カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

西友・ザ・モール周南、2018年5月から7月にかけて閉店-イズミが取得、「ゆめタウン下松」秋ごろ開店

下松市の大規模ショッピングセンター「ザ・モール周南」が5月~7月ごろに閉館し、閉館後の建物にイズミ(広島市)が「ゆめタウン下松」として出店する。
追記:西友は5月15日に閉館、専門店街は7月末ごろ閉館予定とのこと(店内掲示より)。

ザ・モール周南。

中国地方唯一の西友、同社のなかでも大型店だった

ザ・モール周南は1993年11月に日本石油の製油所跡に開業。建物は5階建てで、売場面積は30,516㎡。
核店舗は「西友」(15,223㎡)で、そのほかに「西友専門店街」、地元出資の「下松商業開発」が運営する「星プラザ専門店街」、そして公共施設の「スターピアくだまつ」、「下松市保健センター」で構成されており、全体を合わせて「下松タウンセンター」と称する。
 テナントとして無印良品、23区、ハニーズ、スズタン、明林堂、キャンドゥ、JTBなど数多くの店舗が出店するほか、日石の所有地だったことから敷地内にエネオスのガソリンスタンドも設置されている。

「下松タウンセンター」の名前も。

このほか、シネマコンプレックスの「MOVIX周南」が1999年に、別館の「ヤマダ電機」(3,293㎡)が2000年に開店。西友のなかでもかなりの規模を誇る店舗であった。
2018年現在、本館は西友が、別館はヤマダ電機が所有する。

ザ・モール周南は周南地域で最大の商業施設であり、出店後はダイエートポス徳山店、徳山サティなどが閉店するに至った。
しかしザ・モールの周辺では、近年「ゆめタウン徳山」をはじめ、トライアルやイオンタウンなどの出店が相次ぎ、競争が激化。
何より周辺に西友の店舗が全くなく(同店は中国地方で唯一の西友)、物流面の非効率さもあったと考えられる。

2016年に開店したゆめタウン徳山。

イズミに売却-「ゆめタウン下松」に

地元紙・新周南新聞によると、「ザ・モール周南」は閉館後に建物と経営権をイズミに売却する。
イズミは同店を改装し、2018年秋ごろより「ゆめタウン下松」(仮称)として営業を開始する方針。改装期間が短いため、開店後も改装を進めていくとみられる。

この改装に先駆け「スターピアくだまつ」も春から夏まで一時休館する。
また、MOVIX周南については2月13日から2月23日まで改装のため休館することを発表しており、ゆめタウン化後も現在と変わらない態勢で営業を続けるとみられる。また、ザ・モール専門店街は店舗の入替を伴う全面改装を行うが、星プラザ部分の多くの店舗はそのまま営業を継続するとみられる。

MOVIXは一足先に改装される。

(撮影:淀津昇さん)
外部リンク:ザ・モール周南(西友)
外部リンク:ザ・モール周南専門店街
外部リンク:星プラザ
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JR油津駅、2018年2月4日から愛称「カープ油津駅」に-日南市・広島東洋カープのキャンプ地

宮崎県日南市にあるJR日南線の油津駅が、2月4日から外装に「カープレッド」をあしらえた「カープ油津駅」(愛称)に生まれ変わる。

カープ油津駅。(イメージ、日南市公式サイトより/※画質補正を実施

広島キャンプ地・日南の熱い「カープ愛」

油津駅は宮崎県日南市の中心駅。付近には同市の中心商店街「油津・岩崎商店街」、百貨店「日南山形屋」、再開発ビル「ITTENほりかわ」、ショッピングセンター「サピア日南」(旧・寿屋)、そして日南市天福球場も立地する。

カープ旗がはためくサンプラージュ岩崎商店街。

天福球場はプロ野球・広島東洋カープのキャンプ地として知られる。1963年より55年間に亘ってキャンプを見守ってきた日南市民の「カープ愛」は広島人にも引けを取らず、2017年の春季キャンプでは前年25年ぶりのセ・リーグ制覇を果たしたカープの優勝パレードが商店街で開かれ、日南山形屋でも優勝セールが開催された。

