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7Pay、2019年9月30日廃止-問題相次ぎ僅か3ヶ月で終了、nanacoポイント還元率見直しも検討

セブン&アイHDは、自社グループ独自のスマホ決済サービス「7pay」を2019年9月30日に廃止することを発表した。

セブン-イレブン

セブン&アイHD共通スマホ決済を目指した7Pay

7Payは、セブン&アイHDの金融統括会社「セブン・フィナンシャルサービス」と「セブン銀行」の共同出資により設立された「セブンペイ」により、2019年7月1日に傘下のコンビニ「セブン-イレブン」でサービスを開始。7Payはセブン-イレブン利用客を対象とした「セブン-イレブンアプリ」と一体的なサービスの展開、多様なチャージ手段の提供、7payでの支払いに応じた「nanacoポイント」「バッジ」「マイル」の付与を特徴として打ち出し、当初は将来的なグループ横断的ロイヤリティプログラムの実施も検討していた。

不正利用でサービス停止の7Pay、3ヶ月で完全廃止に

7Payはサービス開始に際して、店頭でのチラシ配布や7Pay登録者を対象に「税込160円未満のおにぎり」を1個配布する大規模販促イベントを実施していたが、7月1日のサービス開始直後より一部ユーザーのアカウントで、第三者による7Payアカウントでの不正アクセス(多額のチャージ、支払など)が行われる問題が生じていた。
セブン&アイHDは、上記の不正アクセス問題を受けて、7月3日より新規登録受付及び外部IDによるログインサービスの停止、段階的な7Pay残高チャージ機能の停止、海外IPを経由したアクセスの遮断、システムの改修や二段階認証提供の検討を進めるセキュリティ対策プロジェクトの設置を相次ぎ打ち出したが、サービスの全面再開に相応の期間が必要であること、利用客の不安を理由に7Payのサービス廃止に至った。

混乱続くセブン&アイ、今後は外部サービス中心に方針転換

セブン&アイHDが自社グループ共通スマホ決済として普及を目指した7Payであるが、発表当初からスマホ決済導入による集客力向上、買物客の利便性向上に結び付く効果については疑問視されていた。同社は2007年以来、自社グループ共通電子マネー「nanaco」を軸とした販促を実施していたが、今回の7Pay導入にあたりポイント付与率を「100円1ポイント」から「200円1ポイント」に半減、「セブンマイルプログラム」(2019年9月開始予定)との併用を必要とする複雑なサービス体系に変更したことで、買物客にとっては事実上従来のポイント数と同等のポイントが獲得可能であるが、nanaco1枚で決済・ポイント交換可能という利便性が損なわれる結果となった。
セブン&アイHDの7Pay普及に向けた取組みは、系列外企業のスマホ決済を導入しつつ既存自社グループ共通電子マネーの還元率増額を打ち出した「イオングループ」(WAON)や自社スマホ決済の導入に加え既存自社系クレジットの特典を大幅拡充した「ファミリーマート」(ファミペイ・ファミマTカード)と対照的な顧客視点やユーザビリティを軽視した施策であった。
さらに同社が7月30日に実施した「7iDパスワード」の強制リセットにより、7Pay利用者に加えて、セブン&アイHDの総合通販サイト「omni7」利用者にもさらなる混乱を引き起こしており、キャッシュレス決済のみならずインターネットサービスに対する信頼性を大きく毀損するものとなった。

セブン&アイHDは、7Pay廃止後のキャッシュ化への対応に関して「グループ外部の様々な決済サービスとの連携を積極的に推進する」とコメントしており、今後はPayPayやLINEPay、メルペイなど系列外企業のサービスを軸としたサービス提案を行っていくものとみられる。また、7Pay開始に伴いポイント還元率を半減したnanacoについても還元率の見直しを表明している。同社によるキャッシュレス決済の信頼性回復に向けた新たな取組みに期待したい。

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サンリー菊陽ショッピングセンター、2020年2月29日閉館-菊陽寿屋から33年の歴史に幕

熊本県菊陽町のJR三里木駅近くにあるショッピングセンター「サンリー菊陽ショッピングセンター」(菊陽ショッピングプラザ)・イオン菊陽店が2020年2月29日に閉店する。

