大阪府大阪市東淀川区の野村不動産系商業施設「かみしんプラザ」が2024年春に新装開業する。
東淀川区内最大のショッピングモール
かみしんプラザは関西地場大手不動産ディベロッパー「三津富」のショッピングセンター「レインボープラザ上新庄」として1980年5月に開業。売場面積は9,519㎡。
レインボープラザ上新庄は2004年に三津富が経営破綻、2005年にダイエーが撤退したため、施設を保有する青果専門商社が「シーオンプラザ」として全面改装を図ったが、2008年にはシーオン自身も経営破綻したため、2009年より三菱商事系SPC「ブライトムーン上新庄」による所有と野村不動産系商業不動産会社「ジオ・アカマツ」による管理運営に基づく「かみしんプラザ」となった。

かみしんプラザ。
かみしんプラザは2013年の三菱商事UBS系投資法人「日本リテールファンド」による施設取得を経て、2024年2月現在は同投資法人の後継となるKKR系投資法人「日本都市ファンド(JMF)」が所有、ジオ・アカマツの後継となる商業不動産会社「野村不動産コマース」が管理運営を担う運営体制を採っている。
2022年に3度目の全面刷新図ったが…
かみしんプラザは現体制による新装開業当初、レインボープラザ及びシーオンプラザ時代の専門店や営業方針を踏襲した施設づくりを行っていたが、2016年6月の地階全面刷新にあわせてコンセプトを「Kamishin Natural Style」に設定。大型食品スーパー「平和堂フレンドマート」を食品核とする現代的な商業施設となった。
その後も2017年9月に1階を中心に全面刷新、2022年10月には東淀川区内初となるライフスタイルストア「無印良品」や食物販店舗「ジョニーのからあげgourmet deli」「寿司一番地」導入を中心とする現体制3度目の全面刷新を行った。

ライフフーズの持ち帰り寿司店「寿司一番地」。
同業態の事業縮小にともない2024年1月28日に閉店した。
コロナ禍で生じた“歯抜け”状態解消へ
三菱商事UBSと野村不動産グループによる盤石な運営体制を敷いていた同施設であったが、2021年2月に経営破綻した300円ショップ「ミカヅキモモコ」や不採算店整理の対象となったラーメン甘味処店「スガキヤ」跡といった集客性のあった専門店区画跡を携帯電話販売店の常設サテライトショップやカプセルトイコーナー、近隣私立大学によるイベントスペースとして転用するなど、コロナ禍を経てフロアの疲弊が顕著にみられていた。
また、施設利用者からもフードコートの復活を始め専門店の入替えを期待する声が数多く聞かれていた。
「ニトリデコホーム」導入、専門店入替再構築も
かみしんプラザでは2024年春の新装開業に先駆けて、1月までに1階のファストリ系ファストファッションブランド「GU」や関西地場大手手芸用品店「手芸の丸十」、2階の大型衣料スーパー「パレット」や関西地場子供服・子供用品店「ママフル」、ナムコ系屋内型アミューズメント施設「アミューズパーク」といった専門店が完全閉店した。また、地階のライフフーズ系持ち帰り寿司店「寿司一番地」もセントラルキッチン廃止をともなう事業規模大幅縮小にともない閉店した。

デイリーファッションパレットかみしんプラザ店。
同店閉店後はイズミヤ淡路店に後継店を新規開店予定。
また、2月からはイオン系靴量販店「ASBee fam.」が一時休業、携帯電話キャリアショップなど各種サービス系店舗が移転準備を進めている。(1階中央催事フロアなどで仮設営業中)
春の新装開業ではニトリの家具インテリア雑貨店「デコホーム」を始め、集客力・知名度ともに高い専門店の導入が決まっており、東淀川区内最大のショッピングモールとしての座を盤石なものとするとみられる。
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ビブレコーゼ、2024年2月18日全店閉店-旧マイカルの文具雑貨店、イオンモール北大路店の閉店で
流通大手「イオングループ」が展開する文具雑貨店「ビブレコーゼ(VIVRE COSE)」が、2024年2月18日をもって全店閉店する。
マイカルグループ直営の文具雑貨店として創業
ビブレコーゼは、流通大手「マイカル(現イオンリテール)」が展開するファッションビル「ビブレ」の直営文具雑貨店として創業。2011年3月の運営会社再編時点ではグループの旧タウン型商業施設(桑名・明石・茨木・北大路)や駅前高層店舗(高崎・岡山)に店舗網を敷いていたが、2013年3月の明石ビブレ新装開業を皮切りに入居施設の建替再開発や全館リニューアルが相次いだため、2015年には北大路の1店舗を残すのみとなった。
2022年6月の北大路ビブレ新装後も営業継続したが
ビブレコーゼ北大路ビブレ店(現イオンモール北大路店)は「お客さまのライフスタイルに、もっと(More)をプラスする生活雑貨ショップ」を掲げ、イオンリテールビブレショップ事業部運営のもと、2022年6月の入居施設全館リニューアル後も系列店舗(ブルーエクリュ・スクエアフィールド・ルッソ・ミスターモストマブ)とともに営業継続していたが、2024年2月18日をもって閉店することとなった。

