カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

イトーヨーカドー犬山店、2017年2月閉店-犬山駅前・キャスタの核店舗

愛知県犬山市のショッピングセンター「犬山キャスタ」の核店舗である 「イトーヨーカドー犬山店」が2017年2月に閉店する。
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イトーヨーカドー犬山店が出店するキャスタ。

犬山市中心部を代表する大型総合スーパー

「イトーヨーカドー犬山店」は1988年6月に開店。犬山しろひがし商業協同組合が運営するショッピングセンター「犬山キャスタ」(正式名:犬山しろひがしスクエア)への出店だった。犬山キャスタは犬山市内最大の商業施設で、清水屋犬山店とともに犬山市中心部の核となる商業施設として営業していた。
犬山キャスタは名鉄犬山駅東口に立地。地上3階地下1階建、売場面積は12,472㎡で、そのうちヨーカドーは2階から地階までの6,000㎡を占める。そのほかのテナントとしては、くまざわ書店グループの「いけだ書店」、100円ショップ「ミーツ」、レディスファッション「Honeys」、輸入食品店「KALDI COFFEE FARM」など60の専門店が出店している。
イトーヨーカドー犬山店は、赤字が続いているとして、数年以内の撤退方針が発表されていた。
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名鉄犬山駅前に出店する。

後継店は未定-近くの清水屋も老朽化、今後どうなる

イトーヨーカドー犬山店の建物は、犬山しろひがし商業協同組合が所有しており、今後は後継店舗の選定が行われると考えられる。
一方で、競合する近くの総合スーパー「清水屋犬山店」は1973年築で老朽化が非常に進んでおり、そちらの去就も注目されている。

追記:店舗跡にはヨシヅヤが出店

追記:イトーヨーカドーの跡には総合スーパー「ヨシヅヤ」(本社:津島市)が核店舗として出店することで調整中だという。

外部リンク:犬山キャスタ 毎日、ワクワクできたらいいね!  INUYAMA CASTA
外部リンク:イトーヨーカドー犬山店
関連記事:イトーヨーカドー、1号店の千住店など閉店へ-来春までに20店舗
関連記事:イトーヨーカドー豊橋店、2017年2月閉店-ホリデイ・スクエアの核店舗

コミックスジュンク堂難波店、2016年9月25日閉店-ミナミのジュンク堂、1館のみに

大阪市浪速区のOCATビル5階に出店するジュンク堂書店(淳久堂書店)運営の大型漫画専門書店「COMICS JUNKUDO難波店」が9月25日に閉店した。
これにより、かつて3店舗あった難波地区のジュンク堂書店はマルイト難波ビル3階の「ジュンク堂書店難波店」に集約される。
COMICS JUNKUDO 難波店。

大阪最大の漫画専門店だった

ジュンク堂書店難波店は2009年に「マルイト難波ビル」の核テナントとして3階・地下1階に開店。開店当初の売場面積は約4,000㎡。現在の売場面積は3,300㎡。
マルイト難波ビルにはそのほかスーパーマーケット「ライフ」、ホームセンター「DMCダイキ」などが出店している。全館の売場面積は13,473㎡。

ミナミ最大の書店・ジュンク堂書店難波店。

マルイト難波ビルの3階は一般書籍を取扱う「ジュンク堂」、地下1階は漫画特化型の「COMICS JUNKUDO」として、フロア毎に書籍ジャンルの棲み分けを図っていた。
しかし、2012年3月25日にCOMICS JUNKIDOと同じく地下1階に出店していたスーパー「ライフなんば店」の増床に伴い一時閉店。4月15日に隣接するOCATビル5階の近鉄BOOK RANKING跡に移転した。
20万冊の在庫を持つ漫画専門書店だったものの、二つのビルはJR難波駅を挟んで地下1階部分でしか接続していないことから、一般書籍を取り扱うジュンク堂書店難波店との回遊性の悪さが指摘されていた。