サンリー菊陽ショッピングセンター・アスパ。

サンリー、33年の歴史に幕

サンリー菊陽ショッピングセンターは1987年3月に開業。売場面積は17,205㎡で、当時は熊本県で最大の大型ショッピングセンターであった。サンリーの名前の由来は所在地の「三里木」に因むもの。開店日には豊肥本線三里木駅まで臨時列車が運行され、九州出身の人気タレント・宮尾すすむ氏が来店した。
サンリーはカナダのショッピングセンター「ウエストエドモントンモール」にヒントを得たもので、キャッチフレーズは「カナダ型ショッピングセンター誕生」。西側に寿屋の旗艦店となる総合スーパー「寿屋菊陽店」と寿屋の児童図書館、文化教室、サンリー菊陽専門店街(売場面積17,205㎡)を、東側に「サンリースポーツクラブアスパ」を配した。

サンリー菊陽とアスパ。

アスパは夏はプール、冬はスケートリンクとなることが特徴で、このほかに卓球場も設けられ、寿屋の卓球実業団チームの練習場にも使用されていた。
寿屋時代は絶大な人気を誇ったサンリーであったが、ラララグループ寿屋が倒産したため2002年に閉店(当初は一時休業予定)。その後、同年に核テナントがジャスコ菊陽店(のちに「イオン菊陽店」)、アスパは宮城県仙台市で「アイスリンク仙台」などを運営するスケートリンク大手「加藤商会」の運営となったが、アスパ部分は2019年2月で閉館していた。

現在も寿屋系所有-跡地はどうなる?

開業時は田んぼに囲まれていたサンリー菊陽であるが、現在サンリーの近隣には「ゆめタウン光の森」をはじめとしてダイレックス、ドン・キホーテ、ハンズマン、HIヒロセなど様々な業種の大型店が立ち並ぶ状況となっており、競合店の増加も閉店の一因であろう。
サンリーの建物は現在も寿屋の後継企業であるカリーノグループが所有するが、店舗跡の活用方法については2019年7月現在発表されていない。

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MEGAドン・キホーテUNY浜松泉町店、2019年8月6日開店-ピアゴ跡に

静岡県浜松市中区の国道257号線沿いに、総合ディスカウントストア「MEGAドン・キホーテUNY浜松泉町店」が2019年8月6日午前8時に開店する。

MEGAドン・キホーテUNY浜松泉町店。

2013年に建替えた浜松泉町のピアゴ、MEGAドンキに

MEGAドン・キホーテUNY浜松泉町店の前身となる「ユニー浜松泉町店」は1973年9月に開店。運営会社の経営統合及び店舗ブランド再編に伴い、2009年2月に店舗名を「ピアゴ浜松泉町店」に改称したが、施設の老朽化を理由とする建替えのため2012年5月をもって一時閉店していた。
その後、2013年4月に「高頻度来店型 上質日常生活便利店」を掲げた現店舗が開店したが、ドンキへの業態転換のため2019年6月2日をもってユニー直営売場を閉店。僅か6年の歴史に幕を下ろし、現在は一部専門店のみが営業を継続している。

遠州初となるドンキUNY、五感を刺激する地域密着店舗に

MEGAドン・キホーテUNY浜松泉町店の建物は地上2階建で、敷地面積は約12,820㎡、延床面積は約11,489㎡、直営売場面積は6,180 ㎡。当初、ユニーの100%子会社として設立された「UDリテール」が運営する。
ドンキとしては静岡県15店舗目で、ユニー・ドンキ双方のブランドを冠したダブルネーム店舗としては2019年4月に開店した富士中央店に次ぎ3店舗目、静岡県西部(遠州地方)では初となる。
ピアゴ時代と同様に生鮮食品を取扱うほか、店舗半径3km(商圏人口約13万人)にブラジル国籍を中心とした在日外国人も多く在住することから、テーマに「五感を刺激する」を掲げた地域最大級の食品売場を展開。各売場では実演・試食販売や地元の催事を開催するなど、体感・地域密着型店舗を目指すという。

MEGAドンキUNY浜松泉町店のテナント一覧
1階
  • 蛸焼工房(焼物)
  • Palette(ヘアカラー専門店)
  • チャンスセンター(宝くじ)
  • 浜松白洋舎(クリーニング)
  • クイックカットBB(ヘアカット)
  • げんき堂接骨院・鍼灸院(マッサージ)
MEGAドン・キホーテUNY浜松泉町店

