カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

ロフト名古屋、2023年6月30日閉店-ナディアパークの核店舗、栄NOVAのロフトに統合

愛知県名古屋市中区栄のナディアパークにある大型雑貨店「ロフト名古屋」が、2023年6月30日に閉店する。

ロフト名古屋・ナディアパーク。

ナディアパークにある名鉄FCのロフト、統合で閉店

ロフト名古屋は1996年11月に開業。同年に市立高校跡を再開発して生まれた複合ビル「ナディアパーク」の核店舗だった。
店舗面積は7,378㎡。運営は名鉄生活創研で、名鉄グループのFC店だった。
一方で名鉄生活創研は2021年11月に徒歩圏のより好立地にある「栄NOVA」に「栄ロフト」(2,629㎡)を出店。実質的な店舗統合となった。

ロフトが出店する栄NOVA。

今後、ロフト名古屋で行われているポップアップショップなどは栄ロフトに引き継がれるとしている。
ロフト名古屋では、4月15日から閉店セールが、4月28日からメモリアル展が行われる。

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ミーナ天神、2023年4月28日リニューアル開業-天神ロフトが移転、ユニクロ・ブックオフなど再出店

福岡県福岡市中央区にある西鉄福岡駅・地下鉄天神駅近くのユニクロ系(ファーストリテイリング運営)ショッピングセンター「ミーナ天神」(旧マツヤレディス)が、隣接する「ノース天神」(旧ダイエーショッパーズ専門店街)と統合され、新生「ミーナ天神」として2023年4月28日にリニューアルオープンする。

ミーナ天神。

かつてダイエーショッパーズ専門店街・マツヤだった

ミーナ天神の前身「松屋」は1911年に開店。1929年に百貨店化し、1937年に現「ミーナ天神」の場所に移転した。その後、1973年に現「ミーナ天神」の建物に建て替えた際にファッションビル業態「マツヤレディス」に転換したが、経営破綻により2005年に閉店。同年にユニクロを運営するファーストリテイリングのファッションビル「ミーナ天神」としてリニューアルオープンした。

旧・ミーナ天神とダイエーショッパーズ福岡専門店街。

ノース天神は「ダイエーショッパーズ福岡専門店街」としてマツヤレディスと同じ1973年に開業。ダイエーの専門店街として菊竹金文堂(久留米市)が運営する書店「りーぶる天神」やドール・ホビーショップ「ボークス」(現在イオン内に出店)、中古レコード店「ボーダーラインレコード」、「ドムドムハンバーガー」など個性的なテナントが営業していたが、2011年7月に一旦閉店、殆どの店舗が撤退した。

「ダイエーショッパーズ福岡専門店街」時代。

2002年からは「マツヤレディス」「ショッパーズ専門店街」ともに大東建託創業家系の不動産会社「ダイショウ」の所有となったが、ショッパーズ部分は2012年6月からはダイショウ運営の商業施設「ノース天神」となり「ファッションセンターしまむら」「ブックオフスーパーバザー」などが出店。さらに、2018年7月には隣接する「ミーナ天神」とともに「福岡スタンダード石油」(久留米市)に売却されていた。
なお、ダイエーショッパーズ福岡の本館は2015年にイオン九州の店舗となり、「イオンショッパーズ福岡」に改称、2019年には全館改装され「天神ショッパーズ福岡」として運営されている。

ダイエーはイオン・天神ショッパーズ福岡となっている。

ミーナ天神・ノース天神は建物の老朽化もあり、ミーナを運営するファーストリテイリングが主導して両店舗の統合と建物のリニューアルのため2022年8月を以て一旦閉店。
両館の壁を取り払うなど、統合に向けた工事をすすめていた。

新・ミーナ天神、天神ロフトなど約30店舗が出店

新生「ミーナ天神」の総売場面積は約22,100㎡。建物は福岡スタンダード石油が所有、運営はファーストリテイリングとザイマックスがおこなう。
大型テナントとしては、地階に「マツモトキヨシ」、1階・2階に「ユニクロ」、1階にカフェ「ONCA COFFEE」併設の「JINS」、2階に「カメラのキタムラ」、3階に「GU」、4階に「ロフト」、5階に「AOKI」「ABC-MART」、6階に「セリア」「ニトリエクスプレス」、7階に「ブックオフスーパーバザー」、8階に「クロサワ楽器」、屋上にフットサルコートなどが出店する。総テナント数は約30店舗となる。(再出店含む)
なお、無印良品はイオンショッパーズ内に移転している。

