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JR川崎タワー、2021年5月13日より順次開業-川崎駅西口のJR系複合施設「カワサキデルタ」全面開業

神奈川県川崎市の川崎駅西口で建設が進められていたJR東日本グループの複合施設「カワサキデルタ(KAWASAKI DELTA)」の中核施設となる「JR川崎タワー」が2021年5月13日より順次開業し、カワサキデルタはグランドオープンを迎える。

JR川崎タワー商業棟。

川崎駅西口南側にJR東日本系の大型複合ビル誕生

カワサキデルタ(KAWASAKI DELTA)の建物は3棟(JR川崎タワーオフィス棟・商業棟・ホテルメトロポリタン川崎)で、敷地面積は約12,400㎡、延床面積は約137,000㎡。
この地は長らく平面駐車場だった。「デルタ」の名称は、計画地の三角形の街区形状に象徴性を見出したことを由来としたものでJR東日本は「この象徴的な三角形の街区で、多様なヒト・モノ・コトが出会い、掛け合わさり、新たな価値・未来が生まれる場所になってほしい」という思いを込めたといい、「川崎のまちに、さらなる賑わいを創出する」としている。

オフィス・商業・ホテルで構成

カワサキデルタは、オフィス・商業棟の「JR川崎タワー」、ホテル棟の「ホテルメトロポリタン 川崎」、そして2階歩行者デッキ上の中央広場「デルタプラザ」で構成される。各棟2階は歩行者デッキ「川崎ペイブ」で接続される。
そのうち「ホテルメトロポリタン川崎」は2020年5月18日に先行開業済み。地上16階建、高さ約59m。店舗面積は約500㎡、客室数は304室。

ホテルメトロポリタン川崎。

JR川崎タワーオフィス棟は2021年4月に完成。地上29階地下2階建、高さ約128m。オフィス貸室面積は約66,000㎡、コンファレンスルームは約1,100㎡、保育施設は約400㎡、駐車場約200台を備える。
JR川崎タワー商業棟は地上5階地下1階建、高さ27m。物販フロア(カフェ&レストラン)は2階で面積は約2,500㎡、フィットネス&スパフロアは3~5階で面積は約4,000㎡となっている。

JR川崎タワー商業棟2階「CAFE&RESTAURANT」フロア。

この商業棟の今回の開業をもって「KAWASAKI DELTA」は全街区グランドオープンを迎える。

商業棟はおもに「飲食街」「スパ」で構成

商業棟は「飲食店」と「フィットネス・スパ」がメインとなる。
商業棟の2階「CAFE&RESTAURANT」は、5月13日より店舗ごとに順次開業。施設は「ジェイアール東日本ビルディングが運営を担う。
タリーズコーヒー」「日乃屋カレー」、横浜発祥の台湾風居酒屋「阿里城」、ラーメン「玉 GYOKU」、やまやの辛子明太子を好きなだけかけられる博多天ぷら定食専門店「博多天ぷら やまみ」、「ナポリの下町食堂」、「川崎市民食堂魚金-西」の7店が5月13日に開業。テラス席も設置される。なお、基本的に(通常時は)各店とも閉店時間は23時前後、最長で23時30分までとなる。

JR川崎タワー商業棟2階「CAFE&RESTAURANT」テラス。

さらに、5月19日には、JR川崎タワー商業棟3階~5階に「ジェクサー・フィットネス&スパ24川崎(JEXER FITNESS & SPA 24 川崎)」が開業する。
JR川崎タワー商業棟「JEXER FITNESS & SPA 24 川崎」バイク川崎。


JR川崎タワー商業棟「JEXER FITNESS & SPA 24 川崎」スパ。

なお、各棟の1階(グランドフロア)の大部分は駐車場となる。
このほか、オフィス棟2階には「ファミリーマート」、どろんこ会の認可保育園「メリー★ポピンズ川崎西口ルーム」の2店舗が出店している。

JR川崎タワー(カワサキデルタ)

住所:神奈川県川崎市幸区大宮町1番地5
営業時間:午前7時30分~午後11時30分
(商業棟/一部テナントは除く/コロナで変更あり)

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エアドゥとソラシドエア、経営統合へ-2021年5月中にも合意