千日前店も3月閉店、3店舗を「難波店」に集約化

ジュンク堂書店は、2016年3月21日に大阪1号店であったジュンク堂書店千日前店(旧・難波店、売場面積:約3,000㎡)を閉鎖したほか、3月18日にはジュンク堂難波店に漫画関連売場を新設する大規模改装を実施したことで、商品構成が重複するCOMIC JUNKUDO難波店でも閉鎖が取りざたされていた。

3月に閉店した千日前店。現在はドン・キホーテが出店。

COMICS JUNKUDOの閉鎖に伴い、難波地区のジュンク堂書店はマルイト難波ビル3階の「ジュンク堂書店難波店」に全面集約されることとなる。

外部リンク:honto店舗情報 – 難波店:ジュンク堂 – 店舗詳細
外部リンク:honto店舗情報 – COMICS JUNKUDO 難波店:ジュンク堂 – 店舗詳細
関連記事:ドン・キホーテなんば千日前店、7月27日開店
関連記事:ジュンク堂書店千日前店(旧難波店)、3月21日閉店

エディオン道頓堀店、2016年9月24日開店-「免税専門」インバウンド獲得に注力

大阪府大阪市の道頓堀にエディオンの免税専門店「エディオン道頓堀店」が9月24日に開店した。
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爱电王(愛電王)道頓堀店。

繁華街・道頓堀でインバウンド需要獲得へ

エディオン道頓堀店は道頓堀・相合橋筋商店街の入口に位置する複合テナントビル「道頓堀ベニスビル1」の2階部分に出店する。売場面積は431㎡。
大阪を代表する繁華街・道頓堀に出店、さらに1階にはドラッグストアが入居するビルへの出店で、夜22時半まで長時間営業することにより訪日外国人観光客も多い同地でのインバウンド需要獲得を狙う。

外国人に人気の「ガンダムコーナー」なども

エディオンは近年インバウンド客の獲得に力をいれており、新たに「愛電王」という中国語の屋号も掲げている。
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外国人客で賑わうエディオン秋葉原店(旧石丸電気)。

エディオン道頓堀店は、エディオンの免税専門店としては3月14日にオープンした「エディオンユニバーサルシティウォーク大阪店」に次ぐ2店舗目。
エディオンの免税専門店では、訪日外国人に人気のドライヤーや美顔器をはじめ、ヘッドホンや高級腕時計、各種家電製品の海外仕様商品(ツーリストモデル)など豊富に取り揃え、本業である家電量販店としての強みを生かしたラインナップを展開している。
また、海外でも人気のアニメ「機動戦士ガンダム」などのプラモデルコーナーも設けるなどサブカルチャー需要にも対応する。

中国人客獲得目指して「微信」も活用

エディオンでは、訪日外国人観光客の中でもとりわけ多くの来店が見込まれる中国人観光客に対しては中国の人気SNSを活用したサービスを展開を開始している。
今年の7月からサービスを開始した中国最大の利用者数を誇るSNS「WeChat(中国名:微信)」のシェイク機能を活用し、オープン期間中「エディオン道頓堀店」の前でシェイクするとお得なクーポンが配信される。

エディオン道頓堀店

大阪市中央区道頓堀一丁目4番27号 道頓堀ベニスビル1
営業時間:10:30~22:30

外部リンク:「エディオン道頓堀店」グランドオープンのお知らせ
関連記事:ドン・キホーテなんば千日前店、7月27日開店

店舗撤退で公共化進む山形・七日町、AZも公共化検討へ-再開発に期待かける七日町(2)

前回の記事はこちら:山形セブンプラザ、再開発で解体へ-再開発に期待かける山形市七日町(1)

山形市最大の繁華街である七日町商店街の複合商業施設「AZ七日町」の商業フロアの大部分が、公共施設化の検討に入った。
七日町商店街では、すでに複合商業施設「ナナビーンズ」も商業フロアを公共施設やオフィスに転用しており、地盤沈下が深刻な状況となっている。
P1050043藤崎のサテライト店が1階に入居するアズ七日町。

