東京都港区の東京メトロ神谷町駅から六本木一丁目駅周辺の大規模再開発「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業」の中核となる「麻布台ヒルズ」が、2025年10月29日に全街区完成する。
これにより、同地の再開発事業は完了する。

麻布台ヒルズ。(B棟完成前)
旧・郵政省本庁舎などの跡地に生まれたヒルズ
もともと麻布台ヒルズの場所にあった日本郵政グループ飯倉ビルは1930年に逓信省貯金局として竣工。1943年に運輸逓信省逓信院本庁舎に、省庁再編で1946年に逓信省本庁舎に、そして1949年に郵政省本庁舎となった。また、1945年には東京大空襲で焼失した麻布郵便局も入居、郵政省本庁舎としては1969年まで使われた。
この地はもともと山形・米沢藩上杉家の中屋敷(のち逓信省庁舎用地)であり、その裏手にはかつて下級武士の組屋敷が並んでいた住宅街・我善坊谷があった。

再開発前のようす・旧・郵政省本庁舎。
この地域では1989年に「街づくり協議会」が設立されて再開発事業が始動したものの、バブル崩壊後の景気の後退により計画は進まなかった。
しかし、景気の底上げとともに本格的に検討されるようになり、2018年3月に日本郵政と森ビルにより虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発組合が設立。都市再生特別地区、国家戦略特区にも指定され、2019年春に再開発工事が本格着工、麻布郵便局と我善坊谷は解体された。
2023年11月より順次開業していた「日本一高いビル」
「麻布台ヒルズ」の開発コンセプトは「Modern Urban Village」(モダン・アーバン・ヴィレッジ)、総事業費は約6,400億円。
開発エリアは高さ日本一となる地上64階+塔屋2階・地下5階建て・330mの超高層オフィス・レジデンス棟「麻布台ヒルズ森JPタワー」を中核に、主に住宅となる2棟の「麻布台ヒルズレジデンスA/B棟」(タワーマンション、工事遅れにより2023年11月時点はA棟のみだった。A棟は地上54階・地下5階、高さ237.2m)、商業機能を主体とする緑に包まれた「ガーデンプラザ」、イベントなどが開催される約6,000㎡の「中央広場」などで構成される。
また、各棟は地下通路で東京メトロ日比谷線神谷町駅、東京メトロ南北線六本木一丁目駅と直結される。

麻布台ヒルズ・フロア構成。
そのうち、2023年11月には麻布台ヒルズ森JPタワーや中央広場、ガーデンプラザなどが先行開業。商業施設も順次開業していた。
メインタワー「麻布台ヒルズ森JPタワー」には明治屋などが出店する商業施設のほか、都内最大のインターナショナルスクール「ブリティッシュ・スクール・イン 東京」や予防医療施設「慶應義塾大学予防医療センター」などが入居。高層階に設けられるレジデンス(住宅)は、1部屋約300億円といわれている。
低層が主に商業施設となる「ガーデンプラザ」。
特徴的な外観の建物は英国のトーマス・ヘザウィック氏によるデザイン。
麻布台ヒルズ森JPタワーとガーデンプラザなどを合わせて麻布台ヒルズの商業施設の総店舗面積は約24,000㎡、約150店舗。
各種アパレルブランド・ラグジュアリィブランドのほか、「大垣書店」、「金子眼鏡店」、「集英社マンガアートヘリテージ」、「チームラボ」のオフィシャルショップ、「麻布台ヒルズ ギャラリー」なども入居している。

日本一高いビルとなる麻布台ヒルズ・メインタワー。
なお、再開発にともない麻布台ヒルズと隣接する西久保八幡神社も建て替えられており、境内とヒルズは連絡通路で接続されている。

西久保八幡神社。
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2025年10月に全街区完成、麻布台再開発ようやく完了
2025年10月には、工事が当初の予定より遅れていた「麻布台ヒルズ レジデンスB棟」がようやく完成した。
レジデンスB棟は三井住友建設が中心となって手掛けたもので、地上64階・地下5階、高さ262.82m。おもにマンション(約970戸、分譲以外含む)となるほか、賃貸サービスアパートメント、オフィス(68区画)なども入居する。なお、B棟はタワーマンションとしては日本一の高さとなっている。
また、あわせて東西をつなぐ地下道路、さらに六本木一丁目駅と神谷町駅を繋ぐ地下通路「セントラルウォーク」も完成。両駅間の乗り継ぎが便利となった。このセントラルウォークには備蓄倉庫を設置するなど、帰宅困難者などを収容する防災機能が備えられている。

