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梅田ロフト、2025年5月21日新装開店-茶屋町から百貨店「阪神梅田本店」に移転、ワンフロアの関西旗艦店に

大阪府大阪市北区梅田の阪急阪神東宝グループ/H2Oリテイリング系百貨店「阪神梅田本店」6階に、大型生活雑貨館「梅田ロフト」が2025年5月21日に新装開店した。

若者の街・茶屋町で生まれたロフト関西旗艦店

梅田ロフトは1991年4月に日本生命系複合施設「クラレニッセイビル(現JPR梅田ロフトビル)」を全館賃借するかたちで開業。建物は地上8階地下1階建で店舗面積は9,000㎡、営業面積は約5,283㎡。
開業当初は西武セゾングループ中核会社「西武百貨店」運営による日本百貨店協会加盟店舗であり、西武百貨店としては1971年12月開業の心斎橋パルコ店(1991年5月パルコに承継/2011年9月閉店の旧店舗)以来約20年ぶりとなる大阪市中心部への新規出店であった。

梅田ロフトビルの全景。
写真左はMBSメディアホールディングスの本社ビル。

梅田ロフトは開業当初、コンセプトに「生活情報雑貨館」「PLAY IT YOURSELF」を掲げ、直営化粧品・文具雑貨フロアを核に西武セゾン系専門店「テアトル梅田」「ブックセンターリブロ」「WAVE」や飲食サービス系店舗を集積。その後も西武セゾン系ライフスタイルショップ「無印良品」やサブカル系専門店「ヴィレッジヴァンガード」「駿河屋」をリニューアルにあわせて導入するなど、茶屋町の象徴的商業施設として営業を続けた。
一方、梅田ロフト隣接地に本社を置く在阪民放・MBS毎日放送の運営会社「MBSメディアホールディングス」が、2021年12月から2022年12月にかけて「日本プライムリアルティ投資法人(JPR)」から施設の信託受益権を取得するなど施設の運営環境が変化。2025年4月30日には賃貸借契約満了にともなう移転のため、茶屋町での35年の歴史に幕をおろした

梅田の一丁目一番地、阪神百貨店リニューアルの目玉に

梅田ロフトの移転先となった百貨店「阪神梅田本店」は2018年6月に第1期建替新装開業、2022年4月に第2期建替新装開業。建物(大阪梅田ツインタワーズ・サウス)は地上38階地下3階建で営業フロアは地上9階~地下2階、敷地面積は約12,200㎡、百貨店の売場面積は53,000㎡、延床面積は約260,000㎡。
阪神梅田本店はストアコンセプトに「毎日が幸せになれる百貨店」を掲げ、日本一の王道デパ地下を称する地下1階「阪神食品館」や地下2階バルゾーン「阪神バル横丁」、1階食品催事フロア「食祭テラス」を展開するなど「食の阪神」というブランド価値を深耕。衣料雑貨に関してもライフスタイル提案を重視したフロア構成への全面刷新を図っていた。
加えて、2024年5月に親会社「H2Oリテイリング」が策定した「中期経営計画(2024-2026 年度)」に基づき、同年12月下旬(準備期間/無印良品再導入)から2025年11月まで非食品フロアを中心とした大規模リニューアル(フード除く2~8階/総投資額約25億円)を段階的に行い、ロフトを始めとする約50ブランドの新規導入を進めていた。

大阪梅田ツインタワーズ・サウス/阪神梅田本店

ロフト初の試み打ち出す関西旗艦店

梅田ロフト新店舗は阪神梅田本店6階紳士服・紳士用品雑貨・ゴルフウエア売場跡をリニューアルしたもので、営業面積は約672坪(2,222㎡)。
阪神梅田本店6階に移転した「梅田ロフト」

新店舗ではコンセプトに「LOFT市場NEO」を掲げ、商店街や市場の賑わいを意識し暖簾や勘亭流書体を用いた同社初となる環境デザインを構築。文具雑貨・健康雑貨・バラエティ雑貨・生活雑貨の4領域で約40,000種類を展開。

渋谷・銀座に次ぎ関西初となる「ロフボ」

旧店舗時代に比べ売場面積/商品数とも縮小となるもの、同社初となる海外フィギュアコーナー「LOFTOY SHOW」や関西初となるサンプル自販機「ロフボ(LOFBOx)」、ライブ配信/ゲーミングユーザーを意識した新編集提案コーナー「Streaming NOW!」、ベストコスメ集積コーナー「LOFT BEST COSME」といった新サービス/新領域商品を導入。梅田ロフト柏木淳館長が強みと評するキャラクターIP関連POP-UP(呪術廻戦・物語シリーズなど)を継続展開するなど、トレンド発信拠点としての役割を引続き担っていくこととなる。