山形市七日町は、JR山形駅から北西に1kmほどの距離にある山形県最大の繁華街である。
七日町には、前回の記事で再開発を報じた「セブンプラザ」に加え、山形県最大の百貨店である「大沼本店」や、複合商業施設「アズ七日町」、「ナナビーンズ」、「イイナス」などといった大型店が点在しているが、近年は深刻な地盤沈下に陥っており、商業施設の公共化転用が起きている。
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閉館予定のセブンプラザ。

店舗撤退で公共施設化が進む七日町、AZも公共施設化か

AZ七日町」は山形市と地元地権者が共同で整備した複合商業施設として1987年に開業。正式名称は「七日町再開発ビル」。
売場面積は3,685㎡で、1~3階はショッピングフロア、4~8階は山形市中央公民館となっている。
P1050040宮脇書店が撤退し1階以外の完全公共化も議論されている。

現在、AZ七日町の1階には藤崎百貨店(仙台市)のサテライト店舗や無印良品といった専門店が入居。しかし、2015年11月に2階と3階の大部分を占めていた宮脇書店が撤退すると、ショッピングフロアは深刻な空洞化に陥った。
1987年の開業当初は32店舗あった専門店も6店舗にまで減少しており、新規テナントが入居する見込みも立っていない。このため、2016年1月、アズを管理する株式会社七日町再開発ビルは山形市に対し、1階以外のショッピングフロアに公共テナントの入居を申し入れるなど、商業施設としての存在価値が危ぶまれている。P1050074山形松坂屋跡に開業したナナビーンズ。

一方で、ナナビーンズは閉店した山形松坂屋跡に2002年に開業。8階建てで、店舗面積は4,464㎡。
ビルの運営は民間業者だが、商業テナントや飲食店、ホテル、公共テナントを複合する商業施設であった。
2015年には「建物を2分割する」という日本初の工法での耐震化を実施した。
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切断されたナナビーンズ(ストリートビューより)。

しかし、かつては1~3階を占めていたショッピングフロアは、現在は1階のみの営業となっているうえに、1階にはかつて食品売場が入居していたものの、2010年に撤退して以後は小規模な雑貨店が入居するにとどまるなど、商業施設としての面影はほとんどなくなっている。P1050089ナナビーンズのショッピングフロアは1階のみに。

中心部の道路拡幅で逆に不便に…?

七日町では、大型店のショッピングフロアが空洞化し、公共テナントの入居に頼らざるを得なくなっている状態である。
さらに、七日町の顔ともいうべき山形県最大の百貨店である「大沼」(1700年創業)も、老朽化が進んでいるうえに、売場面積が僅か11,952㎡と、県都の百貨店としての品揃えが難しい規模で、仙台の百貨店との競争に勝つことが難しい状態となっている。
また、大沼は2013年より直営の立体駐車場や、七日町商店街駐車場など一部の提携駐車場が中心市街地の道路拡幅工事のために閉鎖されており、現在は車での来店が不便な状況となっている。そして、核店舗の集客力減・駐車場の不便さは、七日町の客足にも大きな影響を与えている。
中心部へ来街しやすくするはずの道路拡幅が、結果的に中心部から足を遠ざける結果となり、またこれを機に(道路用地に取られた、道路が広くなり徒歩回遊性が減ったなどの理由で)郊外移転する個人商店もあるなど、結果的に自動車優先政策が車も遠ざけ裏目に出る結果となり、一筋縄ではいかない状況だ。
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大沼百貨店も老朽化が進む。正念場の七日町。

セブンプラザ再開発に期待かける七日町

地盤沈下の著しい山形最大の繁華街。それだけに、セブンプラザ跡の再開発にかける期待は非常に大きいであろう。
今回、再開発が行われるセブンプラザ以外の店舗も多くは老朽化しており、再開発や道路拡張の進捗状況によっては街の姿が大きく変わることも予想され、目まぐるしく動く七日町の各店舗の状況から目が離せない。

関連記事:山形セブンプラザ、再開発で解体へ-再開発に期待かける山形市七日町(1)
外部リンク:セブンプラザ
外部リンク:アズ七日町
外部リンク:NANA BEANS(ナナビーンズ)
外部リンク:大沼

山形セブンプラザ、再開発で解体へ-再開発に期待かける七日町(1)

