阪神梅田本店、2021年10月8日増床開店-「食の阪神」強化、食品館は2022年春に全面開業

大阪市北区梅田にある阪神百貨店の本店「阪神梅田本店」の建て替え第2期棟が2021年10月8日に開業し、2022年春までに各売場が順次開店・グランドオープンする。

阪神梅田本店。

「食」の阪神百貨店、7年に及ぶ建替工事が完成

阪神百貨店は1933年に阪神マートとして創業、1940年に現在地に移転。1951年にターミナル百貨店「阪神百貨店」として開店した。当初は地上2階建てであったが、1957年、1963年に大規模な増築工事を行い、地上8階建てとなった。

旧・阪神百貨店、大阪神ビル。

同店は西日本一のデパ地下とも称される地階食品売場を持つことで知られており、建て替え前は200を超える和・洋菓子、総菜、ベーカリーブランドの集積に加えてフードコート「スナックパーク」が人気を集めたが、老朽化のため2014年から建て替え工事を実施。2018年6月にはリニューアル1期開業を迎えていた。

新装・阪神、売場面積は53,000㎡に

新装・阪神梅田本店のストアコンセプトは「毎日が幸せになる百貨店 live in clover everyday」。
建て替え後の総売り場面積は約53,000㎡。そのうち、10月8日には約47,000㎡が営業を開始。2022年春までに8階の催事場、地下1階の食料品売場などが順次開業し、グランドオープンを迎える。
なお、10階以上は最高部高さ187メートルの高層オフィスとなる。

梅田阪神本店・フロア構成。

リニューアルに際して特に力が入れられたのが「食関連」の売場で、地下2階・地下1階・1階・9階の4フロアに展開。新たに地下2階を設けるなどしたことで建て替え前と比べて約38%も広くなり、全体の売上の6割を占める計画。
また、増床開業に合わせてショッピングバッグのリニューアルをおこなう。

新装するショッピングバッグ。

「食」を4フロアで展開-1階に「食祭テラス」

食関連売場のうち、1階「シンボルフロア」には主導線の真ん中に食のイベントスペース「食祭テラス」(330㎡)を設け、阪神百貨店を象徴する場として体験型のグルメ催事を開催する。この1階は「パンとおやつと、食祭テラス」と命名されており、ベーカリーやスイーツの売場も設けられる。

食祭テラス。

また、地下2階には「阪神バル横丁」が、9階にはレストラン街のほか、フードホール形式の「阪神大食堂」(1850㎡)が設けられる。
阪神バル横丁には約20店舗が、レストラン街には7店舗が、阪神大食堂には8店舗が出店する予定。

阪神バル横丁・バルゾーン。


地下1階・阪神食品館は2022年に全面開業予定。
「スナックパーク」が併設される。

このほか、7階には「無印良品」が復活。8階には「阪神タイガースショップ」も新装開店するほか、アート&カルチャーの売場が設けられ、クリエイターによるワークショップなどが開催される。

阪神タイガースショップ。

ネット・SNSでの情報発信を強化

館内には「コミュニティスタジオ」「サロン」「イベントスペース」を合わせて50か所展開する。

50タイプのスペースで情報発信をおこなう。

そのうち「イベントスペース」「サロン」では体験型のイベントを開催するほか「コミュニティスタジオ」はSNSを用いて双方向コミュニケーションできるスタジオとなる。
これらをネットでも発信することで、同社が推進するOMO(Online Merges with Offline=オンラインとオフラインの融合)に取り組んでいくとしており、店員によるSNS等を活用した情報発信も強化していく考えだ。

情報発信を通じてファンコミュニティの創造に挑む。

阪神は、こうした「グルメ」「体験型売場」「情報発信」などを通じてグループである阪急との差別化を図るとしており、全館開業後の2022年度の売上目標を730億円(2020年度は278億円)と設定する。

阪神梅田本店

住所:大阪市北区梅田1丁目13番13号
営業時間:10時~20時(飲食店などは異なる)

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