ビブレコーゼイオンモール北大路店。(2022年6月当時)
消えゆくビブレの遺伝子
2024年2月18日現在、ビブレコーゼの母体となったファッションビル「ビブレ」は2店舗(横浜・明石)、イオンリテールビブレショップ事業部が運営する大型服飾雑貨店「ビブレジーン」は4店舗(土浦・ユーカリが丘・橿原・福岡)のみとなっている。
上記店舗以外にも、イオン九州の総合スーパー直営フロア内で展開する店舗(筑紫野)も存在するが、最盛期と比べ店舗数はいずれも一貫して減少傾向にあり、ビブレとその遺伝子を引継ぐ業態の先行きは厳しそうだ。
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よどばしデイズ、2024年2月15日全店閉店-富士宮の地場スーパー、売上激減でクスリのアオキが譲受へ
静岡県富士宮市のヒバリヤグループ系地場食品スーパー「よどばしデイズ」が2024年2月15日までに全店閉店する。
ヒバリヤ傘下で再建図っていた「よどばし」
スーパーよどばし(店名:よどばしデイズ)は1924年に現在の静岡県富士宮市で創業。1969年3月の食品スーパー「よどばしフードセンター淀川店」開店にあわせて法人化した。
同社は1994年に食品ディスカウント新業態1号店「よどばしデイズ万野原店」を開店するなど富士宮市内での多店舗化を図ったが、業績不振を背景に、古参店だった「スーパーよどばし東店(マツモトキヨシ富士宮元城店を経て解体)」と最新店だった「よどばしデイズ石坂店(現ウエルシア富士広見店)」を閉店し、静岡地場大手食品スーパー「ヒバリヤ」完全子会社として再生を図ることとなった。

よどばしデイズ1号店「よどばしデイズ万野原店」。
同社はヒバリヤグループ傘下入りを機に、静岡県浜松市浜北区での「よどばしデイズ浜北店」(ヒバリヤ新鮮市場やまと浜北店の転換扱い)開店や既存店のヒバリヤモデル化など、グループのノウハウを活かした事業展開を打ち出すが、2023年2月期の同社売上高はわずか9,400万円(クスリのアオキ発表による)となっていた。
クスリのアオキが譲受、ドラッグストア化めざす
スーパーよどばしの全店閉店は、ヒバリヤによる大手ドラッグストア「クスリのアオキ」への事業譲渡によるもの。2024年1月5日の両社グループ間による事業譲渡契約締結後、2月8日に「よどばしデイズ三園平店」を閉店、2月12日に「よどばしデイズ田中町店」を閉店、2月15日に「よどばしデイズ万野原店」を閉店し、スーパーよどばしは事業を終了する見込み。

よどばしデイズ田中町店。
クスリのアオキは、よどばしデイズ3店舗跡に関して、生鮮食品とドラッグストア・調剤薬局の複合店舗としてリニューアルする方針を示しているが、事業譲渡契約締結時点では計画段階であり、アオキとしての再開時期や取扱商品の存廃は未発表となっている。
(画像は同社公式より)
東大和リビングテラス、2024年2月14日先行開業-ヤオコー東大和清原店を核に今春全面開業、東京街道団地再開発で
東京都東大和市の都営東京街道団地跡地に、複合商業施設 「東大和リビングテラス」が2024年2月14日から段階的に開業、2024年春を目処に全面開業する。
老朽団地再生の起爆剤めざす複合施設計画
東大和リビングテラスは、東京都が都営東京街道団地(東京街道アパート)一帯で進める公募型プロポーザル事業「東大和市東京街道団地地区まちづくりプロジェクト」の一環として、地場不動産会社「HONJO」を代表企業とするグループが整備予定の複合商業施設で、敷地面積は約12,859㎡、北敷地延床面積は約3,379㎡、南敷地延床面積は約2,907㎡。

