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イオンタウン幕張西、2021年10月21日開業-核店舗は新業態「スーパー型ウエルシア」

千葉県千葉市美浜区幕張西に、ウエルシアの新業態店舗を核としたショッピングセンター「イオンタウン幕張西」が2021年10月21日に開業する。

イオンタウン幕張西。

10年以上計画中だったイオン

イオンタウン幕張西はかつて「そごう物流センター」等があった場所に10年以上前から建設計画が発表されていたもの。
同店が出店するのは、国道14号線沿いのドン・キホーテやニトリ近くで、「海浜ニュータウン幕張地区」として計画的に整備された多くの公園と閑静な住宅街が広がる地域となる。

核店舗は「ウエルシア新業態」-生鮮も導入

イオンタウン幕張西のコンセプトは「ウエルネスタウン MAKUHARI」。病院を核としたクリニックモールとなる。
ショッピングセンター棟は2階建てで、総賃貸面積は3,108㎡。
核店舗は当初「アコレ」と発表されていたが、アコレに変わって「ウエルシア」の新業態が出店する。

イオンタウン幕張西・コンセプト。

イオンタウンの核店舗がウエルシアとなるのは初のこと。
売場面積は約1,401㎡で、親会社であるイオングループと協力するかたちで食品を強化した新業態となる。
保険調剤機能に加えて生鮮品売場や総菜売場も設けられ、ほぼスーパーマーケットに近い業態となるほか、花王との提携により洗剤の量り売り売場を設置。地域住民のためのコミュニティースペース「ウエルカフェ」も併設される。同店の成否によってはウエルシアへの生鮮導入が進む可能性もあり、今後の動きが注目される。
(追記:弁当・総菜はイオングループの「オリジン弁当」が担当する。)
そのほか、商業テナントとしては花店「LACA」が出店。サービステナントとして24時間営業のジム「エニタイムフィットネス」、24時間営業のコインランドリー「Hare365」が出店する。
医療施設としては内科や歯科など5院が出店。
また、病院棟は6階建てで、2022年に医療法人白百合会(本部:千葉県大多喜町)が総合病院「幕張病院」を開設。地域の新たな医療拠点を目指すとしている。

イオンタウン幕張西

住所:千葉県千葉市美浜区幕張西4丁目7800番2
営業時間:24時間(ウエルシアは9時~24時)

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松坂屋豊田店が閉店、三河から百貨店が消滅-2021年9月30日、旧豊田そごう後継も僅か19年間で

愛知県豊田市の豊田市駅・新豊田駅前の豊田市駅西口市街地再開発ビル「t-face」にあるJ・フロントリテイリング傘下の百貨店「松坂屋豊田店」が2021年9月30日19時30分過ぎに閉店し、約19年間の歴史に幕を閉じた。

最終営業日の松坂屋豊田店。

旧・豊田そごうの後継店として開店、20周年を手前に閉店

松坂屋豊田店の前身である「豊田そごう」は豊田市駅西口市街地再開発ビル「t-face」の核店舗として1988年10月に開店。t-face全館の店舗面積は39,477㎡。そごうの経営破綻により2000年12月に閉店し、その後はA館7階から9階はt-face専門店街が増床された。

豊田松坂屋・t-face A館(手前)、B館(右)。

松坂屋豊田店は2001年10月25日に「t-face A館」に開店。松坂屋の店舗面積は18,220㎡。現在はA館1階から6階まで(+催事場8階)に出店しており、そごう時代の百貨店面積よりも狭かった。

黒字店でも閉店、近隣商業施設との競争激化が原因か

松坂屋豊田店は豊田そごうの後継店として、食品などの日用品と婦人衣料を主力の品ぞろえにした地域密着型の百貨店として営業していた。また、2020年3月のほの国百貨店2020年8月の西武岡崎店の閉店後は、三河地区唯一の百貨店として営業してきた。

ほの国百貨店。

大丸松坂屋百貨店によると、ピーク時の2007年1月期の売上高は101億円を計上。その後は近隣の商業施設との競争激化と主力商品である衣料品の販売不振が影響し、2020年2月期の売上高は約69億円まで減少した。営業利益約200万円の黒字運営だったが、黒字幅も年々減少傾向にあったため、2020年4月に営業終了を発表していた。