エア・ドゥ」(Air Do、北海道札幌市)と「ソラシドエア」(Solaseed Air、宮崎県宮崎市)が経営統合する方針を固め、2021年5月中にも基本合意する。

「北海道」と「九州」の翼

「エア・ドゥ」は1996年に設立。当初は京セラ系や北海道財界が大株主となっていたが、2002年に民事再生法を申請。全日空の支援を受け経営再建することとなった。2021年現在は日本政策投資銀行、ANA HD(全日空グループ)、北海道財界が主な株主となっている。
1998年に就航した羽田-新千歳便をはじめとして、道内各地から本州各地に就航している。

エア・ドゥ「ベア・ドゥJET」(B767-300)。

スカイネットアジア航空は1997年に「パンアジア航空」として設立。1999年に「スカイネットアジア航空」に改称、2004年には「産業再生機構」の支援を受け経営再建をおこなった。2011年より愛称を「ソラシドエア」とし、2015年にブランド名に合わせ社名も「ソラシドエア」に改称した。当初から宮崎交通グループが大株主となっており、2021年現在は日本政策投資銀行、ANA HD(全日空グループ)も主な株主として名を連ねる。
2002年に就航した羽田-宮崎便をはじめとして、長崎・熊本・大分など、九州・沖縄を拠点に路線展開している。

ソラシドエア「がんばるけん!くまモンGO」(B737-800)。

コロナ禍で大きな赤字-新設する持ち株会社の傘下へ

両社はいずれも2021年時点で日本政策投資銀行、ANA HD(全日空グループ)が大株主となっており、ANAと共同運航をおこなっている。一方で、両社ともコロナ禍で大きな赤字を抱えることとなっていた。
北海道・宮崎県内各メディアの報道によると、経営統合では新たに設立する持ち株会社の傘下に「エア・ドゥ」「ソラシドエア」両社が入ることが検討されているという。

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東急百貨店渋谷本店、2023年1月31日閉店-東急文化村も長期休館、LVMHグループと共同で新店舗建設へ

東急グループの「東急」「東急百貨店」、高級ブランドを傘下にもつLVMHグループルイヴィトン・モエヘネシー)の不動産投資会社「L Catterton Real Estate(LCRE)」は、「渋谷区道玄坂二丁目24番土地における開発計画」を3社で推進していくことに2021年5月13日正式合意した。
追記:閉店日は2023年1月31日となる。

東急百貨店 渋谷・本店。

これにともない、再開発のため東京都渋谷区の東急グループ系複合施設「Bunkamura(東急文化村)」は2023年4月から大規模改修工事(長期休館)を開始。東急グループ系百貨店「東急百貨店 渋谷・本店」は2023年春以降に一旦「閉店」、現店舗の建物は解体する方針となった。

「東横・白木屋」統合後初の店舗-実は小学校跡地

東急百貨店渋谷本店は1967年11月に開店。もともとこの地には渋谷区立大向小学校があったが、同校は神南の米軍住宅「ワシントンハイツ」跡地へと移転し、のちに大和田小(現:渋谷区文化総合センター大和田)、渋谷小(現:美竹の丘・しぶや)との学校統合で1997年に神南小学校と改称した。
現在の東急本店は地上9階地下3階建てで、店舗面積は35,124㎡(東急百貨店:32,133㎡)。1989年9月には「シアターコクーン」「オーチャードホール」などの公演施設を備える複合施設「Bunkamura(東急文化村)」(2,991㎡)が開業、1990年8月には百貨店も増床した。
東急は同店の開業に合わせて、1967年に「東横百貨店」と「白木屋」の国内店舗を「東急百貨店」の屋号に変え、CIを実施している。

東急本店、再開発で休店-「世界級施設」に

東急グループとLVMHグループは、東急本店一帯の再開発について「隣接するBunkamuraとの一体化により、「感動」「高揚」など真の豊かさを感じる、日本を代表するワールドクラスクオリティの施設を渋谷エリアに創出する」としている。
ちなみに、ルイ・ヴィトンなどを傘下に持つLVMHグループは大丸松坂屋百貨店などとともに銀座松坂屋を再開発した複合商業ビル「GINZA SIX」も手掛けている。