岩崎商店街から天福球場へと向かうカープVロード。

真っ白だった油津駅舎、カープレッドに染まる

油津駅の「カープ化」は、日南市の有志で結成した「日本一のカープ駅をつくる会」が中心となって実行したもの。JR九州の協力のもとクラウドファンディングで塗装の資金などを募り、1月13日と14日には地元市民やファンの手によって白色だった駅舎の一部が真っ赤に塗り替えられた。
塗り納めとなる2月4日にはカープの緒方孝市監督や崎田恭平日南市長が出席する駅のお披露目セレモニーが行われる。
日南の熱すぎる「カープ愛」は、ついにキャンプ地最寄りの駅舎までも「カープレッド」に染め上げてしまった。

外部リンク:カープ油津駅お披露目セレモニー(除幕式)ご案内(日南市公式サイト)
関連記事:ITTENほりかわ、4月8日開業-日南中心部の再開発複合ビル

十字屋山形店が閉店-2018年1月31日に、「十字屋」創業から95年で歴史に幕

全国最後の十字屋デパートとなる「十字屋山形店」(山形県山形市)が2018年1月31日の何時に閉店し、十字屋山形店としては47年、十字屋創業からは95年の歴史に幕を下ろした。

十字屋山形店。

かつて全国展開した「十字屋」最後の店舗だった

十字屋は1923年に平塚市で「十字屋呉服店」として設立。のちに百貨店に進出し、1982年にダイエーと業務提携した。一時は全国展開したものの、2005年までに山形店以外の全ての店舗を閉店し、同年に同じダイエー傘下の百貨店「中合」(福島市)と経営統合された。
十字屋山形店は1971年7月に開店(それ以前は「大沼」などがある山形市七日町に小型店を出店していた)。売場面積は10,362㎡。建物は地上8階、地下1階建で、白蝶ビル株式会社が所有している。また、別棟として立体駐車場を備える。2015年の年商は約34億円。
2005年のダイエー山形店(山交ビル、現:ヤマザワなどが出店)の閉店後は山形市におけるダイエーグループの拠点的存在でもあり、2007年に全面改装された食品売場では「木曜の市」なども開催されていた。

山形駅前に立地する。左奥は山交ビル。

十字屋山形店の建物は新築から47年が経過。山形市がおこなった改正耐震改修促進法による耐震判断の公表で「震度6強以上で倒壊する危険性が高い建物」とされており、耐震補強問題から閉店を決めたものと思われる。なお、十字屋立体駐車場についても耐震性が不足しているという。

最終営業日、雪のなか多くの人が集まる

十字屋山形店では1月25日から最終セール「ご愛顧感謝ファイナルセール」を開催。最終営業日となった1月31日には朝から多くの人が来店し、レストランは15時過ぎまでの営業で完売となった。
朝は晴れていた山形市であったが、昼過ぎには雪となった。

店内では写真展も開催されていた。

閉店時刻(19時30分)を過ぎた19時40分に山川武店長の挨拶があったのち、19時42分にシャッターが下ろされた。

閉店式典。

そして20時10分には広告塔屋などが消灯され、十字屋山形店は47年の、そして十字屋は95年の歴史に幕を下ろした。

ショーウィンドウ。

先述のとおり、建物は老朽化のため耐震性が低いとされており、今後の活用方法などについては発表されていない。

閉店の影響、じわじわと

十字屋のすぐ近くにあるJR山形駅では2019年度の完成をめざして西口前の再整備事業が進んでいるが、その一方で中心部である七日町で300年以上に亘って営業している百貨店「大沼」が企業再生ファンドに譲渡されるなど、商環境は厳しさを増している。
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大沼百貨店は企業再生ファンドに譲渡される。

十字屋の閉店を受け、近隣にある山交ビル(旧ダイエー山形店)でも一部テナントが撤退を決めており(「あいのて」、「やしち屋」、「ドンドンダウン」が閉店、2階には新規テナント出店予定あり)、十字屋の跡地問題についても長期化しそうだ。

なお、学生服販売についてはイオン山形北店・山形南店の学生服コーナーが引継ぐほか、十字屋商品券はこれまで通りイオン、ダイエーの各店で利用することができる。

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高島屋東別館・ホテルシタディーン、2019年冬開業-3年間の改装を経てリニューアル

