京都府宇治市のショッピングセンター「レインボー小倉」を所有・運営、近年まで奈良県北葛城郡上牧町のショッピングセンター「レインボープラザ西大和」、兵庫県尼崎市の駅前型ショッピングセンター「アマゴッタ」などを所有・運営していた大阪府大阪市西区の不動産会社「ジョイハウス」が、債権者より大阪地裁へ破産を申し立てられ、7月1日に破産手続き開始決定を受けた。
レインボー小倉。
「アマゴッタ」「レインボープラザ西大和」を取得したが
帝国データバンクの発表によると、ジョイハウスは2001年12月に設立。当初は共同住宅の賃貸事業を主力としていたが、2011年3月に阪神電鉄尼崎駅前の商業施設「アマゴッタ」を、2012年10月に「レインボープラザ西大和」、2013年12月「レインボー小倉」を取得。2015年11月期には年収入高約14億円を計上していた。
しかし、物件取得に伴う有利子負債の返済負担が重荷となり、資金繰りが悪化。「アマゴッタ」「レインボープラザ西大和」の両不動産を相次いで流動化したほか、所有する共同住宅などの不動産売却により有利子負債の圧縮を図った。
しかし、2018年5月以降は所有不動産について競売開始決定に基づく差し押さえが登記され、取引金融機関より債権をサービサーに売却される事態となっていた。
現在「アマゴッタ」「レインボープラザ西大和」は別企業の所有となっている。
「レインボー小倉」空き店舗に、耐震不足で競売もできず
「レインボー小倉」は当初「西友」が出店。ジョイハウス取得時点の核店舗は「近商ストア」で「マクドナルド」や「ココカラファイン」なども出店していた。
しかし、核店舗である近商ストアが2018年8月26日に閉店したのを機にテナントの撤退が急速に進行。それ以降、総合衣料「オンセンド」、ドリームドリームが運営するパチンコ店「タマダロウ」、婦人服「ナカニシ」、ヘアーカット「ライム」などが相次いで閉店。2019年7月にはレインボー小倉唯一の物販店となっていた「ダイソー」も閉店することとなった。
2019年に入ると館内の大部分が空き店舗となった。
その後「レインボー小倉」の建物は競売にかけられていたが、老朽化による耐震性不足のため競売が取り下げられている。
ジョイハウスの負債は30億円に達する可能性もあるが流動的だという。
今後、レインボー小倉は解体される可能性が高い。
(写真:浅葱さん)