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イオン仙台店、2025年2月28日閉店-東日本大震災乗り越えた旧ダイエー、賃貸借契約満了で

宮城県仙台市青葉区の仙台駅近くにあるイオン系大型総合スーパー「イオン仙台店」が2025年2月28日をもって閉店する。

宮城県内初のダイエーとして誕生

イオン仙台店は1975年9月にダイエーグループの総合スーパー「ダイエー仙台店」として開店。建物は地上8階地下2階建で店舗面積は20,212㎡。
ダイエー仙台店は、同社宮城県内初の直営店、読売不動産系複合ビル「読売仙台ビル」「新伝場町中央通りビル(ジョリビル)」の核店舗として、フルラインナップの直営衣食住フロアを展開。
2003年7月には家電量販店「ベスト電器」(2010年12月撤退)を導入するなど、不採算部門の専門店化を図ることで、市内屈指の規模を誇る大型店としての集客力を維持。2004年12月のダイエーグループ産業再生機構支援決定後も「年商100億円規模」という黒字店舗であったため、東北地方他店舗と異なり存続することとなった。

さくら野の受け皿にもなった市内屈指の大型店

ダイエー仙台店は、2011年3月の東日本大震災発生時、阪神淡路大震災の経験を活かした直営食品売場の早期再開を実現するなど、宮城県民からの支持も厚い店舗・ブランドであったが、2016年3月のダイエーによるイオンリテールへの北海道・東北事業承継にともない現在の店舗名に改称となった。
イオン仙台店。

また、イオン仙台店は、2017年2月の地場老舗百貨店「エマルシェ(さくら野百貨店仙台店)」経営破綻を機に、同年6月から「ブックオフ」「ICI石井スポーツ」を導入するなど、市内屈指の大型店として「有力専門店の受け皿」としての役割を担うこととなった。
2020年3月にはイオンリテール東北カンパニー(東北6県の小売事業/ディベロッパー事業)とマックスバリュ東北(MV東北)が経営統合したことで「イオン東北」運営に移行したが、読売系との賃貸借契約満了のため半世紀の歴史に幕をおろすこととなった。同店の閉店によりイオン東北運営の旧ダイエー系店舗は消滅することとなる。

好立地活かした再開発に期待

イオン仙台店(読売仙台ビル)の建物は、東日本大震災を始めとする度重なる地震を乗り越えたもの、老朽物件であることに変わりなく、仙台駅至近距離で広瀬通と東二番丁通の結節点という好立地を活かした再開発も期待される。

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イオンウエルシア九州、ニューヨークストアとみやま全4店舗跡に2025年春開店-2024年9月30日承継、創業102年の老舗高級食品スーパーをドラッグストア化

大手流通グループ系ドラッグストア「イオンウエルシア九州」は、北九州地場老舗高級食品スーパー「ニューヨーク・エボリューション」から「ニューヨークストア」「とみやま」4店舗跡を2024年9月30日付で取得及び承継したことを発表した。
ニューヨーク・エボリューション本社。

イオンウエルシア九州は、旧ニューヨーク・エボリューション系4店舗を「ウエルシアプラス」として2025年春までに新装開店する。

業態転換と居抜きで店舗拡大中のイオンウエルシア九州

イオンウエルシア九州は、2022年9月1日にイオン系地域子会社「イオン九州」とイオン系ドラッグストア持株会社「ウエルシアHD」が出資する合弁会社として設立。(出資比率は51%:49%)
設立の理由として「生鮮・惣菜を含めたスーパーマーケット運営に関するイオン九州の知見と、調剤薬局の運営を含めたドラッグストア運営に関するウエルシアの知見を相互に共有し、両社の事業を発展的に融合し、双方にとって利益となる新業態の開発と運営を行うこと」を掲げ、旧マックスバリュ九州(大野城若草店)や旧レッドキャベツ(朝倉甘木駅前店・鳥栖蔵上店)、旧クリエイトさが旬鮮市場(鳥栖店)運営店舗を業態転換した。
あわせて、カリーノ(旧寿屋/博商)所有地への新築出店(福岡香椎駅前店)や同業他社(旧マルショク)の居抜き出店(熊本島町店)を実施し、2024年9月30日時点では6店舗を展開している。