東大和リビングテラス・鳥瞰イメージ。(東大和市資料より)
施設名と共通のコンセプト「東大和リビングテラス」を掲げ、商業(スーパー・コンビニ・地産マルシェ)や医療福祉施設(診療所・訪問介護施設・フィットネススタジオ)といった生活利便施設、そして公園と連携する市民交流施設を展開することで、老朽団地跡地に新たな「生活の中心地」の形成をめざすとしている。
ヤオコーが2月14日先行開業、春目処に全面開業めざす
東大和リビングテラスの核となる食品スーパー「ヤオコー東大和清原店」の建物は平屋建で敷地面積は約6,062㎡、店舗面積は約1,848㎡、延床面積は約2,985㎡。
ヤオコー東大和清原店は、東大和リビングテラス南敷地の全面を活かし、ストアコンセプトを「お客様に『新たな幸せ』を届けるお店 ~「美味しさ」「安さ」「楽しさ」をメンバー全員で伝え、 「東大和ドミナントの進化」で「幸せ」を届ける ~」に設定する。
一環として、青果では地元野菜フェアの定期開催やカットフルーツの強化、鮮魚では対面販売やバラ・ザル売りによるシズル感の提案、精肉では黒毛和牛や厚切り肉・特殊部位商品の展開、デリカ(惣菜・寿司・インストアベーカリー)ではライブ感ある鉄板商品や時間帯ごとのニーズに対応した売場の実現といった施策を打ち出すとしている。

ヤオコー東大和清原店。
東大和リビングテラス周辺は、Olympicグループの地場中堅食品スーパー「あまいけ」が地盤として複数店舗(東大和店・小川店)を展開しているが、両店舗とも1,000㎡未満と規模は決して大きくなく、リビングテラス同様の商業施設や医療関連施設も乏しい環境にある。
リビングテラスは2024年春を目処に全面開業するとしており、地域の利便性や魅力向上に結び付くような拠点となることが期待される。
東大和リビングテラス南敷地(ヤオコー東大和清原店)
住所:東京都東大和市清原3丁目1番地の8
営業時間:午前9時~午後9時30分

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ラッキー発寒店、2024年2月12日閉店-発寒駅近くの大型総合スーパー、20年の歴史に幕
北海道札幌市西区のJR函館本線発寒駅近くにある道内地場流通大手「北雄ラッキー」の総合スーパー「ラッキー発寒店」が2024年2月12日午後6時をもって閉店した。
発寒駅近くのラッキー、20年の歴史に幕
ラッキー発寒店は2003年10月に開店。建物は平屋建で店舗面積は3,638㎡。同社店舗としては札幌市内最大級の直営売場面積を誇る店舗として、フルラインの直営食料品・衣料品に加えて100円ショップ「キャンドゥ」を展開。至近距離にあるイオン札幌発寒店(イオンモール札幌発寒)や北海市場発寒店、トライアルスマート新発寒店といった競合店との差別化を図っていた。

ラッキー発寒店。
ラッキー発寒店では2023年11月より閉店セールを開催していたが、跡地の活用方法など今後に関しては2024年2月現時点において未発表となっている。
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イオン津ショッピングセンター、2024年2月12日閉店-前身の「ジャスコ+ニチイ→サティ」から45年の歴史に一旦幕、建替えめざす
三重県津市の県道114号線沿いにある流通大手「イオングループ」の総合スーパー事業会社「イオンリテール」が運営する商業施設「イオン津ショッピングセンター」が建替えのため、2024年2月12日18時をもって閉店した。