ユニクロ天神。

ユニクロの売場面積は約2,840㎡と九州最大の広さとなる。このほか、地階にはイベント等の開催をおこなうPOPUP STORE「つながるひろば」を新設する。
天神ロフトはミーナ天神への移転に先駆けて、3月12日に旧店舗を閉店させている。

旧・天神ロフト。

ミーナ天神

福岡市中央区天神4丁目3番8号
営業時間
地階:7:00~22:00(一部店舗は除く)
1階~8階:10:00~20:00(一部店舗は除く)
屋上:10:00~22:30

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フォレストモール常陸太田、2023年4月7日開業-ヨークベニマル・サンドラッグなど出店

茨城県常陸太田市の国道349号線沿い・カスミ常陸太田店となりにショッピングセンター「フォレストモール常陸太田」が2023年4月7日に開業する。

ヨークベニマル、サンドラッグなど出店

フォレストモールは2003年に創業した「やまきSC開発」を母体としており「アメリカ西海岸の商業施設をモデルとした新しい流通業の形を目指し新しいライフスタイルを提案するショッピングセンター」だとしている。

フォレストモール常陸太田。

フォレストモール常陸太田は同社16施設目で、建物は平屋建て、店舗面積は5,541㎡。
同社と関係が深い「サンドラッグ」のほか、食品核として「ヨークベニマル」(売場面積2,429㎡)が出店。
そのほか眼鏡店「メガネストアー」、100円ショップ「ダイソー」、子供服「西松屋」、元気寿司系の寿司店「魚べい」、携帯電話店「au Style」が3月中に出店。さらに今後、ボディーケア「&body」、牛めし「松屋」、とんかつ「松のや」などが出店する。
また、別棟として、4月中に「マクドナルド」、「茨城日産」が開業する。

フォレストモール常陸太田

茨城県常陸太田市東部土地区画整理事業1街区1画地
営業時間:店舗により異なる
ヨークベニマルは9時~21時半。

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【4月1日】林百貨店、1932年12月5日開業-商店街「台南銀座」も完成、台湾南部に百貨店時代到来へ

台南州台南市末廣町(通称:台南銀座商店街)に、台湾南部で初となる百貨店「林百貨店(ハヤシ百貨店)」が、昭和7年12月5日に開業した。

ハヤシ百貨店と台南銀座。写真の右側は日本勧業銀行。

台湾南部の中心・台南

台南州は台湾本島の南部に位置し、人口は約130万人。本島一の人口密度を誇る。北は新高山系および濁水溪を以て台中州に、東南は新高山系および二層行溪を以て高雄州に接する。

台南驛。(昭和11年竣工)

台南市は台湾随一の古都であり、300年の歴史がある赤崁樓や鄭成功を祀る開山神社、孔子廟など多くの名勝があることでも知られる。山地部には高砂族が多く住むが、台南州は「理蕃なき州の建設」を掲げており、近年は「山地の平地化」をめざして高砂族への農林業を振興。本島人・内地人・高砂族の混住も進んでいる。

赤崁樓。大正10年に大規模修復がおこなわれた。

新しく生まれた商店街「台南銀座」の中心店舗

林百貨店は台南市中心部の区画整理で生まれた新しい商店街「台南銀座」に出店。
台南市では三越(本社:東京市日本橋区)が宮古座(台南市西門町)などでたびたび出張販売を行っていたものの、本格的な出店には地元商店主の反対もあり、地元資本で台南市大宮町に店舗を構えていた「林方一商店」(のち林百貨店)が出店するに至った。
 
林百貨店・広告ロゴ。

林百貨店の建設を前に、末廣町一帯では林方一氏を代表として建設組合を結成。昭和2年から再開発と共同商店ビル「末廣町商業店舗住宅」(台南銀座)の整備が行われており、昭和6年より林百貨店とあわせて本格的な建設工事が進められた。
経営は山口県出身の林家が行う一方で、従業員には本島人も多く採用された。支配人は林家と同じく山口県生まれで、日本製材出身の藤田武一氏が就任している。

銀座通りに整備された林百貨店とそれに続く商店街。
道路は舗装され、歩道は屋根がある亭仔脚。街灯も整備された。

林百貨店の建物は鉄筋コンクリート地上5階(一部6階)建てで、延床面積は548坪。
設計は石川県出身で台南州内務部土木課の梅澤捨次郎(市内では台南警察署の設計でも知られる)、施工は台北市の田村組(外装)、台北市の共益社(電気機器・内装)、神戸市の横山装飾品店(装飾)などが行った。
外観はスクラッチタイル張り、1階から6階までは台南で初となるエレベーター(日本エレベーター製)が設置されている。1階にはショーウインドウが設けられ、亭仔脚は歩きやすいように柱が少なく開放的な雰囲気となった。また、夜間は建物全体に照明が点灯される。
屋上遊園地には、電動木馬や金魚すくいが設置されている。
各階の概要は以下の通りとなる。