大阪市浪速区日本橋のでんでんタウン(堺筋)にある「高島屋東別館」の改装が2019年冬に完了し、核テナントとしてホテル「シタディーン」が開業する。

高島屋東別館。

旧・松坂屋大阪店、リニューアルオープンへ

高島屋東別館は松坂屋大阪店として1928年に開業。建物は地上7階地下2階建、設計は鈴木禎次。
松坂屋大阪店は開業以来、松坂屋の関西における旗艦店として40年近く営業を続けていたが、競争環境の変化に伴い、京阪天満橋駅ビルに1966年移転していた。
(松坂屋は2004年に大阪市内から完全撤退、天満橋駅ビルは現在京阪シティモールとして営業中)
高島屋は「株式会社設立50周年事業」の一環として、旧松坂屋大阪店を取得し、高島屋東別館として1970年リニューアルした。
高島屋東別館には、同社の歴史資料・美術品を展示する「高島屋史料館」や友の会サロン、事務所のほか、テナントとして結婚式場「チャペルグリーンベルなんば」カフェ「三番館」が入居していたが、2016年10月以降改装のため施設を段階的に閉鎖していた。

ホテルにリニューアル-飲食店なども出店

高島屋東別館で滞在型ホテルを運営するアスコットジャパンは、シンガポールの不動産大手「キャピタランド」の完全子会社として2002年設立。ホテル「シタディーン」は、フランス語で「都市生活者」という意味を持ち、ヨーロッパを中心として展開されている。シタディーンの出店は東京新宿(2館)、京都に続いて日本4館目となる。このほか、アスコットジャパンは長期滞在に対応した宿泊施設「サービスレジデンス」を、東京都などに展開している。
アスコットジャパンは300室以上の大型宿泊施設開設を検討しているが、改装後も松坂屋時代から残る内外装は保存される計画。ホテル館内にはジム、会議室、共同キッチン、キッズルーム、飲食店などが設けられる予定となっている。

高島屋史料館も2019年中に再開へ

高島屋は、東別館内において2016年まで営業してきた「高島屋史料館」についても2019年中に再開させる方針を示しており、シタディーンと同じく2019年冬ごろの再開が見込まれる。

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新・徳山駅ビル「蔦屋図書館」、2018年2月3日開業-「駐車場1時間無料」で活性化に期待

山口県周南市の玄関である「JR徳山駅」の新たなビルが2018年2月3日にグランドオープンする。

新たな徳山駅ビル(完成予想図、周南市HPより)。

かつての駅ビル「トークス」を建て替え

旧・徳山駅ビル(徳山民衆駅)は1969年に開業。第三セクターの商業ビル「トークス」となっており、多くの店舗が入居していたが周辺商店街の衰退などに伴い2000年に閉店。その後は一部が公共施設として使われたのち、2015年3月に全館閉館、解体されていた。
解体に先立ち、JR徳山駅の駅舎は2014年9月より橋上化されている。

旧・JR徳山駅ビル(トークス)。

中核施設「蔦屋図書館」-既存の市立図書館も存続・差別化

新たな駅ビルの延床面積は5,256㎡。
徳山駅前賑わい交流施設」と称し、核店舗として、1階から3階まで「周南市立徳山駅前図書館」が入居。運営者はTSUTAYAを運営するCCC(カルチャー・コンビニエンス・クラブ)で、いわゆる「蔦屋図書館」となる。図書館エリアの面積は2,374㎡で蔵書数は約6万冊。
なお、既存の周南市立図書館各館は営業を継続するため、蔦屋図書館はそれらとは差別化を図った内容となっており、従来の市立図書館貸し出しカードなども継続して使用することができる(新たにTカードの機能を付けることも可能)。
そのため、同じ「蔦屋図書館」であっても市立図書館の本館を蔦屋図書館化した武雄市などと比較すると図書館としての「位置づけ」は大きく異なるものとなっている。

「スタバ」も徳山初出店-駐車場は1時間無料!

駅ビルには蔦屋図書館以外にもテナントとして「蔦屋書店」(1階~2階)、「スターバックスコーヒー」(1階)が出店するほか、2階にはインフォメーションカウンター、展望デッキ、自由通路(一部は供用済み)が設置される。
スタバは周南市初出店となる。

2階イメージ、展望デッキが設置される(完成予想図、周南市HPより)。

また、大型の立体駐車場(125台・24時間営業)も併設される。駐車料金は最初の1時間無料、次の1時間200円、以降30分毎に100円と、これまでの商店街駐車場と比較して格安だ。
駐輪場(みなみ銀座入口)は無料となる。