同じく「百貨店×LVMH」で再開発したGINZA SIX。

渋谷駅周辺では東急グループによる再開発が進んでいるほか、東急本店向かいのドンキホーテ渋谷店旧店跡ではPPIHグループ(ドンキ)による再開発もおこなわれている。
東急本店の再開発後の建物の具体的な規模・構成などは5月時点で発表されていない。
一方で、近隣では2020年に再開発のため閉店した「東急百貨店東横店」は、現時点では1つの建物として復活することなく、旧来の百貨店とは異なったかたちで「渋谷マークシティ(フードショー)」「渋谷ヒカリエ(シンクス)」「渋谷スクランブルスクエア」の3館に分散移転している。
また、東急本店と同じく「百貨店×LVMH」で再開発した「GINZA SIX」も、再開発後は百貨店ではなく一部に百貨店売場が出店したうえで「複合商業ビル」として営業することとなった。
東急本店の再開発後の建物は「ワールドクラスクオリティの施設」にするとしているが、再び現在と同じ場所・同じ業態の「東急本店」として復活することになるのかどうかは不透明だ。

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お菓子ドンキ・お酒ドンキ、2021年5月21日開店-東京駅前・八重洲地下街に「品目特化型」新コンセプト店

東京都中央区の東京駅に直結する地下商店街「八重洲地下街(ヤエチカ/Yaechika)」に、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)の新コンセプト店舗「お菓子ドンキ」「お酒ドンキ」が2021年5月21日午前9時に開店する。

東京駅直結という好立地を活かした「ヤエチカ」

八重洲地下街は1965年6月に開業。建物は地下4階建、店舗面積は約15,600㎡、延床面積は約64,300㎡。
地下1階にはショッピングモールとして専門店約180店舗が出店。地下2~3階には駐車場(東京駅八重洲パーキング)や会員制貸会議室(八重洲倶楽部)を備えるなど、東京駅直結という良好な立地を活かした複合商業施設となっている。

東京駅前初のドンキは菓子・酒類特化型の新業態に

ドン・キホーテの新店舗は八重洲地下街のショッピングモールフロア(地下1階)に出店するもので、売場面積は169㎡。

ドンキ新店舗「お菓子ドンキ」「お酒ドンキ」のロゴ。

新店舗ではドンキ厳選のアジアの輸入菓子を中心としたワールドイーツコーナーやアミューズメント性のある菓子を集めたコーナーを開設するなど、売場ごとに異なる国や地域の商品を展開。あわせて、希少価値の高い高額酒・洋酒・クラフトビール・若年層に人気の高いパーティードリンクなどのリキュール類、珍味・おつまみを拡充するなど、お菓子とお酒に絞った“専門店的な品揃え”を備えた店づくりを行う。

「お菓子ドンキ」「お酒ドンキ」。
ファミマやカルディと隣接する区画に出店する

コロナ禍で空き店増える地下街の「救世主」に?

ドンキが出店する八重洲地下街は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2021年中にもSoup Stock Tokyoや上島珈琲店、CAFE de CRIE、杵屋そじ坊といった店舗が相次ぎ撤退、5月時点で20店舗ほどの空き店舗を抱えている。
お菓子ドンキが出店する区画はレディスアパレル「AS KNOW AS PINKY」が、お酒ドンキが出店する区画は老舗喫茶店「ティールームアポロ」が2020年まで営業していたが、2021年からは“催事区画”となっており、両区画のドンキは半年~1年ぶりとなる常設店舗となった。

地下街の通路をまたぐかたちで出店するドンキ2店舗。

お菓子ドンキ・お酒ドンキ

住所:東京都中央区八重洲 2-1 八重洲地下街北 1 号(外堀地下 2 番通り)
営業時間:午前9時~午後11時

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ドン・キホーテ西銀座通り店、2021年5月31日閉店-至近距離の下通り店に統合

熊本県熊本市中央区の熊本市電辛島町電停・花畑町電停近くにあるパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)系ディスカウントストア「ドン・キホーテ西銀座通り店」が2021年5月31日をもって閉店する。

ドン・キホーテ熊本中央店。(現・西銀座通り店)