多くの人が訪れ賑わった最終営業日、売り場毎に格差も

営業最終日ととなった9月30日は平日にも関わらず、19年間の歴史と別れに名残惜しむように老若男女問わず幅広い客が訪れていた。特に2階の服飾雑貨売場は一日中途切れる事無く客が訪れ、会計待ちの行列が続いていた。

最終営業日、閉店が近づく豊田松坂屋。

一方で、3階・4階の婦人服売場や5階の紳士服売場は、営業最終日にも関わらず非常に閑散としており、百貨店アパレルの不調の深刻さを表すような様相であった。

比較的閑散としていたアパレルフロア。

2階の正面玄関前では刈谷市出身のアーティストであるITOKiN(イトキン)と多くの地元住民が共同で製作した壁画が展示されていたほか、寄せ書きコーナーが設けられ、別れを惜しんだり、感謝を述べたメッセージが多数掲出された。

地元住民らによる壁画。


寄せ書き。

営業終了間近が近づいた17時半以降は、店内の混雑も徐々に激化。1階の食料品売場は通路が客でごった返している状態であり、歩行が困難になるくらいの混雑ぶりとなった。

下層階は混雑を見せた。

特にベーカリーのドンクは焼き上がりを待つ客で行列が続いていた。また、6階の家庭雑貨売場では、グラス類の最終値下げを行うワゴン周りに客が集まっていた。

多くの客が並んだドンク。豊田撤退となった。

営業終了の30分前から正面玄関前には閉店の瞬間を見ようと多くの買物客が集まり始めた。
19時の閉店時刻を過ぎても多くの客が館内に残留しており、19時20分過ぎに最後の客の送り出しを終えた。

閉店直前、商品が殆ど無くなった食品館。

送り出しを終えた後、渡辺智邦松坂屋豊田店店長を始めとする従業員による閉店式典が2階正面玄関で開始。閉店式典では店長が「19年9か月も豊田の街で営業を続けられたのは地域、行政、財界の皆さまの支えがあったおかげである。」「こんな温かで素晴らしい豊田市で商売をさせて頂いたことは、私達従業員にとっても何よりの宝になる」と述べ、最後に「この素晴らしき豊田市、そして皆様のご発展とご多幸を祈念して私の御挨拶とさせて頂きたい。皆さま本当にありがとうございました。」との言葉で締めくくった。

閉店の挨拶をおこなう渡辺智邦松坂屋豊田店店長ら。

19時30分過ぎに正面玄関のシャッターが締まって以降も、買物客による感謝の言葉や拍手は鳴り止まず、玄関や閉店セール案内前で記念撮影を行う買物客が数多くみられた。

シャッターが下ろされた。

跡地は専門店街の増床予定、三越の出店計画も

閉店後の活用については、2022年春を目途にt-FACE専門店街としての増床が決まっており、三越伊勢丹グループの「名古屋三越」も出店を計画している。
なお、1階食品売場の惣菜店「うなぎの杉政」など、一部店舗は来年春に再出店が決まっている店舗や、t-FACEのB館に移転して営業するテナントも存在する。(詳しくは下記参照)
一時期、核テナントの撤退で豊田市駅前随一の大型商業施設の今後が危ぶまれる状態となったが、今回のリニューアルオープンのニュースは市民にとっても、中心市街地の活性化の観点でも吉報であろう。

松坂屋豊田店からt-FACE等へ移転するテナント一覧
(2021年9月30日現在)

  • ラ・コレクション(婦人服、3階)→10月1日よりt-FACEB館2階に移転
  • フューネ(仏具、6階)→10月16日よりt-FACEA館7階に移転
  • レリアン(婦人服、4階)→10月8日よりt-FACEA館8階に移転
  • ピエッサ(婦人服、3階)→10月8日よりt-FACEA館8階に移転
  • ヌーベルスポーツ&ドンナベロ(小さいサイズの婦人服、4階)→「SO SMART」として10月8日よりt-FACEA館8階に移転
  • ローズティアラ、ピサーノ、リリアンビューティ(大きいサイズの婦人服、4階)→「サイズセレクションバイジュニア―」として10月8日よりt-FACEA館8階に移転
  • エムズグレイシー(婦人服、3階)→10月8日よりt-FACEA館8階に移転
  • フォンテーヌ(かつら、2階)→10月8日よりt-FACEA館8階に移転
  • ラフィネ(リラクゼーション、4階)→10月8日よりt-FACEA館8階に移転
  • ハウスオブローゼ(化粧品、6階)→10月8日よりt-FACEA館8階に移転
  • ダンディボーイ(婦人靴、3階)→10月8日よりt-FACEA館8階に移転
  • たこ八(飲食店、1階)→10月27日よりメグリアセントレ1階へ移転

