北海道札幌市中央区の札幌駅に地下通路を介して直結する複合施設「住友生命札幌ビル」の核店舗「センチュリーロイヤルホテル」が2024年5月31日の朝食・チェックアウトをもって閉館する。
道内唯一の回転展望レストラン備える名門ホテル
センチュリーロイヤルホテルは、1973年5月に住友生命札幌ビルの核店舗「札幌センチュリーローヤルホテル」として開業。建物は地上23階地下3階建で高さ78m、客室数は300室。
開業当初は札幌駅周辺に同様の高層ビルは少なく、シンボリックな「回転展望レストラン」(2024年5月現在は道内唯一)や大規模宴会場を備える高級シティホテルとしての地位を確立した。
札幌センチュリーロイヤルホテル。
一方、1962年11月設立の運営会社「札幌国際観光」は道外資本の相次ぐ進出を受け、2007年8月に民事再生法手続を開始、同年11月にはゴルフ場経営「恵庭開発」子会社、2010年8月には釧路地場クリーニング「マルセンクリーニング」子会社となるなど、厳しい経営状態に置かれた。
老朽化で解体、全館閉館後の跡地活用は未発表
センチュリーロイヤルホテルの閉館は、施設の老朽化と住友生命札幌ビルとの賃貸借契約満了によるもの。
札幌国際観光はセンチュリーロイヤルホテルを「フラッグシップホテル」と位置づけているが、2024年5月時点において同館の後継施設や住友生命札幌ビルの再開発計画に関しては未定となっている。
ホテル低層階にはファミマやアイカフェ、飲食店街もあった。
ホテル閉館に先駆け、インターネットカフェ「アイ・カフェ」を始めとする低層商業フロアの飲食・サービス系店舗が順次閉店しており、全館閉館後は解体となる見込み。
51周年の歴史を締めくくる記念イベントも
センチュリーロイヤルホテルでは閉館を迎えるにあたり、2024年2月より「グランドフィナーレ企画」として、カウントダウンボードや51thヒストリーパネルを展示。
これらの企画に加え、4月17日より回転展望レストラン「ロンド」名物商品のレトルト食品を同館と道内大手ドラッグストア「サツドラ」(一部店舗)で販売開始、5月17日より地元私立大学「札幌国際大学」(2016年包括連携協定締結)にウェディングドレス4着を寄贈するなど、同館の歴史を次世代につなぐ取組みを打ち出している。
札幌国際観光のホテルは函館・釧路・利尻島の3館に
札幌国際観光の運営ホテルはセンチュリーロイヤルホテル閉館により、1987年12月開業の「釧路センチュリーキャッスルホテル」(毛綱穀曠設計)、2015年5月取得・再開業の「アイランド イン リシリ」、2019年5月開業の「センチュリーマリーナ函館」の3館のみとなる。
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