梅田ロフトアーカイブ展(2025年6月29日まで開催)

このほか、阪神梅田本店主導の催事企画(阪神のめんそーれ沖縄)や阪神電車/阪神タイガースとの連携(試合冠協賛/限定コラボグッズなど)を図っていく。

梅田ロフト(新店舗)

住所:大阪府大阪市北区梅田1丁目13番13号 阪神梅田本店 6階
営業時間:午前10時~午後8時

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聘珍樓、2025年5月21日倒産・破産手続開始-日本現存最古の中華料理店、グループのデパ地下惣菜店含め全店閉店

神奈川県横浜市に本社を置く老舗中華料理「聘珍樓」グループ会社が2025年5月20日をもって全店閉店し事業停止した。
帝国データバンク(TDB)によると聘珍樓グループ2社は5月21日に破産手続きを開始、負債総額は約32億3800万円という。(2024年3月末時点、聘珍樓約29億4900万円、香港聘珍樓ジャパン約2億8900万円)

日本最古の中華料理店「聘珍樓」

聘珍樓は1884年に現在の神奈川県横浜市で創業。創業店「聘珍樓横濱本店」は日本三大中華街「横浜中華街」の核を担う日本最古の中華料理店であり、CXフジテレビ系料理番組「料理の鉄人」出演で名声を高めた故・周富徳氏が総料理長を務めた過去もあったが、2022年5月15日に移転を理由に一時閉店、同年6月2日には横濱本店の運営法人(本社:横浜市中区)が破産手続きを開始していた。

横濱本店に次ぎ、グループ全店閉店

現在の聘珍樓(本社:横浜市港北区)は2016年4月に旧法人から事業承継するかたちで設立。2025年5月時点では横濱本店運営法人と別資本のもと、高級中華「日比谷聘珍樓」「吉祥寺聘珍樓 」「大阪聘珍樓」「小倉聘珍樓ANNEX」の4店舗を運営、ファストカジュアル中華「聘珍茶寮SARIO中華街店」「聘珍茶寮SARIOワールドポーターズ店」2店舗を運営していた。
また、2011年5月設立のグループ法人「香港聘珍樓ジャパン」(本社:横浜市港北区)を介しては全国の百貨店食品フロア(デパ地下)に中華惣菜店を展開、聘珍樓ブランドの食品卸なども行っていた。
都商研の取材によると同社グループの破産手続き開始もあり、別法人への事業承継や店舗の再開など一切未定との状況にあるとしている。

香港聘珍樓ジャパンの閉店案内。

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マークイズ葛飾かなまち、2025年夏1期開業ーイトーヨーカドー金町店、ヨークフーズとして再出店

東京都葛飾区の金町駅前にあった総合スーパー「イトーヨーカドー金町店」の跡地の再開発がおこなわれている「クロス金町」エリアに、三菱地所のショッピングセンター「マークイズ葛飾かなまち」が2025年夏に1期開業する。

クロス金町・マークイズ再開発イメージ。(三井不動産より)

日本初・自動車教習所併設の総合スーパーだった

イトーヨーカドー金町店は1973年7月に開店。店舗面積は8,983㎡で、テナントとして100円ショップ「ダイソー」、「アイン薬局」、「手芸ドリーム」などが出店する。このほか、一時はセブンアイグループの「セブンホームセンター」の売場が設けられていた。
また、店舗屋上には日本初の商業施設屋上教習所(現在も都内で唯一)となった金町自動車教習所が設けられていた。しかし、建物の老朽化もあり、再開発のため2022年9月に閉店していた。

イトーヨーカド金町店。


現在も営業する金町自動車教習所。
2025年8月に屋上に移転開業予定、7月15日〜31日まで休業。

タワマン+商業施設にーヨーク・上新など出店

マークイズ葛飾かなまち」が設けられるのはクロス金町エリア再開発「東金町一丁目西地区第一種市街地再開発事業」の1期開業部分。
再開発は三菱地所、三菱地所レジデンス、三井不動産レジデンシャルを中核企業としておこなわれており、総事業費は約700億円。イトーヨーカドー・自動車学校跡地に加えてその周辺地区や貨物線跡も敷地に含まれる。
地上40階・地下2階のタワーマンション棟(約860戸)を核に、下層階には商業施設を、中層階には自動車学校を開設する予定となっている。