フロア構成(周南市HPより)。

開館を記念し、2月3日には開館記念式典が開かれるほか、2月18日には防府市育ちのシンガーソングライター・山崎まさよしさんのミニライブ・トークショーが開催される。

印象づけられる駅前の「主役交代」-無料駐車場にも期待

JR徳山駅前は周辺に多くの大型店が立地し、山陽新幹線開通後は山口県内で最も賑わう商店街の1つとなっていたが、ダイエートポス、サティ、近鉄松下百貨店など周辺の大型店は郊外店との競争に加えて高額な駐車料金が倦厭され(割引サービスは最低3000円購入から)、2013年までに全て姿を消していた。
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近鉄松下百貨店跡地。
1月現在は周南市役所(建替中)の仮庁舎となっている。

蔦屋書店の開店を前に、1月31日を以て徳山駅前に本店がある地場大手書店「鳳鳴館」が100年以上の歴史に幕を下ろし一般書店としては廃業(教科書販売などのみ継続)することを決めており、駅ビルの開業は駅前の「主役交代」を印象付けるものとなった。
その一方で、空きビルのリノベーションなど活性化事業の進展、近鉄松下百貨店などに入居していたテナントの出店などにより、中心商店街のうち食品スーパーや100円ショップのある「銀南街」では近年空き店舗が減少傾向にあるという。

銀南街。

新・駅ビルの誕生は新たな集客施設となるのみならず、これまでの商店街衰退の大きな要因の1つであった「駐車料金の高さ」を払拭することになるため、地元商店街は活性化への期待を寄せる。
駅ビルの開業に合わせて、街づくり会社「まちあい徳山」は情報サイト「トクヤマップ」での情報発信をおこなうとともに、イベントの拡充、商店街駐車場サービスの充実などをおこなっていく予定だ。

徳山駅ビル

住所:〒745 -0034 周南市御幸通2丁目28番2
営業時間:
市立駅前図書館(蔦屋図書館) 9:30~22:00
蔦屋書店 9:30~22:00
スターバックスコーヒー 9:30~22:00

外部リンク:徳山駅前賑わい交流施設(周南市)
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関連記事:徳山駅前の銀南街アーケード一部撤去-駅ビル解体も始まる
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JR新潟駅、2018年4月15日より新幹線・在来線同一ホーム対面乗り換え開始-在来線高架化で

JR新潟駅の在来線の一部ホームが2018年4月15日から高架化されるのに伴い、同日より上越新幹線「とき」と特急「いなほ」の「同一ホーム対面乗り換え」が実現する。
高架化工事が進む新潟駅。

国内3例目の「新在同一ホーム対面乗り換え」

4月15日に高架化されるのは羽越本線の列車などが発着する在来線2〜5番線。
高架化に伴い在来線5番線と新幹線11番線の間に「新幹線・在来線同一ホーム」が新設され、上越新幹線「とき」と羽越本線の特急「いなほ」などの列車が対面で乗り換え可能となる。
新幹線と在来線の同一ホームによる接続は、九州新幹線新八代駅(2011年まで)、北海道新幹線新函館北斗駅の2例があるが、いずれも整備新幹線路線の一部区間暫定開通に伴う接続の利便性を測ったものであり、新潟駅のような事例は日本初である。
対面乗り換えのイメージ。

なお、2021年度には在来線1番線が高架化され、現在の地平1・8・9番線は撤去される。

刷新進む新潟駅-駅舎建て替え、広場整備も

新潟駅では、在来線高架化工事に合わせて駅周辺の整備も行われる。
2022年度には高架下の交通広場が整備予定で、現在は新潟駅万代口を発着する新潟交通BRT「萬代橋ライン」などバス路線の乗り換えがしやすくなる。
また、2023年度頃には現駅舎の建て替えや万代広場の拡張が完了予定で、万代口ではペデストリアンデッキの新設も構想されているという。
新潟駅万代口に掲げられた新広場のイメージ。

外部リンク:新幹線と在来線の同一ホーム乗り換え 2018年4月15日開業(新潟市公式サイト)
関連記事:JR東日本、東北・新潟地区に新型気動車導入へ-キハ40系など置換えか
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叡電の新型観光列車「ひえい」3月21日運行開始-700系を全面リニューアル

叡山電鉄(京都市左京区)は、新型の観光車両「ひえい」が3月21日にデビューすると発表した。

ひえい(732号車、ニュースリリースより)。

出町柳と八瀬・鞍馬を結ぶ-近年は「きらら」コラボで話題

叡山電鉄は出町柳駅(京都市左京区)から八瀬比叡山口・鞍馬への路線を運営する京阪系の鉄道会社。
沿線に観光地が多いのが特徴で、近年は観光車両「きらら」に因んで雑誌「まんがタイムきらら」とのコラボレーションを頻繁に行っており、話題を呼んでいる。