幾度も店名改称した熊本市中心部のドンキ

ドン・キホーテ西銀座通り店は2006年8月に「ドン・キホーテ熊本中央店」として開店。同店は2018年11月の熊本下通り店(ZARA熊本店跡/現・下通り店)開店にあわせて店舗名を「ドン・キホーテ熊本西銀座通り店」に改称したが、2021年には現在の店舗名に改称していた。

2021年からはドンキ最短の営業時間に

ドン・キホーテ西銀座通り店の建物は地上2階建、店舗面積は約991㎡。2004年4月に開店したパウ上熊本店(ニコニコドー跡/旧・上熊本店)に次ぐ熊本県内2店舗目であった。
同店は熊本県内随一の繁華街・歓楽街に立地する店舗特性を活かし、開店当初よりドンキが強みとする深夜営業やトレンド性の高い商品の拡充を特徴としていた。

熊本地震で2度の休業を経験した現在の西銀座通り店。

また、2020年の新型コロナ感染拡大時にも通常営業時間を県内最長の「11時~翌5時」から変更せず、居酒屋やスナック・バーなどが集積する西銀座通りの消費需要に対応した店舗づくりを行っていた。
しかし、2021年からは「熊本県独自の緊急事態宣言」が複数回にわたり発令、周辺の飲食店でも営業時間短縮要請や客足低迷による時短営業や休業が増加し、西銀座通り店も通常営業時間を同社最短の「15時~23時」に大幅短縮するに至った。

ドン・キホーテ熊本下通り店。

ドンキは西銀座通り店の閉店に先駆けて下通り店の通常営業時間を「9時~翌5時」に大幅拡大しており、今後はこれまで西銀座通り店が担っていた歓楽街需要を下通り店1店舗で担うことになる。

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マルショク佐伯店、2021年5月31日閉店-佐伯市中心部で最後のスーパー、62年の歴史に幕

大分県佐伯市の市立さいき城山桜ホール(寿屋百貨店本店跡)隣接地・新屋敷商店街にある総合スーパー「マルショク佐伯店」が、2021年5月31日に閉店する。

マルショク佐伯店。

佐伯市の中心商店街から「スーパー消滅」

マルショク佐伯店はマルショクグループの佐伯市1号店「丸食佐伯中央店」として1959年10月に開店。のちにマルショク佐伯店となったが、現在も「佐伯中央店」と呼ばれることがある。
現在の建物は1990年に新築されたもの。建物は2階建てで、店舗面積は2,120㎡。無料の平面駐車場を備えている。

佐伯市中心部に立地していた。

マルショクの開店から2年後にはすぐ近くにある「おしゃれの店寿屋」が別館として食品スーパー「寿屋ストア」を開業、1966年には丸食佐伯中央店の隣接地に「佐伯寿屋百貨店」(のち駐車場となった場所)を開業させ、1974年にはその西側に地上9階建・地下1階建ての新館(佐伯寿屋百貨店本館)が営業を開始した。寿屋の成長もあり、マルショクは同店とともに佐伯市中心部を代表する大型商業施設として親しまれた。また、近隣徒歩圏にも「マルマン」「ユーマート」など複数の食品スーパーが出店し、賑わいを見せることとなった。
しかし、寿屋は倒産により2002年に休業(そのまま閉店)、それと前後して近隣のスーパーも全て閉店しており、マルショクは佐伯市中心部で最後のスーパーマーケットとなっていた。
大分県佐伯市は人口約7万人を擁する大分県南部の拠点都市であり、2020年には寿屋跡に「さいき城山桜ホール」が完成するなど中心部の再開発が進む一方で、スーパーマーケットは消滅することとなった。

マルショク近くにあるアーケード商店街「なかまち」。

マルショク佐伯店は駐車場が無料であり、マルショクでの買い物のついでに商店街の店舗を利用する人も居たと思われ、中心商店街にとってみても大きな打撃となろう。
同店の閉店により、佐伯市の中心商店街最寄りのスーパーマーケットは、中心商店街地区から橋を渡った「中の島」にある食品スーパー「マルミヤストア中ノ島店(事実上の本店)」、もしくは玉川家具店の一角で営業するディスカウントストア「ダイレックス佐伯店」となる。