旧とみやま承継で空白地の北九州でドミナント化

ニューヨーク・エボリューションは、1922年3月に「とみやま」として創業、1949年8月に法人化。
とみやまは創業以来長らく、関門地盤の地場大手流通グループであったが、バブル期の過剰投資や競争激化を背景に業績低迷に陥った。そのため、2004年8月に首都圏地場中堅食品スーパー「横須賀産業」が新設子会社を通し、とみやまの優良店舗(スーパー4店舗/ホームセンター2店舗)を取得し運営する新体制に移行した。
とみやま門司本店生鮮館(建替後ニューヨークストア化)。
門司区民を中心に同店を根強く支持する買物客も多かった。

ニューヨーク・エボリューションは、横須賀産業や同社社長(谷尾凱夫氏/明治屋産業創業家)との結び付きを活かし、横須賀産業系(当時)高級食品スーパー「もとまちユニオン」のFC展開やノウハウの移植を図るなど高級路線に舵を切ったが、2023年8月までに福岡都市圏から完全撤退(住吉店・セントラルパーク店・大橋店)するなど多店舗化に失敗。2024年9月23日をもって全店舗を閉店することとなった。
ニューヨークストアもとまちユニオン小倉店。
小倉伊勢丹を前身とする百貨店「コレット」の食品核だった。

地域と密接な繋がりあった老舗、102年の歴史に幕

イオンウエルシア九州は、ニューヨーク・エボリューション運営店舗に関して「お客さまからの知名度も高く、地域との密接な繋がりが構築されています」としたうえで、高齢化が進み買物困難地域となった同社運営4店舗跡を「近くて利便性の高い調剤併設型ドラッグストアと生鮮食品・お弁当・お惣菜まで揃えたフード&ドラッグ「ウエルシアプラス」」に転換することが「地域の発展に最適」であると判断したという。
ニューヨークストアとみやま門司本店。
徒歩圏内にはイズミゆめマート(旧門司丸和)もある激戦区だ。

イオンウエルシア九州による旧ニューヨーク・エボリューション4店舗跡の承継により、知名度も高く地域と密接な繋がりが構築されていた高級食品スーパーは消滅し、利便性の高いフード&ドラッグに生まれ変わることとなった。

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フレスコにっさん嵯峨店、2024年10月31日閉店-旧西日本興産系高級食品スーパー、フレスコSAGA店はリニューアル

京都府京都市右京区の旧西日本興産系高級食品スーパー「フレスコにっさん嵯峨店」が2024年10月31日午後7時をもって閉店する。

フレスコ系の高級食品スーパー

西日本興産は1961年9月に京都府京都市で設立。2005年10月には太秦店を高級食品スーパー「クオレ太秦」に転換、同様の高級食品スーパー「ブーケ・ド・シェフ下鴨」とあわせて最盛期には4店舗を展開したが、2014年1月に旗艦店である下鴨店を閉店、2017年8月に関西地場大手食品スーパー「ハートフレンド(フレスコ)」の完全子会社となった。
旧西日本興産系店舗はハートフレンド傘下入りにあわせ、2017年9月に店名を「フレスコにっさん」に改称したが、2024年10月現在も独自の販促(にっさんの日)や仕入調達、商品構成を維持するなど、通常のフレスコ店舗と旧にっさん店舗の強みを活かした店舗づくりを打ち出している。

フレスコにっさん嵯峨店(同社公式より)。

なお、フレスコにっさん嵯峨店の閉店に先駆け、ハートフレンド直営店「フレスコSAGA店」が2024年10月11日~17日まで長期休業をともなう大規模リニューアルを実施する。