再開発エリア。

2025年夏に開業する第1期部分は地上5階・地下2階の低層部分で、1階から3階は三菱地所グループの商業施設「マークイズ葛飾かなまち」となるほか、4階に金町自動車教習所と公共施設が設けられる。なお、自動車教習所は2025年8月に開業するとしている。
「マークイズ葛飾かなまち」の核店舗は、イトーヨーカドーを引き継ぐ食品スーパー「ヨークフーズマークイズ葛飾かなまち」。

イトーヨーカドー金町店がヨークフーズとして再出店する。

そのほか「ジョーシン(上新電機)」、「すみっコぐらしあそびスタジオ」、「ナムコ」などが出店。3階には大型のフードコートも設けられる見込みだ。
総テナント数は約50店舗となる。

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ダイエー曽根店、2025年7月31日閉店-54年の歴史に幕、跡地に市立図書館建設か?

大阪府豊中市の阪急宝塚本線曽根駅前にある総合スーパー「ダイエー曽根店」が、2025年7月31日に閉店する。

ダイエー曽根店。

築54年のダイエー、近年はレトロスポットとしても話題

ダイエー曽根店は1971年6月に「ダイエー曽根ショッパーズプラザ」として開店。建物は6階建てで、店舗面積は6,080㎡。テナントとしてメガネの愛眼キャン★ドゥが出店するほか、6階のレストラン街は1970年代の内装のままであり、近年はレトロスポットとして人気を集めていた。

ダイエー曽根店の飲食街。

しかし、築50年以上が経過して老朽化が進行したため耐震性不足となっていることが指摘されていた。

跡地に市立図書館かーダイエーは再出店も検討

ダイエー曽根店の閉店は店頭で発表されたもの。
ダイエー曽根店の跡地は再開発され、豊中市によって「(仮称)中央図書館」の建設が検討されている。
一方で、ダイエーは閉店告知に「建て替え」であると記載しているため、跡地には図書館とダイエーの複合施設が建設される可能性もあろう。

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クリスピー・クリーム・ドーナツ キャナルシティ博多店、2025年5月20日開店-日本最大級のドーナツ製造見学施設「ドーナツシアター」併設、九州での多店舗化に意欲

福岡県福岡市博多区の福岡地所/イオン系複合商業施設「キャナルシティ博多」に、大手ドーナツショップ「クリスピー・クリーム・ドーナツ キャナルシティ博多店」が2025年5月20日に開店した。

クリスピー・クリーム・ドーナツ キャナルシティ博多店。

日本最大級のドーナツシアター備えた旗艦店級店舗

クリスピー・クリーム・ドーナツ キャナルシティ博多店は、イオンモール完全子会社運営の商業施設「キャナルシティオーパ」サウスビル1階に入居するもので店舗面積は約110坪。
キャナルシティ博多店は、2025年4月24日開店の九州再進出1号店「クリスピー・クリーム・ドーナツ ONE FUKUOKA BLDG.店(ワンビル店)」に次ぎ九州2店舗目、店舗併設工場「ドーナツシアター」を備えた店舗は全国6店舗目であり、看板商品「オリジナル・グレーズド(オリグレ)」を含む幅広い商品の製造を担う国内最大規模の拠点という。

クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン若月貴子社長。
本物の焼き立て、製造工程のこだわりをアピール。

キャナルシティ博多店ではブラジル(2025年4月進出)に次ぎ世界2番目となる最新の環境デザイン(フォトスポットなど)を採用、ワンビル店でも好評を博した福岡限定グッズを含む各種物販(オリジナルマーチャンダイズ)を取扱う。
クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン(KKDJ)若月貴子代表取締役社長は、ドーナツの供給拠点となるキャナルシティ博多店開店を皮切りに、福岡都市圏で多店舗化をめざす方針を示しており、今後は首都圏・関西圏でみられる地域独自商品の展開や外販強化といった取組みも進みそうだ。
ドーナツ製造工場(ドーナツシアター)と物販(MD)スペース。

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キラキラドンキ高崎西口店、2025年5月30日開店-JR高崎駅前・オーパ内にドンキ出店