麻布台ヒルズ・街区構成と周辺整備。
これらの完成により、「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業」は2025年10月29日を以てすべてが完成することとなった。
麻布台ヒルズ
東京都港区麻布台1丁目6−19ほか
(街区構成図などはニュースリリースより)

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イオンタウン高砂、2025年12月7日閉店-核店舗「マックスバリュ梅井店」は10月31日先行閉店、ロックタウンから20年の歴史に幕
兵庫県高砂市の山陽電鉄本線伊保駅近くにあるイオン系近隣商圏型商業施設「イオンタウン高砂」が賃貸借契約期間満了のため、2025年12月7日をもって閉店する。
2005年に「ロックタウン高砂」として開業
イオンタウン高砂は2005年12月にイオン/大和ハウス合弁会社「ロック開発」による近隣商圏型商業施設「ロックタウン高砂」として開業。2011年9月のイオンによる完全子会社化と運営会社名変更にあわせて現在の施設名称となった。建物は平屋建で店舗面積は9,471㎡。
イオンタウン高砂は、1998年6月に開業したアスパ高砂(イオン高砂店)に次ぐ高砂市内有数の店舗面積を誇るを大型店であり、イオン系大型食品スーパー「マックスバリュ梅井店」(旧マックスバリュ西日本/現フジ運営)とDCM系ホームセンター「DCM高砂店(旧ダイキ高砂店)」を核に、100円ショップ「ダイソー」や関西地場ユーズドインテリア雑貨「Guide-Maker」、パチンコ店「丸三」、その他サービス系専門店など7店舗が入居していた。

イオンタウン高砂の食品核「マックスバリュ梅井店」。
テナント撤退相次いでいたイオンタウン、20年の歴史に幕
イオンタウン高砂では賃貸借契約満了にともなう閉店発表に先駆け、2025年7月27日にDCMが、8月31日には丸三が、9月13日にはGuide-Makerが撤退するなど商業区画の空床が顕著となっていた。同施設の食品核を担うマックスバリュも10月31日をもって撤退する予定であり、12月7日をもってロックタウンから20年の歴史に幕をおろすこととなる。

イオンタウン高砂の専門店街。
(写真は同社公式より)
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ユニーピアゴラフーズコア半田清城店、2025年10月31日閉店-年始の営業時間前火災で長期休業、営業再開断念
2025年1月に火災で被災していた愛知県半田市のパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)系食品スーパー「ピアゴラフーズコア半田清城店(はんだせいしろ店)」が、2025年10月31日に閉店する。
半田市を代表する高級食品スーパーだった
ピアゴラフーズコア半田清城店は、2006年2月にユニーの高級食品スーパー業態「ラフーズコア半田清城店」として開店。建物は鉄骨造平屋建2棟で敷地面積は6,752㎡、店舗面積は1,624㎡、直営売場面積は1,033㎡、延床面積は2,226㎡。同業態としては7店舗目だった。
ラフーズコア半田清城店は、2009年2月のグループ店舗ブランド再編にあわせてグループ共通食品スーパーブランド「ピアゴ」を冠する現店名に改称したが、高価格帯の厳選商品を引続き展開するなど、名鉄河和線知多半田駅前の自社系総合スーパー「ピアゴ半田店」や近隣同業他社系店舗「アオキスーパー清城店」「アミカ半田店」との差別化を図っていた。
2025年1月の火災で長期休業、営業再開実現せず
ピアゴラフーズコア半田清城店の閉店は、2025年1月12日の営業時間前に発生した火災を背景としたもの。
同社は当初「火災の影響により、当面の間、営業を休止」する方針を明らかにしていたが、同様の火災にともなう半年近い休業期間を経て新装開店を果たした「ピアゴ各務原店」「MEGAドン・キホーテUNY吉良店」と異なり、被災店舗での営業再開に向けた動きがみられなかった。