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豊田そごう・松坂屋跡、2022年春ごろリニューアル-「三越」「t-face専門店街」出店計画

愛知県豊田市の豊田市駅・新豊田駅前の豊田市駅西口市街地再開発ビル「t-face」にあった百貨店「豊田そごう」「松坂屋豊田店」跡の2階などに「名古屋三越」の店舗が、他のフロアに「t-face専門店街」が増床し、2022年春までにリニューアルオープンする方針であることが都商研の取材で分かった。

松坂屋豊田店・t-face。

2021年9月30日に閉店していた豊田松坂屋

松坂屋豊田店の前身である「豊田そごう」は豊田市駅西口市街地再開発ビル「t-face」の核店舗として1988年10月に開店。t-face全館の店舗面積は39,477㎡。そごうの経営破綻により2000年12月に一旦閉店し、その後はt-face専門店街が増床された。

豊田松坂屋・エントランス。

松坂屋豊田店は2001年10月25日に「t-face A館」に開店。松坂屋の店舗面積は18,000㎡。4月現在はA館1階から6階まで(+催事場8階)に出店しており、そごう時代の百貨店面積よりも狭かった。
しかし、業績の悪化などを理由に2021年9月30日を以て閉店した。

一部に三越が出店、残りは専門店街とする計画

都商研が関係者におこなった取材によると、豊田そごう→松坂屋豊田店跡の2階を中心に核テナントとして「名古屋三越」の中規模支店が出店する方針。また食品売場を含め、多くの売場はB館に出店する「t-face専門店街」が増床される計画だという。

名古屋三越 栄本店。

食品売場では既に「うなぎの杉政」をはじめ一部の専門店が残留・再出店することを決めている。

最終営業日の松坂屋食品館。
t-face専門店街・食品館とするべく改装が行われる予定。

百貨店としての面積は縮小されるものの、松坂屋の閉店後も豊田の百貨店の灯は守られることとなりそうだ。

追記:t-faceビルが10月1日に行った発表によると、名古屋三越のほかに成城石井GU丸善なども出店する。

三越豊田

住所:愛知県豊田市西町六丁目85-1 t-face A館 2階

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仁恒伊勢丹、2021年9月30日1期開業-中国・天津3号店、全館開業は12月

中国・天津市南開区の地下鉄東南角駅に直結する複合施設「天津仁恒置地広場」に、日系百貨店「仁恒伊勢丹」が2021年9月30日に1期開業・12月中に全館開業する。

伊勢丹、中国6号店

仁恒伊勢丹は複合施設「天津仁恒置地広場」の下層階に出店。伊勢丹としては中国で6店目、天津市で3号店となる。

仁恒伊勢丹。

仁恒伊勢丹の出資比率は、中国企業の「上海仁恒」51%、「天津伊勢丹」49%。
建物はA館・B館・C館の3館体制で、商業エリアの延床面積は約10万㎡。A館・B館の高層階はマンション、C館の高層階となる。
そのうち、B館・C館は12月に開業する。

伊勢丹にツタヤやローソン新業態も

仁恒伊勢丹のコンセプトは「ショッピングミュージアム Value Up Your Moment」。
そのうち、9月30日に開業するA館(本館にあたる)の店舗面積は約5万8000㎡。
地下2階には食品売場、フードホールに加えて中国華北地域では初となる蔦屋書店「TSUTAYA BOOK STORE」が出店する。
また、生活雑貨や美容家電を販売する地下1階には「ローソン」の新業態店舗も出店。カフェ併設型で、ローソン内で無印良品の商品も販売する。
1階は化粧品売場となり自主編集ショップ「ISETAN BEAUTY」を、2階のトレンドファッションフロアでは日本人デザイナーズブランドを展開。
3階は子供関連の売場となり、プレイランドを併設する。
4階にはレストラン街、5階にはシネコン「ACE CINEMA」が出店する。

仁恒伊勢丹

住所:中華人民共和国 天津市南開区東馬路137号、139号
営業時間:10時~22時

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ミツウロコグローサリー(MG)、2021年春よりYショップと提携-旧ココストア・エブリワン、ベーカリー・弁当などは変わらず