住所:静岡県浜松市中区泉一丁目6番1号
営業時間:午前8時~翌午前0時

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エピコット長岡、2019年7月28日閉店-旧・長岡サティ・ニックホビーショップ

京都府長岡京市のJR京都線長岡京駅・阪急京都線長岡天神駅近くにある商業施設「エピコット長岡」が、2019年7月28日18時に閉店した。

エコピット長岡。

ニチイとして開店、大型ホームセンターも営業していた

エピコット長岡は1971年7月に「ニュー長岡ショッピングセンター」として開業。建物は地上3階建、延床面積は約6,652㎡、2019年現在は関西地盤の不動産ディベロッパー「賛栄商事」のグループ会社が所有する。
当施設には長らく、ニチイ(後のマイカル)の総合スーパー「ニチイ長岡店」が核店舗として営業しており、1990年代には同社の生活百貨店業態「長岡サティ」に転換したが、競合する総合スーパー(西友、イズミヤなど)と比較し小規模だったこともあり、マイカルの経営破綻より前の1998年に閉店していた。その後、サティ跡は賛栄商事グループを始めとする複数の生鮮小売業者により構成される「エピコット生鮮館」となった。
1995年11月には京都地盤のホームセンター「ニック産業」(ダイニック傘下)の旗艦店「長岡ニックホビーショップ」がニチイと並ぶ核テナントとして出店したが、こちらも2003年のケーヨーデイツーとの経営統合に先駆けて閉店している。

閉店は老朽化が原因-48年の歴史に幕

近年は1階に業務用食品スーパー「卸売ひろばタカギ」、2階には総合衣料品店「オンセンド」100円ショップ「シルク」、3階にはオフィス池田が運営する地域唯一のカラオケボックス「カラオケレインボー」、女性専用岩盤浴「マナアイランド」が出店していたが、2018年8月に食品核であったタカギが施設の老朽化に伴い閉店して以降、専門店が段階的に撤退、2019年7月28日のカラオケレインボー営業終了をもって完全閉店した。

オンセンド(旧ニチイ衣料品フロア)。

跡地は未定

賛栄商事グループはエピコット長岡と同様に閉店した「じゃんぼスクエア富田林」(旧・西友富田林店)跡地に、新たな施設を2020年を目処に開設する方針を決めているが、当施設の建替えなどについては発表されていない。
店舗近隣には総合スーパー「イズミヤ長岡店」「西友長岡店」、食品スーパー「平和堂フレンドマート長岡京店」、公設市場が母体となった「リバティ長岡」、有機食品スーパー「ヘルプ長岡」など、複数のスーパーが営業しており、競合が激しいエリアとなっている。
(写真:浅葱さん

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レマンショッピングセンター・イズミヤ宮崎店、2020年2月閉店

宮崎県宮崎市の南宮崎駅近くにあるショッピングセンター「レマン」が2020年2月に閉店する。

レマンショッピングセンター・イズミヤ宮崎店・レマンホテル。

九州唯一のイズミヤ、別館は2013年に閉館

レマンショッピングセンターは1972年10月開業。もともとこの地には宮崎県農業試験場などが立地していた。
売場面積は10,908㎡で、建物はイズミヤが所有する。核店舗の「イズミヤ宮崎店」は九州で唯一のイズミヤで、当初は「宮崎いづみや」の運営であった。宮交シティ(ダイエー宮崎店)、宮崎寿屋百貨店も同時期の開業だった。

宮交シティ。

現在はテナントとして「100円ショップミーツ」、「ヘルストロン」などが出店するほか、屋上に遊園地「レマンランド」があることでも知られる。

屋上のレマンランド。

近隣では、宮交シティ(旧ダイエー、現イオン)が近年複数回に亘る改装をおこなっている一方、イズミヤは老朽化が進んでおり、2013年には別館の「レマンホテル」と附属する飲食店街が閉館していた。

跡地はパチンコ店か?