ピアゴラフーズコア半田清城店(同社公式より)。
ピアゴラフーズコア半田清城店の跡地活用方針に関して、2025年10月現時点では発表されていない。なお、別棟のドラッグストア「スギドラッグ清城店」はユニー撤退後も営業継続する。
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ヤオコー岩槻本丸店、2025年10月29日開店-「ダイエーDマート」「マミーマート」跡地に商業施設復活
埼玉県さいたま市岩槻区の国道2号線沿いにあった旧ダイエーDマート岩槻店/マミーマート岩槻店跡地に、ブルーゾーンHD系大型食品スーパー「ヤオコー岩槻本丸店」が2025年10月29日午前9時に開店する。
欧米の消費文化を意識したダイエーDマート岩槻店
ダイエーDマート岩槻店は、1994年4月にダイエー系ディスカウント総合スーパーとして開店。建物は地上2階地下1階建で店舗面積は6,954㎡。
Dマート岩槻店は欧米の消費文化を意識した低価格業態の店舗として、フルラインの直営衣食住フロアに加え、アメリカンスタイルの直営フードコートやオートスロープを導入するなど近隣競合店との差別化を図ったが、2002年5月にグループの経営悪化を背景としてわずか8年で閉店し解体となった。
マミーマートの近隣商圏型商業施設となるも20年で閉店
ダイエーDマート岩槻店跡地には、2003年12月に埼玉地場大手系食品スーパー「マミーマート岩槻店」が開店。建物は地上2階建で店舗面積は5248㎡。
マミーマート直営食品フロア(2,291㎡)を核に、ドラッグストア「マツモトキヨシ」や総合ファッションストア「パシオス」、100円ショップ「Seria」といった専門店が入居する近隣商圏型ショッピングセンターに近い店舗形態であったが、2023年12月に契約期間満了のため閉店。Dマート同様に跡地は解体となった。
ヤオコー核の新施設として再び商業施設復活
ヤオコー岩槻本丸店の建物は地上2階建で敷地面積は約18,618㎡、直営売場面積は約2,518㎡、延床面積は約7,830㎡。

ヤオコー岩槻本丸店。
ヤオコー岩槻本丸店はストアコンセプトに「すべてのお客さまに【美味しさ】で感動を~ヤングファミリー層獲得に向けて各部の専門性を高めヤオコーのファンを増やそう!~ 」を掲げ、青果では木熟トマトシリーズや地産トマトを拡充するなど「地域一番のトマト売場」を実現、精肉では黒毛和牛・ミートデリカを展開、鮮魚では対面販売による商品提案に加えて豊洲市場を活用した圧倒的鮮度の生まぐろ・旬の近海魚を提供する。また、デリカにおいても寿司売場との連動や出来立て惣菜の対面販売、国産小麦使用・店内手伸ばし製造によるピザをはじめとするベーカリーを展開する。
施設内ではドラッグストア「スギ薬局」に加え、マミーマート時代の有力専門店であったパシオスとSeria、医療関連テナントも順次開店する予定であり、岩槻城のお膝元に再び利便性の高い商業施設が復活することとなった。
ヤオコー岩槻本丸店
住所:埼玉県さいたま市岩槻区本丸3丁目20番45号
営業時間:午前9時~午後9時30分

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エレナ早岐店、2025年10月31日閉店-早岐駅新駅舎整備でうまれたJR九州社有地の商業核、わずか9年で
長崎県佐世保市のJR九州佐世保線/大村線早岐駅前にある地場大手系食品スーパー「エレナ早岐店」が2025年10月31日をもって閉店する。
早岐駅再整備でうまれた大型食品スーパー
エレナ早岐店は2014年3月の車両基地「JR九州長崎支社佐世保車両センター」整備及び同年10月の早岐駅新駅舎/東西連絡通路整備にあわせてうまれた社有地(旧駅舎関連施設跡地)を再開発するかたちで2016年4月15日に開店。建物は鉄骨造2階建で敷地面積は2,996㎡、延床面積は1,869㎡。
エレナ早岐店は佐世保線と大村線を結ぶ交通の要衝である早岐駅前の商業核として開店以来、近隣住民や通学客を中心に賑わいをみせていたが、旧来からの同業食品スーパー(マルキョウ/まるたか生鮮市場)に加え、2016年11月には隣接地にドラッグストアコスモス早苗店(生鮮非取扱い)が開店、2020年7月にはまるたか生鮮市場早岐店が旧ダイエーの老朽店舗より建替リニューアルを実施するなど競争激化が顕著となっていた。
エレナ早岐店の閉店は2025年9月4日に発表したもので、現時点で跡地活用の方針などは未定となっている。