エネルギー大手「ミツウロコグループHD」(東京都中央区)の傘下となっているコンビニエンストア「ミツウロコ・グローサリー(MG)」が、2021年2月より順次「ヤマザキYショップ」とのダブルネーム店舗「ヤマザキYショップMG」にリニューアルされている。

ヤマザキYショップMG(三重県)。

ココストア・エブリワンの商品を販売する「MG」

中堅コンビニ「ココストア」(本社:愛知県名古屋市)と、2001年よりココストア傘下となっていた中堅コンビニ「エブリワン」(本社:熊本県熊本市、末期は「ココストアウエスト」運営)は、2015年12月に大手コンビニ「ファミリーマート」に買収されたことにより、殆どの店舗を2016年上旬までに通常の「ファミリーマート」へと転換。これにより特徴であったベーカリーと厨房設備は殆どの店舗で撤去されることとなった。
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名物の「ばくだんおにぎり」。
「MG」では現在も販売される人気商品だ。

「MG」はもともとココストアとエブリワンの店舗のうち「ファミリーマートが引き継がなかった店舗」をミツウロコグループが継承したことに端を発しており、2018年からは屋号を「MG(ミツウロコ・グローサリー)」と改め、ポプラグループとの提携のもとでココストアとエブリワンが特徴としていた「焼き立てパン」「出来立て弁当」などのメニューをほぼそのまま引き継いだコンビニの運営をおこなっていた。
店内ではかつてのココストア・エブリワンのメニューのほか、ミツウロコと提携関係・もしくは傘下にある「麻布十番モンタボー」や「おめで鯛焼き本舗」の商品の販売も実施。また、24時間営業は中止されており、夕方からは「フードエコタイム」として商品の値引きがおこなわれている(割引内容については各店舗に要確認のこと)。

ポプラMGからYショップMGに-全国6店舗

今回のリニューアルはポプラグループの事業縮小によるものとみられ、各店舗の屋号と看板は2021年2月より山崎製パンとの提携により順次「ヤマザキYショップ」とのダブルネーム店舗「ヤマザキYショップMG」にリニューアルされている。

モンタボーと提携した店内ベーカリー。

また、合わせてミツウロコグループが運営する「ポプラ水戸鯉淵店」「RICストア辻久保店」もMGに編入されており、これによりMGは全国6店舗体制となった。

「YショップMG」店舗一覧(2021年9月)
  • YショップMG水戸鯉淵店(水戸市):元ココストア
  • YショップMG桑名木曽三川公園店(桑名市):元ココストア
  • YショップMG辻久保店(合志市):元ココストア
  • YショップMG大空団地店(大分市):元エブリワン
  • YショップMG下徳丸店(大分市):元エブリワン
  • YショップMG荘園店(別府市):元エブリワン

関連記事:RICストア(旧エブリワン、ココストア)、2016年秋より残存店舗を整理してポプラと提携へ

阪神梅田本店、2021年10月8日増床開店-「食の阪神」強化、食品館は2022年春に全面開業

大阪市北区梅田にある阪神百貨店の本店「阪神梅田本店」の建て替え第2期棟が2021年10月8日に開業し、2022年春までに各売場が順次開店・グランドオープンする。

阪神梅田本店。

「食」の阪神百貨店、7年に及ぶ建替工事が完成

阪神百貨店は1933年に阪神マートとして創業、1940年に現在地に移転。1951年にターミナル百貨店「阪神百貨店」として開店した。当初は地上2階建てであったが、1957年、1963年に大規模な増築工事を行い、地上8階建てとなった。

旧・阪神百貨店、大阪神ビル。

同店は西日本一のデパ地下とも称される地階食品売場を持つことで知られており、建て替え前は200を超える和・洋菓子、総菜、ベーカリーブランドの集積に加えてフードコート「スナックパーク」が人気を集めたが、老朽化のため2014年から建て替え工事を実施。2018年6月にはリニューアル1期開業を迎えていた。

新装・阪神、売場面積は53,000㎡に

新装・阪神梅田本店のストアコンセプトは「毎日が幸せになる百貨店 live in clover everyday」。
建て替え後の総売り場面積は約53,000㎡。そのうち、10月8日には約47,000㎡が営業を開始。2022年春までに8階の催事場、地下1階の食料品売場などが順次開業し、グランドオープンを迎える。
なお、10階以上は最高部高さ187メートルの高層オフィスとなる。