群馬県高崎市のJR高崎駅前にあるイオン系ファッションビル「高崎オーパ(OPA)」にパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)の小型ディスカウントストア「キラキラドンキ高崎西口店」が2025年5月30日に開店する。

高崎オーパ。

キラキラドンキ7号店、高崎オーパに

「キラキラドンキ高崎西口店」が出店するのは「高崎オーパ」の4階。店舗面積は約453㎡。キラキラドンキ業態としては全国7店舗目となる。

キラキラドンキ。

若者向けに「推し活」「映え」から「昆虫食」まで展開

キラキラドンキ高崎西口店の店内は「推し活」や「映え」をキーワードとし、「学校の購買部に、こんなものがあったらいいのに!」という声に応えて雑貨・コスメ・菓子など、好きに夢中になれるアイテムとコンテンツをそろえる。また、「推し活コーナー」では、推しキャラやぬいぐるみをデコれるグッズや、ライブ・イベントにぴったりの応援アイテムなどを展開する。
このほか、話題の「昆虫食自販機」を設置。さらに地元の名物「だるま」「高崎パスタ」と「ドンペン」がコラボした店舗限定のTシャツも販売するとしている。

キラキラドンキ高崎西口店

群馬県高崎市八島町46-1(高崎オーパ 4階)
営業時間:10時~20時

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トーアマート、2025年5月18日で歴史に幕-かつて500店を目指した「コロナの落とし子」、秋葉原店閉店で

ヘルスケア関連商品・日用雑貨等の卸売り業「東亜産業」(東京都千代田区外神田)が運営する半額ディスカウントストア「トーアマート」(TOAmart)の1号店であり、最後の1店舗「トーアマート秋葉原店」が、2025年5月18日に閉店。これを以てトーアマートは全店消滅することとなった。

卸売業者の半額専門店、1号店から約1年で100店以上出店

トーアマートは2021年11月に東亜産業の本社が近い昌平小学校近くに1号店「トーアマート秋葉原店」を出店。

TOAmart甲府店。

コンセプトは「24時間営業の半額以下専門店」で、2022年に入ると東亜産業のPCR検査場跡やコンビニ跡などを活用するかたちで全国各地に店舗を展開。卸売りの本業を活かすかたちで安売りを実施し、殆どの店舗で24時間営業を行っていた。
2023年1月時点では約200店舗を展開していたとみられ、東亜産業は「2023年中に500店舗まで店舗網を増やす」としていた。

コロナの落とし子・トーアマート、ついに全店閉店

2022年には全国展開を実現したトーアマートだったが、200店舗ほど展開していた2023年1月から2月にかけて100店舗以上が閉店。なかには開店したばかりの店舗も少なくなく、閉店には驚きの声もあがっていた。
その後も閉店が続き、2024年下半期には秋葉原、久留米の2店舗のみとなっていた。
もともと東亜産業のPCR検査場跡で生まれたコロナの落とし子・トーアマート。秋葉原店の閉店により僅か3年半の歴史に幕を下ろすこととなる。

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三井ショッピングパーク ららテラス川口、2025年5月31日開業-三井不動産がそごう跡をリニューアル、そごうやユニクロなど再出店も

埼玉県川口市のJR川口駅前にあった百貨店「川口そごう」跡に、三井不動産の大型ショッピングセンター「三井ショッピングパーク ららテラス川口」が2025年5月31日に開業する。

ららテラス川口。

川口駅前のそごう跡、4年ぶりに再活用

ららテラス川口が出店するのは「川口駅東口第3工区再開発ビル」の核店舗として1991年10月に開店し、2021年2月に閉店した百貨店「川口そごう」(→そごう川口店)の跡。
川口そごうについてはこちら

店舗面積は店舗面積は37,635㎡。2階はペデストリアンデッキで川口駅と接続される。なお、そごう・西武もの区分所有分は三井不動産に売却されている。

そごう川口店。

外壁には新たに埼玉県で最大となるLEDビジョンが設置されるほか、2階エントランスにあった川口そごうのシンボル「世界の人形時計」も改修して再活用される。さらに、テッポウユリの取っ手なども補修、館内の取り外された大理石も館内設備として再活用しているという。

