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アルク長門店、2024年3月9日開店-ウェーブ跡地、アトラス閉店以来28年ぶり長門市中心部に丸久復活

山口県長門市の長門市駅南側にあった大型商業施設「長門コミュニティータウンウェーブ」跡地に、流通大手「リテールパートナーズ」の中核事業会社「丸久」が展開する大型食品スーパー「アルク長門店」が2024年3月9日に開店する。

長門市中心部を代表する大型店だった「ウェーブ」

長門コミュニティータウン・ウェーブの前身となる「長門ショッピングプラザ(ながとプラザ)」は、1975年3月に長門市駅北側の「旧長門総合病院」跡地に開業。1991年10月の駅南側移転にあわせてウェーブとなった。建物は地上3階地下1階で営業フロアは地上2階~地下1階、建物面積は18,762㎡、売場面積は7,731㎡。

ウェーブは開業当初、地場大手食品スーパー「サンリブ長門」と地場衣料スーパー「まるみストアー(サンフレールまるみ・サラダ館)」を核に、ながとプラザ時代の核店舗だった「金子みすゞ記念館」(仙崎に2003年4月移転)や地場資本の専門店など約40店舗が入居するなど、同時期に開業した「丸久長門アトラス(現・フジ長門店)」とともに、長門市を代表する大型商業施設として高い集客力を誇っていた。
同施設は2011年の改装を機にサンフレールまるみ直営フロア集約や家電量販店「ヤマダ電機」導入を打ち出したが、2019年7月にサンフレールまるみが廃業したため1階の大部分を閉鎖、同年12月31日には全館を閉鎖し約28年の歴史に幕をおろした。

地場不動産会社主導で再開発進めていた

ウェーブ跡は長らく放置状態にあったが、地場不動産会社「ウィルコーポレーション」(本社:山口県周南市)が土地建物を取得し、大手不動産会社「大和ハウス工業」(本社:大阪市北区/山口支店:山口県山口市)との連携のもと、建物解体後に新たな商業施設を開業する方針を示していた。
長門市は2022年11月にウェーブ跡地で再開発を進める両社と「長門市駅周辺地域活性化事業に係る事業協力に関する協定」を締結。地場大手食品スーパー「丸久」が2024年初旬に新店舗を開店することとなった。

閉館から約4年間放置されていたウェーブ。(2023年当時)

長門市初の「アルク」に

丸久アルク長門店の建物は平屋建で店舗面積は㎡。丸久の主力業態「アルク」としては長門市初となる。
青果部門ではJA山口県長門統括本部との連携による地産地消コーナーやバイヤー厳選による有機農産物コーナーを展開、水産部門では地元ならではの鯨関連商品を拡充するほか対面販売を展開、精肉部門では丸久グループオリジナル商品「鹿野高原おこめ豚」や地元ブランド商品「朝びき長州どり」「長州ながと和牛」を展開する。
また、惣菜部門においても同社看板商品「広島風お好み焼き」「旨ダレ仕込み醤油から揚げ」や長州どり使用手焼き焼き鳥を展開、洋日配ではアトラス萩新店舗で導入実績のある成城石井2個入りケーキなど冷凍食品約340アイテム、和日配では蒟蒻・蒲鉾といった地場商品を展開。あわせて、オーガニック商品の拡充や3種類のレジ(従来型レジ・セミセルフレジ・フルセルフレジ)の導入を進めるなど、多様化する買物客のニーズへの対応を図る。

丸久としては長門市中心部に約28年ぶり復活

丸久は1990年代の経営再建時に旗艦店のひとつであった「アトラス長門」を中四国地場流通大手「フジ」(現在はイオン系)に譲渡しており、約28年ぶりに長門市中心部に復活を果たすこととなった。

1996年まで丸久アトラスとして営業していたフジ長門店。

アルク長門店

住所:山口県長門市東深川803-1
営業時間:午前9時~午後10時

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フードウェイ野間大池店、2024年3月15日開店-ユニードダイエー跡「パセオ野間大池」、サンリブ撤退から半年で復活