きらら(900系)。

種車は732号-以前の面影一掃する外観

「ひえい」の種車は1988年に製造されたデオ732号。732号の車番は「ひえい」にも継承されているが、種車の面影は空調や走行機器以外には殆ど無い。

732号と同系の700系電車。「ひえい」と大きく異なる外観。

「ひえい」の外観デザインはモスグリーンが基調で、比叡、鞍馬に因んで「神秘的な雰囲気」や「時空を超えたダイナミズム」を「楕円」のモチーフで大胆に表現したという。
ストライプは山霧をイメージしており、ドア付近には、「Spiritual Energy」を表現したロゴマークが掲出される。

側面デザイン(ニュースリリースより)。

また、車内はゆったりとしたバケットロングシートで、トレインビジョンも設置される。

内装デザイン(ニュースリリースより)。

運行開始日は3月21日の予定で、運行区間は叡山本線の出町柳駅-八瀬比叡山口駅間。運行日は火曜日を除く毎日(検査日など除く)、日中を中心に1時間に1~2往復する。特別料金などは必要ない。
なお、運行開始日の3月21日は冬期運休していた叡山ケーブルなどの運行再開日に当たる。

外部リンク:新しい観光用車両 「ひえい」 のデビュー日が3月21日(水・祝)に決定しました
外部リンク:叡山電車「ひえい」2018春デビュー
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JR九州、「821系」「YC1系」の概要発表-省エネ・ハイブリッドの「次世代型鉄道車両」

JR九州は、2018年に搬入予定の次世代型鉄道車両「821系」「YC1系」の概要を発表した。

省エネ型車両「821系」とハイブリッド型「YC1系」

821系近郊型交流電車は3両編成。
最新技術のフルSiCを搭載しており、消費電力は国鉄時代に製造された415系よりも約70%低減される。
第一段として2018年2月に2編成が搬入される予定。
定員は407名(座席137名)、最高速度は時速120km。

821系イメージ(ニュースリリースより)。

YC1系は2両編成。
蓄電池を搭載したハイブリッドディーゼル車両(JR九州では蓄電池搭載型ディーゼルエレクトリック車両と称する)で、YCは「やさしい」「力持ち」の略という。燃料消費量は国鉄時代に製造されたキハ66系よりも約20%低減される。
第一段として2018年6月に1編成が搬入される予定。
定員は232名(座席76名)、最高速度は時速110km。

YC1系イメージ(ニュースリリースより)。

「九州らしい」木を用いた内装-YC1はクロスシートも

両形式ともに車内は一部に木を用いた内装で、821系はロングシート、YC1系は一部にクロスシート(千鳥配置)も設け、観光需要に対応する。
ドア上にはマルチサポートビジョンも設置される。

821系の内装イメージ(ニュースリリースより)。


YC1系の内装イメージ(ニュースリリースより)。

これら2形式は、搬入後に九州内で営業運転と量産化にむけた走行試験が実施される予定で、将来的には415系、キハ66系などの老朽化した国鉄型車両が置き換えられることとなるとみられる。

先に投入されたBEC819系「DENCHA」は蓄電池車であった。

外部リンク:九州を明るく照らす次世代の車両が誕生します!!
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アトレ川崎、2018年2月17日増床グランドオープン-「東急ハンズ」など96店出店

JR川崎駅の駅ビル「アトレ川崎」が増床リニューアルし、2018年2月17日にグランドオープンする。

アトレ川崎。

川崎駅ビル、開業60年目の大型リニューアル

アトレ川崎は1958年に「駅ビルかわさき」として開店。 その後「川崎BE」となっていたが、JR東日本の駅ビルグループの名称統一に伴い、2012年10月に「アトレ川崎」の名称に変更された。
今回の増床工事はアトレの北側で行われていたもの。増床に合わせて全館のリニューアルが行われ、11月に第一弾、12月に第二弾が完了し41店が開店。さらに2月1日に6店舗が、17日に49店舗が開店し、全96店舗がグランドオープンする。増床後の店舗面積は約26,000㎡となる。