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平和堂なるぱーく店、2021年9月閉店-旧・イトーヨーカドー鳴海店、開業10年で

愛知県名古屋市緑区のショッピングセンター「なるぱーく」の核店舗「平和堂なるぱーく店」が、2021年9月初旬に閉店する。

イトーヨーカドー跡を再生した「なるぱーく」

なるぱーくの前身「イトーヨーカドー鳴海店」は1997年10月に日立建機鳴海工場跡に開店。
しかし、売上不振などもあり2010年10月17日に閉店し、2011年3月に平和堂・上新電機・くまざわ書店などが出店するショッピングセンター「なるぱーく」として再生された。

なるぱーく。

建物は2階建てで、店舗面積は14,791㎡。3階、屋上、地階は駐車場で、そのほか屋上には庭園「なる彩(いろ)ガーデン」「THE BBQ GARDEN in なるぱーく」などを備える。

核店舗の平和堂、10年で閉店に

平和堂はなるぱーくの核店舗として1階に出店。店舗面積は2,080㎡で、食品・日用品を販売している。
後継テナントなどについては5月時点では発表されていないが、なるぱーくでは2021年3月に100円ショップ「ダイソー」と系列の300円ショップ「THREEPPY」が開店するなど、テナントの入れ替えが進んでいる。
そのため、平和堂跡にも新たなテナントが出店するものと思われる。
追記:後継店として「バロー」が出店する。

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MEGAドン・キホーテUNY敦賀店、2021年5月18日開店-ポートン・アピタ跡、嶺南初のダブルネーム業態に

福井県敦賀市のアピタ敦賀店跡に、パン・パシフィク・インターナショナルHD(PPIH)の総合ディスカウントストア「MEGAドン・キホーテUNY敦賀店」が2021年5月18日に開店する。

港町・敦賀のユニー系ショッピングセンター

アピタ敦賀店は、ユニーと地元組合による共同出資のショッピングセンター「ポー・トン(PORTON)」として1990年11月に開業。建物は地上4階建、営業フロアは1~2階、敷地面積は15,200㎡、店舗面積は13,241㎡、延床面積は35,780㎡。
ポー・トン時代は、福井地場大手の協同組合ハニーに加盟する食品スーパー「プリオマート」とユニーの衣料品・住居関連品専門店「アピタ敦賀店」を核に専門店約30店舗が出店していたが、リニューアルにともない2012年4月をもって全館閉店。同年10月にはユニーが全館の運営を担うサーキット型のショッピングモールとなった。

アピタ敦賀店。

ユニーへの全館運営移行を機に、北陸初となるドラッグストア「ココカラファイン」やワンズオウンのインテリア雑貨店「Aberdeen」、敦賀初となるファストリ系のファストファッションストア「GU」など約40店舗を導入した。しかし、2015年からGUやSUBWAYなど集客の目玉となる専門店が相次ぎ撤退するなど空き床が顕著となったため、2018年11月には2階に「ニトリ」(2,300㎡)を導入するリニューアルを実施、2021年2月7日にはダブルネーム店舗への業態転換のためユニー直営フロアを閉店した。

ドンキ流の売場で“敦賀の世帯層”取込み図る

MEGAドン・キホーテUNY敦賀店の直営売場面積は5,957㎡。ドンキとしては福井県内4店舗目、UDリテール運営店舗(ドンキ・ユニー複合店舗)としては福井県内2店舗目となる。
1階の生鮮4品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)を取扱う食品売場では、アピタ時代から売場面積を1.3倍に拡大。生鮮部門では家族向けの大容量パック「メガ盛り」商品や単身・2人世帯向けの個食対応商品・少量パック商品、一般加工食品部門ではドンキが強みとする“驚安価格”商品を展開。あわせて、子供向けの駄菓子売場を導入するなど、3km商圏(敦賀の世帯層)を意識したフロアに刷新する。

2 階の衣料・住居関連売場では、“アミューズメント性”にこだわったリニューアルを実施。衣料品・化粧品・日用消耗品・家庭雑貨品の拡充に加え、カラーコンタクトレンズ・スマホパーツ・インポートブランド・香水・家電製品などを新たに導入する。
なお、MEGAドンキUNYへの転換にあわせて、Seriaは2階から1階に移転。ニトリやクラフトハートトーカイ、勝木書店KaBoS、namcoといった専門店の多くが営業を継続する。