階数 台南銀座 ハヤシ百貨店
6階 遊園地・展望台・神社(昭和8年開設)
5階 レストラン(洋食堂)
4階 玩具・文房具・通信販売部
3階 呉服・太物・反物・服地・催場
2階 和洋雑貨・子供服
1階 食品・化粧品・煙草等専売品(昭和12年にJTBも出店)

以下は台南銀座の共同ビルの主なテナント
・愛国堂薬局
・近藤商会
・正直屋旅館
・小出商店
・今林商行
・森永製菓喫茶室
・今中歯科

台南の文化拠点として期待

開店を迎えた12月5日には台南市内から多くの人が来館。闘病中の林方一氏に代わり、夫人の林とし氏らが挨拶を行った。
(経営者の林方一氏は12月10日に死去)
洋食堂は早くも人気を集めており、名物のカレーライスを求め多くの客が押し寄せている。
昭和8年中には、台南州出身で台湾工芸の父と称される顔水龍氏の作品展などが開催される予定となっており、台南市の芸術文化拠点としても機能することとなる。

女学生からも人気を集める台南銀座。
林百貨店前から向かい側(味の素ネオン前)を撮影。

このほか、隣接する3階建ての共同ビル(末廣町商業店舗住宅)も12月8日より本格的に営業を開始。洋品雑貨・書籍・文具の大型店「小出商店」、和用雑貨卸売「今林商行」、森永製菓運営のカフェー「森永喫茶店」など多くの店舗が出店している。

台湾にも「百貨店時代」来たる

台湾では近年「都市の繁栄には百貨店が欠かせない」との声が高まっており、昭和4年に台湾日日新聞が行った講演会「百貨店の組織と経営」は大きな反響を呼んだ。

菊元百貨店(台北市榮町)

台北市では菊元商店が今年12月3日に「菊元百貨店」を開業させたばかりであり、今後は台湾においても百貨店の時代が来ることは間違いないであろう。
(画像:台湾中央研究院ほか)

林百貨店

台南州台南市末廣町二丁目120番地
営業時間:午前8時~午後10時
電話:台南607・617
台南駅からバス10錢(徒歩20分)

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林百貨店は戦後、国民党に接収されたのち80年代から放置。
紆余曲折を経て内外装を復元され、地元資本で2014年に営業を再開、営業再開時には林家と元従業員も招待された。
末廣町商業店舗住宅は台南大空襲で一部破壊されたものの半分は同じ建物のまま営業している。向かいの銀行は土地銀行が利用。

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トナリエ星田、2023年3月28日開業-JR星田駅前、万代やセリアなど出店

大阪府交野市のJR学研都市線星田駅前に、ショッピングセンター「トナリエ星田」が2023年3月28日に開業する。

トナリエ星田。

星田駅前、万代を核に11店舗出店

トナリエは日本エスコンのショッピングセンターブランドで、トナリエ星田は星田駅前の星田北土地区画整理事業地区に出店するもの。かつては住宅や駐車場などがあった。地区内には分譲マンションなども建設される。
トナリエ星田の建物は2階建てで、延床面積は8814㎡。
商業テナントとしてスーパー「万代」を核に「ココカラファイン」「イトウゴフク」「セリア」「花イチバ」「プラザ薬局」が出店。
そのほか、医療機関など合計11テナントが出店する。

トナリエ星田

大阪府交野市星田北6丁目8−7
営業時間:9時~22時(万代)

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福岡市地下鉄七隈線延伸区間、2023年3月27日開業-天神南駅から博多駅間、キャナル近くに櫛田神社前駅も

福岡市交通局(福岡県福岡市)が運行する福岡市地下鉄七隈線の延伸区間(天神南―博多間)が、2023年3月27日に開業した。

延伸開業した七隈線。

七隈線延伸、キャナル前に「櫛田神社前駅」も

福岡市地下鉄七隈線は2005年2月に1期区間となる橋本駅-天神南駅間の12.0kmが開業。鉄輪式リニアモーター方式で、自動運転を行っている。
2014年からは天神南駅-博多駅間1.4kmの延伸工事が進められていたが、同年10月と2016年11月に工事現場で陥没事故が発生するなどして、当初予定より遅れての開業となった。中間の商業施設「キャナルシティ博多」近くには櫛田神社前駅が新設されている。
なお、これにより七隈線と空港線の乗り換え指定駅は博多駅に変更となる。