山形市七日町の複合商業施設「セブンプラザ」が、再開発のため解体される見通しであることがわかった。P1050052セブンプラザ。1階にはセブンイレブンが出店。

旧・丸久百貨店、築60年で老朽化

セブンプラザの建物は1956年に完成。当初は地元百貨店の「丸久」が入居していたが、松坂屋と丸久が業務提携を開始すると、丸久は1973年には移転し「丸久松坂屋」として営業を開始。丸久松坂屋は1980年に山形松坂屋に改称したのち2000年まで営業を続けた。丸久松坂屋跡は現在複合施設の「ナナビーンズ」となっている。
一方で、丸久の移転後に空きビルとなっていた建物は1974年から商業施設「セブンプラザ」として営業を開始した。
セブンプラザは5階建てで、売場面積は4,497㎡。築60年が経過し、近年は老朽化が著しかった。
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昭和レトロの雰囲気漂う4階。

東北初のファッションビルだった

東北初の本格的ファッションビルとも言われていたセブンプラザには、当初は女性向けファッションテナントが数多く入居しており、七日町商店街の中心となる商業施設であった。
しかし、再開発ビル「AZ」の開業、ニチイ山形店のビブレ転換(2000年閉店)、丸久松坂屋跡やダイエーのテナントビル化などによる中心市街地同士での客の奪い合い、そして郊外へのイオンモール(山形南、天童)の出店、仙台への消費人口の流出などが重なり、テナントの撤退が相次ぎ、「ファッションビル」としての存在感は薄れていった。
2015年にはセブンプラザの運営会社が破産し、破産後は別企業がビルを管理していた。

セブンプラザ、跡地は高層マンションに-下層階は商業施設

2014年よりセブンプラザを所有するフージャースコーポレーション(東京都)は地方の再開発事業を手掛けており、地盤沈下にあえぐ七日町商店街活性化のための再開発計画を模索していた。
地権者との協議がなされた結果、セブンプラザと、それに隣接するビルを解体、下層階に商業施設が入る高層マンションを2020年までに建設することとなった。P1050072
七日町御殿堰。
歴史的景観復活のため2010年に整備された商業施設。

現時点でセブンプラザの閉店・解体時期は未定だが、再開発マンションの施設像として隣接する商業施設「七日町御殿堰」との一体化が掲げており、歴史的な景観が特徴の七日町商店街の雰囲気に調和した施設の建設が期待される。

次の記事はこちら:店舗撤退で公共化進む山形・七日町、AZも公共化検討へ-再開発に期待かける七日町(2)

外部リンク:セブンプラザ
外部リンク:アズ七日町
外部リンク:NANA BEANS(ナナビーンズ)
外部リンク:大沼

丸井、旧・新宿店ヤング館(マルイカレン)を売却-約130億円で

大手ファッションビル「丸井」は、2016年9月末付けで旧・「丸井新宿店ヤング館」(マルイカレン新宿、丸井新宿東口ビル)を約130億円で売却する。
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丸井新宿東口ビル。

日本のファッションの発信基地だった「丸井ヤング館」

旧・丸井新宿店ヤング館(マルイカレン新宿)は1962年9月に「丸井新宿店」として開業。地上8階、地下2階、延床面積は6829㎡。
丸井新宿店の建物は、1977年に現・丸井新宿店本館が開業すると「丸井新宿店ヤング館」に業態転換。1980年代のDCブランドブーム時には、渋谷パルコや渋谷109などとともに、日本のヤングファッションの発信基地として話題を呼んだ。
※DCブランド=デザイナーズ&キャラクターズブランド。代表例としてコムデギャルソン、ニコル、コムサ、タケオキクチ、コシノヒロコなど。

しかし、2000年台に入るとデフレ化とファストファッションの台頭により売上が低下。2009年2月には「ユニクロ」を核店舗とし、「ローリーズファーム」や「ヴィレッジヴァンガード」、「サマンサベガ」などが出店する「マルイカレン」に業態転換したものの、2012年3月を以て閉店していた。なお、ユニクロは向かいの新宿三越ビル(旧・アルコット)に「ビックロ」として移転するかたちとなった。
マルイカレン閉店後のビルは丸井が専門店ビル「丸井新宿東口ビル」として引き続き運営。現在は紳士服店「ザ・スーツ・カンパニー」や、インテリア店「ケユカ」、古本店「ブックオフ」などが出店している。