ららテラス川口、約100店が出店-再出店テナントも

ららテラス川口に出店するのは94店舗(予定)。
ユニクロ」「ABC-MART」が再出店するほか、そごう時代に展開されていたオンワード樫山の百貨店アパレルを扱う「オンワードクローゼットセレクト」も出店する。
このほか、大型テナントとして「グローバルワーク」「GU」「パシオス」「ダイソー」「ノジマ」「ムラサキスポーツ」「GiGO」「西松屋」などが出店。
屋上にはビアガーデン「ワイルドビーチ」、シェアオフィス「ワークスタイリング」も設けられるほか、かつて川の流れるレストラン街があった9階などテナント未定のフロアもある。

地階にはそごう再出店、成城石井やフードコートも

地階は食品館「川口フードマーケット」として「カルディ」「崎陽軒」「淡路屋」「ニュークイック」など約30店が出店。
成城石井」が川口市初出店するほか、同じく川口市初出店となる鮮魚「魚の北辰」はイートインコーナーを併設する。
このほかフードコートも併設。「鶴丸うどん」「貢茶」「札幌みその」などが川口市で初出店する。

そごう・西武川口ショップ。

さらに、地階にはそごうが「そごう・西武 川口ショップ」として再出店。店舗面積は130㎡で、銘菓などのデパ地下グルメを中心に展開する。

ららテラス川口

埼玉県川口市栄町3丁目5番1号
営業時間:10時~21時(店舗による)

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ドン・キホーテ太秦天神川店、2025年5月21日開店-嵐電天神川駅前のパチンコ店跡に

京都府京都市右京区の右京区総合庁舎前・嵐電天神川電停前(地下鉄太秦天神川駅前)にパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)のディスカウントストア「ドン・キホーテ太秦天神川店」が2025年5月21日に開店する。

嵐電天神川駅から徒歩1分のドンキ

「ドン・キホーテ太秦天神川店」が出店するのは、嵐電天神川停留所の南側にあった「パチンコ・スロットシアター コード」の跡。ホームから横断歩道を渡ってすぐの場所であり、「駅直結ドンキ」的な存在だ。

ドン・キホーテ太秦天神川店。(ニュースリリースより)

売場は1階建て+立体駐車場・駐輪場(月極あり)、店舗面積は971㎡となる。

観光客・地元住民にも便利な店舗に

ドン・キホーテ太秦天神川店の店内は竹林や時代劇など右京区の観光スポットから連想した和の店内装飾を採用。
近隣には単身者世帯が多いため、少量サイズの食品などを強化する。
また、ご当地グッズとして東映太秦映画村のキャラクター「かちん太君」とドンペンがコラボしたTシャツを太秦天神川店限定で販売するとしている。

ドン・キホーテ太秦天神川店

京都府京都市右京区太秦下刑部町 17-2
営業時間:9時~25時

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まいばすけっと千葉センシティ店、2025年5月16日開店-旧セブン&アイHD系百貨店「そごう千葉店」核の複合商業施設に

千葉県千葉市中央区の千葉駅に直結する複合商業施設「セントシティ」に、イオングループの都市型食品スーパー「まいばすけっと千葉センシティ店」が2025年5月16日午前8時に開店する。

そごうを核に誕生した千葉駅前の代表的複合施設

センシティは1993年4月に「千葉新町地区第一種市街地再開発事業」を経て開業した複合商業施設で、建物は2棟地上23階地下2階建と1棟地上17階地下2階建、延床面積は518,390㎡。
本棟(センシティ)は旧セブン&アイHD系百貨店「そごう千葉店」、駐車場複合棟(パークプラザ)は家電量販店「ヨドバシカメラマルチメディア千葉」を核としており、オフィス棟(センシティビルディング)とともに千葉駅前の顔のひとつとなっている。

センシティと千葉都市モノレール千葉駅。

「そごう」「まいばす」初の同居に

まいばすけっと千葉センシティ店は、外資系金融機関「シティバンク銀行千葉支店」跡に開店するもので、同社としては2024年9月開店の千葉駅南店に次ぎ駅前4店舗目。
隣接するメガバンク「みずほ銀行千葉支店」やカフェ「スターバックスコーヒー千葉センシティタワー店」とともに、ビルに直接入居するかたちを採る。
旧セブン&アイHD系百貨店「そごう」入居施設内に、セブン&アイHD系コンビニ「セブンイレブン」が同居する例はあったが、イオン系都市型食品スーパー「まいばすけっと」との同居は初となる。

まいばすけっと千葉センシティ店

住所:千葉県千葉市中央区新町1000
営業時間:7時~24時

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