新たな路線図。

開業初日となった3月27日には、5時20分すぎに博多駅ホームでテープカットが行われ、5時23分に一番列車が出発した。
七隈線は将来的には博多駅から福岡空港方面への延伸が検討されているが、博多開業時点では具体的な経路や開通時期などは発表されておらず、今後の議論に注目が集まる。

駅では26日に記念式典を挙行、27日には出発式が行われた。
(撮影:みねあかさん)

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那覇市第一牧志公設市場、2023年3月19日再開場-建替えに約4年、84店舗体制で新スタート

沖縄県那覇市の市場本通りにある「那覇市第一牧志公設市場」の建て替えが完了し、2023年3月19日に再開場した。

開場直前の那覇市第一牧志公設市場。

70年近い歴史ある市場、建て替えのため閉場していた

第一牧志公設市場は闇市を統合するかたちで米国統治時代の1950年に開場。旧建物は1972年10月に開場した。

旧・第一牧志公設市場。

しかし、建物は築約半世紀を経て老朽化が進行。そのため、2019年6月に一旦閉場し、近くの仮市場で営業をおこなっていた。
その後、新市場は2022年中に竣工する予定で工事を進めていたが、完成が遅れていた。

第一牧志公設市場の仮店舗。

3階建ての新市場、1階には案内所も

新「第一牧志公設市場」は延床面積4,981㎡、建物は3階建てで店舗数は84店舗。旧市場と同様に1階で購入した食材を2階の飲食店で調理してもらう「持ち上げ」も可能だ。

第一牧志公設市場・館内案内。

なお、かつてあった衣料品関係専門の売場は設けられておらず、ほぼ食品中心となっている。また、1階には観光案内所「まちぐゎー案内所」が設けられた。
工事のため撤去していたアーケードも近く復活する計画がある。
(案内画像は公式サイトより)

那覇市第一牧志公設市場

沖縄県那覇市松尾2-10-1
営業時間:8時~22時(店舗による)

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コーナン、HIヒロセを2023年6月1日付で買収-ヒロセやOKホーム&ガーデン、コーナンの完全子会社に

ホームセンター大手の「コーナン」を運営するコーナン商事(大阪府堺市)は、2023年6月1日付で九州のホームセンター地場大手「HIヒロセ」「OKホーム&ガーデン」を運営するホームインプルーブメントひろせ(大分県大分市)の全株式を取得し、子会社化することを3月22日に発表した。

コーナンの店舗(東京都北区)。

HIヒロセ・OKホームセンター、コーナンの完全子会社に

ホームインプルーブメントひろせは九州各地にホームセンター「HIヒロセ(エイチアイ・ヒロセ)」21店舗を展開。2008年に運営会社の経営破綻により傘下に収めたホームセンター「OKホーム&ガーデン」9店舗、さらに多くはホームセンターに併設する食品スーパー「食の蔵」、同じく多くはホームセンター併設する「業務スーパー」(FC店舗)などを展開する。
なお、創業家はかつて大分市で陶器店を営んでおり、近くにあったホームワイドの前身(横萬金物店)とは戦前からライバル関係にあった。

HIヒロセの店舗(大分市)。

コーナンとHIヒロセは店舗の展開エリアが異なっており、2018年に両社は業務資本提携を締結していた。
株式の譲渡時期は2023年6月1日の予定。株式譲渡に先き立ち、ホームインプルーブメントひろせが営むスーパーマーケット事業(食の蔵)などを切り離して新設会社に権利義務を承継させる吸収分割(分社型分割)を予定するとしている。
当面、HIヒロセは屋号などを変えることなく営業を続けるとみられる。

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東急歌舞伎町タワー、2023年4月14日開業-映画館ミラノ座復活、勇者になれるダンジョンやZepp Shinjukuも

東京都新宿区の西武新宿駅前・歌舞伎町にあった映画館を核とする複合施設「新宿東急ミラノビル(ミラノ座)」跡地に、東急グループの複合超高層ビル「東急歌舞伎町タワー」が2023年4月14日に開業する。