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もとまちユニオンそごう横浜店、2024年10月21日閉店-営業期間わずか1年、大食品館エブリデイから食品スーパー消滅

神奈川県横浜市のそごう横浜店地下2階食品フロア「大食品館エブリデイ」にある京急ストア系高級食品スーパー「もとまちユニオンそごう横浜店」が2024年10月21日をもって閉店する。

ザ・ガーデンに割り込み、2023年に進出決めたユニオン

そごう横浜店大食品館エブリデイは2002年4月に開業。
そごう横浜店大食品館エブリデイは、西武百貨店との経営統合(ミレニアムリテイリング/現そごう・西武発足)の象徴として、食品核に西武系高級食品スーパー「ザ・ガーデン自由が丘横浜店」を据えるなど、そごうデパ地下改革の先駆けとなった。
しかし、食品核の運営会社「シェルガーデン」がセブン&アイHD子会社に移行(そごう・西武は10%出資継続)、2023年9月にそごう・西武が米国系ファンド「フォートレス」完全子会社に移行するなど、各社間の関係が希薄化。
米国系ファンド主導での西武池袋本店リニューアルとシェルガーデン旗艦店「ザ・ガーデン自由が丘池袋店」閉店が進む最中に、京急ストアによる「もとまちユニオン横浜店」の開店が決まったことで、今後の京急ストアによるそごう・西武各店舗への多店舗化にも注目が集まっていた。

営業期間わずか1年の短命店舗に、館内からスーパー消滅

もとまちユニオンそごう横浜店は2023年9月13日に開店。
もとまちユニオンが得意とする「国内・外の高質な商品や話題の商品」を厳選した業態として、生鮮食品・酒類を取扱わず、和洋中冷凍食品や珈琲・紅茶・オリーブオイル、レトルトカレーなどグロサリーを中心とした売場を展開した。
もとまちユニオンそごう横浜店は、2024年7月に大食品館エブリデイ内の「ザ・ガーデン自由が丘横浜店」が閉店したことで、ザ・ガーデン跡への増床移転の可能性もあったが、同年10月7日をもって閉店を発表。営業期間わずか1年の短命店舗となった。
同店の閉店により、そごう横浜店大食品館エブリデイから食品スーパーが姿を消すこととなる。

そごう横浜店から食品スーパーが消滅することとなった。

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紀ノ国屋アントレ金沢店、2024年10月15日閉店-近江町市場の食品核、わずか1年半で北陸撤退

石川県金沢市の近江町市場にあるJR東日本系高級食品スーパー「KIOKUNIYA entrée金沢店」が2024年10月15日をもって閉店する。

近江町市場玄関口の紀ノ国屋、わずか1年半で

紀ノ国屋アントレ金沢店は2023年4月28日に開店。売場面積は約51,53㎡。同社としては北陸初、石川初、金沢初の直営店だった。
紀ノ国屋アントレ金沢店は、2009年4月に近江町市場再整備プロジェクト「武蔵ヶ辻第四地区第一種市街地再開発事業」の一環として開業した複合商業施設「近江町いちば館」の食品核を担うもので、狭小店舗ながら全商品を自社開発商品としたうえで、専用厨房により「紀ノ国屋焼きたてアップルパイ」といった看板商品を提供するなど、近江町市場の玄関口という立地特性を活かた店舗づくりを進めた。

KIOKUNIYA entrée金沢店。

同店は2024年3月に大規模リニューアルを実施、専用厨房を活かした商品の拡充を図るなど、地元客・観光客双方の取込みをめざしたが、わずか1年半ほどで北陸から撤退することとなった。

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セブン&アイHD、セブン-イレブンコーポレーションに2025年社名変更-中核事業「セブンイレブン」特化で海外展開加速、グループは事実上解体へ

大手流通グループ「セブン&アイホールディングス」(以下セブン&アイHD/本社:東京都千代田区)は、コンビニ事業を中核事業とした「(仮称)セブン-イレブンコーポレーション」として2025年を目処に社名変更する方針を2024年10月10日に発表した。