テナントは当面営業継続

ビルの売却先に関しては現時点では明らかにされていない。売却により丸井グループは約120億円の特別利益を計上する。
なお、丸井新宿東口ビルに出店しているテナントについては、基本的に当面は営業を継続する方針だという。

外部リンク:マルイカレン
関連記事:バスタ新宿、売店出店者を再公募へ-ポプラ出店辞退で

関連記事:JR東日本、新宿駅に「Suicaペンギン像」を設置

大津パルコ、2017年8月31日閉店

ファッションビルのパルコは、ファッションビル「大津パルコ」(大津市)を2017年8月31日で閉館させると発表した。
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大津パルコ。

セゾンタウンの一角を担う店舗

大津パルコは1996年11月に開業。
西武大津ショッピングセンター(西武百貨店大津店を核とする)に隣接しての出店だった。建物は8階建ての本館とサテライト館からなる。売場面積は22,711㎡。 
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隣接する西武大津ショッピングセンター。

大津パルコには、もともとはパルコらしいハイファッションの店舗が多く出店していたが、「イオンモール草津」など競合ショッピングセンターの相次ぐ開業に伴い、近年はファストファッション中心にシフト。現在はユニクロ、ジーユー、しまむら、バースデイ、ABC-MART、ナフコ、タワーレコード、紀伊國屋書店、キャンドゥなどが出店。中核テナントであった無印良品が隣接する西武百貨店に移転するなど、テナントの流出も相次ぎ、パルコらしい店づくりが出来なくなってきていた。
滋賀県は西武セゾングループの創業者である堤家の出身地であり、戦前より近江鉄道をグループ企業とするなど、セゾングループが力を入れて来た地域の1つであった。

大阪の不動産会社が買収-パルコ、大都市シフト鮮明に

大津パルコの建物はパルコが所有しているが、閉店後に大阪市の不動産会社「アーク不動産」に売却される。
パルコの建物は築20年と比較的新しいため、アーク不動産では建物を建て替えずに商業施設などとして再活用したい考えだという。
パルコは、J・フロントリテイリング(大丸松坂屋百貨店)傘下となって以降、”大都市・地方中核都市シフト”が鮮明になっており、今年7月に「仙台パルコ2」、今秋に「広島ゼロゲート2」を開業させたほか、東京・上野や渋谷に新店舗を建設する一方、地方店・老朽店の整理を続けている。
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7月に開業したばかりの仙台パルコ2。

外部リンク:大津パルコ
外部リンク:大津パルコの固定資産譲渡および営業終了について
関連記事:ビエラ大津、10月1日開業-JR大津駅ビル全面リニューアル

MEGAドン・キホーテ福知山店、2016年9月22日開店-京都府北部初出店

京都府福知山市にディスカウントスーパー「MEGAドン・キホーテ福知山店」が2016年9月22日に開店する。

MEGAドン・キホーテ福知山店。

京都府北部初のドンキ、競合店少なく「箱売り」を強化

MEGAドン・キホーテ福知山店はドン・キホーテとしては京都府内5店舗目。売場面積は2,864㎡で、キャッチコピーは「生活密着型の驚安城」。建物は新築で、食料品、化粧品、ブランド品、家電製品、衣料品、玩具、バラエティグッズなどの商品をラインナップする。
ドン・キホーテは京都府北部初出店となる福知山店を「北近畿の旗艦店」と定めており、生鮮品もフルラインで販売。週末のまとめ買い需要に対応した「箱売り」の強化や、「和」をモチーフにした休憩スペースを設けることで、北近畿一円からの広域集客を狙う。