MEGAドン・キホーテUNY敦賀店

住所:福井県敦賀市中央町一丁目5番5号
営業時間:午前8時~翌午前0時
※5月18日~20日まで営業時間を「午前9時~午後10時」に短縮

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東急ストアパルム武蔵小山店、2021年5月16日閉店-首都圏唯一だった旧・阪急共栄ストア跡

東京都品川区のパルム商店街にある東急ストアの食品スーパー「東急ストアパルム武蔵小山店」が2021年5月16日をもって閉店する。

パルム武蔵小山東急ストア。

首都圏では異色の「阪急が前身の東急」だった

東急ストアパルム武蔵小山店は、阪急百貨店を母体とする阪急共栄物産(1952年8月設立)の食品スーパー「阪急共栄ストア武蔵小山店」として開店。現在の建物「武蔵小山ショッピングセンタービル」は1965年竣工で地上4階建て、店舗面積は991㎡。
同店は長らく阪急グループ系スーパー「グルメマーケット阪急共栄武蔵小山店」として営業。末期には首都圏唯一の阪急系スーパーで、2003年1月の阪急共栄物産5事業分社化後は「阪急ファミリーストア武蔵小山店」に屋号を刷新したが、新会社への運営移行からわずか5ヶ月後の5月31日をもって閉店。6月からは東急ストアが事実上運営を引継ぎ「パルム武蔵小山東急ストア」として営業再開した。
2010年9月の武蔵小山駅ビル東急ストア開店後は、至近距離にあった武蔵小山東急ストア店や同じく中延にある荏原中延東急ストアとあわせてドミナントを形成。都内随一のアーケード商店街であるパルムと共同での割引クーポン配布といった独自の販促を打ち出していたが、18年の歴史に幕をおろすこととなった。

近隣店に事実上の統合

東急ストアは「閉店後は武蔵小山駅ビル店や荏原中延店を変わらず、ご愛顧いただけますようお願いいたします」とコメントしており、地域一帯に多店舗展開していた同社店舗は東急目黒線武蔵小山駅・東急池上線荏原中延駅の駅ビル内店舗のみとなった。

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イオン南千里店、2021年5月31日閉店ージャスコから33年の歴史に幕、跡地は再開発へ

大阪府吹田市の阪急千里線南千里駅近くにあるイオンリテールの総合スーパー「イオン南千里店」が2021年5月31日をもって閉店する。

開店時はジャスコ最大の店舗、競争が激化していた

イオン南千里店は1987年11月に「ジャスコ南千里店」として開店。地上4階建、売場面積は14,600㎡で、開店時は全国のジャスコ直営店のなかで最大の売場面積であった。建物は中部電力子会社の日本エスコンが所有している。
2021年現在のテナントとしては、家電量販店「エディオン」、アミューズメント施設「モーリーファンタジー」、100円ショップ「セリア」などが出店しているほか、屋上階(5・6階)には「HOS南千里スポーツクラブ」が入居している。

イオン南千里店。エディオンなどが出店する。

ジャスコ南千里店の出店後は近隣に大型店の進出が相次ぐこととなり、約1キロメートル圏内に限っても、北大阪急行電鉄が運営する「アザール桃山台」(1997年開業)、日本エスコングループのエスコンプロパティが運営する「トナリエ南千里」(旧・ガーデンモール南千里、2004年開業)、大和リースが運営する「BiVi千里山」(2015年4月開業)などが開業、競争が激化していた。
2019年には日本エスコンが建物を取得。「将来的には当該地の複合再開発」を行うと発表したため店の先行きが注目されていた。

跡地は複合再開発へ-再出店などは未定

イオンは閉店の理由を「契約満了にともなうもの」としている。
イオン南千里店では3月12日から「完全閉店売り尽くしセール」が行われている。

イオン南千里店の閉店告知。

前述したとおり、跡地は日本エスコンが複合再開発を進めるとみられる。イオングループの店舗が再出店するかどうかは、2021年4月時点は未定となっている。
(撮影:@Yakimeshi113_Miさん)

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