウチノタオル」などといった多くの百貨店向けブランドが存続。岡島は陳列方法を工夫するなどして撤退ブランドをおさえたとしており、照明設備など内装もかつてのココリから大きく変更され、百貨店らしい雰囲気となった。

商店街側に設置されたロクシタンの看板。

また、とくに食品は「明治屋 MEIDI-YA」、精肉「わたなべ」、京都の漬物「土井志ば漬本舗」、新潟の鮭茶漬けなどで知られる「加島屋」、ベーカリー「パンパティ」等が新規出店するなど充実が図られたほか、各フロアに催事スペースを設置。物産展をはじめとした各種催事が開催される予定となっている。

商店街側には岡島出店を歓迎する看板も。

岡島百貨店

山梨県甲府市丸の内1-16-20
営業時間:10時~19時

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