梅田阪神本店・フロア構成。

リニューアルに際して特に力が入れられたのが「食関連」の売場で、地下2階・地下1階・1階・9階の4フロアに展開。新たに地下2階を設けるなどしたことで建て替え前と比べて約38%も広くなり、全体の売上の6割を占める計画。
また、増床開業に合わせてショッピングバッグのリニューアルをおこなう。

新装するショッピングバッグ。

「食」を4フロアで展開-1階に「食祭テラス」

食関連売場のうち、1階「シンボルフロア」には主導線の真ん中に食のイベントスペース「食祭テラス」(330㎡)を設け、阪神百貨店を象徴する場として体験型のグルメ催事を開催する。この1階は「パンとおやつと、食祭テラス」と命名されており、ベーカリーやスイーツの売場も設けられる。

食祭テラス。

また、地下2階には「阪神バル横丁」が、9階にはレストラン街のほか、フードホール形式の「阪神大食堂」(1850㎡)が設けられる。
阪神バル横丁には約20店舗が、レストラン街には7店舗が、阪神大食堂には8店舗が出店する予定。

阪神バル横丁・バルゾーン。


地下1階・阪神食品館は2022年に全面開業予定。
「スナックパーク」が併設される。

このほか、7階には「無印良品」が復活。8階には「阪神タイガースショップ」も新装開店するほか、アート&カルチャーの売場が設けられ、クリエイターによるワークショップなどが開催される。

阪神タイガースショップ。

ネット・SNSでの情報発信を強化

館内には「コミュニティスタジオ」「サロン」「イベントスペース」を合わせて50か所展開する。

50タイプのスペースで情報発信をおこなう。

そのうち「イベントスペース」「サロン」では体験型のイベントを開催するほか「コミュニティスタジオ」はSNSを用いて双方向コミュニケーションできるスタジオとなる。
これらをネットでも発信することで、同社が推進するOMO(Online Merges with Offline=オンラインとオフラインの融合)に取り組んでいくとしており、店員によるSNS等を活用した情報発信も強化していく考えだ。

情報発信を通じてファンコミュニティの創造に挑む。

阪神は、こうした「グルメ」「体験型売場」「情報発信」などを通じてグループである阪急との差別化を図るとしており、全館開業後の2022年度の売上目標を730億円(2020年度は278億円)と設定する。

阪神梅田本店

住所:大阪市北区梅田1丁目13番13号
営業時間:10時~20時(飲食店などは異なる)

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ライフ本郷三丁目駅前店、2021年9月25日開店-文京区初出店、「有機食材」「アジアン食品」で差別化はかる

東京都文京区の東京メトロ本郷三丁目駅前・東京大学近くに、食品スーパー「ライフ本郷三丁目駅前店」が2021年9月25日に開店する。

ライフ本郷三丁目駅前店。

ライフ、本郷通りに文京区初出店

ライフ本郷三丁目店が出店するのは、東京メトロ本郷三丁目駅からすぐ北側の国道17号・本郷通り沿い。
店舗は13階建てマンションの1階・2階で、店舗面積は498㎡、目標年商9.6億円。
ライフは文京区初出店となる。

学校・オフィスが多い立地を活かし「朝8時開店」に

本郷三丁目駅の近隣には「東京大学本郷キャンパス」をはじめとした複数の大学・専門学校・予備校のほか、金融「三菱UFJニコス」、AI関連「JDSC」、薬品製造販売「カイノス」、映画・映像関連「日活」、空想地図デザイン「地理人研究所」など様々な企業の本社・本部機能などが置かれており、通勤・通学者の利用が多く見込まれる。
そのため、ライフは平日のみ朝8時に開店。さらに学生や会社員の貴重な昼休みの時間をレジ待ちで消費しないよう、キャッシュレスセルフレジを置き、スムーズな会計をめざすとしている。

「有機食品」「世界各地の食品」に注力

店内では、生鮮3品のほか、健康志向の高まりに合わせて有機野菜コーナーやライフのオーガニック・ローカル・ヘルシーをコンセプトのPB「ビオラル」を導入。「紀ノ国屋」のパン、オーガニックのベビーフードなどの販売もおこなう。