跡地の活用方法については7月現在発表されていない一方、地元紙・宮崎日日新聞によると、宮崎県外のパチンコ店などを運営する企業に売却されることが有力視されているという。
なお、レマンホテルの跡にはマンションが建設されており、現在は商業施設の敷地にマンションがあるように見える状況となっている。

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平和堂米原店、「平和堂フレンドマート」に建替えへ-現店舗は2019年8月20日閉店

滋賀県米原市のJR米原駅前に位置する総合スーパー「平和堂米原店」が2019年8月20日をもって閉店し、店舗跡地に平和堂の新たな食品スーパー「平和堂フレンドマート米原店(仮称)」が2021年を目処に開店する。

平和堂米原店。

2018年に閉店を撤回、縮小した米原駅前の平和堂

平和堂米原店は1986年10月に、JR米原駅西口にフルライン型の総合スーパーとして開業。営業フロアは1~3階、売場面積は6,911㎡。建物は平和堂が自社所有している。
開業当初は店内に時計台を設置、大手家電量販店「ベスト電器」の関西1号店(業務提携店舗)も出店するなど、米原の玄関口となる大型店として営業していた。その一方、近年は専門店の撤退が相次ぎ、2017年3月には売上低迷を理由に閉店を検討していることが報じられた。2018年には営業フロアを1階に集約、同店最大の特徴であった中古書籍売場や絵画売場を廃止していた。

名物だった古書売場。

2019年現在は、食料品や日用品、衣料品、銘店売場「湖国銘産品」といった直営売場に加え、100円ショップ「Watts with」(ワッツウィズ)や金券ショップなどが営業を行っている。

フレンドマートとして2021年を目処に営業再開

平和堂米原店は旧・米原町内唯一のスーパーであり、米原駅最寄りのスーパーは3km近く離れた距離にある旧・近江町の「バロー」「フタバヤ」(ともにバローグループ店舗、両店は徒歩5分圏内の距離に出店)のみとなるため、旧・米原町民を中心とした買物難民の発生や、駅を利用する観光客の利便性低下を危惧する声が上がっていた。
都商研の取材に対し、平和堂の担当者は「1年半後にフレンドマートという形で建替えをさせていただく」とコメントしており、閉店後は建物を解体し、食品スーパー「平和堂フレンドマート米原店(仮称)」として2021年を目処に再開店するとみられる。

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天満屋広島アルパーク店、2020年1月31日閉店-三井不動産系から大和ハウスに施設売却

広島県広島市西区のJR山陽本線新井口駅・広島電鉄宮島線商工センター入口駅に直結するショッピングセンター「アルパーク」の核テナント「天満屋広島アルパーク店」(アルパーク天満屋)が、2020年1月31日をもって閉店する。

アルパーク西棟・天満屋広島アルパーク店。

まもなく開業30周年を迎える「アルパーク」

アルパークは1990年4月に、広島市西部で進められた臨海部開発プロジェクト「広島西部開発事業」(商工センター)の商業核として、広島市や大手不動産ディベロッパー「三井不動産」、準大手ゼネコン「フジタ」(現在は大和ハウス傘下)など民間企業複数社により開業した。

アルパーク東棟。

アルパークの建物は地上10階地下2階塔屋2階建(東棟)、地上5階地下1階塔屋1階建(西棟)、地上8階地下2階塔屋2階建(南棟・駐車場)、地上4階建(北棟)、施設全館の店舗面積は約90,200㎡、延床面積は約197,400㎡。
2019年7月現在は、西棟に百貨店「天満屋」、東棟に食品スーパー「スパーク」(広電ストアマダムジョイ跡)、紳士服「ORIHICA」、セレクトショップ「WEGO」、ファストファッション「UNIQLO」「GU」「Gap」、ベビー服・ベビー用品店「アカチャンホンポ」、靴量販店「ABC-MART」、雑貨「無印良品」、100円ショップ「ダイソー」、アミューズメント「namco」など専門店約140店舗が出店。北棟には「フタバ図書アルティ」、「スーパースポーツゼビオ」、「109シネマズ」のほか飲食店4店舗、美容院が出店する。

アルパーク通り。

天満屋グループの広島における旗艦店だった

天満屋広島アルパーク店は1990年4月に「アルパーク天満屋」として開業。運営会社再編の一環により1997年に現在の店名となった。営業フロアは1~4階、売場面積は26,421㎡。
2012年3月の「天満屋広島八丁堀店」(現・天満屋広島八丁堀ビル)閉店後も、天満屋の広島市内における百貨店旗艦店として営業を継続していたが、競争激化による業績不振を理由に2020年1月31日をもって閉店することが決定した。