福岡県福岡市南区の野間大池公園横にあるショッピングセンター「パセオ野間大池」に、新たな核店舗「フードウェイ野間大池店」が、2024年3月15日に開店する。

パセオ野間大池。(マルショク撤退直前)

マルショク・コスモスの2核併存だったが…

パセオ野間大池」は1976年に開業し2005年に閉店した「ユニードアピロス野間店」(のちユニードダイエーを経て「ダイエー野間店」)の跡地に2008年11月に開業。核店舗として「サンリブマルショク野間大池店」と「ドラッグストアコスモス」が出店していたが、2023年9月にマルショクが撤退。コスモスも食品取り扱いを拡大しているため、後継店舗の出店があるかどうか注目されていた。
パセオの店舗面積は4,927㎡で、建物は西銀系の九州リースサービスが所有、福岡地所系のサンライフが管理をおこなっている。

フードウェイ出店、パセオもリニューアル

パセオ野間大池では、マルショクの撤退後に全面改装を実施。また、人口密集地帯ということもあり、わずか約半年での核店舗出店となった。
フードウェイはとくに精肉など生鮮部門・食品の質の高さをウリにしており、同居するコスモスとの差別化ができるかどうかが注目される。

フードウェイ野間大池

福岡県福岡市南区柳河内1丁目2-2
営業時間:9時半~24時(土曜日のみ9時開店)

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ロピア沖縄国際通り店、2024年3月25日開店-沖縄1号店、地場大手「ユニオン」がFC運営

沖縄県那覇市の牧志駅前にある複合施設「さいおんスクエア」に、OICグループのディスカウントスーパー「ロピア」の沖縄県1号店となる「食生活♥♥ロピア沖縄国際通り店」が、2024年3月25日に開店する。

さいおんスクエア。

牧志駅前にロピア沖縄1号店、ユニオンが運営

さいおんスクエアは2011年7月に生まれた複合施設。
ロピアは沖縄県初出店で、沖縄県内に「フレッシュプラザユニオン」を20店舗展開する「野嵩商会」がフランチャイズとして運営する。
食生活♥♥ロピア 沖縄国際通り店の店舗は1階、総面積は約1,032㎡。ユニオンとは異なり、24時間営業は実施しない。

食生活♥♥ロピア 沖縄国際通り店

沖縄県那覇市安里2-1-1 さいおんスクエア1階
営業時間:10時~21時

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イオン今池店、2024年2月29日閉店-ダイエーから54年の歴史に一旦幕、最古のイオンとして閉店式典も

愛知県名古屋市千種区の名古屋市営地下鉄今池駅近くにあるイオングループの総合スーパー「イオン今池店」が2024年2月29日をもって閉店した。

ダイエーショッパーズプラザとして開店した今池の大型店

イオン今池店は、1969年11月30日にダイエーグループの総合スーパー「ダイエー今池店」として開店。建物は地上2階地下1階建で店舗面積は8,884㎡。
ダイエー今池店は開業以来長らく、各種届出を中心にグループのショッピングセンターブランド「今池ショッパーズプラザ」を称し、同社名古屋初の店舗として専門店街を展開する地域随一の大型店であった。また、店舗に面する「今池東南商店街」は愛称として「ダイエー通り」を冠するなど、地元商店街とともに今池の発展に大きな役割を担った。
同店は2000年代初頭の産業再生機構傘下入りによる店舗整理を乗り越え、2013年10月には同社名古屋初となる「中食強化モデル店舗」としてオリジン東秀の量り売り惣菜「オリジン弁当コーナー」や同社初となる靴量販店「グリーンボックス」の導入を始めとする店舗の全面リニューアルを実施。あわせて、外装を現在のデザインに刷新した。