一方、惣菜では「海外旅行気分」が味わえる「ガパオ」「ヤンニョムチキン」などを導入するほか、エスニック調味料、中華食材などアジアン系食材、世界各国のワインなどにも力を入れる。

競合店が多い本郷三丁目エリア

本郷三丁目駅前には、先述したとおり学校やオフィスが集積するほかマンションやアパートも少なくない。それゆえ、すでに小型スーパー「マルエツプチ」「まいばすけっと(2店舗)」、菓子・おつまみ「おかしのまちおか」、コンビニ各社など複数の競合店が出店しており、競争が激しい地域だ。
ライフは近隣競合店よりも広い規模であり、またオーガニック食材・アジアン食材などの導入によって差別化を図るとしており、地域の食品スーパーを牽引する存在となりそうだ。

館内フロア案内。

ライフ本郷三丁目駅前店

住所:東京都文京区本郷4-37-12
営業時間:平日8時~23時/土日祝日9時半~23時

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ヤマダHDとアークランドサカモト(ホームセンタームサシ)、 提携を2021年9月21日発表-「ヤマダ+ムサシ」複合大型店を出店へ

家電量販店などを展開する「ヤマダホールディングス」(群馬県高崎市)とホームセンターなどを展開する「アークランドサカモト」は店舗開発における業務提携をおこない、共同店舗を出店をすることを2021年9月21日に発表した。

ヤマダデンキとホームセンタームサシの複合店。

ヤマダ+ムサシの大型店舗出店-テナント誘致も

両社によると、ヤマダHDとアークランドサカモトが業種を超えてコラボレーションする新業態「総合生活提案型ショッピングスクエア」を2022年度から出店する。

店舗はヤマダデンキホームセンタームサシ(もしくは傘下のビバホーム)を合わせて10,000坪(33,000㎡)以上で、他社テナントとしてスーパーマーケットなども誘致する計画。併設してスマートハウスなどの住宅展示場を設ける予定で、さらにヤマダ傘下の大塚家具などが出店する可能性もあろう。
今後、2022年に愛知県一宮市・東京都八王子市(多摩美大近く)、2023年に神奈川県平塚市・石川県野々市市(「イオン御経塚店」跡とみられる)、2024年に長野県須坂市・大阪府茨木市に出店する予定としている。

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ライブゲート瀬谷・イオンスタイル横浜瀬谷、2021年9月22日開店-相鉄瀬谷駅前再開発、イオンとミニストップ同居

神奈川県横浜市瀬谷区の相鉄本線瀬谷駅南口で行われている瀬谷駅南口第1地区第一種市街地再開発事業による複合施設「ライブゲート瀬谷」が完成し、核店舗となるイオンリテールのスーパーマーケット「イオンスタイル横浜瀬谷」が、2021年9月22日にオープンする。

ライブゲート瀬谷・ライオンズ横濱瀬谷ステーションスクエア(販売サイトより)。

瀬谷駅南口再開発「ライブゲート瀬谷」完成

ライブゲート瀬谷」は相模鉄道本線瀬谷駅前で瀬谷駅南口第1地区第一種市街地再開発事業として建設されている複合施設。
商業施設は1階と2階で、食品スーパー「イオンスタイル横浜瀬谷」(「イオン薬局」入居、9月20日プレ開業)を核店舗に、同じイオングループのコンビニエンスストア「ミニストップ」(10月1日開店)がテナントとして出店するほか、「ドトールコーヒーショップ」、「城南信用金庫」が出店する。

イオンスタイル横浜瀬谷

また上層階には「瀬谷区民文化センター」、株式会社大京のマンション「ライオンズ横濱瀬谷ステーションスクエア」となる。

イオンスタイルは地産商品展開、「レジゴー」導入

核店舗「イオンスタイル横浜瀬谷」では主に食料品と日用品を中心に販売、衣料品売場は設けられない。売場面積は約1,870㎡で、1階で食料品、2階で日用品や医薬品の取り扱いをする。
1階の食料品売場では、貸出用専用スマホを用いたレジに並ばない決済サービス「レジゴー」を展開する。
また水産売場では、神奈川県の三崎漁港・金田漁港・小田原漁港など県内の漁港で水揚げされた鮮魚を販売する。特に小田原漁港で早朝に水揚げされた鮮魚は「朝獲れ鮮魚」として販売するという。