天満屋は広島八丁堀店も閉店済み。

天満屋グループが広島市内で営業する百貨店店舗は、安佐南区のJR可部線緑井駅前に位置する「天満屋緑井店」(緑井天満屋)1店舗のみとなる。また、アルパーク天満屋が管轄する山口県周南市の「アルパーク天満屋周南ショップ」の営業継続については現時点で発表されていない。

三井不動産、アルパークを売却-大和ハウス系の運営に

アルパークは開業時には中四国で最大の商業施設で、日本国内では数少ない「郊外型百貨店」を核に据えた広域集客型ショッピングセンターである一方、郊外ながら駅からペデストリアンデッキを通じて直結するなど、競合施設よりも交通アクセスにおいて高い優位性を備えていたことから、山口県東部からも集客していた。
アルパークは2000年10月に東棟を増床、2008年からの大規模改装により2009年4月には北棟を新設するなど、集客力の向上のために設備投資を続けたものの、2019年5月には三井不動産グループが「競合商業施設新規開業の影響による施設売上下落」「築年数経過による施設競争力維持のためコスト増加」を理由に西棟・東棟を大和ハウス工業に売却。施設の運営形態及び専門店の営業継続が不透明なものとなっていた。

競争激化するショッピングセンターー後継テナントは?

アルパーク周辺では、2015年6月にイズミのショッピングセンター「ゆめタウン廿日市」、2017年4月にイズミの生活提案型ショッピングセンター「LECT(レクト)」が相次ぎ開業。

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さらに、アルパークからは距離があるものの同じく山陽本線の駅と直結する「イオンモール広島府中」が2015年から2016年にかけて増床を実施し中四国最大となる延床面積約256,000㎡を有するショッピングセンターとなったほか、2018年4月にイオンモール初となるアウトレットブランド「THE OUTLETS HIROSHIMA(ジ・アウトレット 広島)」が開業するなど、イズミとイオンの大手2社によるショッピングセンター競争が激化している。
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2019年現在中四国最大のSC「イオンモール広島府中」。

アルパークは2019年現在も、中四国地方ではイオンモール広島府中、イオンモール岡山に次ぐ規模を有するが、開業から築30年近く経過。さらに、開業当初から営業を続ける西棟・東棟と大型専門店や映画館が入居する北棟が分断されているなど、施設の構造が時代の変化に対応しきれていないといった課題が存在する。

既存のアルパークと離れた位置にある「アルパーク北館」。

アルパークでは2019年7月現在、売却以前と同様に「三井不動産商業マネジメント」により「三井ショッピングパーク アルパーク」として運営が行われているが、11月下旬を目処に三井ショッピングパークカードでのポイント付与を終了することを天満屋の閉店発表に先行して告知している。
アルパークは今後も営業を続けるものの、段階的に三井不動産との関係を薄めていき、将来的には完全に大和ハウスグループによる運営に移行するとみられる。
競合施設に存在しない「百貨店」の撤退は集客力に影響を及ぼす結果となるか、また、これを機に天満屋以上の集客力を持つテナントを誘致することができるのか、今後の動きが注目される。

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イオンスタイル河辺、2019年8月9日開店-東急ストア・河辺とうきゅう跡

東京都青梅市のJR青梅線河辺駅前に、イオンの総合スーパー「イオンスタイル河辺」が2019年8月9日に開店する。

2019年4月に閉店した「河辺とうきゅう」

イオンスタイル河辺の前身となる東急ストアの「河辺とうきゅう」は、再開発ビル「河辺タウンビルA館」の核テナントとして2007年4月に開店。建物は地上5階建で、売場面積は11,021㎡、公益財団法人東京都都市づくり公社が所有する。

河辺とうきゅう。

東急ストアの開業当初は総合スーパー業態として営業を行っていたが、2013年12月の改装を機に直営売場を大幅に削減し、2階直営食品・日用品売場を主とする食品スーパー業態に転換、3階・4階の直営衣料・書籍・文具・玩具売場跡を「パシオス」「マックハウス」などの専門店フロアに刷新したが、2019年4月30日をもって完全閉店していた。