東急歌舞伎町タワー。

ミラノ座跡地、東急グループの超高層ビルに

「東急歌舞伎町タワー」は「新宿TOKYU MILANOビル」(旧:新宿東急文化会館、映画館「ミラノ座」などが入居)と「新宿ミラノ新館」の跡地を再開発して建設されるもの。
「新宿東急文化会館」は1956年に開業。約60年に亘って親しまれたが老朽化のため2014年12月に閉館、跡地には暫定施設としてナムコの仮想現実体験施設の「VR ZONE Shinjuku」が設けられたが、こちらも新ビルの建設のため2019年3月に閉館していた。

建設予定地にあったVR ZONE。

昼夜問わず楽しめるビルに

東急歌舞伎町タワーは地上48階・地下5階、高さ約225mの超高層複合施設で、運営は東急と東急レクリエーション。

東急歌舞伎町タワーのロゴタイプ。

施設コンセプトは「好きを極める」で、低層階は、商業施設、飲食店、ライブ・イベント施設など。高層階は2業態のホテルが出店する。
特徴的なデザインは永⼭祐⼦建築設計によるもので、歌舞伎町弁財天から着想を得るかたちで「しなやかで柔らかい存り様としてコンセプトを『噴水』とした」としている。

館内構成図


東急歌舞伎町タワー・イメージ。


西武新宿駅から見た特徴的な外観。

劇場・シアターゾーンはライブハウス・映画館など

地下1階から地下4階はライブハウス「Zepp Shinjuku (TOKYO)」。また、深夜帯はナイトスポット「ZERO TOKYO」としても運用される。
収容人数はスタンディング約1500人(椅子時500席)で、360度LEDビジョンを備える。

6階から8階はライブエンターテイメント劇場「THEATER MILANO-Za(シアターミラノ座)」。
座席数は約900席となる。
両施設は、東急グループとSME(ソニー・ミュージックエンターテインメント)の合弁である「TSTエンタテイメント」が運営する。 
Zepp Shinjuku (TOKYO).

9階から10階は「109シネマズプレミアム新宿」。
8スクリーンを備え、3面ワイドビューシアター「ScreenX」を導入。合計座席数は752席で、全席をプレミアムシート(A席、S席)とする。また、全シアターの音響監修を坂本龍一氏がおこなう。運営は東急レクリエーション。

109シネマズプレミアム新宿。

エンタメ飲食ゾーンには「ダンジョン」登場

1階から5階はエンターテイメント&レストラン。
1階はエントランス、物販店、飲食店など。平城苑による和牛専門のビーフダイニング「和牛特区」、モダンメキシカン料理「KABUKI BURGER & TACOS」、生花店「ex. flower shop & laboratory SHINJUKU」、「スターバックス コーヒー」、「ヤマト運輸」などが出店する。

1階はシネシティ広場に面する。

また、エントランス前に隣接するシネシティ広場を中心とした公共空間と本施設が一体となったエリアマネジメントを行うとしている。

エントランス部とシネシティ広場を用いたイベントイメージ。

2階はエンターテインメントフードホール新宿カブキhall~歌舞伎横丁」。
恵比寿横丁や渋谷横丁を手がけた浜倉的商店製作所による24時間営業の次世代エンターテインメントフードホールで、地域グルメ店10店が出店する。

新宿カブキhall~歌舞伎横丁。

3階はアミューズメントコンプレックスnamuco TOKYO」。
バンダイナムコアミューズメントによるアミューズメント・フード・イベントを組み合わせた新業態店舗で、コンセプトは「アソベル・ノメル・ツナガレル」。店内にはバーなど飲食施設も設けられる。

ナムコ・トウキョウ内には飲食店も。

4階はダンジョン体験施設THE TOKYO MATRIX」。
ソニー・ミュージックエンタテインメントとソニーミュージックソリューションズによる「リアル体験とオンライン参加が融合する新エンターテインメント」として、ダンジョンが設けられる。
ダンジョン内では仲間と協力してモンスターを倒しながらアイテムを探し、トラップをクリアしていく体験ができ、深層にいくほど攻略が難しくなる。

4階は「ダンジョン」。

5階はウェルネスエンターテインメント施設EXSTION」。
MILANO 05が運営する美と健康をテーマとした24時間営業のトレーニングジムと飲食店を組み合わせた施設となる。