鮮魚売場。

農産売場では、小松菜や落花生をはじめとして地元瀬谷地区で生産された野菜を神奈川県産野菜コーナーで販売。トップバリュグリーンアイのオーガニック野菜や神奈川県愛甲郡の農園「NO-RA ~農楽~(のーら)」のオーガニック野菜なども取り扱う。

神奈川県産野菜のコーナー。

お惣菜とベーカリーの売場では、店内発酵の生地を1枚ずつ伸ばしたフワフワ触感のピッツアを瀬谷駅前エリアで初展開する。
また神奈川生まれのポーク「やまゆりポーク」を使用したお惣菜や神奈川県で生産されている柑橘類「湘南ゴールド」で味付けされた梅干しを乗せた「しらすご飯重」など、地場品を多数使ったお惣菜やお弁当の販売を行う。

イオン2階は「メンズスキンケア」「猫フード」拡充

2階の日用品売場では、医薬品や健康食品、化粧品、洗剤やティッシュなどを取り扱う。
近年増加しているスキンケアを気にする男性のニーズに合わせたメンズコスメ商品の販売拡充を行うほか、上層階のマンションではペットを飼うことができるほか、瀬谷エリアは全国平均よりも猫飼育率が高いため、猫のおやつや機能性フードを取りそろえる。
また土日・祝日も営業し、全国の医療機関処方せんを受け付ける「イオン薬局」も展開する。

イオン薬局。

そのほか、同店は食料品・日用品に特化した品揃えの店舗であるため、イオンが行っている衣料品や暮らしの品のネットショップ「イオンスタイルオンライン」で注文した商品を同店のピックアップカウンターで受け取りができるサービスなども展開する。

瀬谷駅周辺はスーパー密集、競争も激化か

今回出店する相鉄本線瀬谷駅には北口に2018年に開店したばじゃりの「イトーヨーカドー食品館瀬谷店」をはじめ、イオングループの食品スーパー「マルエツ瀬谷店」もある。
ライブゲート瀬谷が立地する南口には食品スーパーはあまりないものの、ドラッグストアの「クリエイトSD瀬谷駅南口店」があるなど、日常使いの店舗が多く密集している。
イオンスタイルの開業によりさらに競争が激化することとなり、近隣他店舗、とくにイオングループ店舗との差別化にも注目が集まる。

イオンスタイル横浜瀬谷

住所:横浜市瀬谷区瀬谷4丁目4-10
営業時間
:午前9時~午後11時(食品他)
:午前9時~午後9時(一般医薬品)
:午前9時~午後8時(調剤薬局)

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オリンピック外神田店、2021年9月17日開店-秋葉原駅・AKIBAカルチャーズZONE近くに

東京都千代田区のJR秋葉原駅近く・神田明神通りにスーパーマーケット「オリンピック外神田店」が2021年9月17日に開店する。

オリンピック外神田店。

石丸・アキドラ・アニONなど跡にオリンピック

オリンピックが出店するのは神田明神通り沿い、AKIBAカルチャーズZONEなど近くにある「ダイドーリミテッドビル」1階。
もともとこの場所は石丸電気「石丸ソフトワン」であったが2009年にパソコンショップ「フェイス秋葉原本店」、2013年にダイコクドラッグ+アイドルカフェ「AKIBAドラッグ&カフェ(DDPシアター)」、2016年に「アニON STATION AKIHABARA本店」とテナントが移り変わっていた。しかし、同店も2021年6月に閉店し、それ以降は空き店舗となっていた。
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オリンピック出店地の旧「AKIBAドラッグ&カフェ」。

「作りたて弁当」「焼き立てパン」に力を入れる

オリンピック外神田店の店舗はワンフロア、店舗面積は589㎡。
生鮮品は一部のみの扱いとなるが、生活雑貨を中心に食品・衣料品・日用品・事務用品など幅広い商品を取り扱い、食品ではとくに作りたて弁当・焼き立てパンに力を入れるとしている。

館内案内。

オリンピックは徒歩圏のワテラスモール内にも「オリンピック淡路町店」を出店している。同店は外神田店とは異なり生鮮食品を多く取り扱っているため、今後も棲み分けを図りながら営業を続けることになると思われる。

オリンピック外神田店

住所:東京都千代田区外神田3丁目1−16
ダイドーリミテッドビル 1F
営業時間:10:00〜20:00

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