エレナ早岐店。
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アスモ大和郡山、2025年10月31日閉店-西友跡「松源」核の複合商業施設、新駅再開発と運営会社撤退で
奈良県大和郡山市の近鉄橿原線近鉄郡山駅にある複合商業施設「アスモ郡山」が2025年10月31日をもって閉店する。
大和郡山のシンボルだった「SEIYU」
西友大和郡山店は1980年11月に開店。建物は地上5階地下1階建で店舗面積は8,024㎡。
西友大和郡山店は近鉄郡山駅前再開発の中核施設として、西武セゾングループが有する百貨店の運営ノウハウを活かし、レストラン街や文化施設を備えた店舗を展開した。一方、同店は運営会社のウォルマート傘下入りにともなう事業再編やイオンモール大和郡山という競合施設の存在もあり、2015年4月30日をもって閉店。
西友大和郡山店閉店後、大阪市天王寺区に本社を置く不動産会社「日本アシスト」が西友から土地建物取得及び大店法承継届出を行い、2015年11月25日に同社asmo事業1号店「アスモ大和郡山」が開業した。

西友大和郡山店。
2000年代まで景観配慮型の黒色の塔屋を採用していた。
日本アシスト「asmo」1号店
アスモ大和郡山の営業フロアは地上3階~地下1階、店舗面積は西友時代から引続き8,024㎡。
和歌山地場大手系食品スーパー「マツゲン大和郡山店」(奈良県内1号店)を核に、関西地場大手系ドラッグストア「キリン堂」や西日本地場大手衣料スーパー「パレット」、100円ショップ「ダイソー」など専門店15店舗ほどが入居、三井住友FG系金融機関「三井住友銀行大和郡山支店」が引続きサービス系店舗として入居したもの、西友時代と異なり高層階(4~5階)は未活用となった。

asmo大和郡山。
日本アシスト、近鉄郡山駅周辺整備事業から撤退
アスモ大和郡山をめぐっては、2023年2月に奈良県・大和郡山市・近鉄の3者間で「近鉄郡山駅移設に関する基本協定」を、同年10月に大和郡山市と日本アシストの2者間で「近鉄郡山駅周辺整備事業に係る基本協定」を締結したことで、2028年度までにアスモ大和郡山の土地建物を大和郡山市が取得し「店舗付公共駐車場」を建替再整備、日本アシストがテナント事業を継続する官民協働の手法を用いた商業核維持の方針が決まっていた。
一方、2025年初頭に日本アシストが建築資材高騰などを背景として近鉄郡山駅周辺整備事業より撤退する方針を発表、2025年10月をもって現行施設に関しても全館閉館することとなった。
大和郡山市は日本アシスト事業撤退後も現行施設を取得し店舗付公共駐車場を建替再整備するとしているが、商業施設運営会社が不在となることで計画は暗礁に乗り上げることとなった。
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マックスバリュとよみ衣料館、2025年9月開店-イオン琉球「とよみ母店」事実上の総合スーパーに
沖縄県豊見城市のイオン琉球系近隣商圏型商業施設「イオンタウンとよみ」に同社直営衣料スーパー「マックスバリュとよみ衣料館」が2025年9月27日に開店した。
イオン琉球前身「プリマート」最大の店舗だった
イオンタウンとよみは1996年3月にイオン系沖縄地域子会社「プリマート」のパワーセンター型商業施設「パワーズとよみ」として開業。建物は平屋建で敷地面積は21,924㎡、商業施設面積は12,265㎡。
開業当初は直営食品スーパー「プリマート豊見城店」と地場大手系ホームセンター「さくもと」を核とする同社最大の店舗面積を誇る旗艦店であった。1999年8月のイオン系沖縄地域子会社再編にあわせた琉球ジャスコ(現イオン琉球)発足にともない現施設名に改称した。
イオンタウンとよみは、2016年3月9日に有機食品/県内食材/銘店拡充やイートイン導入といった直営食品フロア先行刷新を、同年4月28日に県内初の専門店導入をはじめとする全面刷新を実施。「地域イチバンを目指し、より“便利で快適”な店舗へリニューアル」を図った。2025年8月11日には大手系衣料スーパー「サンキマルエーとよみ店」が契約満了を理由に閉店しており、イオン琉球による後継衣料フロアの整備に注目が集まっていた。