最終営業日を迎えたイオン津ショッピングセンター。
(写真:HEY エレ鉄!!さん)
日本初「ジャスコ+ニチイ」異色の大型SCとして誕生
イオン津ショッピングセンターは、中央毛織工場跡地の再開発にともない、1978年9月に流通大手系スーパー「ジャスコ津北店」「ニチイ津店」を核とする商業施設「津ショッピングセンターエル」として開業。開業当初の建物は地上2階建で中央毛織(後の中央コーポレーション/双日→ゼクス傘下を経て経営破綻)が所有していた。ジャスコとニチイという、ライバルであった流通大手2社の両方が核となる大型ショッピングセンターは日本初であった。
津ショッピングセンターエルは、流通大手と地場大手による商業施設の共同展開(鈴鹿ハンター、日永エコー、旧津南サンバレーなど)が多数みられた三重県内でも異色であり、開業当初はジャスコが食品、ニチイが衣料品を中心に取扱う運営方式を採っていた。
しかしその後は、施設間競争の激化を背景とした増床リニューアルの一環として、1994年1月にジャスコが撤退することとなった。
1994年に東海初のサティ、2011年3月にイオンに転換
津ショッピングセンターエルは、1994年4月の新装開業にあわせてニチイ(後のマイカル)の生活百貨店「津サティ」として全面刷新を図った。

サティ時代のデザインが残る看板。(写真:HEY エレ鉄!!さん)
津サティは東海地方で初となるマイカルグループの生活百貨店業態であり、2000年12月には別棟に複合映画館「ワーナーマイカルシネマズ津」を新設するなど、グループの同地域における旗艦店としての役割をめざしたが、2001年9月に同社が民事再生法を申請し経営破綻したことで状況が一変。マイカルの支援企業として、前身施設(津ショッピングセンターエル)の食品核を担ったイオン(ジャスコ)が再び運営に参画することとなった。
津サティでは2003年1月からイオンの支援を受けつつリニューアルを実施。2011年3月にはイオングループ総合スーパー事業再編の一環として核店舗名を「イオン津店」、施設名を「イオン津ショッピングセンター」に変更した。

イオン津ショッピングセンター・全景。
かつてはジャスコとニチイの看板が並んでいた。
地域密着・集客力向上の取組み図るも老朽化で一時休業
イオン津ショッピングセンターは、2013年10月にイオンリテールからグループの不動産ディベロッパー「イオンモール」による管理運営に移行するなど、津市内唯一(当時)のモール運営施設として集客力向上に取組んだ。(現在はリテール運営に再び移行)

一時はイオンモールが運営していた。(写真:HEY エレ鉄!!さん)
また、2021年2月に建替えのため閉店した「イオン白子店(白子ショッピングタウンサンズ)」(鈴鹿市)の受け皿として、白子店のシンボル「からくり人形」を核に据えたメモリアルゾーンや広大な学習スペースを新設するなど、地域密着の姿勢を打ち出した。(現在「イオンスタイル鈴鹿白子」として建替え中)

イオン津の「イオン白子店」メモリアルゾーン。
一方、同施設は県内の系列施設と比べ老朽化が進んでいたこと、足元商圏内においてもPPIHグループの総合ディスカウント「MEGAドン・キホーテ津桜橋店」や地場大手食品スーパー「マルヤスベーシック島崎店(旧マルヤスコスモス島崎店)」を核とする施設が開店したことを背景として、2023年12月14日に現施設を2024年2月12日付で閉店する方針を発表していた。
「心の片隅に思い出として」…45年の歴史に幕
閉店当日となった2月12日は開店時間から多くの客が訪れ、来店客には花が配られた。また、店内では店舗の歴史をしのぶ展示もおこなわれた。

数奇な運命を辿った店舗の思い出。(写真:HEY エレ鉄!!さん)
閉店時間の18時にはセレモニーが開催された。
専門店街理事長が「最後のこの時間まで暖かく見守って頂きありがとうございます。(中略)我々専門店が45年続けてこられたのは皆さまのおかげです。」と挨拶。続いてイオン津店の奥田忠司店長が、店舗での思い出に触れつつ「お寒いなかありがとうございます。(中略)お店が、心の片隅に思い出となって残ってくれたら本当に幸せです。」と締めくくり、イオン津ショッピングセンターはエル・ジャスコ・ニチイ、サティ、イオンと移り変わった45年の歴史に幕を下ろした。