イオン今池店。

その後、ダイエー今池店は、2015年9月のイオン総合スーパー事業再編にともない、店舗運営をイオンリテールに移行し現在の店名となった。

最古のイオン、バリアフリー化が課題だった

イオン今池店を運営するイオンリテール東海カンパニーによると、2024年2月現時点において同店は「最古のイオン」であり、旧ダイエーの店舗としてもグルメシティ西明石店(1969年10月開店)の次に古い店舗となっている。
同店では開店以来、直営食品フロアの移設(地下1階→地上1階)を始め、時代に即したリニューアルを図ったが、築50年超の建物には制約も多く、2024年2月の閉店までエレベーター未設置かつエスカレーター片側設置(上りのみ)と各種バリアフリー設備が充足しているとは言い難い状態にあった。
こうした背景もあり、ダイエー時代からの店舗を「老朽化と顧客のニーズに応えるため」「店舗建替え」を理由に挙げ、2024年2月29日をもって閉店することとなった。

今池店54年の歴史を示すパネル展も。

賑わう最終日、営業時間は急遽1時間ほど拡大

イオン今池店の閉店当日2月29日は、午前9時の営業開始前から多くの来店客で賑わいをみせ、商品棚の完売も目立つようになった。午後7時の開店時刻を迎えたのちも来店客の流入やレジの行列が絶えなかったこともあり、午後7時15分開始予定の閉店式典はは約1時間遅れとなった。

閉店式典には“ダイエー通り”商店街会長も参加

イオン今池店の閉店式典には、泰山亨同店店長を始めとする従業員に加え、森信仁今池東南商店街(ダイエー通り)会長が参加。式典前には記念品として同店のイラストが描かれた缶バッヂの配布も行われた。

森信仁今池東南商店街会長による花束贈呈。

泰山亨店長は、学生時代の今池店の来店経験や思い入れを語ったうえで「ここでの思い出を心のどこかで留めていただければ、我々従業員一同この上ない幸せと感じます」「1969年から、今日まで今池店を支えていただき、ありがとうございました」と締め括った。
また、森信仁町内会長は商店街と地域の発展に貢献した今池店への感謝と再出店への祈願を述べ、店長に花束を贈呈した。

利用客への長年のご愛顧に応える泰山亨店長。

式典後は店長による出口での挨拶を終え、ダイエー時代から54年にわたる長い歴史に一旦幕をおろした。

閉店後の建物は解体、再出店の計画はあるもの詳細は未定

イオン今池店の建物は築54年超と老朽化が顕著であり、2月29日の閉店直後から解体工事の設営が始まっている。
イオンリテールは今池店の跡地活用策として建替再出店の方針を示しているもの、新店舗の概要(業態・規模・再開時期)は未定となっている。
なお、同店休業期間中の代替店舗は「イオンナゴヤドーム前店(イオンモールナゴヤドーム前)」が担うこととなる。

現店舗営業最終日のイオン今池店。
54年にわたり愛された同店は新店舗として生まれ変わる見込み。

イオン今池店

住所:愛知県名古屋市千種区今池5-13-26
営業時間:午前9時~午後11時

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新所沢パルコ、2024年2月29日20時閉店-約40年愛された「しんとこ」の顔、式典には2,000人の来場者も

埼玉県所沢市の西武新宿線新所沢駅前にあるJフロントリテイリング系ファッションビル「新所沢パルコ」が2024年2月29日午後8時をもって閉店し、約40年の歴史に幕をおろした。

新所沢パルコ山本仁也店長。

首都圏有数のニュータウンとして発展した新所沢

現在の新所沢駅周辺は、1957年の日本住宅公団(現UR都市機構/都市再生機構)による北所沢ニュータウン計画発表を契機として、1958年より新所沢団地の分譲が本格化。1959年2月には西武鉄道北所沢駅が新所沢駅に改称し、西武ストアー(現西友)を始めとする西武系企業による生活基盤の拡充がみられるようになった。
新所沢駅周辺は首都圏有数のベッドタウンとして発展を遂げることとなった一方、1971年4月に建替新装開店した西友を除けば、駅周辺の大型店は依然として少なく、西武鉄道から派生した西武セゾングループが地域最大級となる複合商業施設として、1983年6月に新所沢パルコを開業するに至ったという経緯があった。