イオンタウンとよみ/マックスバリュとよみ店(同社公式より)。
イオン琉球の「とよみ母店」総合スーパーに
イオン琉球は2025年2月28日に旧プリマートの旗艦店「イオンタウン一日橋」を建替えにともない閉店して以降、同じく旧プリマートの旗艦店だった「イオンタウンとよみ」に従来のセントラルキッチン「イオン琉球一日橋デリカセンター」に代わる同社商品製造供給拠点「イオン琉球とよみ母店」を新設するなど、文字通りの“母店”としての役割を担うようになった。
また、イオン琉球による同社初となる衣料館開店により、マックスバリュとよみ店は事実上総合スーパー業態となった。
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エレナ島原店、2025年10月10日リニューアル開業-内外装を刷新、総菜売場を拡充
リニューアルにより休業していた長崎県島原市の地場大手系食品スーパー「エレナ島原店」が、リニューアル工事が完了し、10月10日に営業再開した。
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島原半島初のエレナ、多店舗化の足がかりだった
エレナ島原店は1997年3月に同社島原半島1号店として開店。建物は平屋建3棟で店舗面積は2,749㎡。

エレナ島原店(同社公式インスタグラムより)。
開店当初は直営食品スーパー1棟体制であったが、1999年6月に100円ショップ「ダイソー島原店」棟を、2000年7月には複合書店「TSUTAYA島原店」棟を同社FCとして隣接地に展開するなど、ショッピングセンター化した。
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その後、同社は2002年7月に国見店(南高来郡国見町/現雲仙市)、同年11月に一番街店(島原市/旧島原寿屋百貨店)、2008年11月に島原栄町店(島原市)を開店しており、エレナ島原店は島原半島で店舗網拡大を進める足がかりといえる店舗だった。
TSUTAYAは「島原初スタバ」出店、複合書店機能を強化
エレナ島原店では、2024年8月から2025年1月までTSUTAYA棟をBOOK&CAFE「TSUTAYA BOOKSTORE島原店」(引続きエレナFC店舗)として全面刷新する大規模改修工事を実施した。
TSUTAYA BOOK STORE 島原店。
カルチュアエクスペリエンス加盟によりエレナがFC展開する。
ツタヤの書籍売場(約7万冊)拡大やシアトルスタイルカフェ「STARBUCKS(スターバックスコーヒー)」、カプセルトイ専門売場導入を打ち出すなど「島原半島で唯一の書店」「地域交流を創出する書店」としての機能強化を図ることで店舗の活性化が図られていた。
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1か月弱にわたるリニューアル、内外装とも刷新
エレナ島原店は、ツタヤ棟などの増築に続いて本館をリニューアルするために2025年9月18日から10月9日までの1ヶ月弱ほど休業。
10月26日にも間に合うリニューアルオープンとなった。
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エレナ島原店は、今回のリニューアルにより内外装を刷新。
広告塔屋の看板も「エレナ島原店」から「ellena」に変更された。
売場ではとくに総菜を拡充しており、フルーツサラダ、パワーサラダなどといった新商品が登場。さらに、新たに中華総菜コーナー「香味楼」も設けられた。
なお、テナントのダイソー、スターバックス、ツタヤなどは以前と変わらず出店を続けている。

エレナ島原店・リニューアル後の売場。(同社公式インスタグラムより)。
また、同社公式インスタグラムによると、店舗の改装に合わせて店長の髪型も変わったとしている。

エレナ島原店・リニューアル後の売場。(同社公式インスタグラムより)。
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マックスバリュ壺川店、2025年10月31日閉店-那覇市中心部初「ザ・ビッグ」に11月15日業態転換
沖縄県那覇市の沖縄都市モノレール(ゆいレール)壺川駅前にあるイオン琉球系大型食品スーパー「マックスバリュ壺川店」が2025年10月31日をもって閉店する。
イオン琉球「都市型スーパー」足がかりとなる店舗だった
マックスバリュ壺川店は2012年6月に開店。建物は平屋建で店舗面積は1,160㎡。
マックスバリュ壺川店は那覇市中心部至近という立地特性を活かし「いいもの、いつでも、いつも近くに」「毎日うれしい、ちょうどいい、都市型スーパーマーケット」を掲げ、生鮮4品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)を中心とした直営食品主体/標準フォーマットといえる売場を構築。2014年12月開店の若狭店や2016年5月開店の松山店に連なる都市型店舗展開の足がかりとした。

マックスバリュ壺川店。
那覇市中心部初の「ザ・ビッグ」に
マックスバリュ壺川店周辺では、地場流通大手系食品スーパー「タウンプラザかねひで壺川店」「サンエーV21じょうがく食品館」といった以前からの同業に加え、2019年8月に百貨店系食品スーパー「りうぼう泉崎店」がファミリーマートとの複合業態として新装開店、2020年3月にはPPIH系ディスカウントストア「ドン・キホーテ那覇壺川店」が開店するなど、業態間の競争が激化していた。
イオン琉球はディスカウント食品スーパー「ザ・ビッグ」を県内9店舗展開するが、9店舗中7店舗が小型店「ザ・ビッグエクスプレス」であり、那覇中心部にフルラインのビッグは存在しなかった。マックスバリュを業態転換することで、自社運営店舗を含む近隣競合との差別化を図る狙いがあるとみられる。