多くの人が集まった閉店セレモニー。
(写真:HEY エレ鉄!!さん)
跡地には新施設検討、イオンシネマは営業継続
イオンリテールは2024年2月現在、イオン津ショッピングセンター跡地の具体的な活用方法、新店舗の概要(業態・規模・再開時期)などを明らかにしていない。
一方で、別棟の「イオンシネマ津(旧ワーナーマイカルシネマズ津)」は施設一時休業後も営業継続する方針を打ち出しており、2024年春に建替新装開業を予定している「イオンスタイル鈴鹿白子/そよら鈴鹿白子」同様に「地域の商業核を担う商業施設」として再生する方針としている。
なお、イオン津店休業期間中の代替店舗はイオンスタイル津南(イオンモール津南/旧津南サンバレー)となっている。
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イトーヨーカドー、アリオ札幌・屯田・琴似・帯広・青森・弘前・五所川原・花巻・サンエー石巻あけぼの・丸大新潟・アリオ上田の各店を2024年から2025年にかけて閉店・ロピアなど他社に承継
セブン&アイグループの大手スーパー「イトーヨーカドー」と、同社の店舗が入居する商業施設運営者などは、北海道・青森県・岩手県・宮城県・新潟県・長野県にある多くの店舗について、「ロピア」を運営する「OICグループ」(神奈川県)、セブン&アイグループの「ヨークベニマル」(福島県)、同じくグループの「ダイイチ」(北海道)と事業承継に関する契約を締結したと発表した。

閉店するイトーヨーカドー丸大新潟店。ロピアが出店予定。
イトーヨーカドー、北日本中心に大規模閉店を発表
今回の閉店は、イトーヨーカドーを運営するセブン&アイ・ホールディングス(東京都千代田区)が2023年9月に発表した傘下でありグループ中核企業の総合スーパー「イトーヨーカ堂」が運営するイトーヨーカドーの店舗削減と衣料品縮小などの合理化計画に基づくもの。

閉店するイトーヨーカドー弘前店。ロピアが出店予定。
このほかにもイトーヨーカドーは北見店・拝島店などの閉店を、郡山店をヨークベニマルへと承継・転換することを発表しているほか、さらなる閉店予定店舗があるとみられる。
(日付は特記以外は引き渡し予定日)
閉店後「ロピア」出店(OIC承継)
北海道
- イトーヨーカドー 屯田店:2024年8月頃
- イトーヨーカドー 琴似店:2025年1月頃
青森県
- イトーヨーカドー 青森店:2024年8月頃
- イトーヨーカドー 弘前店:2024年10月頃
- イトーヨーカドー 五所川原店:2024年夏に新装開業予定
:五所川原街づくり株式会社(エルム)の発表による。
岩手県
- イトーヨーカドー 花巻店:2025年2月頃
新潟県
- イトーヨーカドー 丸大新潟店:2025年3月頃
:丸大(イトーヨーカドー丸大)の株式譲渡
長野県
- イトーヨーカドー アリオ上田店:2025年2月頃
:「アリオ」SCとしては営業継続
閉店後「ヨークベニマル」出店
宮城県
- イトーヨーカドー(サンエー)石巻あけぼの店:2025年3月頃
:サンエーの株式譲渡
閉店後「ダイイチ」出店
北海道
- イトーヨーカドー アリオ札幌店:2025年3月頃
:「アリオ」SCとしては営業継続 - イトーヨーカドー 帯広店:2024年夏ごろ新装開業予定
:2024年1月に先行発表済み
寿司一番地茨木セントラルキッチン、2024年1月31日閉店-ライフフーズの持ち帰り寿司店、コロナ禍で多店舗化するも消滅へ
泉北高速鉄道グループの大阪府食品流通センター加工食品卸売場「こだわり食材市場」は、大手飲食グループ「ライフフーズ」のテイクアウト寿司店「寿司一番地茨木セントラルキッチン(茨木CK)」が2024年1月31日をもって閉店したことを2月8日に発表した。
コロナ禍で躍進した関西地盤のテイクアウト寿司店
寿司一番地はライフフーズのテイクアウト寿司店として2021年2月に1号店「寿司一番地尼崎店」を開店。開店当初は尼崎市内にある讃岐うどん業態「讃岐製麺尼崎西昆陽店」(2022年3月閉店)を「寿司一番地西昆陽セントラルキッチン(西昆陽CK)」として運用し、北大阪急行や阪神電鉄、京阪電鉄駅構内といった駅ナカ・駅近の好立地を活かした弁当惣菜・寿司の取扱いを行っていた。
ライフフーズは同年9月の「寿司一番地八尾リノアス店」開店を機に、コロナ禍で増加した大型商業施設の空き区画への店舗展開を開始。同社が経営課題としていた「新型コロナウイルス感染症拡大に伴う国内の外出自粛による消費マインドの低下や営業時間短縮」「事業環境の変化及び原材料価格やエネルギー価格の高騰」の対策として、出店コストの低い同業態は関西一帯に20店舗(催事店含む)近くまで拡大した。
大量閉店のすえ、セントラルキッチン閉鎖へ
寿司一番地は多店舗化にあわせ、大阪府食品流通センター加工食品卸売場「こだわり食材市場」(泉北高速鉄道系)に製販・配送拠点となる事実上の本店「寿司一番地茨木セントラルキッチン(茨木CK)」を開店。
既存店においても「大阪府中央卸売市場付帯加工食品卸売場発」を掲げ、卸売場直送の鮮度感と価格優位性の訴求を店頭で打ち出すようになった。