郊外初パルコ、“しんとこ”密着の独自路線で親しまれた

新所沢パルコの建物は2館地上5階地下1階建で店舗面積は18,144㎡。両館ともに自社所有物件だった。
開業以来、新所沢パルコ独自の2館体制「パルコ館」「レッツ館」やシンボル空間「ガレリア」という店舗構造、首都圏有数のベッドタウンという立地特性を背景に、パルコが得意とする高感度ファッションブランドに加えて、ファミリー向け専門店や映画館を展開。近隣住民を中心に定着している新所沢の通称“しんとこ”を前面に押し出すなど、地域密着の施策で顧客獲得を図った。

新所沢パルコ。

新所沢パルコは、同社がコミュニティ型店舗と定義する首都圏近郊・地方店舗(2019年当時の分類)のなかでも、2019年度の売上高は約100億円と健闘していたが、2021年2月に親会社のJフロントリテイリングとの連名で「継続的な競合店の開業・増床リニューアル」「所沢駅周辺での大規模再開発」を理由とした「2024年2月29日付での営業終了」を発表。以後、3年という長い期間にわたり閉店準備が進められることとなった。

最末期にも80店舗超営業、各店単位での個性的な施策も

新所沢パルコでは2024年2月の閉店時点においても、紳士服店「TAKA-Q」「ORIHICA」、靴量販店「ABC-MART」、イオン系100円ショップ「キャンドゥ」、ゲオ系オフプライスストア「LuckRack」、家具インテリア雑貨店「ニトリデコホーム」、文具雑貨店「世界堂」、家電量販店「ノジマ」、音楽ショップ「バンダレコード」、旧西武セゾン系専門店「アミュージアム」「パルコブックセンター」「無印良品」「新所沢レッツシネパーク」など80を超える店舗が営業を継続。
新所沢パルコ全館企画として、2023年6月から40周年感謝祭「しんとこパルコの恩返し」が開催され、各店舗単位でも売りつくしセールや記念グッズの販売、展示企画が継続的に打ち出されたこともあり、当初より“しんとこのシンボル”を惜しむ客の来店が目立った。

24年2月から「さよならフェス」大規模イベント連続開催

新所沢パルコでは2024年2月から「40年間ありがとう 新所沢PARCO さよならフェス」と題し、以前から定評のあった地域密着マルシェ「とこロコマルシェ」「彩の国マルシェ」の連休連続開催や埼玉県内に本拠を置く大手餃子チェーン「ぎょうざの満洲」とのコラボ、新所沢に拠点を置く経済アナリスト森永卓郎氏による「モリタクB宝館」のサテライト展示といったイベントを開催を打ち出した。

悪天候の閉店当日、約2,000人に囲まれ歴史に幕

新所沢パルコの閉店当日2月29日は悪天候であったが、同店に縁の深いアーティストによるパフォーマンスフェスを午後から開催するなど、40年の歴史の締めくくりに相応しい賑わいをみせた。

新所沢パルコの閉店記念セレモニー。

フェスの集大成として午後8時からは閉店記念セレモニーを開催。山本仁也店長は「とても幸せな40年間」と評し、約2,000人の買物客に囲まれ、しんとこのシンボルはその歴史に幕をおろした。

閉店式典終了後も記念撮影を求める客で賑わいをみせた。
広報担当者からはSNSでの発信に期待を寄せる声も聞かれた。

なお、新所沢パルコの跡地活用に関しては2024年2月の現時点において明らかになっていない。

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高松オルネ、2024年3月22日開業-JR高松駅ビル、ツタヤやエースワンなど約50店出店

香川県高松市のJR高松駅北側に、駅ビル「TAKAMATSU ORNE」(タカマツ オルネ)が、2024年3月22日に開業、あわせて、既存施設「COM高松」も「TAKAMATSU ORNE」に統合される。