イオンスタイル河辺、食に加えて化粧品や衣料品も展開

イオンスタイル河辺の直営売場面積は約3,500㎡、専門店売場面積は約5,200㎡(A・B棟含む)。
同店舗は東急ストアの一部専門店とパート社員40名を引継ぎ、商品、サービス、売場環境を一新し開店するもので、近隣住民や駅利用者の需要に対応した店舗づくりを行う。
2階フロアの直営食品売場では、青梅市の老舗酒造会社「小澤酒造」(1702年創業)の澤乃井酒粕と青梅産の豚肉「青梅豚」を使った豚汁「御嶽汁」のフリーズドライや地元産野菜を展開。グローサラント型売場「ここdeデリ」では、和洋中惣菜約40種類を提供する「リワードキッチン」や店内製造のピッツァ、3種類のカレーなども提供する。
3階フロアでは、イオン直営のインナーカジュアルストア「IC」や美と健康の専門ショップ「グラムビューティーク」を展開する。

東急時代からのテナントに加え、4店舗が新規出店

イオンスタイル河辺には東急ストア時代からの専門店として、東急百貨店のベーカリー部門として創業した「サンジェルマン」、イオングループの靴量販店「ASBee fam.」、100円ショップ「ダイソー」、書店「文教堂」、手芸用品店「クラフトハートトーカイ」など20店舗が引続き出店するほか、8月23日には新たな専門店として雑貨店「HIDE&SEEK」、眼鏡店「メガネフラワー」、とんかつ「かつ良」、釜揚げ讃岐うどん「きぬさ屋」の4店舗が新規出店する。

イオンスタイル河辺のテナント一覧
1階
  • ほっ!と保険(保険)
  • リンガーハット(ちゃんぽん)
  • かつ良(とんかつ)
  • 釜揚げ讃岐うどん きぬさ屋(うどん)
  • ハロースミス(合鍵・靴修理)
  • おしゃれ工房(洋服・バックお直し)
  • マミークリーニング(クリーニング)
  • 宝くじチャンスセンター(宝くじ)
  • ドコモショップ(携帯電話)(別館)
  • ロッテリア(ハンバーガー)(別館)
2階
  • サンジェルマン(ベーカリー・カフェ)
  • 文明堂(和菓子)
  • 伊藤園(お茶)
  • うおひで(魚惣菜)
  • 日本一(やきとり)
3階
  • ASBee fam.(靴)
  • シ・エ・ル(美容室)
4階
  • 文教堂(書籍)
  • クラフトハートトーカイ(手芸)
  • ダイソー(100円均一)
  • ハイド&シーク(雑貨)
  • メガネフラワー(眼鏡)
  • セイハ英語学院(教室)
  • ニットソーイングクラブ(洋裁教室)
イオンスタイル河辺

住所:東京都青梅市河辺町10丁目7番1号
営業時間:9時~22時(食品)
営業時間:9時~19時(イオン薬局、土日祝は18時まで)
営業時間:9時~21時(iC、グラムビューティーク)

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プラザ大手筋、2019年8月7日閉店-業務スーパーは7月28日に閉店、コマストアー・西友時代から50年の歴史に幕

京都府京都市伏見区の伏見大手筋商店街近くに位置する商業施設「プラザ大手筋」が、2019年8月7日をもって閉店する。

プラザ大手筋。

伏見大手筋で最も歴史のある大型店、50年の歴史に幕

プラザ大手筋は1968年10月に、関西地盤の総合スーパー「コマストア伏見店」として開業。建物は地上5階地下1階建、店舗面積は4,153㎡。1971年にコマストアが西友傘下となったのち「西友伏見店」となり、1978年に開業した「ニチイ伏見店」(現・イオン伏見店)とともに伏見大手筋商店街の商業核としての役割を果たしていたが、西武セゾングループの経営悪化や六地蔵エリアへの競合店進出、建物の老朽化もあり1998年8月をもって閉店していた。
西友の閉店を機に現在の施設名に改称、ベストグループの「プラザ大手筋食鮮館」、関西地場大手家電量販店「和光デンキ」、100円ショップ「ザ・ダイソー」といった大型専門店3店舗により構成されるショッピングセンターとして営業再開した。