MEGAドン・キホーテ福知山店の店内。

ドンキ出店で買い物の幅広がる福知山

ドン・キホーテの進出する福知山市かしの木台地区周辺では、従来、食料品が購入できる大型スーパーが「イオン福知山店」1店舗しかなかった。
そのイオンの西側においても、2016年6月30日に旧夜久野町役場跡地活用事業で小型スーパー「さとう・ミニフレッシュ夜久野店(2016年6月30日開店)」が営業開始するまで、隣接する兵庫県朝来市まで30km近くのあいだ1店舗もスーパーが存在しなかった。

MEGAドン・キホーテの東西・北側半径10km圏内にスーパーがない。(google mapより作成)

そのため、商業施設が極めて少ないこの地へのドン・キホーテ出店は、これまで食品スーパーしかなかった福知山でのショッピングにおいて「ディスカウントストア」という新たな選択肢を生むこととなった。
一方、こうしたディスカウント業態店舗の出店は、地方商圏に対して大きな影響を与えることは間違いなく、「ディスカウントスーパー」の登場による地域商業の変化にも注目が集まる。

(ドンキホーテの画像は公式サイトより)
外部リンク:2016 年9月22日(木) 『MEGAドン・キホーテ福知山店』オープン! ~北近畿初出店 地域密着型の驚安城誕生~

プランタン銀座、2017年3月より「マロニエゲート銀座」に統合

2016年12月で閉店する銀座三丁目の百貨店「プランタン銀座」が、2017年3月から隣接する商業施設「マロニエゲート」と統合され、商号を「マロニエゲート」に、本館を「マロニエゲート銀座2」に、新館を「マロニエゲート銀座3」に改称し、新たなスタートを切る。
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プランタン銀座。本館とアネックス館の2館体制。

フランスの大手百貨店とダイエーの合弁だった

プランタン百貨店はダイエーの手により、フランスの大手百貨店「オ・プランタン」のフランチャイズ百貨店として1981年に日本上陸 (このとき開業した日本1号店「プランタン三宮」は、現在三宮OPA・ダイエー神戸三宮店となっている)。
プランタン銀座は1984年4月にプランタン百貨店の日本4号店として開店。読売新聞社が保有する「読売銀座ビル」への出店だった。売場面積は22,212㎡。
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オ・プランタン百貨店。パリを代表する百貨店の1つ。

高級百貨店からカジュアル百貨店化、そして閉店へ

2002年になると、ダイエーの経営不振によりプランタン銀座の株式が読売新聞社と三越に売却され、その後は高級服飾品中心から若い女性をターゲットとした百貨店への改装を進めた。 更に、近年は「ユニクロ」や「ニトリ」などといった大型専門店を導入することで、顧客層の拡大を図っていた。
その一方で、高級百貨店である「オ・プランタン」との経営方針の相違も生まれており、2016年末の商号使用契約の期限を以て「プランタン銀座」としては一旦閉店することを発表していた。PRIN2s
フランスの国旗が掲げられる店舗。左奥が現在のマロニエゲート。

3月より「マロニエゲート」に統合-マロニエゲート3館体制に

「プランタン銀座」は、10月より閉店セールを開始し、2016年12月31日を以て閉店。閉館後は「マロニエゲート」の一部となるべく、約30億円をかけて全面改装を行い、3月中旬ごろに「マロニエゲート2」として再開業することになる。
なお、地下2階~5階は全面閉館するが、6階以上の「ユニクロ」「ニトリ」などは営業を継続しながら改装を行なうという。
また、隣接する「プランタン銀座アネックス」は「マロニエゲート銀座3」に、現在の「マロニエゲート」は「マロニエゲート銀座1」に改称される。
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改装後の3館のイメージ(プレスリリースより)。

現在の「マロニエゲート」は2007年9月に開業。銀座マロニエ通りに立地することから命名された。地下4階、地上12階建てで、売場面積は9,126㎡。プランタン銀座と同じく読売新聞社が所有、三菱地所グループが運営している。
核テナントは東急ハンズ銀座店で、そのほかにユナイテッドアローズやレストラン街が出店している。