JR四国・高松駅ビル「タカマツオルネ」。

高松駅、エースワン跡地周辺に駅ビル建設

高松オルネが建設される場所はかつてスーパー「エースワンサンポート高松店」跡地とその周辺。エースワンはグループ来店客数首位を記録する人気店だったが、土地を所有するJR四国との賃貸借契約満了のため、2019年4月14日をもって閉店していた。

高松駅と新駅ビルの建設予定地。

「居るね」に由来する新駅ビル

高松駅ビルの新たな建物は2棟(商業棟・駐車場棟)で、計画敷地面積は約5,200㎡、延床面積は約15,490㎡。うち、商業棟は地上4階建で営業フロアは1~3階、延床面積は約10.040㎡。駐車場棟は地上4階地下1階建、延床面積は約5.450㎡。売場面積は約6,220㎡、駐車台数は約165台となる。
総工費は約35億円、運営は高松駅内商業施設「COM高松」を運営するJR四国グループ「ステーションクリエイト東四国」が一体的に行う。
「ORNE」(オルネ)という名称は、西日本には「いる」を「おる」という方言があり、四国でも「おるね」が広く使われていることに由来する。言葉の響きにやわらかさ、懐かしさ、親しみやすさがあり、四国らしいと感じてもらえることから採用したとしている。

ツタヤ書店、エースワンなど約50店舗出店

開発コンセプトとして「県都高松の玄関口として、『時間』と『こと』を楽しみながら『ここが目的地、出発地』となる施設」、デザインコンセプトとして「瀬戸内海の穏やかな海のゆらぎをイメージ」を打ち出し、食品スーパーを核に約70店舗が入居する予定。デザイン面においても既存商業棟(COM高松)トップラインとの連続を意識したキャノピーの設置や既存駅舎コンコース上部(アーチ状の屋根)との調和を意識したアルミルーバーのカーブなど一体感を演出する。
また、4階の外壁は瀬戸内海に浮かぶ島々を表現することで、駅前広場を行き交う人に対する屋外広場の存在感や認知度の向上を図り、活気あふれる空間の創出を目指すとしている。

既存棟(COM高松)や駅舎とも一体感あるデザイン。

オルネ高松には、シェアオフィス併設型のツタヤ書店「TSUTAYA BOOKSTORE / SHARE LOUNGE」、スーパー「エースワン」(再出店、駐車場棟)、四国キオスクの新ブランド土産品店「ハレノヒヤ」、地元料亭の弁当総菜店「二蝶」、地元の老舗和菓子店「夢菓房たから」など約50店舗が出店する予定となっている。
また、現在COMに出店している「くまざわ書店」なども継続出店する見込みとなっている。

県都の玄関口刷新、2025年までに新施設が続々開業

高松駅が立地するサンポート高松地区では、香川県が「旧香川県立体育館」(2014年9月閉館/丹下健三設計/売却検討中)の代替として、2024年度中を目処にアリーナ機能・MICE機能を備えた「(新)香川県立体育館」が開館する。
あわせて、徳島文理大学が2025年4月を目処に香川キャンパス(地上18階地下1階建/さぬき市志度から移転、3,000人規模)を開設する方針を示しているほか、サンポート高松には2025年以降に高級外資系ホテルの進出(「マンダリンオリエンタルホテルグループ」と交渉中としている)が予定されており、県都高松の玄関口としての拠点性向上が見込まれる。

TAKAMATSU ORNE

香川県高松市浜ノ町
営業時間:未定

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五反田TOCビル、2024年3月末閉館-「東京卸売センター」誕生半世紀で老朽化、超高層ビルに建替えへ

東京都品川区の大崎広小路駅近く・国道1号線沿いにある複合商業施設「TOCビル」(テーオーシービル・東京卸売センタービル)が、建替えのため2024年3月末までに全店閉店・閉館する。

TOCビル。(東京卸売センタービル)

1970年に生まれた五反田のランドマーク「TOC」

TOCビルは、親会社であった星製薬の工場跡に1970年3月に開館。星製薬は創業家であり、一時期はSF作家の星新一氏が社長であったことが有名であったが、TOC開館当時は経営再建のためホテルニューオータニなどを経営する大谷家の経営となっており大谷米太郎氏が社長を務めていた。
TOCは、問屋街全盛期だった1960年代当時に通商産業省が主導していた卸売業の近代化計画に呼応して建設されたもので、星製薬再建の切り札でもあった。