プラザ大手筋開業当初から残るダイソー伏見プラザ大手筋店。

プラザ大手筋として営業再開した当施設であるが、主要テナントの1つであった和光デンキが経営不振(のちに民事再生法適用、廃業)に伴い1年ほどで撤退。プラザ大手筋食鮮館は2000年に経営母体であったベストグループ(現在のユナイテッドベジーズ、ローソンストア100など)の解体に伴い、店舗の運営主体が「シートゥーネットワーク」、青果・精肉部門の運営主体が「オーエムツーネットワーク」に分離。その後、2003年にシートゥーネットワーク運営の大手食品スーパー「つるかめランド」に業態転換したが、同社の英国テスコ傘下入りによる首都圏特化、不採算店閉鎖の方針により2008年をもって閉店していた。
そのため、プラザ大手筋では2009年9月の1階への業態スーパー出店まで高層階(3階4階)のテナントのみ営業する状態が1年以上続くなど、入居テナントの移り変わりが激しい商業施設であった。

業務スーパーは移転検討、建物の跡地活用については未定

プラザ大手筋には2019年現在、京都地盤の老舗酒店「奥田商店」が運営する生鮮食品スーパー「業務スーパー&酒のケント」(2009年9月開店)、低価格衣料品店「オンセンド」、100円ショップ「ダイソー」の3店舗が営業するが、業務スーパーは7月28日に閉店、オンセンドとダイソーは8月7日に閉店することを発表しており、同施設は50年の歴史に幕をおろすとみられる。

業務スーパー&酒のケント大手筋店。(2009年9月開店)

業務スーパーは現店舗近隣への再出店を検討しているが、移転先については公表していない。プラザ大手筋の跡地活用について現時点では明らかにされていないが、解体するものとみられる。

業務スーパー・オンセンド・ダイソーの閉店告知。

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DON DON DONKI クラークキーセントラル店、2019年8月1日開店-ドンキ、ルミネが出店する「セントラル」に出店

シンガポール共和国の複合商業施設「Clarke Quay Central」(Central)に、PPIHグループのドンキ新業態店舗「DON DON DONKI クラークキーセントラル店」が2019年8月1日に開店する。

Clarke Quay Central.

当初はパルコ運営、現在はルミネも入居する「Central」

DON DON DONKIクラークキーセントラル店が出店する「Clarke Quay Central」は2007年開業。建物は地上5階地下1階建で延床面積は約29,752㎡、地場大手不動産ディベロッパー「Far East Organization」が所有する。
開業当初、ファッションビル「パルコ」(PARCO(Singapore)Pte Ltd)が運営を手掛けていたことから、キッコーマン傘下の日系スーパー「ヤマカワ」(山川、Yamakawa Supermarket)、居酒屋「和民」、抹茶カフェ「辻利」、「麻布茶房北海道アイスクリーム」、「らーめん山頭火」といった日本ブランド、温泉を意識した公衆浴場「Ikeda Spa Prestige」(池田スパ)など日系専門店が多数出店していた。
2009年のパルコ運営撤退後も日系企業を中心とした商業ビルとなっており、2017年11月には2階フロアにJR東日本グループのファッションビル「ルミネシンガポール」が開業するなど、2019年現在も日本色が強い商業施設となっている。

DON DON DONKIの新業態、レストラン一体型店舗に

DON DON DONKIクラークキーセントラル店は、Clarke Quay Centralの地下1階に出店。売場面積は1,139㎡。DONDONDONKIとしてはシンガポール共和国内5店舗目。(Sweet potato factory業態除く)
同店舗では「レストラン一体型店舗」として、生鮮4品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)や酒売場、化粧品専門コーナーに加え、焼き芋メニューを提供する「Sweet Potato Factory」(DONDONDONKI店内初)やフードコートを導入、イートインスペースも併設する。フードコートには北海道スイーツカフェダイニング「HOKKAIDO MELT」や牛丼専門店「SUGIMOTO BONTA」、「シロイトンカツ」など、シンガポール初進出の日本食テナント6店舗が出店することから、PPIHグループは「日本の食文化だけでなく、新商品の情報発信とワクワクドキドキするお買い物の楽しさを体現できる店舗を目指す」としている。
Clarke Quay Centralの地下1階には開業以来長らく、日系スーパー「ヤマカワ」が営業していたが、サンテックシティモールの系列店舗を含めて2018年までに全店閉店していた。同施設へのDONDONDONKI出店により、約1年ぶりに日本食を取扱うスーパーが復活することとなった。

DON DON DONKI クラークキーセントラル店

住所:6 Eu Tong Sen Street, The Central,Singapore 059817
営業時間:24時間営業

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