寿司一番地茨木CK。(画像:泉北高速鉄道こだわり食材市場)
一方、同業態は主力業態である「ザめしや」「街かど屋」「讃岐製麺」と異なり、発足当初より公式サイトでの取扱いもなく、東証上場企業という運営主体や関西一帯に広がる店舗網とは対照的に、一般消費者向けの販促がなされているとは言い難い状態にあった。
同業態はコロナ禍という時流の変化を捉え、最盛期には関西一帯に店舗網を拡大したもの、わずか2年ほどの歴史に幕をおろすこととなった。
情熱 by DON DON DONKI ミッドバレーモール、2024年1月31日開店-ドンキ、マレーシアで人気の「柴犬」強化
マレーシア・クアラルンプール市のミッドバレー駅前にある商業施設「Mid Valley Megamall」に、パン・パシフィック・インターナショナルHDグループのパン・パシフィック・リテールマネジメント(マレーシア)が運営するディスカウントストア「JONETZ(情熱) by DON DON DONKI Mid Valley Megamall(ミッドバレーメガモール)」が2024年1月31日に開業した。
ドンキ、クアラルンプールに「情熱価格」強化型店舗
ミッドバレーメガモールは、マレーシアの首都・クアラルンプールにある東南アジア最大級の複合ショッピングモール。
「JONETZ(情熱)」業態は、ドンキのプライベートブランド「情熱価格」を強化型の東南アジアで展開する新業態で、同店はドンキのマレーシア4号店となる。

JONETZ by DON DON DONKI Mid Valley Megamall.
日本の商品に加えて「柴犬」を強化
「JONETZ by DON DON DONKI Mid Valley Megamall」の売場面積は1,240㎡。
人気のキャラクター「ドンペン」に加えて、現地で人気を集める柴犬のグッズを展開。さらにマレーシアの店舗で最大級のコスメコーナーも設ける。
食品では「肉善し」で和牛串を展開するほか、日本の食材や菓子なども多く取り揃えるとしている。
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DON DON DONKI スタジオシティ、2024年2月2日開店-ドンキ、マカオで「カジノ・IR初出店」
澳門特別行政区(マカオ)の澳門高速鉄道ロータス駅近くにあるカジノを核とした統合型リゾート施設(IR)「スタジオシティ(新濠影滙)」に、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)グループの「マカオ・パシフィック・リム・リテールマネジメント」が運営するディスカウントストア「DON DON DONKI Studio City」が、2024年2月2日に開店した。
ドンキ、カジノ・IRへの出店は世界初
スタジオシティはカジノのほかホテル、ショッピング街などが入る複合施設(IR=統合型リゾート施設)。
ドンキは2021年9月にマカオ1号店を出店しており、今回の出店はマカオ2店舗目。カジノ・IR(統合型リゾート施設)へのドンキ出店は世界初となる。

DON DON DONKI Studio City.
海外店舗のなかでは広めの売場、即食グルメを品揃え
「DON DON DONKI Studio City」の売場面積は2,327㎡と海外店舗のなかでは広く、日本の食品やサンリオ、ドンペンなど日本のキャラクター商品を品揃えする。
店内にはドンキの寿司店「鮮選寿司」が出店するほか、袋麺を店内で調理・販売する「ヲた飯堂」、精米したての日本米やそれを使ったおにぎり・弁当等を販売する「安田精米」、鉄板焼き、おでん、デザートなどの店内調理総菜や、焼き芋やスイートポテトケーキ、和牛串などといった食べ歩きできるモバイルフードの販売もおこなうとしている。