那覇市と豊見城市の境界付近にあるエクスプレス小禄店。
従来、那覇市中心部から最も近いビッグだった。
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平和堂レイクウェル堅田、2025年10月31日より順次開業-カインズと共同出店、フレンドマート今堅田店を核に無印良品・スタバも
滋賀県大津市のJR湖西線堅田駅近くにあるH2Oリテイリング(阪急阪神百貨店)系大型総合スーパー「スーパーセンターイズミヤ堅田店」跡地に、平和堂系大型食品スーパー「フレンドマート今堅田店」を核とする複合商業施設「レイクウェル堅田」が2025年10月31日午前9時より順次開業する。
びわ湖タワーのイズミヤ大型店跡地
スーパーセンターイズミヤ堅田店(SuCイズミヤ堅田店)は、2005年12月に遊園地「びわ湖タワー」跡地を活用し開店。建物は地上2階建で営業フロアは1階、敷地面積は27,069㎡、店舗面積は14,863㎡、延床面積は39.538㎡。
同社滋賀県初の店舗として「Every Day LOW Price~まいにちやすい~」「みんなの「欲しい!」がいっぱいある。」を掲げ、開店当初は食料品から衣料品、住居関連品を集中レジ方式でフルライン展開するなど欧米型スーパーセンター業態の確立をめざした。
一方、2008年11月に滋賀県地盤の総合スーパー「平和堂アルプラザ堅田」がショッピングセンターとして建替え、2014年12月には琵琶湖(琵琶湖大橋有料道路)を挟み対岸にある複合商業施設「ピエリ守山」が“明るい廃墟”から全面リニューアルを実施。イズミヤも段階的なリニューアルによる再活性化を図ったが、2023年1月9日をもって閉店し店舗跡は解体となった。
平和堂の新商業施設「レイクウェル」、隣接地にカインズ
レイクウェル堅田は「カインズ」「平和堂」により「(仮称)滋賀県大津市今堅田新築計画」(全館店舗面積10,831㎡)として整備が進められてきた施設で、敷地面積は約12,466㎡、店舗面積は約5,621㎡、営業面積は約4,185㎡、直営面積は約1,954㎡。
レイクウェル堅田のロゴマーク。
施設名称は「心も体も健康で満たされたライフスタイルを送っていただきたいとの思い」を込めた造語「Lake+Well」で、専門店として良品計画系ライフスタイルストア「無印良品堅田」(11月21日開店)とスペシャリティコーヒーストア「STARBUCKS」、滋賀銀行ATMが入居する。また、2025年11月12日にはベイシア系ホームセンター「カインズ堅田店」が隣接地に開店する(詳細はカインズ堅田店開店記事参照)。
レイクウェル堅田。
平和堂は地場商品強化、大容量商品を常設コーナー化
平和堂フレンドマート今堅田店は、湖西エリア16年ぶり、大津市内では2020年11月の「平和堂石山」以来5年ぶりとなる新店舗となる。
「鮮度へのこだわり」「即食・簡便を中心に地域の多世代ニーズへ対応」を特徴のひとつとして挙げ、青果では滋賀県内栽培の地場農産物コーナーや生花(ハナミライコーナー)、精肉では豚肉・鶏肉などの常設ジャンボパックコーナー、鮮魚では姿魚・切身・刺身に加えて西京漬けや地域で親しまれる湖魚佃煮を展開する。調理する様子を目の前で楽しめるライブキッチンで「鉄板亭」「だし巻亭」を展開、時間帯に応じた調理やインストアベーカリーを前面に打ち出す。
このほか、普段使いや観光・行楽需要に応える地域商品として、高島市に本店を構える和菓子屋「とも栄」や湖西エリアで馴染み深いかしわ店「橋本かしわ」、琵琶湖をかたどった「びわこフィナンシェ」、琵琶湖周辺でのBBQユーザーに向けた食材・BBQ関連商品(虫よけ・UVアイテム)を取扱うとしている。
平和堂レイクウェル堅田
住所:滋賀県大津市今堅田三丁目11番3 号
営業時間:午前9時~午後9時
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