働く女性をターゲットに改装-食品売場は消滅

「銀座マロニエゲート」の新コンセプトは「銀座おしゃれナビGATE」。
「20歳代~40 歳代の働く女性とおしゃれママ」をメインターゲットとして、ライフスタイル提案型の店づくりを行い、銀座でありながら親しみやすい店を目指すという。
また、アパレル比率を下げるとともに、地下2階は食品売場を廃止し、「美と健康を考える女性のためのウエルネスのフロア」として全面リニューアルする。テナントとして入居している「ニトリ」も大幅に売場面積を拡大する。
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1階エントランスのイメージ(プレスリリースより)。

追記∶マロニエゲートとしてのグランドオープンは3月15日に決定した。
これを期に三越伊勢丹HDは全ての株式を手放し、三越グループから離脱する。
日本百貨店協会には加盟を継続するという。
 
外部リンク:プランタン銀座
外部リンク:プランタン銀座 新店名「マロニエゲート銀座」
外部リンク:マロニエゲート銀座2&3 店舗詳細
関連記事:高品質冷凍食品専門店「ピカール」日本上陸-イオンが展開、1号店は港区青山 

流通科学大学、ダイエー創業者・中内功氏の「手型」を福岡ドームから移設-同氏の意思引き継ぐ「ネアカ塾」で公開

ダイエー創業者・中内功氏が設立した「流通科学大学」(神戸市西区)が公開イベント「中内記念 ネアカ塾」を9月17日に開催し、今年新設された「ダイエー資料館」や、新たに福岡ドームから移設された「中内功氏の手型」が披露された。

流通科学大学(神戸市西区)。

ダイエー創業者・中内功氏が創設した「流通を科学する大学」

流通科学大学は国内初となる「流通を科学的に研究・教育する大学」として、ダイエーの創業者の故・中内功氏により1988年設立された。
当初から学内にダイエーグループ(当時)のコンビニ「ローソン」の実習店舗が設置されるなど、実践的な教育で注目を集め、中内功氏の没後も、イオン名誉会長相談役・岡田卓也氏やセブン&アイHD名誉会長・伊藤雅俊氏など流通業界を牽引する「リーダー」が理事に就任するなど、現在も流通業界に強い影響力を持っている。
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ローソン流科大実習店、一部の講義は店内で行われる。

中内氏の意思引継ぐ「ネアカ塾」、60を超える講座が開講

「ネアカ塾」は2011年から創設者・中内功氏の命日に合わせて開催されている大学開放イベント。9月17日開催された「第5回 中内記念 ネアカ塾」では、流通科学大学関係者、地元銀行・信用金庫、不動産業者、広告代理店、飲食店経営者による様々なジャンルの60講座が開講された。
今年は流科大准教授による「西神ニュータウンの将来」、神戸市による「都心・三宮の再整備について」といった地域が抱える問題を解決に導くものから、三井住友銀行による「賢い遺言の残し方と相続税」、シニア野菜ソムリエによる「知って得する野菜・果物講座」と言った生活に直結するもの、京都名物「おたべ」で知られる美十による「おたべ体験道場」、学生による「ダンス講座」「レジンクラフト教室」と言った体験重視の講座も開かれた。

ネアカ塾公式サイト。

福岡ドームから「中内功氏の手型」を移設

また、今回のネアカ塾開催に合わせて、流通科学大学内の中内功記念館に「中内功氏の手型」が新たに設置された。流科大職員の話によると、今回設置された「手型」は元々福岡ドーム(現・福岡ヤフオクドーム)に設置されており、撤去後に福岡ドームの関係者から寄贈を受けたとのこと。
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流通科学大学では中内功記念館の他にも、ダイエー元関係者からの寄贈品が中心の「ダイエー資料館」(従来あった流通資料館を改装し2016年1月に開館)」や生家を移設保存した「サカエ藥局」などがあり、日本のスーパー・流通史を学ぶのに最適な場所となっている。
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ダイエー1号店を再現。

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保存された看板類。

関連記事:流通科学大学「流通資料館」リニューアル – 中内功氏没10年で
外部リンク:流通科学大学 -“なりたい自分”を発見する。
外部リンク:学校法人 中内学園 第5回 中内記念 ネアカ塾 | ネアカな気分で楽しく学べば、アカるい未来が待っている!