コンビニ事業への特化めざしていたセブン&アイHD

セブンイレブンは、2022年2月にコンビニ商品宅配サービス「7NOW(旧セブンイレブンネットコンビニ)」を正式に開始、2024年2月にはセブン&アイHD各社と連携した新コンセプト店舗「SIPストア」を開店するなど、国内コンビニ業界最大手として積極的な業態開発と新サービスの導入を試みている。
海外事業に関しても、2018年4月から2024年4月まで米国コンビニ・ガソリンスタンド大手「Sunoco(スノコ)」の一部事業を段階的に取得2021年5月に米国コンビニ大手「SpeedWay(スピードウェイ)」を買収(旧セブン含む293店舗は別途売却)したことで、米国コンビニ業界最大手の座を確固たるものとした。

セブンイレブンの海外店舗(シンガポール)。
観光客で賑わうモノレールターミナル駅の店舗。

また、2024年4月にオーストラリア現地法人「7-ElevenStores」を買収するなど「セブン-イレブン事業を核としたグローバル成長戦略と、テクノロジーの積極活用を通じて流通革新を主導する、『食』を中心とした世界トップクラスのリテールグループ」をめざす方針を示している。

セブンイレブンの海外店舗(台湾)。
台湾原住民が生活する山間部の店舗。店内は
民族衣装の展示も。

セブン&アイHDは事実上解体

セブン&アイHDは、2024年10月10日に中間持株会社「ヨークホールディングス(ヨークHD)」設立による非中核事業計31社の将来的な経営分離構想を発表しており、同構想の一環として大手流通グループとして誕生したセブン&アイHDはコンビニ事業に特化した「(仮称)セブン-イレブンコーポレーション」として社名変更することとなる。
ヨークHDのIPO(新規上場)による経営分離が実現した場合、セブン・イトーヨーカドー・デニーズの経営統合により発足したセブン&アイHDは事実上解体となる。

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セブン&アイHD、中間持株会社「ヨークHD」2024年10月11日設立-「イトーヨーカドー」「ベニマル」「ロフト」「赤ちゃん本舗」など非コンビニ事業の経営分離めざす

大手流通グループ「セブン&アイホールディングス」(以下セブン&アイHD/本社:東京都千代田区)は、非中核事業の経営分離を目的とした中間持株会社「ヨークホールディングス」(以下ヨークHD/本社:東京都千代田区)を2024年10月11日に設立する。

セブン&アイ、構造改革の要となる中間持株会社設立

セブン&アイHDは2019年10月に構造改革を発表。2020年6月の食品スーパー統合会社「ヨーク」設立2023年9月の百貨店「そごう・西武」売却2024年秋からのイトーヨーカドー地方店舗(北海道・東北・信越)全面撤退、非食品部門の事業縮小(アダストリアとの協業/FOUND GOOD)を進めてきた。

イトーヨーカドー食品館の大半が「ヨークフーズ」となった。

あわせて、セブン&アイHDの主力となるコンビニ事業「セブン-イレブン・ジャパン(セブンイレブン)」を除く、SST事業(スーパーストア事業)のIPO(新規上場)による経営分離をめざす方針を示していた。

旧そごう・西武系雑貨店「ロフト」も新会社傘下となる。

IPOによる経営分離へ、「ヨーカドー」「ロフト」など

ヨークHDは、セブン&アイHDがSST事業主要会社7社「イトーヨーカ堂」「ヨークベニマル」「ロフト」「赤ちゃん本舗」「セブン&アイ・フードシステムズ(7FS)」「セブン&アイ・クリエイトリンク」「シェルガーデン」を含む計31社(連結子会社24社及び持分法適用会社7社)の株式を移管集約する中間持株会社で、「戦略的パートナーの招聘(創業家との共同投資の可能性を含む)」を通じた持分法適用会社化、IPOのの確実かつ速やかな実現をめざす。
また、「セブン&アイ・ホールディングス」という社名は「セブン-イレブン・コーポレーション」に変更する予定としている。