館内イメージ(ニュースリリースより)。

4階には東急ハンズも出店

エキナカでは、3階北側改札内に「成城石井」、「スターバックスコーヒー」、「RF1」などデリ・スイーツを中心に26店が出店。
また、3階改札外の中央通路に面した場所にはカフェ・レストランゾーンとして、「GOOD DAYS DINER」が設置される。
このほか4階には「東急ハンズ」(約1,700㎡)、「有隣堂」、「無印良品」などが、6階には「ABC-MART」などが出店する。

東急ハンズアトレ川崎店(ニュースリリースより)。

リニューアル記念で「ドラえもんコラボ」

アトレ川崎の各店ではリニューアルグランドオープンを記念した限定商品が販売されるほか、3月3日に公開される映画「ドラえもんのび太の宝島」とタイアップしたイベントを3月末にかけて開催する予定。
また、KADOKAWAからは3月10日にリニューアルを記念した雑誌「川崎駅ウォーカー」が発売される。

リニューアル記念限定商品の一部(ニュースリリースより)。

川崎駅東口では「さいか屋川崎店」、「丸井川崎店」が相次いで閉店しており、アトレの増床リニューアルは久々の明るいニュースとなりそうだ。

閉店したさいか屋。現在は平面駐車場。

アトレ川崎

住所 :〒210-0007 神奈川県川崎市川崎区駅前本町26-1
営業時間 :
(既存部)ショッピング/10:00~21:00 レストラン/11:00~22:30(一部ショップを除く)
(増床部)10:00~22:00(一部ショップを除く)

外部リンク:アトレ川崎 2月17日(土)エキナカを含む増床部等 グランド オープン! ~オープニングを彩る限定メニュー販売やイベントを開催~
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三菱地所、「(仮称)丸の内1-3計画」を1月15日着工-日比谷通り沿い、興銀本店跡など大型再開発

三菱地所は、丸の内の日比谷通り沿いの大型再開発事業「(仮称)丸の内1-3計画」を1月15日に着工した。

丸の内・日比谷通り沿いの大型再開発

今回の再開発事業は、「みずほ銀行前本店ビル」(旧興銀本店、1974年竣工)、「銀行会館」(1965年竣工)、「東京銀行協会ビルヂング」(1916年竣工+1993年竣工)の3棟を建て替えするもの。
2016年10月から2017年末にかけて3棟の解体が行われていた。

再開発予定地(中央)、2017年撮影。

高さ150mのタワー棟、商業施設も-延床13万㎡

本事業は三菱地所がみずほフィナンシャルグループ、全国銀行協会とともに進めるもので、3棟の跡地にはタワー棟(仮称)とアネックス棟(仮称)の2棟が新たに建設される。

再開発地域の位置図(ニュースリリースより)。

タワー棟(仮称)は、地下4階、地上29階、高さ約150mの超高層ビルとなり、みずほフィナンシャルグループ及び全国銀行協会の拠点機能が再整備される。

タワー棟(日比谷通り側、都商研撮影の写真とほぼ同位置)。
(ニュースリリースより)。

また、アネックス棟(仮称)は地下3階、地上10階建てで、商業施設やオフィスが入居する。

手前がアネックス棟、奥がタワー棟(永代通り、丸の内仲通り側)。
(ニュースリリースより)。

2棟を合わせた延床面積は180,988㎡で、非常に規模の大きなものとなる。また、両ビルの地下には駐車場が整備される。
竣工は東京オリンピック後の2020年9月末を予定しているという。

2棟の断面図(ニュースリリースより)。

名建築として知られる建物だった

かつてあった3棟のうち、「東京銀行協会ビルヂング」の下層階には三越本店、日証館などを手掛けた横河公務所(建築家・横河民輔が主導)の設計により1916年に竣工した「東京銀行集会所」(銀行倶楽部)の建物の一部が保存されており、大正時代の丸の内の面影を残す建物として広く親しまれてきたが、新ビルにはこの建物は再現されず、101年の歴史に幕を下ろすこととなった。
また、「みずほ銀行前本店ビル」はかつての「日本興業銀行本店ビル」(→みずほコーポレート銀行本店)で、建築家・村野藤吾の設計による名建築として知られていた。

日本興業銀行本店ビル・竣工時(施工主の大林組ウェブサイトより)。

外部リンク:「(仮称)丸の内1-3 計画」 着工~みずほ銀行前本店ビル・銀行会館・東京銀行協会ビル建て替え~
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