館内にある大谷米太郎氏の銅像。

TOCビルは地上13階・地下3階建て、延床面積は約17万4000㎡で、建物は株式会社テーオーシーが所有する。当時の五反田では圧倒的な規模の建物であり、地域のランドマークとなった。
館内には多くの小売店、飲食店、卸売店、オフィスなどが入居。会議室、展示室なども備えているほか、屋上には神社も設けられてる。

TOCビル屋上。

テナントとしては近年はユニクロ、アカチャンホンポ、ABC-MART、ユザワヤ、スーツカンパニー、ローソン、サブウェイなどが出店。星製薬(現在は2代目、TOCの子会社)の本社も入居していた。

閉店セールがおこなわれるTOC館内のようす。

建替えのため閉館-超高層ビル建設へ

TOCの建物は建築から約半世紀を経過しており、2021年には2023年春の閉館をめざして建替え・再開発計画が始動。のちに閉館時期は2024年春頃に延期されていた。今後、店舗・テナントの殆どは2024年3月末までに撤退する予定で、店内で営業を続ける店は閉店セールが行われている。

新・TOCビル。(TOCウェブサイトより)

新しいTOCビルは地上30階・地下3階建てで、延床面積は約27万6,000㎡、高さ約150mを計画しており、2027年度の竣工をめざして工事が進められる予定となっている。

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レイリア久留米、2024年9月開業-西鉄久留米駅ビル「エマックス・クルメ」全館改装、西鉄ストアは「レガネット久留米タミー」として3月22日先行開業

福岡県久留米市の西鉄久留米駅ビルが「レイリア久留米」として2024年9月に新装開業する。

レイリア久留米。

筑後最大の駅ビル

西鉄久留米駅ビルは1969年3月に「久留米西鉄名店街」として開業。建物は地上6階建で延床面積は14,521㎡。売上高は約43億円。(2021年度実績)
店舗面積は6,570㎡で、建物は西鉄が所有する。
久留米西鉄名店街は1983年4月の新装開業を機に「エマックス・クルメ」に改称、1999年7月には西鉄ビル管理に運営移行、2002年1月には西鉄天神ソラリアに運営移行、2006年5月に西鉄直営の商業施設となった。
同施設ではあわせて、2005年3月の西鉄タミー運営会社再編と一体的に増床リニューアルを実施、2018年3月には2階専門店街を中心にリニューアルを実施。2019年には耐震補強工事を開始していた。

西鉄久留米駅ビル「エマックス・クルメ」。

エマックス・クルメには2022年9月現在、西鉄系の元総合スーパー「にしてつストア久留米タミー店」(当初は井筒屋と共同出資、改装により2022年8月に直営衣料品・靴売場閉鎖、もともとの店舗面積は3,011㎡)と西鉄系雑貨店「雑貨館インキューブ」を核に、積文館書店の複合書店「ブックセンタークエスト」やドラッグストア「ココカラファイン」、レディスファッション「Green Parks topic」、靴量販店「ABC-MART」100円ショップ「Watts」、カフェ「STARBUCKS」「TULLY’S COFFEE」など31店舗が入居する。

「レイリア」として全面刷新、核店舗「レガネット」に

西鉄久留米駅ビル(エマックス・クルメ)では、2022年9月から2024年9月までの約2年間大規模改修を実施する。総投資額は17億円。
リニューアルコンセプトに「行き交う人がちょっと一息つける、街の中のオアシス空間」を掲げ、施設ブランドを2019年4月の「レイリア大橋(旧大橋西鉄名店街)」に次ぎ2施設目となる「レイリア」に刷新する。
リニューアルの一環として、1階バスセンター内店舗を2023年6月から段階的に増床。