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ワールド・日本政策投資銀行系ファンド、ライトオンに2024年12月上旬TOB開始-カジュアル衣料大手、ワールド傘下で経営再建へ

アパレル大手系ファンド「ワールドインベストメントネットワーク」と「日本政策投資銀行(政投銀/DBJ)」の合弁会社「W&Dインベストメントデザイン」が、アパレル大手「ライトオン」にTOB(株式公開買付)を実施する方針を2024年10月8日に発表した。

ライトオンの店舗(神戸市中央区)。

ワールドとDBJの合弁、ノウハウ活かしアパレル支援

W&Dインベストメントデザインは、2017年6月にワールド系とDBJの合弁会社として設立。同年12月に第1号案件としてセレクトショップ運営会社「YOUR SANCTUARY」、2019年3月に第2号案件として高級靴/雑貨ブランド「ヒロフ(HIROFU)」に出資するなど「事業と金融を両輪にファッション産業の再生投資に精通した投資会社」として、アパレル系の再建に取組んできた。

ライトオン、ワールド系子会社化での再建めざす

ライトオンは1980年4月に東京都杉並区で設立。2017年8月時点では地方都市圏を中心に国内外513店舗を展開したが、2018年6月には業績不振や都心回帰を背景として本社ビル「ライトオンつくばビル」(茨城県つくば市)を売却。2023年8月時点では国内外373店舗に減少していた。
その後も赤字体質からの脱却に至らず、2024年8月期の売上高は388億800万円、営業損失は50億円、純損失は121億4200万円と6期連続の赤字に陥っていた。

ライトオンつくば本社(2018年6月売却/2019年5月本店閉店)。

ライトオンは経営再建の一環として、2024年2月よりワールド系との交渉を開始。創業家依存型マネジメントの機能不全や内外環境の変化への適応力の不足に伴うブランド価値の棄損、分業体制による現場レベルでのコスト意識の欠如といった経営課題の解消を目的として、創業家との資本関係解消や不採算店の整理を含む構造改革に向けた準備を進めていた。

ライトオン創業家は退任、ワールド流での再建なるか

W&Dインベストメントデザインは、ライトオンによる創業家資産管理会社「藤原興産」への第三者割当増資とTOBを併用することで同社を子会社化する。これらのスキームにより、ライトオン創業家の藤原祐介社長は退任、同社と創業家間の資本関係を解消することとなる。
ライトオンはワールドとの資本業務提携により、人材業務支援、MD・仕入調達、情報システム、新規事業/店舗開発など幅広い分野でシナジー創出を図るとしている。

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大丸梅田店、低層階に2025年秋以降売場集約-営業フロア4割減、上層階はJR西日本・ルクア系専門店街に

大阪府大阪市北区のJR大阪駅直結複合商業施設「大阪ステーションシティサウスゲートビルディング」の百貨店「大丸梅田店」(だいまるうめだみせ)が、2025年秋以降に営業フロアを低層階に集約する。

大阪梅田の玄関口に鎮座する老舗複合商業施設

大阪ステーションシティサウスゲートビルディングは、1983年に国鉄系複合商業施設「アクティ大阪」として開業。
現在の建物は地上27階地下4階建で敷地面積は約10,075㎡、延床面積は約171,000㎡。
アクティ大阪開業にあわせ、1983年4月に百貨店「大丸梅田店」が低~中層階(地上14階~地下2階)に開業、同年5月に国鉄系旗艦ホテル「大阪ターミナルホテル(現ホテルグランヴィア大阪)」が高層階(地上19階~27階)に開業するなど、大阪梅田(キタ)における複合商業施設の先駆けとなった。
アクティ大阪は、2011年3月の「大阪ステーションシティノースゲートビルディング」誕生(同年4月のJR大阪三越伊勢丹/ルクア大阪開業)にあわせて現在の名称に改称しており、2024年10月現在に至るまで大阪梅田の玄関口に相応しい業容を示している。