EXSTIONのフィットネスエリア。

高層階は2業態のホテル

高層階のホテルはいずれも東急ホテルズの新ブランドとなる。
17階から38階は東急ホテルズが運営する都市型ホテル「HOTEL GROOVE SHINJUKU」で、コンセプトは「まちと繋がるホテル」。17階は飲食街「JAM17 DINING & BAR」となる。
39階から47階は東急ホテルズが運営する高級シティホテル「BELLUSTAR TOKYO」で、コンセプトは「天空のラグジュアリーホテル」。
なお、両ホテル部分の開業は5月19日となる。

開業に合わせて「エヴァコラボ」始動

東急歌舞伎町タワーでは「THEATER MILANO-Za(ミラノ座)」のこけら落とし公演が「COCOON PRODUCTION2023 『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』」となることから、4月28日よりEVANGELION KABUKICHO IMPACT」として、ホテルを含む全館でエヴァンゲリオンとのコラボが開催される。

開業に合わせてエヴァコラボを実施。

東急歌舞伎町タワー

東京都新宿区歌舞伎町一丁目29−1
営業時間:24時間営業
(施設により異なる:ダンジョンは10時~22時など)

(写真以外の全画像は公式サイト・ニュースリリース・内閣府より)

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相鉄・東急新横浜線、2023年3月18日開業-相互乗り入れ「7社局14路線」

相模鉄道(本社:神奈川県横浜市)の「新横浜線」のうち「羽沢横浜国大-新横浜」間と東急電鉄(本社:東京都渋谷区)の新線「新横浜線」が2023年3月18日に開業し、相鉄と東急の相互直通運転が開始された。新設された相鉄・東急新横浜駅。

相鉄、悲願の「都心直通」大幅拡大

開通したのは相鉄新横浜線のうち、羽沢横浜国大-新横浜間の4.2キロと、東急新横浜線の新横浜ー日吉間の5.8キロ。相鉄新横浜線は2019年11月、相鉄・JR直通線開業時に西谷-羽沢横浜国大間の2.1キロが先行開通しており、今回の開業で全線が開通することとなる。また、東急新横浜線では新横浜ー日吉間に新綱島駅が、東急東横線綱島駅の近くに設けられた。なお、相鉄・東急新横浜線の大部分は地下を走る。3月18日に開業した新綱島駅の駅名標。

相鉄線と東急線は新横浜線を介し相互直通運転を実施する。また、相鉄いずみ野線は東急東横線方面に乗り入れ、東京メトロ副都心線・東武東上線まで直通運転が実施される。相鉄本線からの電車は東急目黒線方面に乗り入れ、東京メトロ南北線・都営三田線・埼玉高速鉄道まで直通運転が実施される。相鉄線とは直通運転しないものの、東急線ホームで乗り換えが可能となる西武鉄道も含め、7社局14路線を結ぶ広大なネットワークが形成される。相鉄の直通先を含めた路線図(新横浜駅)。

これにより、二俣川駅から渋谷駅の所要時間が最速38分、海老名駅から永田町駅が最速66分で結ばれるなど、神奈川県央地域や横浜市西部地域から都心部へのアクセスが向上する。また、渋谷駅から新横浜駅まで最速25分、目黒駅から新横浜駅まで最速23分で結ばれるなど、都心部から新横浜へのアクセスも向上し、東海道新幹線への乗り換えや、横浜アリーナ、日産スタジアム等の施設へのアクセスが便利になる。

開業日は多くの人で混雑

開業日の3月18日、5時8分新横浜発各停浦和美園行を皮切りに、新横浜線が開通した。新横浜駅北口東広場では「Shin-yokohama Line Market」が開かれ、午前7時から記念乗車券が販売開始された。開業記念グッズを求め雨天の中長蛇の列ができたほか、相鉄沿線の様々な店やJR東海、横浜F・マリノスなどがブースを開いた。開業記念グッズは完売が続出した。

10時から新横浜駅交通広場ではオープニングセレモニーが開催され、相鉄・東急・JR東海・JR東日本・横浜市交通局の5社の新横浜駅長のほか、相鉄の人気キャラクター「そうにゃん」と東急の人気キャラクター「のるるん」が登場した。新横浜駅構内では新路線を一目見ようと多くの人でごった返していたほか、開業当日のきっぷを買おうと券売機の前には長蛇の列ができていた。電車を撮影する人びと。

また、相鉄グループの食品スーパー「そうてつローゼン」と東急グループの食品スーパー「東急ストア」では2社がコラボして直通記念グッズコーナーが設けられた。横浜にちなみ、シウマイ味のランチパックや横浜銘菓「ありあけ横濱ハーバー」の記念パッケージバージョンなどが販売されていた。直通記念グッズを販売するそうてつローゼン(横浜市旭区)。

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