麻布台ヒルズ、2023年11月24日開業-日本一高いビルに約150店出店、中央広場地下に食品ゾーン

東京都港区の東京メトロ神谷町駅から六本木一丁目駅周辺の大規模再開発「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業」の中核となる「麻布台ヒルズ」が、2023年11月24日に開業する。

麻布台ヒルズ。

旧・郵政省本庁舎などの跡地に生まれたヒルズ

もともと麻布台ヒルズの場所にあった日本郵政グループ飯倉ビルは1930年に逓信省貯金局として竣工。1943年に運輸逓信省逓信院本庁舎に、省庁再編で1946年に逓信省本庁舎に、そして1949年に郵政省本庁舎となった。また、1945年には東京大空襲で焼失した麻布郵便局も入居、郵政省本庁舎としては1969年まで使われた。
この地はもともと山形・米沢藩上杉家の中屋敷(のち逓信省庁舎用地)であり、その裏手にはかつて下級武士の組屋敷が並んでいた住宅街・我善坊谷があった。

再開発前のようす・旧・郵政省本庁舎。

この地域では1990年代に一度再開発計画が持ち上がったものの、バブル崩壊後の景気の後退により計画は進まなかった。
しかし、景気の底上げとともにふたたび再開発が検討されるようになり、2018年3月に日本郵政と森ビルにより虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発組合が設立。都市再生特別地区、国家戦略特区にも指定され、2019年春に再開発工事が本格着工、麻布郵便局と我善坊谷は解体された。

日本一高いビル、レジデンス最高額は1室約300億円か

麻布台ヒルズ」の開発コンセプトは「Modern Urban Village」(モダン・アーバン・ヴィレッジ)、総事業費は約5,800億円。
開発エリアは高さ日本一となる330mの超高層オフィス・レジデンス棟「麻布台ヒルズ森JPタワー」を中核に、主に住宅となる2棟の「麻布台ヒルズレジデンスA/B棟」(タワーマンション、当面はA棟のみ)、商業機能を主体とする緑に包まれた「ガーデンプラザ」、イベントなどが開催される約6,000㎡の「中央広場」などで構成される。
また、各棟は地下通路で東京メトロ日比谷線神谷町駅、東京メトロ南北線六本木一丁目駅と直結される。

日本一高いビルとなる麻布台ヒルズ・メインタワー。

メインタワー「麻布台ヒルズ森JPタワー」の高層階に設けられるレジデンス(住宅)は、1部屋約300億円といわれている。
このほか、メインタワーには都内最大のインターナショナルスクール「ブリティッシュ・スクール・イン 東京」や予防医療施設「慶應義塾大学予防医療センター」などが入居する。

麻布台ヒルズ・フロア構成。


麻布台ヒルズ・街区構成と周辺整備。

商業ゾーンには150店出店

麻布台ヒルズの商業施設の総店舗面積は約24,000㎡、約150店舗。
各種アパレルブランドのほか、「大垣書店」、「金子眼鏡店」、「集英社マンガアートヘリテージ」、「チームラボ」のオフィシャルショップ、「麻布台ヒルズ ギャラリー」なども入居する。
「チームラボ」については、臨海副都心の「チームラボボーダレス」が移転出店する。

低層が主に商業施設となる「ガーデンプラザ」。
特徴的な外観の建物は英国のトーマス・ヘザウィック氏によるデザイン。

2024年1月に開業する中央広場地下のフードゾーン「麻布台ヒルズマーケット」の店舗面積は約4,000㎡。グロサリー・輸入食品「明治屋」などをはじめ、約30の専門店が出店。「デパ地下」に近い業態となる。
このほか、館内には飲食街や医療モールも設けられる。
なお「エルメス」「カルティエ」「ブルガリ」など一部ハイブランドは2024年2月以降の開業となる。

麻布台ヒルズ・街区開業予定。
(街区構成など一部画像は森ビルのリリースより)

麻布台ヒルズ

東京都港区麻布台1丁目6−19ほか

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