大丸梅田店。

梅田の立地活かし新たな試み打ち出したが

大丸梅田店は1983年4月に開業。営業フロアは地上15階~地下2階で店舗面積は62,100㎡。
開業以来、関西地盤の老舗呉服系百貨店「大丸(現大丸松坂屋百貨店)」の旗艦店として、大丸心斎橋店(旧大丸大阪店)と異なる若年層を対象とした都市型百貨店志向のフロアを展開。関西圏では先駆的存在となった百貨店ミュージアム「大丸ミュージアム」の導入など、新たな試みを打ち出した。
2011年3月には「百貨店なのに○○」を掲げ新装増床開業。大丸松坂屋百貨店の「新百貨店モデル」を体現する店舗として、若年層向けフロア「うふふガールズ」や提案型婦人肌着フロア「オーランジェリーゼ」など自主編集を拡大。大手雑貨関西旗艦店「東急ハンズ」や関西初の百貨店内ポケセン「ポケモンセンターオーサカ」、ファストファッション「UNIQLO」など、同業競合他社(JR大阪三越伊勢丹・阪急阪神百貨店)同様、新規客層の取込みを図った。
その後も、2019年9月の大丸心斎橋店新装建替開業にあわせて、従来型百貨店フロアの集客力向上、任天堂直営店「ニンテンドーストア」導入など進めたが、地域一番店の阪急阪神百貨店に次ぐ地域三番店からの脱却には至らず、訪日外国人観光客によるインバウンド需要の取込みにも課題があった。

大丸梅田店は営業フロア4割減、上層階は専門店街に

JR大阪ステーションシティサウスゲートビルディングは、大丸松坂屋百貨店とJR西日本グループ「JR西日本ステーションシティ」「JR西日本SC開発」の3社により、2025年秋以降段階的なリニューアルを開始、2029年を目処に新装開業する予定となっている。
大丸梅田店はサウスゲートビルディング新装開業により低層階(地上9階~地下2階)に売場を集約、フロア数は4割減(17フロア→11フロア)となる。また、大丸梅田店の上層階(10階~15階)は、JR西日本SC開発(ルクア大阪など運営)の専門店街となる。

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ツクモ日本橋店、2024年10月27日閉店-23年前に大阪初出店した日本橋エリアから撤退、LABIなんば館内に出店へ

大阪府大阪市浪速区の日本橋電気街にあるヤマダデンキ系PC専門店「ツクモ日本橋店」が2024年10月27日に閉店。ツクモは11月中旬に代替店舗を「ヤマダデンキ LABI LIFE SELECT なんば」館内に出店する。

日本橋店。

日本橋のツクモ、23年前に出店して何度も移転したが…

ツクモ日本橋店の前身は2001年に日本橋エリアに出店した「ツクモなんば店」。2005年にはなんさん通りにあった上新電機のメガウォッチ館跡に店舗移転した。
ツクモは2008年10月の民事再生法適用に伴い2009年3月からはヤマダ電機(現ヤマダデンキ)の完全子会社「ProjectWhite」による経営となったことに合わせて一旦閉店・関西から完全撤退したものの、ヤマダLABI内へのコーナー出店などを経て2017年9月に日本橋電気街に「ツクモなんば店(2代目)」として8年ぶりに再出店した。

日本橋電気街とツクモ日本橋店。(1店舗化後)

その後、2020年2月に「ツクモ日本橋店」を出店、なんば店との2店舗体制となったのち、なんば店は2023年6月に日本橋店と統合のため閉店していた。

ツクモ、11月にLABIなんば地階に新規出店へ

ツクモは日本橋店の閉店に伴い一旦大阪から再撤退となるものの、南海難波駅南側にある「ヤマダデンキ LABI LIFE SELECT なんば」のB1階に代替店舗を出店する予定を発表している。
新店舗の開業は2024年11月中旬になるとしている。

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