ガラス張りとなるバスセンター内店舗。

西鉄ストアに関しても2022年12月から仮設店舗営業に移行し、2024年3月22日に直営食品フロア(1,702㎡)を「レガネット久留米タミー」新装として開店、同年9月に飲食・食物販フロア(1,058㎡/バックヤード除く)を新設する。

にしてつストア・レガネット久留米タミー店。
開店当初は西鉄と久留米井筒屋による共同出資だった。


2022年8月閉鎖のタミー直営衣料品・靴売場跡。
飲食・食物販フロアとなる。

また、2階飲食店街「味のタウン」北口改札前には、定期券販売所併設のフードコート(611㎡)を新設。館内は温かみがあり居心地の良いウッド調の内装とし、さらに電車・バスの運行状況を表示するデジタルサイネージの設置することで駅やバスセンターの利便性向上を図るとしている。

フードコート。

2階改札付近エリアにはチャレンジショップ区画「ku.ru.to(くると)」(約11㎡)を新設。
冷蔵庫や調理テーブル等の設備を備えており、初期投資の軽減により店舗出店に意欲のある方がチャレンジしやすい環境を整えるとしている。

定期券販売所も移設。

なお、3階・4階については、多くのテナントが営業を継続している。

レイリア久留米(現エマックス・クルメ)

住所:福岡県久留米市東町上天神田316-2
営業時間:各フロアにより異なる

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横須賀プライム、2024年2月29日閉店-旧緑屋→WALKのセゾン系ショッピングセンター、再開発で

神奈川県横須賀市の横須賀中央駅前にあるクレディセゾングループのショッピングセンター「横須賀プライム」(THE PRIME YOKOSHIKA横須賀ニューセンタービル)が、再開発のため2024年2月29日に閉店する。

横須賀プライム、前身は1951年開店「緑屋横須賀店」

横須賀プライムの前身は月賦百貨店「緑屋横須賀店」。初代の緑屋横須賀店は1951年に同社初の支店として開店。その後、現在地に店舗を集約し、1972年9月に現在の姿となった。

横須賀プライム。

建物は地下2階・地上7階建て、店舗面積は5,092㎡。
緑屋が西武セゾングループの「西武クレジット」(現クレディセゾン)となったことを経て、1985年には緑屋からウォーク横須賀に業態転換、その後に横須賀プライムと改称している。
現在はクレディセゾンの子会社でプライム各店やパチンコ店「コンサートホール」を運営する「コンチェルト」が所有する。

横須賀プライム、再開発で跡地に超高層ビル建設へ

横須賀プライムの閉店は「横須賀市若松町1丁目再開発事業」のため。
跡地には33階建てビル(計画段階)を核として、商業施設、ホテル、マンション、駐車場などが入居する約463,000㎡の再開発ビルを建設する計画。2028年度を目途に完成する予定だとしている。

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肉の万世 秋葉原本店、2024年3月31日閉店-アキバ・万世橋のシンボル「肉ビル」、建物は2021年に売却

東京都千代田区の万世橋たもとにある「肉の万世 秋葉原本店」(まんせい肉ビル)が、2024年3月31日に閉店する。

中央通りから見た肉の万世 秋葉原本店。

アキバのシンボル「万世肉ビル」33年の歴史に幕

肉の万世は1949年創業。首都圏各地にステーキ・ハンバーグレストラン「肉の万世」などを展開している。
現在の本店ビルは1991年に建設されたもので、ほぼ全館が肉の万世の各業態が入居する飲食ビル「まんせい肉ビル」となっており、秋葉原のシンボルとして親しまれた。

肉の万世本店・エントランス。

一方で、2020年には新型コロナウイルスの感染拡大を受けて営業フロアを縮小。2021年3月には、本店ビルを日鉄興和不動産に売却していた。

肉の万世、アキバプレイスに新店舗

肉の万世は、本店の閉店にともない代替店舗として中央通り沿いのアキバプレイス3階(サイゼリヤのあるビル)に「肉の万世 アキバプレイス店」を2024年3月25日に出店する。
現店舗の活用方法などについては、2024年2月時点で発表されていない。

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